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9月19日 舞台袖の戦場
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演劇が終わったことを告げる声が聞こえた時、拍手が体育館内に響き渡った。舞台袖で、成功を祝ってハイタッチをしあう。皆、堂々とやっていたように見えたが、実際はとても緊張していたらしい。アンドのため息をつく人が見えた。利羽なんか特に、だ。主人公だから仕方ないとはいえ、ほとんどずっと出ていた。
「皆、お疲れ様ー!今日の出番は終わりだから、遊びに行って良いよー!」
「明日もあるから、セリフとか忘れんなよなー!」
亜美と藤上くんの呼びかけが聞こえ、はーい、とクラスメイトが返事をするのに合わせて私も返事をする。
「この後は少し時間が空いて演劇部だっけ?」
「うん。演劇部は中夜祭でもやるし、生徒より来賓とかに人気だから席も無いし…別のところ行った方が良いかもねー」
紗奈がばっさりと言う。それに苦笑いをしながら返事をする。
「そうかもね…どこ行こうか」
「4組の出し物でも、行く?」
その時、左腕を掴まれる感触がした。驚いて腕の方を見ると、明が私の腕を掴んでいた。
「…私、4組の、行きたい…夕音と、行く…」
「あ、明も行く?なら3人で…」
行こうか、と私がそう言いかけた時、明はふるふると首を横に振った。長い黒髪が私の腕に触れて少しくすぐったかった。
「…私と、夕音で行く。紗奈、は…後ろの人と」
「後ろ?」
紗奈が後ろを振り向くと、小野くんと話している竜夜くんがいた。竜夜くんはたまにちらっとこっちを見て、目があったことに気付いて慌てて逸らすということを繰り返していた。明はその様子を察して、私を連れ出そうとしたみたいだ。
紗奈は竜夜くんを見たあと、真っ赤な顔でこちらを向いた。
「や、待っ…なんで!!」
慌てて混乱したためか、語彙力がほぼ失われている紗奈。そんな紗奈の姿を見て、きょとん、と不思議そうな顔をする明。
「…?付き合ってるんでしょ…?」
「えっ、あ、まぁ…そう…だけど…」
「好きな人と、一緒に回りたいって…女子が言ってた…紗奈も、そうかなって…」
明が無意識に紗奈の逃げ道を塞いで行く。恥ずかしいから嫌だ、なんて竜夜くんの前で言うのは紗奈のプライドが許さないらしく、声がだんだん小さくなる。紗奈はきっと竜夜くんの方を向いて、睨みながら口を開く。
「…竜夜は、私と回りたいの?」
恥ずかしすぎて泣きそうな紗奈。私はもう苦笑いしか出来ない。拒否してほしいという思いが、紗奈からひしひしと伝わってきたが、その思いも虚しく。竜夜くんは、待ってました、と言わんばかりの笑顔を紗奈に向けて、うん、と頷いた。紗奈は戦場に向かうような表情で私達の方を向き直り、
「…それじゃあ、行ってくる」
と呟いた。私はなんと言おうか迷ったが、明が行ってらっしゃい、と言ったのでそれに合わせ、手を振った。
「皆、お疲れ様ー!今日の出番は終わりだから、遊びに行って良いよー!」
「明日もあるから、セリフとか忘れんなよなー!」
亜美と藤上くんの呼びかけが聞こえ、はーい、とクラスメイトが返事をするのに合わせて私も返事をする。
「この後は少し時間が空いて演劇部だっけ?」
「うん。演劇部は中夜祭でもやるし、生徒より来賓とかに人気だから席も無いし…別のところ行った方が良いかもねー」
紗奈がばっさりと言う。それに苦笑いをしながら返事をする。
「そうかもね…どこ行こうか」
「4組の出し物でも、行く?」
その時、左腕を掴まれる感触がした。驚いて腕の方を見ると、明が私の腕を掴んでいた。
「…私、4組の、行きたい…夕音と、行く…」
「あ、明も行く?なら3人で…」
行こうか、と私がそう言いかけた時、明はふるふると首を横に振った。長い黒髪が私の腕に触れて少しくすぐったかった。
「…私と、夕音で行く。紗奈、は…後ろの人と」
「後ろ?」
紗奈が後ろを振り向くと、小野くんと話している竜夜くんがいた。竜夜くんはたまにちらっとこっちを見て、目があったことに気付いて慌てて逸らすということを繰り返していた。明はその様子を察して、私を連れ出そうとしたみたいだ。
紗奈は竜夜くんを見たあと、真っ赤な顔でこちらを向いた。
「や、待っ…なんで!!」
慌てて混乱したためか、語彙力がほぼ失われている紗奈。そんな紗奈の姿を見て、きょとん、と不思議そうな顔をする明。
「…?付き合ってるんでしょ…?」
「えっ、あ、まぁ…そう…だけど…」
「好きな人と、一緒に回りたいって…女子が言ってた…紗奈も、そうかなって…」
明が無意識に紗奈の逃げ道を塞いで行く。恥ずかしいから嫌だ、なんて竜夜くんの前で言うのは紗奈のプライドが許さないらしく、声がだんだん小さくなる。紗奈はきっと竜夜くんの方を向いて、睨みながら口を開く。
「…竜夜は、私と回りたいの?」
恥ずかしすぎて泣きそうな紗奈。私はもう苦笑いしか出来ない。拒否してほしいという思いが、紗奈からひしひしと伝わってきたが、その思いも虚しく。竜夜くんは、待ってました、と言わんばかりの笑顔を紗奈に向けて、うん、と頷いた。紗奈は戦場に向かうような表情で私達の方を向き直り、
「…それじゃあ、行ってくる」
と呟いた。私はなんと言おうか迷ったが、明が行ってらっしゃい、と言ったのでそれに合わせ、手を振った。
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