創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

文字の大きさ
46 / 137
第二章 旅立ち編

第42話 三人との合流

しおりを挟む
 イーグリア王国の第一王女ルーシー様と護衛のカレンさんは無事目を覚ました。

 事情も聞いた。まさか俺達が向かっている国の姫様が俺達を迎えに来てたとは。しかし、なぜ?その理由は王様と王女様、聖女様しか知らないらしい。

 しかもその神託は黒髪黒眼の少年も連れて来ることらしい。

 それって間違いなく俺だよね?人族の女神様はなぜ俺の事を知っているのか?まあ、女神様ならなんでもありか。しかし、大丈夫なのだろうか?俺は不安になる。

『まあ、ステラさんも王国の事詳しいみたいだし、大丈夫なんじゃない?』

 ユヅキは楽観的だ。

 とにかく姫様達はかなり衰弱していたので、今日はゆっくり休んで明日から護衛の三人を捜索しようという話になった。もし三人が生きていたらこの家に向かって来ているかもしれない。誰かが残らないと行き違いになる恐れもある。

 今後旅の人数が増えるという事でステラさんは食事のストックを増やす為にさらに多く準備している。
 時間ができた俺はこの慣れ親しんだ庭、一年間訓練をした庭に来ている。まさかこんなに早く戻ってくるとは、予想もしていなかった。
 で、俺は何の訓練をするのかというと、実は前からステラさんに言われていたことがあった。

【創造眼】は発動する時に金色に輝く。それは凄く目立つので、できるだけ隠した方が良いと言われていた。

「あさひ様の【創造眼】はとても神々しく見た目も能力も素晴らしいものです。ですが、人は自分の知らない能力を見ると畏怖したり、興味を持ったり、詮索したり、時には良からぬ事を考える者もいます。第二魔王ガイア様でさえ興味を持たれました。今後、旅をする中でたくさんの人にお会いする機会が増えますが、できるだけ隠された方が良いでしょう」

 【魔眼】を持つステラさんのご主人様、【神眼】を持つ勇者様も大量の魔力を消費する場合などは光っていたが、さほど強くない相手との戦闘や普段の生活は光らないようにしていたそうだ。

 俺も【創造眼】を使いつつ、眼が光らないよう訓練していた。だいぶできるようになったんだけど、昨日は姫様を助けるのに夢中で忘れていた。幸い見られてはいないと思うが、見られたとしてもその後すぐに気絶したので誤魔化せるだろう。今後は注意しよう。ガイア様みたいな強い人に変に興味持たれても嫌だからな。ガイア様は良い人だったけど、そうじゃない可能性もある。

 というわけで、【創造眼】が光らないように訓練中だ。今は体中に闘気を纏わせて風魔法を融合させている。俺は【マジックオーラ】と呼んでいる。普通の人が見ればただ立っているだけだ。

 と、そこへ姫様がやって来た。何か用があるのだろうか?ピンク色の髪、ツインテール、年齢は俺より少し下ぐらいだが、かなりの美少女。さすが姫様。出るところは、、、まあ、そこそこ年相応に。今は成長期なんだろう。これからの成長に更に期待だ。

