邪神令嬢の学園事情

りゅうじんまんさま

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第一章 入学編

実機講習 〜レオンハルト・マリアンネ〜

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 その後、『アラクネ』の砲撃でターゲットが消し飛んでしまった為、私達は隣のグループと合流することになりました。

『すまないね、私達と一緒に組むことになってしまって』

『い、いえ!!寧ろ嬉しく思いますわ!!レオンハルト殿下とマリアンネ殿下の勇姿を拝見することができるのですから!!』

 合流したグループの令嬢達(が搭乗してると思われる魔導機甲マギ・マキナ)からは嬉しそうな声が聞こえます。

『レオンハルト殿下、マリアンネ殿下、申し訳ありませんが他グループと合同になるので一人ずつ講習をする時間がありません』

『両殿下には恐縮ですが、『プラタナ』と『ウルディナ』の二機同時に実習を受けていただきます』

『私は構わないよ。を練習する良い機会になるしね』

『わたくしも構いませんわ。アリア様に私達兄妹の勇姿をお見せしますわ!』

『助かります。では、二機とも配置についてください』

『承知した』

『了解ですわ!』

 そして、二人の殿下が搭乗する魔導機甲マギ・マキナが、それぞれ開始位置につきました。

『『リデューシングソード』、抜刀!』

 レオンハルト様が掛け声を出すと、『プラタナ』の背部左側で大剣を保持している補助アームが動き出しました。

 そのアームの動きに合わせて、今まで下向きになっていた大剣が縦向きに回転します。

 それによって、大剣の持ち手部分が左脇下をくぐって、右腕で抜刀しやすい左腰前の位置まで移動しました。

 大剣の移動が完了すると、『プラタナ』はそのまま右腕部で大剣の持ち手を掴んで、大剣を一気に鞘から引き抜きました。

 歴史書によれば、『リデューシングソード』には『還元』という、古代神話時代の特殊魔導が付与されているはずです。

『還元』の魔導は接触したあらゆる物質をエーテルに『還元』する能力を持っていて、その魔導をブレード部分に付与することで、あらゆるものを抵抗なく切断できる剣が生み出せるのです。

 元々『還元』を付与した兵器は『邪神』の強固な防御魔導を突破する為に生み出された物ですが、付与した武器の劣化を著しく早める上、発導機の出力を圧迫するので、現代兵器には殆ど使用されていません。

 対して、千年前から存在する『プラタナ』の剣には当時のまま付与されていると思われます。

 ただ、今回は実戦ではないので大剣に付与してある『還元』の魔導は発動していないようです。

 続いて、『ウルディナ』が腰部マウントに装着した魔杖のようなものを手にしました。

 それはおそらく『ヨークスカ』で『メルディーナ』に『烈火インフェルノ』を放った魔導機甲マギ・マキナが手にしていたものと似たような武器だと思われます。

『準備はよろしいですね?今回は二機で行うのでターゲットは倍の二十あります。ご注意を』

『では、カウントを始めます』

『五・・四・・三・・二・・一・・始め!!』

 ドォン!!

『行くぞ!マリアンネ!』

『はい!お兄様!!』

 カウントゼロの瞬間、まずは『プラタナ』が勢いよく飛び出しました。

『プラタナ』の初速は凄まじく、飛び立つだけで地面を激しく抉りました。

 その速度は近接特化型の『フローレンス』すら軽く凌駕しています。

『はあああ!』

 ガキィィィン!!

『プラタナ』はあっという間に一つ目のターゲットへ距離を詰めると、手にした大剣で斬りつけました。

 ドォン!!

 そして、次々と地面にクレーターを作って高速飛翔しながら二つ目、三つ目とターゲットを赤く染めていきます。

『お兄様!!』

 バスン!!

 一方、マリア様が声をあげると、『ウルディナ』の両肩部装甲の一部が外れて、それがそのまま空高く舞い上がって滞空し始めました。

『二時方向にターゲットが二!距離四百ですわ!!』

『わかった!』

 どうやら『ウルディナ』の肩から分離したものは、空から敵の位置を索敵する為の装置のようです。 

 そして、マリア様の言葉を聞いたレオンハルト様は、大剣を持つ方と反対逆の腕部を空に伸ばしました。

 シュイィィン!!ズズズ・・・。

 直後、伸ばした腕部の先に魔導式が展開され、『プラタナ』はそこから『マギ・ライフル』を取り出しました。

 ・・驚きました。

 どうやら、レオンハルト様も私と同じように『収納魔導』が使える『神器アーティファクト』を所有しているようです。

 ドギュウン!!ドギュウン!!

 そして、『マギ・ライフル』を手にした『プラタナ』は遠くのターゲットを次々と撃ち抜いていきます。

『では、わたくしもいきますわ!!』

 そう言うと、『ウルディナ』は手にしていた魔杖を『プラタナ』の後方へ向けました。

『『ウォーター・ガン』!!』

 そして、マリア様が魔導を詠唱すると、魔杖の先端から高圧の水が弾丸のように撃ち出されました。

 やはり、『ウルディナ』が持っているのは『魔導増幅杖マギ・ブースター』のようです。

 ドシュウゥゥン!!

