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11話 学園に通う者 令嬢エマ
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使用人は留めようとしたが、女性は使用人を跳ね除けて、ドアをノックした。
「お父様、中に入ってもいいかしら?」
「今は、大事なお客様がいるから無理だ」
「そのお客様に言いたいことがあります。」
「ならば、なおさら中に入ってはいけない」
「そうは行きませんわ。私は朝早くに叩き起こされたんですよ。文句の一つや二つ言いたいので中に入ります。」
そういうと、イムルさんの娘とおぼしき女性が中に入ってきた。
その女性は、金髪で美人だった。年齢は自分と同年代と思われた。
すると中に入ってきた女性に対して、イムルさんが文句を言った。
「エマ、今は商談中なのだぞ。その商談を行っている部屋に入ってくるとは、場と時を考えて行動せよ。」
「お父様。そう言われても、やはり朝早くに起こされるのは我慢なりません・・・」
エマさんは、イムルさんとの会話の途中で、俺を見ると話を遮り、俺に文句を言ってきた。
「あなたね。あんな朝早くに叫んでいたのは。おかげで叩き起こされたじゃないの。」
「すみません。財宝を早く売りたいと思い、早朝に取次を求めて大声を出してしまいました。」
「あなたの都合など知ったことではありま・・・・・・」
エマさんは話を止めた。とても驚愕した表情をしている。
「な・・・なぜ・・・あなたがここにいるの・・・」
すると、エマさんはイムルさんに話しかけた。
「お父様この男は、学園を追い出されたものです。こんな男と取引するのはやめてください。」
「なんのことを言っているのだエマよ。私にはさっぱり話が見えぬのだが・・・」
「もう、お父様。私は学園に通っているので、この男について詳しんです。いいですか、この男は、学園で禁断の研究を行ったため学園から追い出されたんです。しかもそれだけに飽き足らず、王女様と結婚したいという願望を持ち、王国から追い出されたんです。」
「なんと・・・それは真ですか・・・カルロスさん」
エマさんが学園に通っているとは・・・予想外の展開に俺は黙ってしまった。
「ほら黙っているのがいい証拠です。私が春休みで帰還して幸いでした。今すぐ取引をやめてください。」
(どうする・・・このままだと取引が破談になってしまう・・・しかし、どう弁明したらいいか)
俺は弁明するために、考え込んでいた。
すると、イムルさんが発言した。
「このお方は私の大事なお客様だ。過去の行いで商談を中断するつもりはない。」
「しかし、もしかしたらその財宝は、盗んだものかもしれません。」
「もしこの財宝が盗まれたものなら、私の元に盗まれた情報が入ってくるはずだ。しかし、そのような情報ははいってきていない。また、禁断の研究を行っていたんだ。ダンジョンから財宝をとってきたかもしれん」
どうやらイムルさんは、この財宝がダンジョンからとってきた財宝であることを知っているようだ。
「しかし・・・」
「ええ~い、もうよい。エマはこの部屋から出よ。」
エマは、なにか言いたげそうな顔をしていたがこらえて、部屋を出た。出ようとする際に、一瞬だが俺をにらみつけてきたのが分かった。どうやらエマさんに恨まれたらしい。
「カルロスさん、この度は娘のエマがとんだ失礼なことをした。大変申し訳ない。」
「いえ、いいんです。父思いの立派な娘さんをお持ちのようで羨ましいです。」
「そういっていただけるとありがたい。では、色々ありましたが、これで取引は終了です。ありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
再び僕たちは握手をした。その後は、使用人から現金の入ったアタッシュケースをもらった。俺は多額の現金に驚かされながらも受け取った。そして、使用人の案内のもと、屋敷を出たのだった。
こうして、途中もめ事はあったが、無事取引を終えたのであった。
「お父様、中に入ってもいいかしら?」
「今は、大事なお客様がいるから無理だ」
「そのお客様に言いたいことがあります。」
「ならば、なおさら中に入ってはいけない」
「そうは行きませんわ。私は朝早くに叩き起こされたんですよ。文句の一つや二つ言いたいので中に入ります。」
そういうと、イムルさんの娘とおぼしき女性が中に入ってきた。
その女性は、金髪で美人だった。年齢は自分と同年代と思われた。
すると中に入ってきた女性に対して、イムルさんが文句を言った。
「エマ、今は商談中なのだぞ。その商談を行っている部屋に入ってくるとは、場と時を考えて行動せよ。」
「お父様。そう言われても、やはり朝早くに起こされるのは我慢なりません・・・」
エマさんは、イムルさんとの会話の途中で、俺を見ると話を遮り、俺に文句を言ってきた。
「あなたね。あんな朝早くに叫んでいたのは。おかげで叩き起こされたじゃないの。」
「すみません。財宝を早く売りたいと思い、早朝に取次を求めて大声を出してしまいました。」
「あなたの都合など知ったことではありま・・・・・・」
エマさんは話を止めた。とても驚愕した表情をしている。
「な・・・なぜ・・・あなたがここにいるの・・・」
すると、エマさんはイムルさんに話しかけた。
「お父様この男は、学園を追い出されたものです。こんな男と取引するのはやめてください。」
「なんのことを言っているのだエマよ。私にはさっぱり話が見えぬのだが・・・」
「もう、お父様。私は学園に通っているので、この男について詳しんです。いいですか、この男は、学園で禁断の研究を行ったため学園から追い出されたんです。しかもそれだけに飽き足らず、王女様と結婚したいという願望を持ち、王国から追い出されたんです。」
「なんと・・・それは真ですか・・・カルロスさん」
エマさんが学園に通っているとは・・・予想外の展開に俺は黙ってしまった。
「ほら黙っているのがいい証拠です。私が春休みで帰還して幸いでした。今すぐ取引をやめてください。」
(どうする・・・このままだと取引が破談になってしまう・・・しかし、どう弁明したらいいか)
俺は弁明するために、考え込んでいた。
すると、イムルさんが発言した。
「このお方は私の大事なお客様だ。過去の行いで商談を中断するつもりはない。」
「しかし、もしかしたらその財宝は、盗んだものかもしれません。」
「もしこの財宝が盗まれたものなら、私の元に盗まれた情報が入ってくるはずだ。しかし、そのような情報ははいってきていない。また、禁断の研究を行っていたんだ。ダンジョンから財宝をとってきたかもしれん」
どうやらイムルさんは、この財宝がダンジョンからとってきた財宝であることを知っているようだ。
「しかし・・・」
「ええ~い、もうよい。エマはこの部屋から出よ。」
エマは、なにか言いたげそうな顔をしていたがこらえて、部屋を出た。出ようとする際に、一瞬だが俺をにらみつけてきたのが分かった。どうやらエマさんに恨まれたらしい。
「カルロスさん、この度は娘のエマがとんだ失礼なことをした。大変申し訳ない。」
「いえ、いいんです。父思いの立派な娘さんをお持ちのようで羨ましいです。」
「そういっていただけるとありがたい。では、色々ありましたが、これで取引は終了です。ありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
再び僕たちは握手をした。その後は、使用人から現金の入ったアタッシュケースをもらった。俺は多額の現金に驚かされながらも受け取った。そして、使用人の案内のもと、屋敷を出たのだった。
こうして、途中もめ事はあったが、無事取引を終えたのであった。
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