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第一章 アルバ大森林での修行編
第23話 闘魔術
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訓練開始9日目 午後の部
午後はいつも通り魔法の訓練だ。
ステラさんは俺の魔法に興味があるのか、毎日魔法訓練を少し見てから出掛ける。
この家の周りには魔物が来ない。以前、気になって聞いたところ、この家の周り半径500メートルぐらいに魔物除けの結界を張ってあるらしい。
森には多くの魔物がいるらしいが、なぜかこの場所は元々魔物が少なかったそうだ。
そこに目を付けたステラさんのご主人様がこの場所に家を作ったらしい。そして結界魔法でこの場所をさらに安全にしたようだ。
だけど、ステラさんは念の為、警戒して毎日見回りしているそうだ。
結界の維持には魔物の魔石を使っているとのことだ。やっぱご主人様は凄い人なんだなと思った。
ステラさんも嬉しそうにご主人様の話をしていた。
さて、俺はさっき【ルーム】で行った訓練を再現する為、大岩の方を向く。
『あさひ、見せてもらうわよ。アースボール』
闘気を全身に纏い、右手により多くのオーラを集める。そして、土魔法で土をサッカーボールほどの球状にし岩よりも硬質になっていくようにイメージする。それと同時に闘気を練り込む。
鋼鉄よりも遥かに硬くなる物をイメージして作り上げる。
そして、ブッ放す。全身の闘気の補助もあり、物凄いスピードで【アースボール】が放たれる。俺は足元をググッと踏み止まらせる。闘気の全身強化はかなり筋力が上がるようだ。
ピュンッ、一瞬で大岩に辿り着く。
バアーーーーーーン!!!
物凄い炸裂音と共に軽々と大岩を貫通して、さらに後ろの木々をも貫通、薙ぎ倒す。
な、なんちゅう威力…………
放った俺が一番ビビった…………
『ちょ、ちょ、あさひ何やってんのよっ!なんなのあれっ!反則よ反則!カメ○メ波じゃないのよ!』
ユヅキがビビってる。
ステラさんはぽかーーーーんと口を開けて、パクパクさせている。
『放った俺が一番ビビってる………』
『そ、そうみたいね』
ユヅキが呆れてるようだ。
「あ、あんなの…………なんですか今の………あんな魔法?はじめて見ました………」
ステラさんが恐る恐る質問してくる。
「あ、あのですね。さっきステラさんに教えてもらった闘気のオーラを魔法に練り込んでみました。全身の筋力もアップしてて、その、自分の想像以上の破壊力に俺も驚いています。はじめてにしては上手くいったかなーなんて。闘気と魔法の融合で闘魔術ですかね。なんちゃって。いやー、あははは」
闘魔術???パッと思い浮かんだ単語並べて、適当に言って笑って誤魔化す俺。
「闘魔術…………えっと、あの、あさひ様はとんでも無いですね。規格外です。私も長く生きて、それなりの実力のある方をたくさん見てきましたが、魔法に闘気を混ぜる。そんな発想が………いえ、発想があったとしてもそんな難易度の高いことが可能なのでしょうか………勇者様、大魔王様でもそんな事はしていませんでした…………いえ、あさひ様なら可能なのでしょう。あさひ様ですから。闘魔術…………恐らく、私はこの世界ではじめて闘魔術を見ることができた…………なんて歴史的な日なのでしょう。これは世界の革命です。ああ、魔神様。私にあさひ様を出会わせていただきありがとうございます」
ステラさんは目を輝かせながら、自分の世界に入って魔神様に祈ってしまった。魔神様?なんか物騒な単語も聞こえてきたが、気にするのはやめておこう。
そうなのか。闘気に魔法を混ぜる人はいなかったのか。
ん?
おお、なんか嬉しいぞ。俺が第一人者だ。特許だ。
これは闘魔術で異世界印税生活だ!やったぞー!これでユヅキを食わしていける。一家の大黒柱として、いつまでもニート生活は辛い。
『特許なんて制度、あると思えないわ』
ユヅキに冷静に返された。
くそ、やっぱ無いよな…………わかってるさ…………
『でもとにかく凄かったわよ。さすがあさひ。今晩は素敵な私のダーリンにご褒美上げちゃおうかしら♡』
おおおお、ユヅキのご褒美だー。ふふふ、今晩が楽しみだ。すぐに寝よう。すぐに。
の○太君より早く俺は寝れる。俺は肉体を即休ませるプロだ。待ってろユヅキ。すぐに【ルーム】に行くからな!
『ダーリン興奮しすぎよ。訓練中よ………』
あっ、そうだった。
でも思考加速先生のおかげで俺達の会話って物凄く早くて一瞬なんだよな。会話っていうか念話って感じか。今後は俺とユヅキのやり取りは念話と呼ぼう。
それとユヅキ。ダーリンってなんか古くないか?今時そんな呼び方する人いないぞ?
