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2巻
2-2
「さあ、俺の名は決まった。契約を始めるぞ」
カイルさんもまっすぐにホムラを見つめ返す。
「ホムラ。……俺は、カイルだ。これからよろしくな」
「あぁ! カイル、よろしく頼む!」
ヌルッと契約が完了してしまった。
怒涛の展開だったな。
ひとまずこれで一件落着か?
ホムラのペースに乗せられて、そのまま従魔契約まで結んでしまったけど、本人たちが納得しているなら私が言うことはない。
ホムラは、カイルさんたちと交流を始めたようだ。アルトさんとライくんもようやく挨拶できたようだし、もう私の役目は何もないだろう。
一息ついたら安心して眠くなってきた。
起こされたの、日が出る前だったもんな。
もうすっかり日も昇りきっている。
私は大きなあくびをして、ぽすんとミカンの毛皮に埋もれた。
……その直後、遠くの方から雄叫びのようなものが聞こえた気がした。
「うぉおおおーーー!!」
突如鳴り響く、獣の咆哮のような音に、私は肩を震わせる。
ズドドドドド、と地響きのようなものも聞こえてきた。
顔を上げた私は、その音がした方に視線を向ける。
どうやらその音は町の方から聞こえてきたもののようで、その方向から、土煙を上げて何かが向かってきているのが見えた。
「つぎはなに!?」
思わず叫んでしまったのも致し方ないことだろう。眠気も一気に吹き飛んでしまった。
正体不明の何かが、ものすごい勢いでこちらに向かってくる。
それは、恐怖以外の何ものでもない。
突然やってきたホムラのことがようやく落ち着いてきたばかりだというのに、こんな短時間で同じ恐怖を二度も味わうことになるとは思わなかった。
そろそろ、ゆっくり休ませてほしい。
今の状況で分かることは、こちらに向かってきている何かは地を走っているということ。
そして、人間に近い姿をしているということ。
薄っすらと見えるシルエットから、それだけは分かったが、その正体が何かまでは分からない。
最強の冒険者三人に神獣が二匹もついている今の私に敵うものはいないだろうが、正体の分からないものをただ待ち構えるだけというのも精神的に負担がかかる。
震えそうになる体を押さえつけて、とりあえず、すぐに逃げられるようにだけしておこう。
一番弱い私は、変に手を出さずに逃げるに限る。
だんだんと近づいてくる謎の土煙の中の影は、近づけば近づくほどにはっきりと人の姿をとっていく。
これ、本当に人だったりして……と思ったところで、再び、咆哮のような叫び声が聞こえてきた。
「お前らぁ、無事かぁーーーー!!」
その声を聞いて、私はドッと脱力する。
あまりの安心感にへたり込みそうになったが、ミカンが支えてくれたおかげで、かろうじて立っていられた。
カイルさんたちも、警戒を解いたようだ。
何も分かっていないホムラだけは、爛々と目を輝かせて臨戦態勢を取ったままだ。
ただ、私たちが警戒を解いたことが分かったのか、殺意を帯びていた気配が、なんだかワクワクしたものに変わっていた。
もうすぐそこまでやってきた土煙の正体は、私たちの目の前でズザァーッと急ブレーキをかける。
そのせいで余計に土煙が舞い上がって、視界が奪われた。
手で顔を覆い、目を守りながらそれが収まるのをしばらく待つ。
「お? なんだなんだ?」
視界が閉ざされた中、楽しそうなホムラの声だけが響く。
その姿は一切見えていないというのに、そわそわと浮足立つホムラの様子がありありと脳裏に浮かんだ。
手の隙間から土煙が収まったのを確認して、両手を下ろす。
顔を上げるとそこには、目をまんまるにして見つめ合うホムラとダン爺の姿があった。
「……なんだこのでっけぇ鳥は!」
少年のように目を輝かせて、ホムラの周囲をぐるぐる回り、観察を始めるダン爺。
そのダン爺を目で追い、自らもその場でぐるぐる回り出すホムラ。
二人してぐるぐる回る姿は、なんだか滑稽だった。
少しして満足したのか、二人はピタリと立ち止まる。
そして、二人してグルンとカイルさんに視線を向けた。
「「カイル! なんだコイツは!」」
怒鳴りつけるような大声で、しかし楽しそうな、嬉しそうな声色で叫ぶ二人は息ぴったりだ。
二人の叫び声を真正面から受けたカイルさんは、顔をしかめ、耳を手で覆いながらもその質問に答える。
「こっちはダングルフ。この町のギルマス……あぁ~、そこそこ偉いやつだ」
ギルマスという言葉にキョトン顔のホムラを見て言い直したはいいが、かなり大雑把な説明である。
まぁ、偉い人なのは間違いないんだけど……ダン爺はそれでいいの?
