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第一章 アルバ大森林での修行編
第20話 ステラさんのご主人様 転移10日目
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剣術訓練を開始して8日目。俺がこの世界に転移してちょうど10日目の夕食後。
俺はステラさんに【鑑定】の能力を持ったこと。そしてステラさんが魔人族であることを知ったことを告げた。
この世界のことを色々教えて欲しかったからだ。
「あさひ様【鑑定】の能力を得たんですね。【創造眼】をお持ちでしたので、きっとそのスキルを獲得すると思っていました。さすがあさひ様です。そうですよ。私は魔人族です」
ステラさんの反応は俺の予想に反して意外なものだった。
「あっ、そうなんですね。【鑑定】は予想していたんですね」
「ええ、過去に【神眼】を持っていた勇者様、【魔眼】を持っていた魔王様も【鑑定】は持っていましたので。そして………私のご主人様も【魔眼】を持っていたので、【鑑定】を持っていました」
『な、なんですとーーーー!』
「ええええええ!ステラさんのご主人様も【魔眼】を持っていたんですか?」
俺もユヅキも驚く。
衝撃の事実がブッ込まれた。まじか。ステラさんのご主人様、なんか凄い方かなと思っていたけど…
まさかの【魔眼】持ちとは………
「はい、あの、この事は御内密に。私如きがご主人様のことを話してはいけないのですが、あ、あの、あさひ様なら信頼できると、私が勝手に判断しまして、あああ、なぜ私はこんな勝手な判断を。あさひ様、この事は、この事は忘れてください」
動揺するステラさん。
「わ、わかりました。わ、忘れます」
しかし、完全記憶師匠はそうさせてはくれない……
「あの、ステラさん。もし良かったら教えて欲しいのですが、ステラさんのご主人様は今どちらにいらっしゃるんですか。もし良かったら、この眼のこととか魔法とか教えていただけたらな。なんて思いまして」
沈黙するステラさん。
「………ご主人様はどこにいるのかわかりません………しかし、必ず帰ってきてくれると信じて、私はここでお待ちしています。申し訳ありません。これ以上のことはあさひ様にもお話できません」
ステラさんは深く頭を下げる。少し震えている。
そ、そうなのか。ステラさん、やはり何か複雑な事情があるのか。これ以上聞くのは良くない気がする。でもどうしても気になる事が。
「いえ、変なことを聞いてすいません。ステラさんのご主人様のことはもう聞きません。でも一つ気になることがあって………ステラさんはここでどのくらいご主人様のことを待っているのでしょうか」
また沈黙するステラさん。そして
「もう20年以上になります………」
その言葉を発して、ステラさんは大粒の涙を流す。
体がプルプル震えている。手も震え拳を握りしめている。
今まで我慢していたのが崩壊したようだ。
涙がポロポロと溢れ出す。
『20年以上………たった一人で………』
ユヅキの悲しそうな声がする。
「に、20年ですか。20年もたった一人で、この場所で………」
俺はステラさんのご主人様がどういう人か知らない。ステラさんがここまで尊敬してる人だから、きっと素晴らしい人なのかとは思うが20年って………もう戻って来ないのではないかと思った。もしかしたら死んでいるのではないか?ステラさんにそんな事は言えない。
そして、ステラさんは震える声で話を続ける。
「ご主人様は偉大で素晴らしい方です。必ず戻ってきてくださることを信じて、私はここでお待ちしていました。……あさひ様………い、いえ、なんでもありません。涙など流して、お見苦しいところをお見せして、申し訳ありません。この話はやめましょう。今日は先に寝かせていただきますね。申し訳ありません」
俺に何かを言いかけてやめたステラさん。
そう言って席を立ち寝室へ向かう。
そんなステラさんを俺は呼び止める。
「あっ、あの、ステラさん!変なことを聞いてしまってすいません。俺に、もし俺に何か力になれることがあれば言ってください。俺はステラさんの為ならなんでもします。今はまだ何の力もないですが、ステラさんの為ならどんなことでも」
ハッとした顔をするステラさん。何か言いたそうにするが何も言わずに
「あさひ様、ありがとうございます」
と涙を流したまま答え、寝室に入った。
シーンとする食堂。
そして、寝室からステラさんの啜り泣く声が漏れてくる。必死に声を抑えているようだが、声が聞こえてしまう。
『あさひ、ステラさんを救うわよ』
『ああ、もちろんだ。ユヅキと同じこと思ってた』
俺は日本で幼馴染であり恋人のあかりを失った。立ち直れないくらいショックだった。そして、塞ぎ込んだ。
大切な人がいなくなる辛さは知っているつもりだ。
ステラさんにとって、ご主人様はどんな存在なのか俺は知らない。ただの主従関係なのか。それ以上の関係なのか。ステラさんにとって大切な人という事は間違いない。
20年、20年以上一人で待ち続ける。一体どれほど寂しいんだろうか。
俺は18年しか生きていない。
それ以上の時間をステラさんはたった一人で。
この異世界に来て、俺のやる事がはじめて一つ決まった。
力を付けて、この森を出れるようになったら、ステラさんのご主人様を探そう。
ステラさんには返せない程の恩がある。
恩返しをしなくては。俺は固く決意した。
『それでいいか。ユヅキ』
『もちろんよ。今あさひと私が生きているのはステラさんのおかげよ。まずは力を付けなきゃね。本気出すわよ。あさひ』