『ダーリン………必ず見るわね………』
 し、仕方ないだろ。目がいっちゃうんだから。

「姫様、どうかしましたか?」

 俺は姫様に声をかけた。

「えっ、あのわたしのことはルーシーでいいわ。わたしもあさひって呼んでいいかしら?年も近そうだし」

 あれ、なんかさっきまでと雰囲気違うぞ。

「はい、ルーシー様」

「呼び捨てでいいわ。ところであさひはステラ姉様、ゴ、ゴホン。ステラ様とはどういう関係なの?」

 んん、どういう関係。どういう関係なのだろうか?俺も分からないな。どう答えよう……

 ……素直に答えるか。

「えっと、記憶を無くした俺の事をステラさんは面倒見てくれた命の恩人です」

「えっ、記憶を………?じゃあ、あなたは自分がどこの誰だかわからないの?どこの誰だかわからない人をステラ様は面倒を見ているの?」

「は、はい。まあ、そういう事になります。ステラさんには本当に感謝しています」

「そうなんだ………」

 姫様は凄く複雑な表情をしている。

「ところであさひに聞きたいことがあるのだけど、あさひは目が金色に光る?」

 うっ、やっぱり見られていたか。誤魔化そう。

「金色ですか?いえ、何のことか分からないですが、光りませんよ」

「そ、そうよね!そんな事ある訳ないわよね!やっぱりあの時私は意識が朦朧としていて………うん。うん。わかったわ。変なこと聞いてごめんなさい」

 姫様なんか妙に嬉しそうだぞ。誤魔化せたかな。
 そのまま姫様は行ってしまった。

【創造眼】の事を確認しに来たのだろうか?まあ、上手く誤魔化せたかな。

 俺も少ししてから家に戻った。
 家に戻るとステラさんが旅用の食事の準備をしていた。姫様とカレンさんもステラさんの手際の良さを見ながら驚き、手伝いをしていた。

 俺は手伝うことも無さそうなので、どうしようかと思っているとステラさんが声をかけてくれた。

「あさひ様おかえりなさいませ。お昼ご飯食べますか?」

 その時、俺の【気配感知】に反応があった。3人いる。おそらくそうだ。
 ステラさんも気が付いたようだ。

「あさひ様!」

「はい。3人いますね!おそらくルーシー様の護衛の方達かと」


「えっ!?」
「本当でしょうか!?」
 姫様とカレンさんは反応する。

「今から迎えに行ってきます!お二人も行きましょう!良いですか?ステラさん?」

 俺は2人を誘いステラさんに確認を取る。

「はい、この近さなら大丈夫でしょう。あさひ様お願いします。私は護衛の方に食事を出せるよう準備しておきますね」

「分かりました。ではルーシー様、カレンさん、行きましょう!」

「ええ。あさひ!お願い!」
「あさひ様よろしくお願いしますわ」


 俺は姫様達を連れて、ミケネさん達を迎えに行った。
 3人は驚いていたが、姫様を見て安堵した顔をした。姫様も3人をみて涙が堪えられず泣いていた。カレンさんも同様に嬉しそうだった。一度は諦めた仲間が生きていてくれて本当に嬉しかったのだろう。

 それから、3人を家に招き入れステラさんが食事を振る舞った。
 3人ともステラさんの食事にがっついていた。分かる。分かるよ。ステラさんのご飯めちゃくちゃ美味いから。

 俺は3人用に風呂を入れておいた。食事の前にクリーンもかけてあげた。
 3人はステラさんと俺にこちらが恐縮するぐらいお礼を言っていた。

 無事生きていてくれて良かった。

 3人は姫様を逃した後、ケルベロスと向かい合っていた。しかしこちらからは何もする事ができず、しばらく向き合っていたそうだ。正確にはあまりの恐怖で動けなかったらしい。その後ケルベロスは興味なさそうに去っていったようだ。
 ステラさんの言った通りだった。下手に攻撃を仕掛けたら全滅していたかもしれない。

 その後姫様を探したが見つけることが出来なかった、闇雲に探すよりもこの家を目指したそうだ。

 あそこで俺達が姫様に気付かなかったら完全にスレ違いになっていただろう。気付けたのは幸運だった。

 それから話合いをして俺とステラさん、姫様達5人で3日後にイーグリア王国に改めて旅立つ事が決まった。ここまで3ヶ月かけて来たそうだ。皆の疲労を抜いて、しっかり準備してから出発することになる。

 7人か。ステラさんと2人の時間が終わってしまった事の寂しさはある。女性6人の中に俺の居場所はあるのだろうか………

 姫様の護衛の人達はカレンさん、ミケネさん、フーカさん、サーシャさんと言う名前だ。全員かなり優秀なのだそうだ。そして全員美人。。。この世界美人多いのかな?

とにかく、3日後の出発の時に俺は7人全員を連れて、設置した魔法陣まで【テレポート】で移動しなければならない。少しでも魔力量を上げる為にレベルアップしておこう。
でもこの辺の魔物は弱いんだよなー。

『だったら、【テレポート】で魔法陣の場所まで行ってあそこでレベル上げようよ!』

ユヅキナイスアイデア!よし、ステラさんに伝えてから行こう。

ステラさんからは今のあさひ様なら大丈夫でしょう。と言われ、そのかわり危なくなったら必ず【テレポート】で私のところに帰ってきてください。と言ってくれた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...