「こっちはホムラ。火の神獣で、ついさっき俺と従魔契約を結んだ」
そのままホムラの紹介を始めるカイルさん。
こっちも大雑把な説明だ。……まぁ、他に言うこともないか?
ダン爺とホムラは互いに手を取り合って――手と翼を取り合って? 握手していた。
ダン爺は、ホムラが神獣と聞いても変わらぬ態度だ。
ミカンの時もそうだったけど、この大きな姿のホムラを見ても変わらないとは……。
ダン爺は間違いなく大物である。
「それにしても、でかいなぁ……」
何を思ったのか、突然ダン爺が私に視線を向けてきた。
明らかに私とホムラを見比べているその様子に、若干イラッとする。
あの様子だと、ホムラは私何人分か、とか考えていそうだ。
どうせ私は小さいですよっ!
ふと、私から視線を外して、私の上の方に視線を向けたダン爺が固まった。
突然様子が変わったことに、私も困惑する。
ダン爺の視線を追うとそこには、ぼんやりと遠くを見つめるミカンがいた。
ミカンはふわっと尻尾を揺らしてダン爺にチラリと視線を送る。
呆然としたダン爺の姿を見てコテンと首を傾げたミカンは、パチクリと目を瞬いて口を開いた。
「そういえば、この姿でお会いするのは初めてでしたわね。ミカンですわ」
ああ、そういうことか。
小さな姿のミカンしか知らないダン爺にとって、この元の姿のミカンは誰か分からなかったのだろう。
それも、ホムラと変わらない大きさなうえ、私の真後ろにいたのに、今まで一切気がつかなかったのだ。
何気にミカンは、気配を消すのがうまいらしい。知らなかった。
ダン爺は驚いた表情のまま固まってしまった。
ここまで動揺しているダン爺はめったに見られるものではない。
ダン爺はいつも堂々としていて、何が起きても冷静でいられる精神力を持っている。
おそらく、ギルマスという「冒険者を束ねる立場にいる」というのもあるだろう。
トップが動揺した姿を見せれば、その下につく者まで不安が広がる。
だから、ダン爺のこんな姿を見られるのは、レア中のレアなのだ。
驚きの表情のまま、視線をほんの少し下に下げたダン爺は、ようやく口を開いた。
「お、お前、その首輪どうなってるんだっ!?」
――辺りは静まり返る。
誰もが冷めた視線でダン爺を見つめていた。
「い、いや、気になるだろ!?」
確かに、大きな姿のミカンの首にも、デザインはそのままの首輪が違和感なくはまっている。
ミカンの大きさに比例するように首輪の大きさも変わっていたらしいが、あまりに馴染みすぎて特に気にならなかった。
正直、ミカンが自分の大きさを変えられることを知っている私からすれば、首輪の大きさを変えるのも簡単なのだろうとしか思わないが……。
ただ、少し気になるのは、大きくなった首輪は、そこについていた宝石もそのまま大きくなっているのだ。
小粒の宝石がキラキラ輝いて可愛らしい首輪は、大粒の宝石がゴージャスな美しい首輪に様変わりしていた。
あれ、売ったらいくらになるんだろう?