『もちろんだ。ユヅキならきっとそう言ってくれると思った』
俺は強くなることを決意した。
その日の夜は遅くまでステラさんの泣き声が聞こえた。
俺はステラさんに【鑑定】の能力を持ったこと。そしてステラさんが魔人族であることを知ったことを告げた。
この世界のことを色々教えて欲しかったからだ。
「あさひ様【鑑定】の能力を得たんですね。【創造眼】をお持ちでしたので、きっとそのスキルを獲得すると思っていました。さすがあさひ様です。そうですよ。私は魔人族です」
ステラさんの反応は俺の予想に反して意外なものだった。
「あっ、そうなんですね。【鑑定】は予想していたんですね」
「ええ、過去に【神眼】を持っていた勇者様、【魔眼】を持っていた魔王様も【鑑定】は持っていましたので。そして………私のご主人様も【魔眼】を持っていたので、【鑑定】を持っていました」
『な、なんですとーーーー!』
「ええええええ!ステラさんのご主人様も【魔眼】を持っていたんですか?」
俺もユヅキも驚く。
衝撃の事実がブッ込まれた。まじか。ステラさんのご主人様、なんか凄い方かなと思っていたけど…
まさかの【魔眼】持ちとは………
「はい、あの、この事は御内密に。私如きがご主人様のことを話してはいけないのですが、あ、あの、あさひ様なら信頼できると、私が勝手に判断しまして、あああ、なぜ私はこんな勝手な判断を。あさひ様、この事は、この事は忘れてください」
動揺するステラさん。
「わ、わかりました。わ、忘れます」
しかし、完全記憶師匠はそうさせてはくれない……
「あの、ステラさん。もし良かったら教えて欲しいのですが、ステラさんのご主人様は今どちらにいらっしゃるんですか。もし良かったら、この眼のこととか魔法とか教えていただけたらな。なんて思いまして」
沈黙するステラさん。
「………ご主人様はどこにいるのかわかりません………しかし、必ず帰ってきてくれると信じて、私はここでお待ちしています。申し訳ありません。これ以上のことはあさひ様にもお話できません」
ステラさんは深く頭を下げる。少し震えている。
そ、そうなのか。ステラさん、やはり何か複雑な事情があるのか。これ以上聞くのは良くない気がする。でもどうしても気になる事が。
「いえ、変なことを聞いてすいません。ステラさんのご主人様のことはもう聞きません。でも一つ気になることがあって………ステラさんはここでどのくらいご主人様のことを待っているのでしょうか」
また沈黙するステラさん。そして
「もう20年以上になります………」
その言葉を発して、ステラさんは大粒の涙を流す。
体がプルプル震えている。手も震え拳を握りしめている。
今まで我慢していたのが崩壊したようだ。
涙がポロポロと溢れ出す。
『20年以上………たった一人で………』
ユヅキの悲しそうな声がする。
「に、20年ですか。20年もたった一人で、この場所で………」
俺はステラさんのご主人様がどういう人か知らない。ステラさんがここまで尊敬してる人だから、きっと素晴らしい人なのかとは思うが20年って………もう戻って来ないのではないかと思った。もしかしたら死んでいるのではないか?ステラさんにそんな事は言えない。
そして、ステラさんは震える声で話を続ける。
「ご主人様は偉大で素晴らしい方です。必ず戻ってきてくださることを信じて、私はここでお待ちしていました。……あさひ様………い、いえ、なんでもありません。涙など流して、お見苦しいところをお見せして、申し訳ありません。この話はやめましょう。今日は先に寝かせていただきますね。申し訳ありません」
俺に何かを言いかけてやめたステラさん。
そう言って席を立ち寝室へ向かう。
そんなステラさんを俺は呼び止める。
「あっ、あの、ステラさん!変なことを聞いてしまってすいません。俺に、もし俺に何か力になれることがあれば言ってください。俺はステラさんの為ならなんでもします。今はまだ何の力もないですが、ステラさんの為ならどんなことでも」
ハッとした顔をするステラさん。何か言いたそうにするが何も言わずに
「あさひ様、ありがとうございます」
と涙を流したまま答え、寝室に入った。
シーンとする食堂。
そして、寝室からステラさんの啜り泣く声が漏れてくる。必死に声を抑えているようだが、声が聞こえてしまう。
『あさひ、ステラさんを救うわよ』
『ああ、もちろんだ。ユヅキと同じこと思ってた』
俺は日本で幼馴染であり恋人のあかりを失った。立ち直れないくらいショックだった。そして、塞ぎ込んだ。
大切な人がいなくなる辛さは知っているつもりだ。
ステラさんにとって、ご主人様はどんな存在なのか俺は知らない。ただの主従関係なのか。それ以上の関係なのか。ステラさんにとって大切な人という事は間違いない。
20年、20年以上一人で待ち続ける。一体どれほど寂しいんだろうか。
俺は18年しか生きていない。
それ以上の時間をステラさんはたった一人で。
この異世界に来て、俺のやる事がはじめて一つ決まった。
力を付けて、この森を出れるようになったら、ステラさんのご主人様を探そう。
ステラさんには返せない程の恩がある。
恩返しをしなくては。俺は固く決意した。
『それでいいか。ユヅキ』
『もちろんよ。今あさひと私が生きているのはステラさんのおかげよ。まずは力を付けなきゃね。本気出すわよ。あさひ』
『もちろんだ。ユヅキならきっとそう言ってくれると思った』
俺は強くなることを決意した。
その日の夜は遅くまでステラさんの泣き声が聞こえた。
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