ちょっと待って下さい!

満姫プユ

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~気になる?気にならない編~

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真生の変に色気があるのと、馴れ馴れしさが原因に違いない。

 蒼真は隣で自分を見上げてくる真生を振りほどいて、素早く立ち上がった。

「…?」

 急な動きに、真生は驚きに目を丸くした。
 そんな真生の顔をチラッと一瞬だけ見たあと、蒼真は視線を外す。

「慎。お前の部屋に行こう」

「え、あ…おう」

 急な態度豹変に慎も少し戸惑うが、直ぐに頷いた。

 二人が連れ立って行くのを真生は、その場で座り込んだまま見送っていたのに気がついていたが、知らん顔で蒼真はドアを閉めた。




 隣にある慎の部屋のドアを潜り抜けると、蒼真は安堵の溜め息をついてい。
 それは無意識について出たものだった。

 そんな様子を見ながら慎は、何処か楽しそうにしている。

「…何だよ」

 ブスッとした態度で慎に問う。

「いやいや、兄貴の事が気になってるんだろうな~って思ってさ」

「気になってねぇよ」

 意味深な言い方がどうも気に入らない。
 どう見ても『俺だけは解ってるよ~っ』という顔だ。

「なぁ、兄貴と何で一緒だったわけ?」

 慎が買ってきた菓子袋を開けながら訊いてくる。
 ビニール袋からペットボトルのお茶を出して勝手に開けた蒼真は蓋を外すと、遠慮なくゴクゴクと飲んだ。

 自分が思っていたよりも喉が乾いていたらしい。

「なぁなぁ?何で?」

「何でって…勝手にお前の兄貴が部屋に入れてくれたんだよ。それだけだし」

 蒼真が恥ずかしさにぶっきらぼうな返答をすると、慎がキョトンとする。

「え?あの兄貴が…?」

「…そうだけど?」

 そこまで驚くような事か~?

 蒼真は眉間に皺を寄せた。

 断じて自分から部屋へと押し入ったのではないのだ。
 
「誤解のなきように、ヨロシク」

 蒼真が少しふざけた口調で言うと、慎はニヘ~とだらしのない顔で笑った。
 何だか嫌な笑い方だ。

「でも何だかいい雰囲気だったような~?」

「はぁっ⁉どこが‼」

 蒼真が噛みつくように言い返す。

「あ~ん、とかしてたし」

「あれは仕方なくなんだよ!だってお前の兄貴の好意を踏み躙れないだろうが‼」

「ま、いいけどな」

 蒼真の全力否定はどうでもいいと、慎はペットボトルのジュースをひと口飲んだ。
 
 何が言いたいんだ、コイツ。

 蒼真は菓子をポリポリ始めた慎を訝しく見つめた。

「…あ、そうだ」

 急に話題を変えたかと思うと、慎は何やらゴソゴソし始める。

 慎の尻が揺れる後ろ姿。

 見たくはない。

 これが真生の尻ならば色気もあって…と、そこまで思ってから頭をブンブンと振った。

 違う‼

 何であの人の事を考えているんだ俺は~ッ‼

 蒼真がひとり悶々している間に、慎はお目当ての物を手にしていた。

 その手には女の子が、エッチなポーズをとっている写真がバーンッと大きく載っていた。

「俺のオススメ」

「…」

 慎はニッコリと笑った。
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