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はじまり
初めて物語で出てくる魔法がファイヤーボールとか基本的な属性魔法じゃないのってどうなんですかね。①
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Q.この物語はどんな物語ですか?
A.建築家が令嬢のイタズラでダンジョンに住むことになったので、報復がてら本人に制圧させるお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
首都 ーヴァモナー
ここは、冶金と鋳造が栄え、様々な武具や装飾品を求めて人々が集まるまさに貿易の街。
この世界で最も技術交流が行われている場所はどこか?
と聞かれれば、エルフからドワーフ、人間、獣族などなど、様々な種族が闊歩する大都市。
ここ「ヴァモナ」が1番だ
そう答える者が多いだろう。
そんな、年々成長を続けるヴァモナでは、こんな噂が流れていた。
『魔法を扱う者がここにはいる』と…
ただでさえ栄えていたそんな街で、魔法なんて技術が存在しているともなれば、それはもう革命そのものである。
というか、魔法を扱う魔族なんておとぎ話の中でしか出てこない存在だ。
魔法と思われたことは、全て他の技術の真髄であり、冶金と鋳造が栄えるこの街ではかつては魔法だったものが、当たり前の技術として広まっている。
しかし、そんな街でこの噂は流れているのだ、これは調べるに越したことはない。
「らっしゃいらっしゃいー!」
「装飾品ならうちにおまかせ!この街でいちばん綺麗に、そして早く仕上げるよォ」
ワイワイガヤガヤ…
どこからともなく聞こえてくる商いの声。
相変わらず、今日も変わりなく様々なお店で取引が続いている。
だが…そんな取引もこれまでどおりのものばかりで…革新的な技術はあまり見かけない。
他の街でも見かけられるものと相違は無いのである。
なんだ、ここまで来る必要なかったじゃん。そんなため息混じりの言葉がこぼれるくらいには同じだ。
新たな技術を求めて、新たな街に出向いたものの、あれはもしかしたら法螺話なのかもしれないな…。
人が多ければ多いほど、噂というものは広まりがちだ。
噂は噂を呼び、その分尾ひれがついていく。そして次の日には、小さな魚が超絶巨大なネッシーと言われるまで大きくなることだってある。
意外と、想像を超えるようなものはなく、ここは普通の街なのかもしれない。
しかし、そんな微かな希望、革新を求めて訪れるそれがヴァモナである。
もちろん俺も気になってここに来た。
だけれど、意外と、現実というのは想像以上につまらないものなのかもしれない。
そんな、冷たく大人しい、現実らしい現実がそこにはあった。
三日三晩、この街で魔法を探していたが…魔法のま、mすら見つからない。
魔法なんて大層なものは夢物語。絵本の中の産物だ。それが今日でよくわかったよ。
…
でも…
それでも、そんなファンタジーの技術に心が踊らない男子なんて居ない。
誰だってファイヤーボールを出してみたい。
誰だって空を飛んでみたい。
誰だって人形を操ってみたい。
誰だって…非現実的なあの力に、憧れを持っているはずだ。
そんな気持ちもあってか、心のどこかでこの噂に期待を持ってしまっている自分がいる。
そんな中で、夢のような噂が耳に入ってきたわけだ。それはもう俺の心と身体が黙っているわけが無い。
「絵本の中の話だろー?」
「ガキかよ」
大人になるにつれ、どんどんその言葉が心に突き刺さっていった。
でも、そんな魔法と呼ばれるほどの技術があるのであれば、俺もそれを見てみたい。
そして、こんな言葉を投げかけてきたあの馬鹿野郎たち向かって、思いっっっきり言い返してやりたい。
「魔法は存在する」って
最先端歩くのは、いつも、最先端の集まる首都。まだ隅の方…あっちの方は見ていない。諦めるのはまだ早い。そんな街なら、ここヴァモナなら…絶対…絶対魔法が!
「はぁああああああああああ!?!?」
!?!?
ふと耳に入る男性の叫び声。
この街に来て、聞いた事のないほどの絶叫だ。
「なんだなんだ!?」
「おいおい、あっちからだぞ!」
どよめきだす市民たち。
その声はどうやら、まだ確認の取れていない住宅街の方から聞こえてくる。
あそこだ。噂の震源地は。
あそこにあるはずだ、俺の求めるものは。
あそこだ、魔法があるのは。
俺は気づけば、市民の間を縫うように。
かわすように。
かき分けながらも前に進んでいた。
もしかして今の声は魔法の練習掛け声か!?
