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第一章 入学編
謁見前の一幕2
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「マリアンネ・・」
言い争っていた全員が、割り込んできた声の方を向きました。
そこには、私より少し幼い雰囲気で純白の豪華なドレスを身に纏った美少女と、言いようもない威厳を伴った三十代半ばと見られる美男美女がいました。
「「っ!?」」
ザザッ!!
そして、その御三方を見た皆さんは慌てて跪きました。
・・レオンハルト殿下と、彼に腰をホールドされた私はそのままですが。
「彼女が・・例の少女なのか?」
私を見ながら口を開いた男性は、レオンハルト殿下によく似た顔つきをしたブロンドヘアーの美男です。
「まあ!女性嫌いなレオンハルトが・・まあまあ・・!」
そして、男性の隣で花が咲いたように微笑むお方は薄茶色で長いサラサラストレートの前髪を真ん中で分けて、後ろ髪をハーフアップで纏めた美女です。
この方も白いゴージャスなドレスを見に纏い、寄せあげられた胸の谷間には、大粒の魔導結晶をあしらった純粋魔導銀のペンダントが乗っています。
「はい父上、彼女が『神器』の持ち主です」
何より特徴的なのはお二方の頭に戴く王冠とティアラ・・。
そして、レオンハルト殿下が『父上』と呼ぶ方はお一人しかいません。
「こ・・国王陛下っ!?」
私は、慌ててレオンハルト殿下の手を振りほどきながら跪こうとします。
しかし、それを国王陛下が手で制します。
「ああ、構わぬよ。どうか気楽にいてほしい」
「いかにも、私が『グラウス・グレイル・サークレット・イルティア』、この国の国王だ」
「私は『シルティーナ・サークレット・イルティア』、この国の王妃よ」
「そして、この子が第一王女の『マリアンネ・サークレット・イルティア』、レオンハルトの妹よ」
王妃に紹介されたマリアンネ様は、レオンハルト殿下に手を添えられた私の腰周りを見ると、顔を赤くしながら微笑みました。
「まぁ!なんて愛らしいお方なのでしょう!お兄様!私にこちらの愛らしいお方を紹介してくださいませ!」
「あ・・ああ、彼女は『アリア』。『アーティナイ連邦』で知り合った女性だ」
マリアンネ様は私の名前を聞くと、両手で私の手を包み込みながらブンブンと振ってきました。
「はじめまして!わたくし、『マリアンネ』と言いますの!是非気軽に『マリア』と呼んでくださいませ!」
「あ・・はい、よろしくお願いします。マリア殿下」
「もう!そんな他人行儀なことなどなさらずに!どうか、わたくしのことは『マ・リ・ア』と呼び捨てになさってください!」
「いえ・・そう言うわけには・・」
「そうだぞ、マリアンネ。私だってまだそんなに親しく呼ばれていない」
「ふんっ!それはお兄様がヘタレだからですわ!」
「ヘタッ・・!?」
「さあ、早く呼んでくださらない!?『マリア』ですよ!さあ!」
「マ・・マリア・・様」
「うーん、『様』が余計ですわ!・・まあ、今日のところはそれで我慢致しますが、いずれ必ず『マリア』と呼んでもらいますわ!」
「ああ・・『アリア』と『マリア』お名前まで運命を感じますわ!まるで双子のよう・・あ!そうですわ!」
「アリア様!わたくし、アリア様のことを『お姉様』と呼んでよろしいですか!」
「そんなっ!『お姉様』なんて畏れ多い・・」
「そ、そうですわ!マリアンネ殿下のような高貴なお方が、ただの平民風情に『お姉様』などと・・本来でしたら、こうして顔を向けるだけでもおこがましい・・」
「リリアーナ、貴女には聞いていないわ」
「ぐっ・・」
なんでしょう・・レオンハルト殿下といい、マリア様といい、私とリリアーナ様に対する対応の温度差が半端ないのですが・・。
リリアーナ様は侯爵令嬢の筈ですよね!?
「何なら『お義姉様』と呼ばせていただきたいくらいですわ!」
『おねえさま』が『おねえさま』になっても同じなのではないでしょうか?