『ちょ、うるさいわね。言ってみたかっただけよ。むむむ、ご褒美は無しよ』
ガーーーン、俺は余計な事を言ってしまったようだ。
とにかくステラさんに返事しないとな。
「ステラさん、上手くいって良かったです。この技、魔力も体力も同時に消耗するので結構きついんですが、慣れる為にもう少し練習してみます。他の属性も上手く行くか試したいので、しばらく頑張ってみます!」
俺はステラさんに答える。
「闘気と魔法の融合。闘魔術。他の属性も試す………あさひ様ぜひ頑張ってください!私はあさひ様を応援していますので、では見回り行ってまいります♪あっ、でも火魔法はやめておいてくださいね♪火事になっちゃいますからね♪クスクスクスっ」
ルンルンスキップでもするような勢いでステラさんは行ってしまった。
『ものすごい、ご機嫌だったわね』
『あ、ああ。と、とりあえず、ステラさんが元気になって良かった。それと忠告通り火魔法はやめておこう。制御できなかったらまずいから』
その後、俺は午前できなかったので闘気と剣を使う訓練。闘気と魔法を融合する闘魔術の訓練を続けた。
闘気はHP。魔法はMPを消費するので、今日は過去最高にクタクタになった。
そして、俺は【闘魔術】のスキルを獲得した。
【ユヅキ視点】
まあしっかし、うちのダーリン。とんでもないことしだしたわね。闘魔術。
あさひは昔っから、ポンってとんでもないこと閃くのよね。私では考えつかないような事を。
私はどうも論理的に考えてしまい、常識から外れることができない。その点、あさひは常識に無いものを考えようとする。基本的には自分が楽をする為に。
あとポイントというか要点掴むのがやたら上手いのよね。テストとか誰よりも努力せずに良い点取ってたし………
私のあさひ、凄いわね。うふふ。
ユヅキはそんなあさひが誇らしかった。
しかし、このままではまずいわっ。あさひに負ける。なんとかしないと。
あっ、今も水魔法で闘魔術成功させてる。やるわね。あさひ恐るべし。
でもなー。私もあさひが使える魔法は使えるんだけど………
あんなポンポン集中してやれないのよね。なんであんなに上手にできるのかしら。
剣術は私の方が得意なんだけど…………
ユヅキは【思考加速】を駆使して考える。
あっ、良いこと思いついた。
うん、これ。これよ。これなら私もやれるハズ!
ユヅキは【ルーム】であさひに内緒で特訓を始めた。
うふふふふ。これはあさひも驚くわね。
ダーリンと師匠の驚く姿が楽しみだわ。
うふふ。
まあ、これもあさひの発想のおかげだから、今日はご褒美上げなくちゃね♪
ご機嫌なユヅキであった。
________________
◆ 読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも次が気になる。応援したいと思っていただけたら
是非、お気に入りをお願いします。
よろしくお願いします!
午後はいつも通り魔法の訓練だ。
ステラさんは俺の魔法に興味があるのか、毎日魔法訓練を少し見てから出掛ける。
この家の周りには魔物が来ない。以前、気になって聞いたところ、この家の周り半径500メートルぐらいに魔物除けの結界を張ってあるらしい。
森には多くの魔物がいるらしいが、なぜかこの場所は元々魔物が少なかったそうだ。
そこに目を付けたステラさんのご主人様がこの場所に家を作ったらしい。そして結界魔法でこの場所をさらに安全にしたようだ。
だけど、ステラさんは念の為、警戒して毎日見回りしているそうだ。
結界の維持には魔物の魔石を使っているとのことだ。やっぱご主人様は凄い人なんだなと思った。
ステラさんも嬉しそうにご主人様の話をしていた。
さて、俺はさっき【ルーム】で行った訓練を再現する為、大岩の方を向く。
『あさひ、見せてもらうわよ。アースボール』
闘気を全身に纏い、右手により多くのオーラを集める。そして、土魔法で土をサッカーボールほどの球状にし岩よりも硬質になっていくようにイメージする。それと同時に闘気を練り込む。
鋼鉄よりも遥かに硬くなる物をイメージして作り上げる。
そして、ブッ放す。全身の闘気の補助もあり、物凄いスピードで【アースボール】が放たれる。俺は足元をググッと踏み止まらせる。闘気の全身強化はかなり筋力が上がるようだ。
ピュンッ、一瞬で大岩に辿り着く。
バアーーーーーーン!!!
