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12月24日 逃避、葛藤のち光
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五十嵐くんは目を逸らし、口を開いては何も言わずに閉じるのを繰り返していた。菜古ちゃんはその間もずっと五十嵐くんを見つめ、辛抱強く待っている。やがて、やっと五十嵐くんの声が聞こえた。
「僕はもう、人を好きにならない」
キン、と冷えた空気によく響いた。菜古ちゃんはキッと目を細めて、五十嵐くんから目を逸らさない。
「それは、私の告白を断るということでいいですか」
「…うん、そうなるね」
「なら、はっきり言ってください」
菜古ちゃんの言葉に、五十嵐くんは戸惑う。首を傾げて顔を上げた。
「付き合えないって、ちゃんと言ってください」
「そ、それは…」
「言えないんですか?傷付けるから?それとも」
菜古ちゃんは一呼吸置いて、真剣な表情を向ける。
「はっきり断って、自分から離れていくのが怖いから?」
五十嵐くんが息を飲む音がした。構わずに菜古ちゃんは続ける。
「遠回しにやんわりと伝えるのは優しさじゃありません。いっそはっきりしてくれた方が楽になれる。でもそうしないのは、拒絶したことで拒絶され返すことが怖いからですよね。進むのが怖いからですよね!」
「やめて!」
捲し立てる菜古ちゃんに、五十嵐くんは顔を覆い手を向けることで制止を促した。菜古ちゃんは口をつぐみ、五十嵐くんの言葉を待っている。
「だって、もう、いっそ好きにならなければ、誰からの好意も期待しなければ苦しまなくて済む。先に言えば良かったって、後悔しなくて済む」
でも、それでも。
好きだって言われたら期待してしまう。
この子ならって、思ってしまう。
五十嵐くんの心が伝わってくる。雨がノイズのように強く降り注いでいて、でも言葉ははっきりと聞こえた。
「桐竜さんからすぐ変わったように、またすぐ変わるよ。だからボクのことなんてさっさと忘れて、早く次のこ…い、に…」
パァンッと、音が弾けた。五十嵐くんは赤くなった頬を押さえて、呆然としている。平手打ちを放った菜古ちゃんは、目を吊り上げて五十嵐くんの制服に掴みかかる。
「私の心を勝手に決めないでください!!」
菜古ちゃんの瞳に宿る、強い光。恋する乙女は強くなる。その光は、熱は、時に雨をも焦がす太陽へと変わる。
「私は今の話をしてるんです!もしもの未来なんて、今から変えていけばいい!私が離れないように努力してくださいよ。私だって五十嵐先輩を振り向かせる努力しますから。だから、私の気持ちを否定するようなこと、言わないで…」
菜古ちゃんは五十嵐くんに寄り掛かって、ポロポロと涙を溢した。五十嵐くんは戸惑いながら、菜古ちゃんに触れるかどうか手を空で彷徨わせる。やがて決心したように菜古ちゃんの頭に手を置いた。
"晴れ"の気配がする。
「僕はもう、人を好きにならない」
キン、と冷えた空気によく響いた。菜古ちゃんはキッと目を細めて、五十嵐くんから目を逸らさない。
「それは、私の告白を断るということでいいですか」
「…うん、そうなるね」
「なら、はっきり言ってください」
菜古ちゃんの言葉に、五十嵐くんは戸惑う。首を傾げて顔を上げた。
「付き合えないって、ちゃんと言ってください」
「そ、それは…」
「言えないんですか?傷付けるから?それとも」
菜古ちゃんは一呼吸置いて、真剣な表情を向ける。
「はっきり断って、自分から離れていくのが怖いから?」
五十嵐くんが息を飲む音がした。構わずに菜古ちゃんは続ける。
「遠回しにやんわりと伝えるのは優しさじゃありません。いっそはっきりしてくれた方が楽になれる。でもそうしないのは、拒絶したことで拒絶され返すことが怖いからですよね。進むのが怖いからですよね!」
「やめて!」
捲し立てる菜古ちゃんに、五十嵐くんは顔を覆い手を向けることで制止を促した。菜古ちゃんは口をつぐみ、五十嵐くんの言葉を待っている。
「だって、もう、いっそ好きにならなければ、誰からの好意も期待しなければ苦しまなくて済む。先に言えば良かったって、後悔しなくて済む」
でも、それでも。
好きだって言われたら期待してしまう。
この子ならって、思ってしまう。
五十嵐くんの心が伝わってくる。雨がノイズのように強く降り注いでいて、でも言葉ははっきりと聞こえた。
「桐竜さんからすぐ変わったように、またすぐ変わるよ。だからボクのことなんてさっさと忘れて、早く次のこ…い、に…」
パァンッと、音が弾けた。五十嵐くんは赤くなった頬を押さえて、呆然としている。平手打ちを放った菜古ちゃんは、目を吊り上げて五十嵐くんの制服に掴みかかる。
「私の心を勝手に決めないでください!!」
菜古ちゃんの瞳に宿る、強い光。恋する乙女は強くなる。その光は、熱は、時に雨をも焦がす太陽へと変わる。
「私は今の話をしてるんです!もしもの未来なんて、今から変えていけばいい!私が離れないように努力してくださいよ。私だって五十嵐先輩を振り向かせる努力しますから。だから、私の気持ちを否定するようなこと、言わないで…」
菜古ちゃんは五十嵐くんに寄り掛かって、ポロポロと涙を溢した。五十嵐くんは戸惑いながら、菜古ちゃんに触れるかどうか手を空で彷徨わせる。やがて決心したように菜古ちゃんの頭に手を置いた。
"晴れ"の気配がする。
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