とてつもない魔法の出力が出ているのか!?
それに驚いているのか!?
三日三晩、探し続けた夢の存在を
1目見ようと、自分の期待が胸からはち切れそうになりながら
俺は前に進む。
羽の生えたように身体が軽い。
普段なら息が絶え絶えになるほどに走っている気もするものの…今はそんなことは関係ない。
走り続け、目の前に見えたのはひとつの木の家。
あそこだ、声がしたのは。
期待を胸に到着したヴァモナの都心外。
とある豪邸の隣、ぽつんと建つ一軒家の前で、声の主であろう男が扉の前で誰かと話している。
「…いや、あの…ここ僕の新居なんですけど!?」
「…え、間違いだと思いますよ?」
「いや…ここ僕が建てた家なんで…」
「いやいや、ここで僕産まれたんで」
…は???
目の前に広がる異質な空間
近くにまで来てようやくわかった。
目の前で起きていることには魔法が使われているんだろうと。
決して大きくは無いものの、立派な家がそこにあった。
そんな家には、非現実的な程きらびやかな魔法陣が扉の前に描かれている。
俺が求めていた魔法
非現実的に、今の技術じゃ説明のつかない架空の技術。
それは、魔法と言って差し支えないものがそこにはあった。
しかし何故だろうか、声が出ない。
喜びの声が出ない。
歓喜の声が出ない。
それはなぜなのだろうか。
答えはひとつ。
きっとそれは、俺の求めていたかっこいい魔法とはかけ離れたものだったからだ。
ファイヤーボールを出す訓練をしていた?
否
空を飛ぶ練習をしていた?
否
人形を操るマリオネットで特訓していた?
否
「…なにこれ」
目の前で広がるその景色とは
扉の魔法陣から顔を出し、壁尻状態になっている1匹のガイコツ
そして、それと向き合うひとりの男が、会話を交わしてる。そんな光景だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あ、どうも。こんにちは。
初めまして!
建築士兼、冒険家をしています、ロベルト・シュトライヒです。
朝起きる。
身支度をする。
仕事へ向かう。
僕は、こんな当たり前の日々を続け、ようやく溜まったお金で俺は土地を買いました!いえーーーーい!
しかもよ?しかもよ!?
首都ヴァモナの土地を買いました!!
わーーーーい!
やばくない!?
すみっこの方の土地かもしれないけれど、この年齢でこんなところに土地買えるのはほんと~にやばい。
ヴァモナに住むことには何も変わりはしね…
我ながらよく頑張ったよ…。
建築家と冒険家して小さい頃から建築技術と剣技を磨いて、勉学に励みながらも仕事をこなす毎日…
いやまって
は?思い出すだけで偉すぎるな?さすがに
よーーーやくここまで続けて来れたよ…自分で自分を褒めるしかない、これは…
そんなえらい毎日を続けてようやく買ったヴァモナの土地!
そんな土地を買って数ヶ月
僕は、毎日コツコツと自分の手で我が家を建築していきました。
こうした貿易の中心の街で宿に泊まるっていう日々も、変え難い良さってのがあるけれど、やっぱりこの努力の結晶を早く形にしたい。
というか、ヴァモナに住んでいるっていうレッテルを早く貼りたい!
合コンとかでも
「僕…ヴァモナに持ち家持ってるんですよ…キリッ」とか言ってみたーい!
その一心で、今日までの日々を過ごしてきました。
「…」
それなのに、それなのに…
「…なにこれ」
希望に満ち溢れていた僕の新生活は、想像以上の波乱を迎えようとしていた。
最後の宿のチェックアウトを済ませ、最後の作業に戻ろうと建築途中の我が家へと向かう。
昨日でほぼほぼ完成した木製の新築
美しい木目と、目に優しいブラウンが心を癒してくれる、そんな我ながら完璧な出来の一戸建てだ。
あと残りの作業としては、内装の調整、そして看板に自分の名前を彫ることで完成となる。
しかし、そんな作業に入る前に
とてつもない相違点が目に入ったのだ。
「…落書き…?いや…魔法陣?」
扉に、なんか、でっけぇ魔法陣?…みたいな紋様がついてるのである。
落書きとしてはクオリティが高すぎる。
染め材でやろうにも、ここまでの神秘的な神々しさは出ないだろう。
まるで絵本や小説、アニメなどの中に登場する夢物語そのものを表した魔法陣のような紋様。
何も光源がないのにも関わらずに、紫と赤の色がこうこうと輝いている。
…いやいやいや、何冷静に分析してるんだ。
自分の新築に落書きされてるのだが!?