物凄い炸裂音と共に軽々と大岩を貫通して、さらに後ろの木々をも貫通、薙ぎ倒す。
な、なんちゅう威力…………
放った俺が一番ビビった…………
『ちょ、ちょ、あさひ何やってんのよっ!なんなのあれっ!反則よ反則!カメ○メ波じゃないのよ!』
ユヅキがビビってる。
ステラさんはぽかーーーーんと口を開けて、パクパクさせている。
『放った俺が一番ビビってる………』
『そ、そうみたいね』
ユヅキが呆れてるようだ。
「あ、あんなの…………なんですか今の………あんな魔法?はじめて見ました………」
ステラさんが恐る恐る質問してくる。
「あ、あのですね。さっきステラさんに教えてもらった闘気のオーラを魔法に練り込んでみました。全身の筋力もアップしてて、その、自分の想像以上の破壊力に俺も驚いています。はじめてにしては上手くいったかなーなんて。闘気と魔法の融合で闘魔術ですかね。なんちゃって。いやー、あははは」
闘魔術???パッと思い浮かんだ単語並べて、適当に言って笑って誤魔化す俺。
「闘魔術…………えっと、あの、あさひ様はとんでも無いですね。規格外です。私も長く生きて、それなりの実力のある方をたくさん見てきましたが、魔法に闘気を混ぜる。そんな発想が………いえ、発想があったとしてもそんな難易度の高いことが可能なのでしょうか………勇者様、大魔王様でもそんな事はしていませんでした…………いえ、あさひ様なら可能なのでしょう。あさひ様ですから。闘魔術…………恐らく、私はこの世界ではじめて闘魔術を見ることができた…………なんて歴史的な日なのでしょう。これは世界の革命です。ああ、魔神様。私にあさひ様を出会わせていただきありがとうございます」
ステラさんは目を輝かせながら、自分の世界に入って魔神様に祈ってしまった。魔神様?なんか物騒な単語も聞こえてきたが、気にするのはやめておこう。
そうなのか。闘気に魔法を混ぜる人はいなかったのか。
ん?
おお、なんか嬉しいぞ。俺が第一人者だ。特許だ。
これは闘魔術で異世界印税生活だ!やったぞー!これでユヅキを食わしていける。一家の大黒柱として、いつまでもニート生活は辛い。
『特許なんて制度、あると思えないわ』
ユヅキに冷静に返された。
くそ、やっぱ無いよな…………わかってるさ…………
『でもとにかく凄かったわよ。さすがあさひ。今晩は素敵な私のダーリンにご褒美上げちゃおうかしら♡』
おおおお、ユヅキのご褒美だー。ふふふ、今晩が楽しみだ。すぐに寝よう。すぐに。
の○太君より早く俺は寝れる。俺は肉体を即休ませるプロだ。待ってろユヅキ。すぐに【ルーム】に行くからな!
『ダーリン興奮しすぎよ。訓練中よ………』
あっ、そうだった。
でも思考加速先生のおかげで俺達の会話って物凄く早くて一瞬なんだよな。会話っていうか念話って感じか。今後は俺とユヅキのやり取りは念話と呼ぼう。
それとユヅキ。ダーリンってなんか古くないか?今時そんな呼び方する人いないぞ?
『ちょ、うるさいわね。言ってみたかっただけよ。むむむ、ご褒美は無しよ』
ガーーーン、俺は余計な事を言ってしまったようだ。
とにかくステラさんに返事しないとな。
「ステラさん、上手くいって良かったです。この技、魔力も体力も同時に消耗するので結構きついんですが、慣れる為にもう少し練習してみます。他の属性も上手く行くか試したいので、しばらく頑張ってみます!」
俺はステラさんに答える。
「闘気と魔法の融合。闘魔術。他の属性も試す………あさひ様ぜひ頑張ってください!私はあさひ様を応援していますので、では見回り行ってまいります♪あっ、でも火魔法はやめておいてくださいね♪火事になっちゃいますからね♪クスクスクスっ」
ルンルンスキップでもするような勢いでステラさんは行ってしまった。
『ものすごい、ご機嫌だったわね』
『あ、ああ。と、とりあえず、ステラさんが元気になって良かった。それと忠告通り火魔法はやめておこう。制御できなかったらまずいから』
その後、俺は午前できなかったので闘気と剣を使う訓練。闘気と魔法を融合する闘魔術の訓練を続けた。
闘気はHP。魔法はMPを消費するので、今日は過去最高にクタクタになった。
そして、俺は【闘魔術】のスキルを獲得した。
【ユヅキ視点】
まあしっかし、うちのダーリン。とんでもないことしだしたわね。闘魔術。
あさひは昔っから、ポンってとんでもないこと閃くのよね。私では考えつかないような事を。
私はどうも論理的に考えてしまい、常識から外れることができない。その点、あさひは常識に無いものを考えようとする。基本的には自分が楽をする為に。
あとポイントというか要点掴むのがやたら上手いのよね。テストとか誰よりも努力せずに良い点取ってたし………
私のあさひ、凄いわね。うふふ。
ユヅキはそんなあさひが誇らしかった。
しかし、このままではまずいわっ。あさひに負ける。なんとかしないと。
あっ、今も水魔法で闘魔術成功させてる。やるわね。あさひ恐るべし。
でもなー。私もあさひが使える魔法は使えるんだけど………
あんなポンポン集中してやれないのよね。なんであんなに上手にできるのかしら。
剣術は私の方が得意なんだけど…………
ユヅキは【思考加速】を駆使して考える。
あっ、良いこと思いついた。
うん、これ。これよ。これなら私もやれるハズ!
ユヅキは【ルーム】であさひに内緒で特訓を始めた。
うふふふふ。これはあさひも驚くわね。
ダーリンと師匠の驚く姿が楽しみだわ。
うふふ。
まあ、これもあさひの発想のおかげだから、今日はご褒美上げなくちゃね♪
ご機嫌なユヅキであった。
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