考えるだけで恐ろしい……。
密かに身震いする私を横目に、ミカンはポンッと一回転して小さな姿に戻った。
さっきまでダン爺を見下ろす位置にいたミカンは、今は首をほぼ真上に向けてダン爺を見上げている。
「このくらい、造作もないことですわ」
ツンとおすまし顔で行儀良く座るミカン。可愛い……。
ダン爺は「ほほぉ」と目を見開いて感心していた。
「……な、なんだそのちんまい姿は!!」
辺りに響き渡った叫び声は、ホムラのものだ。
さっき出会ったばかりのホムラは当然、大きな姿のミカンしか知らない。
歴代の土の神獣たちはみんなミカンに似た姿だったのだろうか。
この小さな姿に変わってしまうのは、やっぱり神獣の中でも珍しいことらしい。
「元の姿のままだと人間社会に溶け込めませんからね。あなたもチナたちに迷惑をかけないよう、小さく目立たぬようにするのをおすすめしますわ」
なるほど、と頷いたホムラは、次の瞬間には姿を消していた。
キョロキョロと辺りを見回してみても、ホムラの姿はどこにも見えない。
成人男性より大きなホムラが一瞬にしてどこに消えたのか。
空を見ても、影すら見えないことに困惑する。
「おーい、姫様。ここだぞ」
笑いを含んだホムラの声が、驚くことに近いところから聞こえてくる。
声がする方――私の足元に視線を下げるとそこには、雀ほどの大きさのまんまるの赤い小鳥の姿があった。
私の手のひらに収まりそうなほどの小さなその姿に、私はすぐに手を差し出す。
ぴょんと飛び跳ねて私の手のひらに収まったホムラは、心なしかドヤ顔をしているように見えた。
「俺様にかかれば、ここまで小さくなることもできるのだぞ。どうだ、姫様。この姿は気に入ったか?」
流し目でこちらを見ながらキザなポーズを取るホムラ。
本人としてはかっこつけているつもりだろうが、正直可愛いしかない。
「うん、すごい! これでいつでもいっしょにいられるね!」
フフンと鼻を鳴らしたホムラは、パタパタと翼をはためかせて飛び上がった。
ホムラの向かった先は、カイルさんの頭の上。
ちょこんとそこに収まったホムラは、ツンツンと小さなくちばしでカイルさんの髪をついばみ出した。
「うむ。今日からここが俺様の定位置だ」
満足げな顔のホムラ。
さっきのツンツンは巣作りをしていたらしい。
若干カイルさんの頭がもさっとしている。
真っ赤な小鳥を頭上に住まわせる、嫌そうな顔をしたカイルさん。
その間抜けな姿をクスクス笑っていると、キッとカイルさんに睨まれた。
私は慌てて視線を逸らし、知らんぷりをする。
そして、逸らした視線の先にいたのは、後ろを向いて肩をプルプルと震わせているアルトさんとライくん。
ライくんがあんなに笑うなんて珍しい、と目を丸くしていると、二人の頭にカイルさんのげんこつが落ちた。
ゴツンといい音がして、二人は頭を抱えてしゃがみ込む。
あれはかなり痛そうだ。
私にまで落ちてこなくて良かった……。
はぁーっとため息をついたカイルさんは、疲れた目でダン爺の方に視線を移した。
「で、ダングルフは結局、何しに来たんだ?」
そういえば、ダン爺は何かを叫びながらすごい勢いでやってきたんだった。
あの時の様子からして、何かあったのかと思ったが、大丈夫だったのだろうか?
ホムラを視界に入れた途端、完全に興味がそっちに移ってたからな。
ハッとしたダン爺は、ホムラを見つめて一人頷く。
「ああ、そうだった。冒険者の連中から、何かでかいものがこっちに向かってきてるって連絡を貰ってな。外に出てみればちょうど、そのでかいものがこの辺りに落ちてきたように見えたから、急いで様子を見に来たんだ。……あれは、ホムラだったんだな」
ホムラの姿が見えてから、ここに降り立つまでの時間はそれほど長くなかったように思う。その上、夜も明けたばかりの早朝だったのだ。
他にホムラの姿を見ていた人がいたなんて、考えてもいなかった。
カイルさんたちですら、何が向かってきているのか分からなくて警戒していたのだから、一般の冒険者が急いでダン爺に連絡するのも当然のことだろう。
それで心配して、急いで来てくれたのか。
ダン爺の興味があっさりホムラに移ったのも、私たちの無事を確認したからだったのだろう。
「その連絡をくれたやつらには、町に混乱を起こさないように、黙っとけと言っておいたから大丈夫だ。帰ったら……まあ、特に問題はなかったとは報告するさ。王城関連だとでも匂わせておけば追及されることもねぇだろ」
そんな適当でいいのかと少し心配は残るが、ホムラのことが広まる心配はなさそうだ。ここはダン爺に任せておこう。
「それにしても、ホムラも従魔になったのなら、従魔登録をしなければな」
そう言いながら、スッと私を抱き上げるダン爺。
いつもの調子に戻ってきたようで、何よりです。
ガッシリした安定感のある腕に支えられた私は、そのままダン爺に身を預ける。
「鳥型の従魔には足環をつけてもらうんだが、このサイズの足環、あったかなぁ……」
鳥型の従魔といえば、フクロウや鷹のような姿のものが一般的である。
従魔とは、いわば、ともに戦う仲間。相棒だ。
人とともに戦う力など持たないであろう小鳥が従魔になることなど、ほぼない。
そして、今は雀ほどの大きさしかないホムラ。
脚ももちろん、小枝のようにほっそりとしている。
このサイズに合う足環はもちろん、元の姿の大きすぎるサイズの足環もないだろう。
どうするんだろう……。特注……?