それが一番の問題だろ。
てか、魔法なんて普通存在しないぞ!?見たことは無いよ!?
これは現実なのか…?
いやでも魔法なんてこの世界には存在しないわけだし、さすがに夢じゃ…
僕は大きく顔を振り、目を覚まさせるよう頬を強く叩いた。
痛い…
ヒリヒリと熱を帯びる頬に、現実に戻される。そんな感覚が全身を巡った。
何度見返しても変わらないドアの紋様
嘘のようなファンタジーそのものに対して恐怖感を覚えるが、それ以上に怒りも湧いてくる。
ここの家は特別なのだ。
僕の初めての土地。人生をかけて貯めたお金をはたいて買った場所だ。
そして、そんな大切な土地に立てた立派な新築…
さすがにこんな魔法陣だろうが落書き許すつもりなんてサラサラない。
僕は心の中でそっと、イタズラをした輩に対し報復をすることを決意した。
とりあえずは…そうだな…
犯人は現場に戻るというし…どうにか戻ってくるまでここの隅の方で…
「……さっきからブツブツブツブツうるさいなぁ!?今何時だと思ってるんですか!まだ朝ですよ!?」
そんな周りを見渡す僕の目の前
突如
平然とドアの魔法陣から顔を出すガイコツ。
「はぁああああああああああ!?!?」
まだ自分以外入ったことがなかったはずの新築
しかし、何故かここにそれ以外の人物…
というか…人でもない?
モンスター!?!?
「だ、だれぇ!?」
「え…あ…はい。ごく普通のスケルトンです。ガイコツですね、俗に言う」
どうやらいつの間にか
僕の新築に、見知らぬガイコツが住み着いていたようです。
A.建築家が令嬢のイタズラでダンジョンに住むことになったので、報復がてら本人に制圧させるお話です。
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首都 ーヴァモナー
ここは、冶金と鋳造が栄え、様々な武具や装飾品を求めて人々が集まるまさに貿易の街。
この世界で最も技術交流が行われている場所はどこか?
と聞かれれば、エルフからドワーフ、人間、獣族などなど、様々な種族が闊歩する大都市。
ここ「ヴァモナ」が1番だ
そう答える者が多いだろう。
そんな、年々成長を続けるヴァモナでは、こんな噂が流れていた。
『魔法を扱う者がここにはいる』と…
ただでさえ栄えていたそんな街で、魔法なんて技術が存在しているともなれば、それはもう革命そのものである。
というか、魔法を扱う魔族なんておとぎ話の中でしか出てこない存在だ。
魔法と思われたことは、全て他の技術の真髄であり、冶金と鋳造が栄えるこの街ではかつては魔法だったものが、当たり前の技術として広まっている。
しかし、そんな街でこの噂は流れているのだ、これは調べるに越したことはない。
「らっしゃいらっしゃいー!」
「装飾品ならうちにおまかせ!この街でいちばん綺麗に、そして早く仕上げるよォ」
ワイワイガヤガヤ…
どこからともなく聞こえてくる商いの声。
相変わらず、今日も変わりなく様々なお店で取引が続いている。
だが…そんな取引もこれまでどおりのものばかりで…革新的な技術はあまり見かけない。
他の街でも見かけられるものと相違は無いのである。
なんだ、ここまで来る必要なかったじゃん。そんなため息混じりの言葉がこぼれるくらいには同じだ。
新たな技術を求めて、新たな街に出向いたものの、あれはもしかしたら法螺話なのかもしれないな…。
人が多ければ多いほど、噂というものは広まりがちだ。
噂は噂を呼び、その分尾ひれがついていく。そして次の日には、小さな魚が超絶巨大なネッシーと言われるまで大きくなることだってある。
意外と、想像を超えるようなものはなく、ここは普通の街なのかもしれない。
しかし、そんな微かな希望、革新を求めて訪れるそれがヴァモナである。
もちろん俺も気になってここに来た。
だけれど、意外と、現実というのは想像以上につまらないものなのかもしれない。
