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8月9日 光輝駅
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「おはよう」
「おはよ~」
光輝駅前の時計がついた柱の前、大きなバッグを抱えながら挨拶をする。隣には羅樹。目の前には利羽ちゃんと紗奈。林くんと潮賀くんが来ていた。
「おはよう。皆早いわね」
「おはようございます。楽しみですね」
利羽ちゃんが嬉しそうに笑う。潮賀くんも笑顔で挨拶をしてくれた。和やかな空気が場を包む。時間がゆっくりと過ぎていくような気がした。
「おはよう」
「おはようございます」
「おっす」
北原くん、眞里阿、香くんが来た。短く挨拶をすると、奥から走ってくる人影。
「うぉぉおおおおはよぉおお!!」
息を切らしながら走って来たのは梶栗くんだった。
「あ、あれ…?まだセーフ?」
「セーフだよー」
「全然間に合ってますわ」
良かったぁ、とその場にしゃがみ込む梶栗くん。落ち着こうと息を整えている梶栗くんの背中を、笑いながら紗奈がさする。さっきまでの和やかな雰囲気は何処へやら、賑やかになってきた。
「あ、もう皆集まってる!」
「そう、だね」
亜美と夏川さんも合流した。
「おはよう、宜しく」
「はよぉっす!宜しくっす!」
「おはよう。楽しみだなぁ…」
明と鹿宮くん、深沙が来た。
あとは誰が来るのだろう、と考えているとまた人影が。結構な人数が集まっているようだ。
「おはよー、今日は宜しくね」
「…よろ、しく」
由芽と青海川くん。
「あと1人ね。きっとそろそろ来るわ」
楽しそうな利羽ちゃん。利羽ちゃんの予想通り、人影に押されながら、それでも走って来る人影が見えた。
「お、おおお、おはよう!!み、皆早いな!」
「小野くんが遅いんだよー」
「え、だってまだ集合時間の前…」
「集合時間は9時よー?誰かしら小野くんに9時20分って教えたのは」
にこにこと楽しそうに利羽ちゃんが言う。小野くんがバッと由芽の方を向くと、由芽は柱にもたれかかりながら口を開いた。
「海斗は集合の20分前に来る癖がある。早く来すぎると困るらしいから、ちょうどの時間くらいに来るように情報を操作したのよ」
悪びれもせずにきっぱりと言われ、癖も的確だったのか何も言えずに撃沈する。その手をすっと取ったのは、息を整えたらしい梶栗くんだった。
「彼女に逆らえなくてもお互い頑張ろうな」
「竜夜…」
「どういう意味かな、竜夜?」
「海斗、私の情報網をなめないでね?」
彼女ら2人の怒りを含んだ笑顔にヒッと小さい悲鳴が聞こえた気がした。
「そういえば梶栗くん、今入さん、委員のお仕事は大丈夫なんですか?」
潮賀くんがしゃがんだままの小野くんを起こしながら聞く。
「あぁ、霙と雪くんがやってるよ」
「『楽しんで来い』って送り出されたよ。代わりに霙にお土産頼まれたけど…」
「良い物買ってあげなくちゃね」
紗奈と梶栗くんの答えに、そうですね、と潮賀くん。賑やかだったり和んだりと、十人十色な性格が絶妙に混ざりあっていた。
「計18人の旅行、楽しみましょうね!」
利羽の呼びかけで、二泊三日の旅行が始まった。
「おはよ~」
光輝駅前の時計がついた柱の前、大きなバッグを抱えながら挨拶をする。隣には羅樹。目の前には利羽ちゃんと紗奈。林くんと潮賀くんが来ていた。
「おはよう。皆早いわね」
「おはようございます。楽しみですね」
利羽ちゃんが嬉しそうに笑う。潮賀くんも笑顔で挨拶をしてくれた。和やかな空気が場を包む。時間がゆっくりと過ぎていくような気がした。
「おはよう」
「おはようございます」
「おっす」
北原くん、眞里阿、香くんが来た。短く挨拶をすると、奥から走ってくる人影。
「うぉぉおおおおはよぉおお!!」
息を切らしながら走って来たのは梶栗くんだった。
「あ、あれ…?まだセーフ?」
「セーフだよー」
「全然間に合ってますわ」
良かったぁ、とその場にしゃがみ込む梶栗くん。落ち着こうと息を整えている梶栗くんの背中を、笑いながら紗奈がさする。さっきまでの和やかな雰囲気は何処へやら、賑やかになってきた。
「あ、もう皆集まってる!」
「そう、だね」
亜美と夏川さんも合流した。
「おはよう、宜しく」
「はよぉっす!宜しくっす!」
「おはよう。楽しみだなぁ…」
明と鹿宮くん、深沙が来た。
あとは誰が来るのだろう、と考えているとまた人影が。結構な人数が集まっているようだ。
「おはよー、今日は宜しくね」
「…よろ、しく」
由芽と青海川くん。
「あと1人ね。きっとそろそろ来るわ」
楽しそうな利羽ちゃん。利羽ちゃんの予想通り、人影に押されながら、それでも走って来る人影が見えた。
「お、おおお、おはよう!!み、皆早いな!」
「小野くんが遅いんだよー」
「え、だってまだ集合時間の前…」
「集合時間は9時よー?誰かしら小野くんに9時20分って教えたのは」
にこにこと楽しそうに利羽ちゃんが言う。小野くんがバッと由芽の方を向くと、由芽は柱にもたれかかりながら口を開いた。
「海斗は集合の20分前に来る癖がある。早く来すぎると困るらしいから、ちょうどの時間くらいに来るように情報を操作したのよ」
悪びれもせずにきっぱりと言われ、癖も的確だったのか何も言えずに撃沈する。その手をすっと取ったのは、息を整えたらしい梶栗くんだった。
「彼女に逆らえなくてもお互い頑張ろうな」
「竜夜…」
「どういう意味かな、竜夜?」
「海斗、私の情報網をなめないでね?」
彼女ら2人の怒りを含んだ笑顔にヒッと小さい悲鳴が聞こえた気がした。
「そういえば梶栗くん、今入さん、委員のお仕事は大丈夫なんですか?」
潮賀くんがしゃがんだままの小野くんを起こしながら聞く。
「あぁ、霙と雪くんがやってるよ」
「『楽しんで来い』って送り出されたよ。代わりに霙にお土産頼まれたけど…」
「良い物買ってあげなくちゃね」
紗奈と梶栗くんの答えに、そうですね、と潮賀くん。賑やかだったり和んだりと、十人十色な性格が絶妙に混ざりあっていた。
「計18人の旅行、楽しみましょうね!」
利羽の呼びかけで、二泊三日の旅行が始まった。
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