ダン爺の温もりに包まれている私は、ぼんやりしながらそんなことを考えていた。
気づけば眠っていたようで、いつの間にかふかふかの布団に包まれている。
窓から覗く太陽は、もう真上にまで昇っていた。
「おう、起きたか、チナ」
「うん。おはよう」
目をこすりながらリビングを覗けば、そこにはダン爺以外のみんなが集まっていた。
ダン爺はすでに町に帰り、みんなはあのまま、起きていたらしい。
パタパタと目の前に飛んできたホムラに両手を差し出すと、そのまま手の中にすっぽり収まる。
ふわふわの羽毛を堪能していると、ホムラがそわそわしながら、こちらをチラチラ見ていることに気がつく。
なんだ? と首を傾げると、その脚に、小さな小さな足環がついているのが目に入った。
「あれ、もうじゅうまとうろくしたんだ。ホムラにあうあしわ、あったんだねぇ」
これに気づいてほしかったのか。
ホムラにも可愛いところがあるらしい。
「これは俺様が自分のサイズに合うように大きさを変えただけだぞ。それよりも、どうだ? このデザイン」
なるほど。
ミカンが自分の体に合うように首輪の大きさを変えていたように、ホムラもそうしたのか。その手があったことを忘れていた。
ホムラが差し出した脚をじっくり見ると、足環には繊細な美しい模様が入っているのが見えた。
「うわぁ! きれいでかっこいい!」
「そうだろ! これは俺様がデザインして、自分で彫ったんだぞ! 元のはすげぇダサかったからな!」
ホムラが気づいてほしかったのはこれだったらしい。
渾身のドヤ顔で、翼をパタパタさせている。
生き生きとしたちっちゃいホムラに癒やされる。
それにしても、ホムラにこんなセンスがあるとは。
ミカンも速攻で可愛い首輪に変えてたし、神獣って、意外とオシャレ好きなのかな?
「チナちゃん、おなかすいてない? 軽く作ったのあるけど、食べる?」
ホムラとほのぼのしているところにアルトさんの声がかかった。
その言葉を聞いた途端、自分のおなかがペコペコなことに気づく。
朝ごはん逃したしね。
「たべる!」
そう返事するのと同時に、私のおなかが「ぐぅ」と鳴る音が響き渡った。
◇◇◇
ホムラがやってきて数日が経った。
今日は、ここ数日で分かったホムラの一日の過ごし方を紹介しようと思う。
ホムラの朝は早い。
日が昇るのと同時に目を覚まし、そのまま朝の散歩へ行く。
ホムラはかなり寝起きがいいらしく、朝からうるさいくらいに元気がいい。
ホムラがやってきて最初の数日は、私もホムラと同じ時間に起こされていた。
何故なら、ホムラが外へ出るには誰かが窓を開けてあげないといけないから。
その役目は必然的に、一緒に寝ている私のものとなる。
しかし、さすがに毎日こんな時間に起こされてはかなわない。
ということで私は、ホムラ専用の出入り口を作ることにした。
ここで、実はあまり使うことのない創造魔法の出番だ。
私が考えたのは、軽く押せば簡単に開くようなペット専用の出入り口。
それを天井近くの壁に作ることにした。
出入りするのは小さい姿のホムラなので大きさはそんなにいらない。
思いきって十センチ四方の穴を開けてしまい、そこにホムラでも簡単に押せるほど軽い板をつける。
上部だけ蝶番のようなものをつけ、内側にも外側にも開くようになっている。
ついでに、創造魔法で防虫加工をして完成だ。
これを私の部屋、カイルさんたちの部屋、リビングにも作った。
私の部屋からしか出入りできないのは不便だろうからね。
ホムラはこの専用扉を気に入ってくれたようで、毎日楽しそうに飛び回っている。
朝の散歩を終え、帰ってくるのはちょうど私たちの朝食の時間だ。
いつも不気味なほどぴったり、食事の準備が終わった頃に帰ってくる。