そんな、冷たく大人しい、現実らしい現実がそこにはあった。
三日三晩、この街で魔法を探していたが…魔法のま、mすら見つからない。
魔法なんて大層なものは夢物語。絵本の中の産物だ。それが今日でよくわかったよ。
…
でも…
それでも、そんなファンタジーの技術に心が踊らない男子なんて居ない。
誰だってファイヤーボールを出してみたい。
誰だって空を飛んでみたい。
誰だって人形を操ってみたい。
誰だって…非現実的なあの力に、憧れを持っているはずだ。
そんな気持ちもあってか、心のどこかでこの噂に期待を持ってしまっている自分がいる。
そんな中で、夢のような噂が耳に入ってきたわけだ。それはもう俺の心と身体が黙っているわけが無い。
「絵本の中の話だろー?」
「ガキかよ」
大人になるにつれ、どんどんその言葉が心に突き刺さっていった。
でも、そんな魔法と呼ばれるほどの技術があるのであれば、俺もそれを見てみたい。
そして、こんな言葉を投げかけてきたあの馬鹿野郎たち向かって、思いっっっきり言い返してやりたい。
「魔法は存在する」って
最先端歩くのは、いつも、最先端の集まる首都。まだ隅の方…あっちの方は見ていない。諦めるのはまだ早い。そんな街なら、ここヴァモナなら…絶対…絶対魔法が!
「はぁああああああああああ!?!?」
!?!?
ふと耳に入る男性の叫び声。
この街に来て、聞いた事のないほどの絶叫だ。
「なんだなんだ!?」
「おいおい、あっちからだぞ!」
どよめきだす市民たち。
その声はどうやら、まだ確認の取れていない住宅街の方から聞こえてくる。
あそこだ。噂の震源地は。
あそこにあるはずだ、俺の求めるものは。
あそこだ、魔法があるのは。
俺は気づけば、市民の間を縫うように。
かわすように。
かき分けながらも前に進んでいた。
もしかして今の声は魔法の練習掛け声か!?
とてつもない魔法の出力が出ているのか!?
それに驚いているのか!?
三日三晩、探し続けた夢の存在を
1目見ようと、自分の期待が胸からはち切れそうになりながら
俺は前に進む。
羽の生えたように身体が軽い。
普段なら息が絶え絶えになるほどに走っている気もするものの…今はそんなことは関係ない。
走り続け、目の前に見えたのはひとつの木の家。
あそこだ、声がしたのは。
期待を胸に到着したヴァモナの都心外。
とある豪邸の隣、ぽつんと建つ一軒家の前で、声の主であろう男が扉の前で誰かと話している。
「…いや、あの…ここ僕の新居なんですけど!?」
「…え、間違いだと思いますよ?」
「いや…ここ僕が建てた家なんで…」
「いやいや、ここで僕産まれたんで」
…は???
目の前に広がる異質な空間
近くにまで来てようやくわかった。
目の前で起きていることには魔法が使われているんだろうと。
決して大きくは無いものの、立派な家がそこにあった。
そんな家には、非現実的な程きらびやかな魔法陣が扉の前に描かれている。
俺が求めていた魔法
非現実的に、今の技術じゃ説明のつかない架空の技術。
それは、魔法と言って差し支えないものがそこにはあった。
しかし何故だろうか、声が出ない。
喜びの声が出ない。
歓喜の声が出ない。
それはなぜなのだろうか。
答えはひとつ。
きっとそれは、俺の求めていたかっこいい魔法とはかけ離れたものだったからだ。
ファイヤーボールを出す訓練をしていた?
否
空を飛ぶ練習をしていた?
否
人形を操るマリオネットで特訓していた?
否
「…なにこれ」
目の前で広がるその景色とは
扉の魔法陣から顔を出し、壁尻状態になっている1匹のガイコツ
そして、それと向き合うひとりの男が、会話を交わしてる。そんな光景だった。
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あ、どうも。こんにちは。
初めまして!
