神様自学

天ノ谷 霙

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8月9日 別荘に到着

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電車を乗り継いで、やっと別荘に到着した。途中、大きな駅で降りていろいろ買ったりもした。
「うわぁ…すごいですね」
眞里阿ちゃんが感嘆の声をあげた。目の前に広がる自然に圧倒される。ログハウスのような可愛らしい家。家を囲むように、周りには花が咲いている。少し遠くの方には森林のように木々がそびえ立っていた。
「あっちの方に川もあるみたいなの。遊びに行きましょう?」
利羽ちゃんが、唯一木々が見えない場所を指し、楽しそうに言う。
「おぉぉ!これぞ大自然、って感じだな!」
「すごーい!僕、早く遊びたいな!」
梶栗くんと羅樹がはしゃぐ。私はその様子を眺めながら、荷物を運び入れていた。
あれ?荷物…運び入れてから遊びに行くよね?
私がそう思って振り返ると、既にそこに3人の姿はなかった。
「あれ、りぃ行っちゃったの?」
紗奈は利羽ちゃんを探していたのか、私にそう問いかける。
「多分。…あの3人で大丈夫かな」
「じゃあ私が見張ってくるよ。泳ぎは得意だしね」
「由芽ちゃんは泳ぎが得意というよりは肺活量があるだけというか…」
由芽の申し出に、亜美が口を滑らせた。案の定、由芽の肘が亜美のお腹に当たっていた。その後、由芽は亜美を引きずって川の方へ向かった。
「ごめ、ごめんなさいー!」
亜美の叫びが、別荘の近くにまで響き渡った。
「明と深沙ちゃんはどうする?」
振り返ると、もう既に何か食べている2人。
「お腹すいたから、ここでなんか食べてる…」
「深沙は買い出しに行こうかなって」
「あ、じゃあ私も行く…」
和む。おとなしい明とおっとりした深沙ちゃんが2人揃うと、時間が止まったかのようにゆっくりと過ぎる。
「じゃあ俺も買い出しに行こうか」
「林くん」
「俺も買う物あるから。女の子2人じゃ危ないし、他にも男子連れて行きたいんだけど…」
「あ、じゃあ…僕、行く」
「青海川くんも?じゃあ4人で行ってきて貰えるかな。こっちの準備とか、川に行った組の制裁は任せて」
「宜しくね、稲森さん。あ、そうだ。俺の呼び方、名前で良いよ。名字で呼ばれること少ないから、名前の方がわかりやすいかな」
「そっか。わかった、蒼くんだね」
そんな会話を終えて、周りを見回す。何人かいなくなっていることに気付いた。
「あれ?小野くんたちは?」
「由芽ちゃんと亜美ちゃんだけでは大変だろうと、遅れて川の方に行きましたよ」
「皆さんどこに行ったかわからないですね…」
「えぇっと…」
水奈月、喜岡、林、青海川→買い出し
蝶野、榊原、梶栗→川
空原、桐竜、小野、北原、夏川→川組の制裁
稲森、辻、潮賀、浅野、鹿宮、今入→残り
「こんな感じかな。一応、名字で書いたけど…」
「え、鹿宮くんも今入さんもいませんよ?」
「「え?」」
潮賀くんの声に、私と眞里阿ちゃんの素っ頓狂とんきょうな声が重なる。
「お二人共、自然だーって言って、森の方に走って行きました。言ってたのは主に、鹿宮くんでしたけど」
「野生児」
「しっ!」
潮賀くんが笑顔で言う。それに浅野くんが呟いたが、眞里阿ちゃんに止められた。
「じゃあ今いる4人で、出来るだけ荷物の整理とか料理の準備とか、やっちゃおうか」
「おー!」
「ですね!」
「おう」
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