「おいっ!」
何故かグイグイ来るマリア様をレオンハルト殿下が嗜めます。
「ふーん?歓談中に王家の皆さんが席を外されたので、気になって来てみたら・・珍しいものを見れたね」
その時、私達の話へ割り込む形で更に二人の男性がやってきました。
二人は親子のようで、どちらも紺色の髪色をした浅黒い肌色の美男でした。
そして、息子の方、私よりやや年上の男性が突然私の手を取って甲の上に唇を落としました。
「ひゃあ!?」
「ディートリヒ!!」
それを見たレオンハルト殿下が非難の声をあげました。
「ふふっ・・とても初々しい反応だな、お嬢さん。俺は『ディートリヒ・エンパイアス・オルテアガ』、『魔導国家オルテアガ自治国』の第一王子だ」
ディートリヒ殿下はレオンハルト殿下よりもがっちりとした、まるで騎士のように鍛え上げられた身体をしています。
そして、紺色の髪と切長の瞳、色黒の肌がなんとも言えないエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
「ディートリヒ、お前は相変わらず手が早いなあ。・・息子が突然失礼したね、お嬢さん」
続いて私に声をかけてきた方は四十代くらいの、同じく色黒でガタイのいい、グラウス陛下とは違った系統の美丈夫でした。
「余は『魔導国家オルテアガ自治国』第七六代国王、オルクスだ」
「は・・はいっ!!宜しくお願いします!!」
先程からあまりに身分の高い方々ばかりに囲まれていっぱいいっぱいの私は一心不乱に頭を下げました。
「俺は今『イルティア自治国』の学園に留学していてね。『レオン』とは同じ学園に通う学友なんだ」
『レオン』とはレオンハルト殿下の愛称なのでしょうか。
どうやら、両殿下は本当に親しい間柄のようです。
「だから、レオンのことはよく知ってるつもりなんだけどね。女性と仲良くしている姿なんて初めて見たよ」
そう言いながら、ディートリヒ殿下は私の顎を指先でなぞって持ち上げました。
「っ!?」
「一体、どうやって『氷の王子』の心を射止めたのかな?」
目を細めながら問いかけるディートリヒ殿下はとても妖しげです。
というか、絶賛『顎クイ』をされている私の頭の中はパニック状態です!!
バシッ!
ですが、レオンハルト殿下がすぐに私の顎へ伸びた手を払い除けてくれました。
「ディートリヒ、アリアが困っているだろう」
「ふぅん?」
どうしましょう。
何故か両殿下が一触即発状態です。
誰かこの空気を何とかしてください!!
『女神様』がせっかく自治国家を纏めているのですから、両国の未来を担う両殿下には仲良くしていただきたいです!!
シュイイン・・。
その時、私の願いが『女神様』に届いたのか、広間に複数人の騎士がやってきました。
「お待たせしました。皆様、謁見の準備が整いましたのでご案内します」
漸く気まずい空間から脱出できると思いほっとしましたが、更に緊張する出来事が目前に迫ってきました。
「いよいよ・・ですね」
私は緊張で、思わずごくりと息を呑みました。
言い争っていた全員が、割り込んできた声の方を向きました。
そこには、私より少し幼い雰囲気で純白の豪華なドレスを身に纏った美少女と、言いようもない威厳を伴った三十代半ばと見られる美男美女がいました。
「「っ!?」」
ザザッ!!
そして、その御三方を見た皆さんは慌てて跪きました。
・・レオンハルト殿下と、彼に腰をホールドされた私はそのままですが。
「彼女が・・例の少女なのか?」
私を見ながら口を開いた男性は、レオンハルト殿下によく似た顔つきをしたブロンドヘアーの美男です。
「まあ!女性嫌いなレオンハルトが・・まあまあ・・!」
そして、男性の隣で花が咲いたように微笑むお方は薄茶色で長いサラサラストレートの前髪を真ん中で分けて、後ろ髪をハーフアップで纏めた美女です。
この方も白いゴージャスなドレスを見に纏い、寄せあげられた胸の谷間には、大粒の魔導結晶をあしらった純粋魔導銀のペンダントが乗っています。
「はい父上、彼女が『神器』の持ち主です」
何より特徴的なのはお二方の頭に戴く王冠とティアラ・・。
そして、レオンハルト殿下が『父上』と呼ぶ方はお一人しかいません。
「こ・・国王陛下っ!?」
私は、慌ててレオンハルト殿下の手を振りほどきながら跪こうとします。
しかし、それを国王陛下が手で制します。
「ああ、構わぬよ。どうか気楽にいてほしい」
「いかにも、私が『グラウス・グレイル・サークレット・イルティア』、この国の国王だ」
「私は『シルティーナ・サークレット・イルティア』、この国の王妃よ」
「そして、この子が第一王女の『マリアンネ・サークレット・イルティア』、レオンハルトの妹よ」
王妃に紹介されたマリアンネ様は、レオンハルト殿下に手を添えられた私の腰周りを見ると、顔を赤くしながら微笑みました。