建築士兼、冒険家をしています、ロベルト・シュトライヒです。
朝起きる。
身支度をする。
仕事へ向かう。
僕は、こんな当たり前の日々を続け、ようやく溜まったお金で俺は土地を買いました!いえーーーーい!
しかもよ?しかもよ!?
首都ヴァモナの土地を買いました!!
わーーーーい!
やばくない!?
すみっこの方の土地かもしれないけれど、この年齢でこんなところに土地買えるのはほんと~にやばい。
ヴァモナに住むことには何も変わりはしね…
我ながらよく頑張ったよ…。
建築家と冒険家して小さい頃から建築技術と剣技を磨いて、勉学に励みながらも仕事をこなす毎日…
いやまって
は?思い出すだけで偉すぎるな?さすがに
よーーーやくここまで続けて来れたよ…自分で自分を褒めるしかない、これは…
そんなえらい毎日を続けてようやく買ったヴァモナの土地!
そんな土地を買って数ヶ月
僕は、毎日コツコツと自分の手で我が家を建築していきました。
こうした貿易の中心の街で宿に泊まるっていう日々も、変え難い良さってのがあるけれど、やっぱりこの努力の結晶を早く形にしたい。
というか、ヴァモナに住んでいるっていうレッテルを早く貼りたい!
合コンとかでも
「僕…ヴァモナに持ち家持ってるんですよ…キリッ」とか言ってみたーい!
その一心で、今日までの日々を過ごしてきました。
「…」
それなのに、それなのに…
「…なにこれ」
希望に満ち溢れていた僕の新生活は、想像以上の波乱を迎えようとしていた。
最後の宿のチェックアウトを済ませ、最後の作業に戻ろうと建築途中の我が家へと向かう。
昨日でほぼほぼ完成した木製の新築
美しい木目と、目に優しいブラウンが心を癒してくれる、そんな我ながら完璧な出来の一戸建てだ。
あと残りの作業としては、内装の調整、そして看板に自分の名前を彫ることで完成となる。
しかし、そんな作業に入る前に
とてつもない相違点が目に入ったのだ。
「…落書き…?いや…魔法陣?」
扉に、なんか、でっけぇ魔法陣?…みたいな紋様がついてるのである。
落書きとしてはクオリティが高すぎる。
染め材でやろうにも、ここまでの神秘的な神々しさは出ないだろう。
まるで絵本や小説、アニメなどの中に登場する夢物語そのものを表した魔法陣のような紋様。
何も光源がないのにも関わらずに、紫と赤の色がこうこうと輝いている。
…いやいやいや、何冷静に分析してるんだ。
自分の新築に落書きされてるのだが!?
それが一番の問題だろ。
てか、魔法なんて普通存在しないぞ!?見たことは無いよ!?
これは現実なのか…?
いやでも魔法なんてこの世界には存在しないわけだし、さすがに夢じゃ…
僕は大きく顔を振り、目を覚まさせるよう頬を強く叩いた。
痛い…
ヒリヒリと熱を帯びる頬に、現実に戻される。そんな感覚が全身を巡った。
何度見返しても変わらないドアの紋様
嘘のようなファンタジーそのものに対して恐怖感を覚えるが、それ以上に怒りも湧いてくる。
ここの家は特別なのだ。
僕の初めての土地。人生をかけて貯めたお金をはたいて買った場所だ。
そして、そんな大切な土地に立てた立派な新築…
さすがにこんな魔法陣だろうが落書き許すつもりなんてサラサラない。
僕は心の中でそっと、イタズラをした輩に対し報復をすることを決意した。
とりあえずは…そうだな…
犯人は現場に戻るというし…どうにか戻ってくるまでここの隅の方で…
「……さっきからブツブツブツブツうるさいなぁ!?今何時だと思ってるんですか!まだ朝ですよ!?」
そんな周りを見渡す僕の目の前
突如
平然とドアの魔法陣から顔を出すガイコツ。
「はぁああああああああああ!?!?」
まだ自分以外入ったことがなかったはずの新築
しかし、何故かここにそれ以外の人物…
というか…人でもない?
モンスター!?!?
「だ、だれぇ!?」
「え…あ…はい。ごく普通のスケルトンです。ガイコツですね、俗に言う」
どうやらいつの間にか
僕の新築に、見知らぬガイコツが住み着いていたようです。
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