闇夜の訪問者

櫟 真威

文字の大きさ
4 / 4

しおりを挟む
神殿長は少女に部屋を与え、そこで「儀式」を行うことにした。
「儀式」は毎夜行われた。
神殿長は少女の美しい髪に鼻を埋め、自分のものに奉仕をさせた。
少女の白い肌は甘く芳しい。
いつも緊張で硬い少女の身体は、時に覆い被さってくる神殿長の欲望を受け続けた。
浄化は進んでいるとの神殿長の言葉を信じていたのだ。
神殿長は少女の身体にのめり込んでいた。
幾度か挿入を試みたが、その度に雷のような光がばちばちと弾け、断念した。
神殿長も命が惜しかった。 

新月、悪魔はやって来た。
神殿の一室に寝かされている少女を、悪魔は難なく見つけ、その足元へ立った。
空気の変化で悪魔の来訪を知った少女は驚いていた。
悪魔祓いは効き目がなかったのだ。
ゆっくり起き上がる少女の変化に気づいたらしい。 
少女も、気づかれたことに気づいた。
もう用無しだと八つ裂きにされるのかもしれない。
少女は震えた。
いや、それは嘘だ。
そんなことよりも、甘美な刺激を享受できなくなることの方が重大だった。

そんなに私は淫乱だったのだろうか。

少女は自分を軽蔑した。
しかし、身体の奥が熱くなることを止められない。
神殿長の「儀式」は少女を何も変えてはくれなかった。
むしろ辛い時間だった。

「人というのは面白いな」

少女の内心の葛藤を読んだかのように、悪魔の声は楽しげだ。
何か云わなくては、と少女は思う。 
だが、声は出なかった。
悪魔は、少女の目からこぼれた涙を舐めとる。
唇を啄んだ。
少女は悪魔に抱きついた。
悪魔は深い口づけを与える。
まぶたに、頬に、耳に。
悪魔は痛むほど吸いつき、少女の身体にくまなく所有の印を刻んでいく。
少女の涙は止まらなかった。
とうに悪魔に魂を渡していたことを自覚したのだ。
両親を欺き、神殿を欺き。
もう、帰るところはない。
悪魔が少女の足を広げ、顔を埋めた。
ぴちゃぴちゃと音がする。
少女は全身を硬直させ、声が漏れないように両手で押さえた。
悪魔の舌は執拗に這いまわり、少女を啼かせようと腐心している。
びくびくと少女の身体は仰け反った。
悪魔は、蜜が溢れて止まらぬそこに、熱く硬い楔を打ち込んだ。

「ひぁぁぁっ!」

未成熟の少女の身体には試練だった。
悪魔はゆっくり根本まで押し込み、少女の身体を堪能した。
少女はぱくぱくと口を開け呼吸している。
悪魔は腰を打ち付けた。
少女ががくがくと揺れる。
腰の動きは激しくなっていく。
蜜ではない、熱いどろりとしたものが流れていた。
悪魔は、全身に力が滾るのを感じた。
少女は失神しているようだが、締め付けはきつい。
悪魔は二度三度、気を放った。

「来るか」

悪魔は少女の耳に熱い吐息を流し込みながら囁く。
少女はぼんやりと聞いていた。
行くも不幸、残るも不幸。
少女には選ぶ道などなかった。
両親には申し訳ないことになってしまったが、悪魔に魅入られた時にそれは決まっていたのかもしれない。
差し出された手を取り立ち上がろうとした。
足に力が入らなかった。
悪魔は少女を抱き上げ、空へ飛び立った。

悪魔は東雲の静謐な空の中をまっすぐに進んでいく。
白々と明けてゆく空を浮遊しながら、少女は初めて、悪魔の顔を見たのだった。


しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

お義父さん、好き。

うみ
恋愛
お義父さんの子を孕みたい……。義理の父を好きになって、愛してしまった。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...