「まぁ!なんて愛らしいお方なのでしょう!お兄様!私にこちらの愛らしいお方を紹介してくださいませ!」
「あ・・ああ、彼女は『アリア』。『アーティナイ連邦』で知り合った女性だ」
マリアンネ様は私の名前を聞くと、両手で私の手を包み込みながらブンブンと振ってきました。
「はじめまして!わたくし、『マリアンネ』と言いますの!是非気軽に『マリア』と呼んでくださいませ!」
「あ・・はい、よろしくお願いします。マリア殿下」
「もう!そんな他人行儀なことなどなさらずに!どうか、わたくしのことは『マ・リ・ア』と呼び捨てになさってください!」
「いえ・・そう言うわけには・・」
「そうだぞ、マリアンネ。私だってまだそんなに親しく呼ばれていない」
「ふんっ!それはお兄様がヘタレだからですわ!」
「ヘタッ・・!?」
「さあ、早く呼んでくださらない!?『マリア』ですよ!さあ!」
「マ・・マリア・・様」
「うーん、『様』が余計ですわ!・・まあ、今日のところはそれで我慢致しますが、いずれ必ず『マリア』と呼んでもらいますわ!」
「ああ・・『アリア』と『マリア』お名前まで運命を感じますわ!まるで双子のよう・・あ!そうですわ!」
「アリア様!わたくし、アリア様のことを『お姉様』と呼んでよろしいですか!」
「そんなっ!『お姉様』なんて畏れ多い・・」
「そ、そうですわ!マリアンネ殿下のような高貴なお方が、ただの平民風情に『お姉様』などと・・本来でしたら、こうして顔を向けるだけでもおこがましい・・」
「リリアーナ、貴女には聞いていないわ」
「ぐっ・・」
なんでしょう・・レオンハルト殿下といい、マリア様といい、私とリリアーナ様に対する対応の温度差が半端ないのですが・・。
リリアーナ様は侯爵令嬢の筈ですよね!?
「何なら『お義姉様』と呼ばせていただきたいくらいですわ!」
『おねえさま』が『おねえさま』になっても同じなのではないでしょうか?
「おいっ!」
何故かグイグイ来るマリア様をレオンハルト殿下が嗜めます。
「ふーん?歓談中に王家の皆さんが席を外されたので、気になって来てみたら・・珍しいものを見れたね」
その時、私達の話へ割り込む形で更に二人の男性がやってきました。
二人は親子のようで、どちらも紺色の髪色をした浅黒い肌色の美男でした。
そして、息子の方、私よりやや年上の男性が突然私の手を取って甲の上に唇を落としました。
「ひゃあ!?」
「ディートリヒ!!」
それを見たレオンハルト殿下が非難の声をあげました。
「ふふっ・・とても初々しい反応だな、お嬢さん。俺は『ディートリヒ・エンパイアス・オルテアガ』、『魔導国家オルテアガ自治国』の第一王子だ」
ディートリヒ殿下はレオンハルト殿下よりもがっちりとした、まるで騎士のように鍛え上げられた身体をしています。
そして、紺色の髪と切長の瞳、色黒の肌がなんとも言えないエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
「ディートリヒ、お前は相変わらず手が早いなあ。・・息子が突然失礼したね、お嬢さん」
続いて私に声をかけてきた方は四十代くらいの、同じく色黒でガタイのいい、グラウス陛下とは違った系統の美丈夫でした。
「余は『魔導国家オルテアガ自治国』第七六代国王、オルクスだ」
「は・・はいっ!!宜しくお願いします!!」
先程からあまりに身分の高い方々ばかりに囲まれていっぱいいっぱいの私は一心不乱に頭を下げました。
「俺は今『イルティア自治国』の学園に留学していてね。『レオン』とは同じ学園に通う学友なんだ」
『レオン』とはレオンハルト殿下の愛称なのでしょうか。
どうやら、両殿下は本当に親しい間柄のようです。
「だから、レオンのことはよく知ってるつもりなんだけどね。女性と仲良くしている姿なんて初めて見たよ」
そう言いながら、ディートリヒ殿下は私の顎を指先でなぞって持ち上げました。
「っ!?」
「一体、どうやって『氷の王子』の心を射止めたのかな?」
目を細めながら問いかけるディートリヒ殿下はとても妖しげです。
というか、絶賛『顎クイ』をされている私の頭の中はパニック状態です!!
バシッ!
ですが、レオンハルト殿下がすぐに私の顎へ伸びた手を払い除けてくれました。
「ディートリヒ、アリアが困っているだろう」
「ふぅん?」
どうしましょう。
何故か両殿下が一触即発状態です。
誰かこの空気を何とかしてください!!
『女神様』がせっかく自治国家を纏めているのですから、両国の未来を担う両殿下には仲良くしていただきたいです!!
シュイイン・・。
その時、私の願いが『女神様』に届いたのか、広間に複数人の騎士がやってきました。
「お待たせしました。皆様、謁見の準備が整いましたのでご案内します」
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