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12月4日 実験
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単刀直入に言うと、実験内容は炎色反応の実験だった。授業中にも扱った内容だが、それよりも数倍細かい色を表現した。定番のカリウムやバリウムから炎の色を観察し、いつの間にか閉められていたカーテンのおかげで、はっきりと炎の色が見えた。黄、緑、紅に紫、さまざまな色が目の前で揺らめく。風で炎が消えないように隙間ぐらいしか窓を開けていなかったので、酸欠になることも考慮してすぐに実験は終了した。
「窓全開にしろー、酸欠で倒れられても困る」
科学部の部員は、各々返事をして黒板を挟んで両サイドにある窓を全開にした。実験器具が大量に置かれた収納の目の前は流石に開けなかったようだが、一瞬にして風通しが良くなった。12月上旬の冷たい風が、私の肌をなぞっていく。青海川先生は唯一目の前に収納のない窓に寄りかかり、ぼんやりと外を見ていた。
「今年の2年は体調悪いやつが多いんだよな」
「そうなんですか?」
「あー…、蝶野みたいに元々体が弱いやつだけじゃなくて精神が体調に直結してる、みたいなやつが多いんだ…」
心当たりは、3、4人。私は苦笑いをして曖昧に頷くしかなかった。
「高校生は多感な時期だし、そうなるのは仕方ないんだけどな…それにしたって、あいつらはもうちょっと落ち着いてくれないかねぇ…」
あいつら、という言葉に反応して下を覗いてみると、そこには竜夜くんと霙が言い争いをしていた。なるほど、霙を見たから体調の話が出たのだろうか。青海川先生は、霙が休み時間にいなくなる理由を知っているのだろうか。あまり人に知られたがっていなかったように思えたが。
「…まぁ、あいつらはあいつらで、成長してるんだろうなぁ」
遠い目をして、青海川先生は呟く。年齢はそんなにいっていなかったはずだが、3、40代を通り越した渋さがあった。人生を達観したような物言いと、ものぐさな性格が若さを感じさせない。そんな先生だった。
「先生ー、実験に使った粉って、水道で洗い流して良いんですかー?」
「良いぞー」
潮賀くんの声に引っ張られて、私は慌てて片付けを手伝う。先生の行動に気を取られていた。潮賀くんは「ありがとうございます」と笑って、どう片付ければ良いのかを教えてくれた。実験器具を洗うときでさえわくわくしているような潮賀くん。こんなに楽しそうに部活をやってること、私は始めて知った。
私達は日々成長する。それは本人には無自覚でも、他者から見たら顕著な人だっている。
私は、成長出来ているのだろうか。
「窓全開にしろー、酸欠で倒れられても困る」
科学部の部員は、各々返事をして黒板を挟んで両サイドにある窓を全開にした。実験器具が大量に置かれた収納の目の前は流石に開けなかったようだが、一瞬にして風通しが良くなった。12月上旬の冷たい風が、私の肌をなぞっていく。青海川先生は唯一目の前に収納のない窓に寄りかかり、ぼんやりと外を見ていた。
「今年の2年は体調悪いやつが多いんだよな」
「そうなんですか?」
「あー…、蝶野みたいに元々体が弱いやつだけじゃなくて精神が体調に直結してる、みたいなやつが多いんだ…」
心当たりは、3、4人。私は苦笑いをして曖昧に頷くしかなかった。
「高校生は多感な時期だし、そうなるのは仕方ないんだけどな…それにしたって、あいつらはもうちょっと落ち着いてくれないかねぇ…」
あいつら、という言葉に反応して下を覗いてみると、そこには竜夜くんと霙が言い争いをしていた。なるほど、霙を見たから体調の話が出たのだろうか。青海川先生は、霙が休み時間にいなくなる理由を知っているのだろうか。あまり人に知られたがっていなかったように思えたが。
「…まぁ、あいつらはあいつらで、成長してるんだろうなぁ」
遠い目をして、青海川先生は呟く。年齢はそんなにいっていなかったはずだが、3、40代を通り越した渋さがあった。人生を達観したような物言いと、ものぐさな性格が若さを感じさせない。そんな先生だった。
「先生ー、実験に使った粉って、水道で洗い流して良いんですかー?」
「良いぞー」
潮賀くんの声に引っ張られて、私は慌てて片付けを手伝う。先生の行動に気を取られていた。潮賀くんは「ありがとうございます」と笑って、どう片付ければ良いのかを教えてくれた。実験器具を洗うときでさえわくわくしているような潮賀くん。こんなに楽しそうに部活をやってること、私は始めて知った。
私達は日々成長する。それは本人には無自覚でも、他者から見たら顕著な人だっている。
私は、成長出来ているのだろうか。
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