『ウルディナ』は二つのターゲットを遠距離魔導で攻撃すると、そのまま『プラタナ』に残りのターゲットの位置を伝えながら次々と数種類の魔導を発動していきます。

『『ウォーターカッター』!!』

 続いて『ウルディナ』から放たれた巨大な水の刃は、近接する二つのターゲットをまとめて赤色に染めました。

 どうやら、マリア様は『水属性魔導』に特性があるみたいです。

 魔導を発動するのに必要なマナを出力することができる量には個人差がありますが、魔導を発動するのに必要なマナ消費量にも、属性ごとの個人差があります。

 これは『特性』と呼ばれ、自分の特性に合った属性魔導であれば、少ないマナで発動することができます。

 近接、遠距離両方の武器を多彩に使いこなす『プラタナ』と数種類の魔導を使い分けて支援する『ウルディナ』の組み合わせは絶妙で、二機は難無く全てのターゲットを赤く染めていきました。

『そこまでです!』

 そして、ジーク教官の号令と共に、二機が私達の元へ帰ってきました。

『ただいまの結果は五分十二秒です!!』

『ふう、どうやらエカテリーナ嬢には及ばなかったみたいだな』

『いいえ、いくら二機とは言え、ターゲットの数は二倍。単純に条件は同じとは言えませんわ』

『そんな中でこの時間、さすがはレオンハルト殿下とマリアンネ殿下ですわ!』

『エカテリーナにそう言ってもらったら鼻が高いわ!』

 エカテリーナの言葉にマリア様は満足げな声を返していました。

『レオンハルト様、マリア様。お二人ともとても息が合っていましたよ』

『ああ!お義姉様に褒められてわたくし、感激ですわ!』

『ふふ、アリアにいいところが見せられたかな?』

『はい!それはもう!』

『それはよかった・・次は、アリアの番だね。楽しみにしているよ』

『緊張しますけど・・がんばります!』

『『メルティーナ』の力、見せてもらいますわよ』

『アリアちゃん、がんばって!』

『お義姉様!!期待していますわ!!』

『それではアリア嬢、配置についてください』

『わかりました』

 ギウゥゥゥゥン!

 私はジーク教官に促され、『メルティーナ』の歩みを進めました。





~設定資料~

後方支援型魔導機甲『ウルディナ』

 水属性魔導に特性を持ったマリアンネ専用機。

 動力に第七世代クラマ式発導機を備え、搭乗者の『魔導』を発導機の出力によって増幅する『魔導増幅杖』によって魔導攻撃を行う。

 両肩部装甲に上空から視覚的・魔導的に周囲を走査する魔導具『賢者の目』を装備、支援能力に優れる。

 機体特性は後方支援だが、使用魔導によっては近接戦闘も可能な為機体としてのバランスは非常に高い。



~スペック~

後方支援型魔導機甲『ウルディナ』

全高18.8メートル

乾燥重量 62.9トン システム重量 65.3トン

動力 単発式七型クラマ式発導機(ヒヒイロカネ・マギフォーミュラ・マナ・ジェネレーター)

動力伝達系 流体ミスリル

装甲 ミスリル・アダマンタイト鋼

定格出力 5640サイクラ 最大 5990サイクラ

最高飛行速度 時速1020km/h

想定耐用時間22,900時間(定格出力稼働による)

搭載魔導

飛翔魔導 上級防御魔導 

武装

魔導増幅杖『アクア・ワンド』

設計・開発
レゾニア重工


~設定資料2~


人工女神『プラタナ』

 千年前の『邪神デスティウルス』討伐時に勇者クラリスによって開発された人類初の魔導機甲。

 開発当初はミスリルが装甲に使用された為マナ劣化が生じていたが、後に女神ハーティルティアによって完全プラティウム化される。

 その際に人工女神という特殊な魔導機甲と認定された。

 動力にはクラリス式発導機の半永久機関が使用され、現代の魔導機甲とは桁違いの出力を誇る。

 『邪神』討伐後、女神ハーティルティアによって『極大防御魔導』が付与されて機体の耐久性能が上昇したことから、現在の数値まで発導機の出力が上昇改修された。

 装甲全体には『極大防御魔導』が付与され、これを突破することが出来るのは『邪神』もしくは『邪神』討伐が可能な戦闘力を持つ者のみと言われている。

 背部補助アームにマウントされた『リデューシングソード』以外の全ての兵装は『収納魔導』に格納され、必要時に取り出して戦うことができる。

 事実上の無敵な防御力と多岐にわたる兵装により機体特性は無く、あらゆる戦闘スタイルを万能にこなす。



スペック

対『邪神』用決戦兵器 人工女神『プラタナ』

全高19.4メートル

乾燥重量 38.9トン システム重量 45.9トン

動力 プラティウム・マギフォーミュラ・マナ・ジェネレーター 

動力伝達系 装甲伝達

装甲 プラティウム

定格出力 288000サイクラ 最大出力 325000サイクラ

最高飛行速度 時速3800km/h(事実上)

想定耐用時間   無制限

搭載魔導
飛翔魔導 極大防御魔導 
還元魔導 『リデューシングソード』に搭載
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