創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

文字の大きさ
22 / 137
第一章 アルバ大森林での修行編

第20話 ステラさんのご主人様 転移10日目

しおりを挟む
 剣術訓練を開始して8日目。俺がこの世界に転移してちょうど10日目の夕食後。

 俺はステラさんに【鑑定】の能力を持ったこと。そしてステラさんが魔人族であることを知ったことを告げた。

 この世界のことを色々教えて欲しかったからだ。 

「あさひ様【鑑定】の能力を得たんですね。【創造眼】をお持ちでしたので、きっとそのスキルを獲得すると思っていました。さすがあさひ様です。そうですよ。私は魔人族です」

 ステラさんの反応は俺の予想に反して意外なものだった。

「あっ、そうなんですね。【鑑定】は予想していたんですね」

「ええ、過去に【神眼】を持っていた勇者様、【魔眼】を持っていた魔王様も【鑑定】は持っていましたので。そして………私のご主人様も【魔眼】を持っていたので、【鑑定】を持っていました」

『な、なんですとーーーー!』

「ええええええ!ステラさんのご主人様も【魔眼】を持っていたんですか?」

 俺もユヅキも驚く。

 衝撃の事実がブッ込まれた。まじか。ステラさんのご主人様、なんか凄い方かなと思っていたけど…
 まさかの【魔眼】持ちとは………

「はい、あの、この事は御内密に。私如きがご主人様のことを話してはいけないのですが、あ、あの、あさひ様なら信頼できると、私が勝手に判断しまして、あああ、なぜ私はこんな勝手な判断を。あさひ様、この事は、この事は忘れてください」

 動揺するステラさん。

「わ、わかりました。わ、忘れます」
 しかし、完全記憶師匠はそうさせてはくれない……

「あの、ステラさん。もし良かったら教えて欲しいのですが、ステラさんのご主人様は今どちらにいらっしゃるんですか。もし良かったら、この眼のこととか魔法とか教えていただけたらな。なんて思いまして」

 沈黙するステラさん。

「………ご主人様はどこにいるのかわかりません………しかし、必ず帰ってきてくれると信じて、私はここでお待ちしています。申し訳ありません。これ以上のことはあさひ様にもお話できません」


 ステラさんは深く頭を下げる。少し震えている。


 そ、そうなのか。ステラさん、やはり何か複雑な事情があるのか。これ以上聞くのは良くない気がする。でもどうしても気になる事が。

「いえ、変なことを聞いてすいません。ステラさんのご主人様のことはもう聞きません。でも一つ気になることがあって………ステラさんはここでどのくらいご主人様のことを待っているのでしょうか」



 また沈黙するステラさん。そして



「もう20年以上になります………」



 その言葉を発して、ステラさんは大粒の涙を流す。

 体がプルプル震えている。手も震え拳を握りしめている。

 今まで我慢していたのが崩壊したようだ。

 涙がポロポロと溢れ出す。


『20年以上………たった一人で………』
 ユヅキの悲しそうな声がする。

「に、20年ですか。20年もたった一人で、この場所で………」

 俺はステラさんのご主人様がどういう人か知らない。ステラさんがここまで尊敬してる人だから、きっと素晴らしい人なのかとは思うが20年って………もう戻って来ないのではないかと思った。もしかしたら死んでいるのではないか?ステラさんにそんな事は言えない。

 そして、ステラさんは震える声で話を続ける。

「ご主人様は偉大で素晴らしい方です。必ず戻ってきてくださることを信じて、私はここでお待ちしていました。……あさひ様………い、いえ、なんでもありません。涙など流して、お見苦しいところをお見せして、申し訳ありません。この話はやめましょう。今日は先に寝かせていただきますね。申し訳ありません」

 俺に何かを言いかけてやめたステラさん。
 そう言って席を立ち寝室へ向かう。
 そんなステラさんを俺は呼び止める。

「あっ、あの、ステラさん!変なことを聞いてしまってすいません。俺に、もし俺に何か力になれることがあれば言ってください。俺はステラさんの為ならなんでもします。今はまだ何の力もないですが、ステラさんの為ならどんなことでも」

 ハッとした顔をするステラさん。何か言いたそうにするが何も言わずに

「あさひ様、ありがとうございます」

 と涙を流したまま答え、寝室に入った。


 シーンとする食堂。

 そして、寝室からステラさんの啜り泣く声が漏れてくる。必死に声を抑えているようだが、声が聞こえてしまう。


『あさひ、ステラさんを救うわよ』

『ああ、もちろんだ。ユヅキと同じこと思ってた』

 俺は日本で幼馴染であり恋人のあかりを失った。立ち直れないくらいショックだった。そして、塞ぎ込んだ。

 大切な人がいなくなる辛さは知っているつもりだ。

 ステラさんにとって、ご主人様はどんな存在なのか俺は知らない。ただの主従関係なのか。それ以上の関係なのか。ステラさんにとって大切な人という事は間違いない。

 20年、20年以上一人で待ち続ける。一体どれほど寂しいんだろうか。
 俺は18年しか生きていない。
 それ以上の時間をステラさんはたった一人で。

 この異世界に来て、俺のやる事がはじめて一つ決まった。

 力を付けて、この森を出れるようになったら、ステラさんのご主人様を探そう。

 ステラさんには返せない程の恩がある。

 恩返しをしなくては。俺は固く決意した。

『それでいいか。ユヅキ』

『もちろんよ。今あさひと私が生きているのはステラさんのおかげよ。まずは力を付けなきゃね。本気出すわよ。あさひ』

『もちろんだ。ユヅキならきっとそう言ってくれると思った』

 俺は強くなることを決意した。


 その日の夜は遅くまでステラさんの泣き声が聞こえた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

処理中です...