一度、何故そんなにちょうどいい時に帰ってこられるのか聞いたことがある。
その時ホムラは、お得意のドヤ顔で「勘だ!」と言い放った。
さすがの私も、これには何も言えなかった……。
ホムラはいつも、私たちと同じものを食べたがる。
ただ、体が小さいのでそんなに量は食べられない。
そんなホムラのために、ライくんがホムラ専用の食器を作ってくれたのだ。
ミニチュアサイズの可愛い食器をあっという間に作り上げてしまうライくんの手腕には、惚れ惚れする。
そんな小さな食器に料理を盛るのは難しいが、慎重に乗せていくのがバランスゲームをしているようで、実は楽しかったりする。
今のところホムラは好き嫌いもないようで、毎日大げさなほどに喜んで食べてくれる。
作っている側としてはこれ以上に嬉しいことはない。
一心不乱についばむせいで、くちばしの周りを盛大に汚してしまうのは、まあしょうがない。
ホムラの満足そうな顔を見られるだけで、私は十分だ。
口元を拭ってあげれば、ホムラはそのままカイルさんの頭の上へと飛び乗る。
軽く髪を整えて居心地の良い場所を作れば、そこで一休みの時間だ。
これにはカイルさんもずいぶんと慣れたらしい。
最初は居心地が悪そうに、何をするにしても頭の上のホムラに気を遣っていたが、今ではホムラなんていないものとして扱っている。
うがいをするために頭を上げ下げするのも、ドカッとソファに横になるのも、まるで自然体だ。
どうやっているのか、その間もホムラは微動だにしない。
おそらく何か魔法を使っているのだろう。
そんなことができるのなら、自分で窓を開けるのくらいできそうな気もするが……まあいいだろう。
みんなで食休みをした後は、私の鍛錬の時間だ。
これは毎日ローテーションでカイルさんたちが一人ずつ指導についてくれる。
この鍛錬の時間は基本、ローテーションが一周回れば一日休みといった感じで行っているが、たまに二人や三人ともがついてくれることもあるし、私が自主的に鍛錬していることもあるので、しっかりと決まっているわけではない。
この時のホムラは、基本カイルさんについていることが多い。
カイルさんが指導につけば、ホムラは空を飛びながらそれを眺めている。
気まぐれに私の相手をしてくれることもある。小さくても神獣なので、私の攻撃なんて当たったとしてもどうってことないそうだ。
ホムラは小さい的となり、私の周りを飛び回る。
小さくてすばしっこい彼に攻撃を命中させるのは至難の技だ。未だに一度も当てられたことがないのが悔しい。
カイルさんは時々、一人でフラッと出かけることもある。その時ホムラは、カイルさんについていく。
もちろん、カイルさんがぐーたらする日は、ホムラも部屋でのんびりしているのだ。
昼食は朝食時と同じように私たちと同じものを食べる。
この時ばかりはカイルさんが外に出ていてもホムラだけは帰ってくるのだ。
どれだけ家庭料理に飢えているのだろうか。たまにはカイルさんと一緒に外食でもしてくればいいのに。
まあ、求められること自体は嬉しいので文句があるわけではないのだが。
その後は食休みの時間だ。
カイルさんがいればもちろん頭の上に。カイルさんがいなければホムラ専用のカゴの中に。
ホムラのカゴは、これまたライくんが作ってくれた。中にはふわふわの綿が敷き詰められている。
これは、最初の頃、ホムラが頭の上にいることが気になってしょうがなかったカイルさんの要望でできたものだ。
結局、このカゴはカイルさんがいない時しか使われていないのだけど、こうやってたまには活用されているのでリビングに設置されるようになったのだ。
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