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第二章 生徒会編
教会裁判3
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その直後、謁見の間を満たす空気全体が重くなるような錯覚を感じました。
「リリス、勘違いしないで頂戴」
そして、突如すっと表情を無くしたハーティルティア様に誰もが息を呑みました。
「アリアちゃんが許すと言ったことを私が承認したのよ?」
「貴女は『女神教会』の教義と私の言葉、どちらに従うの?」
ハーティルティア様の言葉には、あらゆる存在を本能で従わせるような凄みがありました。
「っ!?」
ハーティルティア様の言葉を聞いた瞬間、リリス様の顔が驚愕に染まりました。
そして、すかさずハーティルティア様の前に跪きました。
「出過ぎた真似をして申し訳ございません。全てはハーティルティア様の御心のままに」
その言葉を聞いたハーティルティア様は満足そうに頷きました。
直後、謁見の間全体に圧し掛かった空気が一気に霧散しました。
「というわけで、この件についての処分はアリアちゃんに丸投げするわ!」
正直、先ほどまでの緊張感が嘘のような軽さです。
「ハーティルティア様!!」
「リリス、あなたも年をとって頭が固くなったんじゃない?」
「っ!?そんなことはありません!!それに私はまだまだ若いです!!」
「はいはい」
事もなげにあしらわれてぷりぷりと怒る『聖女様』を見ると、改めてハーティルティア様がこの世界で絶対的な存在である事を感じました。
「はあ・・・仕方ありませんね。私としては納得しかねますが、ハーティルティア様が正式にアリアさんへ全権を委任された以上、私には何も言えません。では、アリアさん。あなたは被害者としてリリアーナさん達をどのように処分しますか?」
リリス様の問いかけに、私は慎重に言葉を選びながら答えます。
「・・・ここはあくまで『学園』です。確かにリリアーナ様が起こしたことは大きな問題です。ですが、私達は未熟な学生です。言ってしまえば子供といっても良いくらいです」
「私は肉親が他界して一人になってしまいましたが、リリアーナ様には家族がいらっしゃいます」
「でしたら、子供が起こした過ちは、親が正してあげればいいと思います」
「ですから、ライオネル公爵様。どうかリリアーナ様に『父親』としてのご配慮をお願いします」
私は小娘なので自治国の宰相相手に生意気なことを言っている自覚がありました。
ですが、一応私は『公爵』らしいので不敬にはならない筈です。
私の言葉を聞いたライオネル公爵は静かに頭を下げました。
「レゾニア閣下の御慈悲・・・痛み入ります」
レゾニア公爵は、私に対して格上貴族としての対応をされるようです。
「どうやら、宰相としての業務に追われている中で、わが娘の事を鑑みられなかったようですな」
「ですから、リリアーナには学園を退学してもらい、これからは領地でもう一度淑女としての教育を施していく所存です」
「それから、今回の責を取る為に私は宰相の立場を辞し、今一度家族皆で領地へ隠居させて頂きたく存じます」
「・・・『神聖イルティア自治国』国王の名代として、ライオネル公爵の申し出を受理します」
レオン様の返答に、ライオネル公爵家全員が再び恭しく頭を下げました。
そして、その後三人は騎士に促されながら静かに謁見の間を去って行きました。
結局リリアーナ様は学園を去ることになってしまいましたが、領地で穏やかに暮らしていける様に願うばかりです。
そう思いながらリリアーナ様達を見送った直後、今まで傍観を貫いていたディートリヒ殿下が突然口を開きました。
「いずれにせよ、リリアーナ嬢は学園を去ることになる・・か、彼女は生徒会の役員だったのだがな」
「はあ・・どこかにリリアーナ嬢の代わりに生徒会役員になってもらえるような上位貴族のご令嬢は居ないものなのか・・」
そう言いながらディートリヒ殿下は私をじっと見つめました。
「っ!!ディートリヒ!!貴様!!」
それに対して、何故かレオン様が怒りはじめました。
「貴方達、ハーティさんの御前ですよ」
「まあいいじゃない、シエラ。はあ・・若いっていいわね」
そう言ってうっとりするハーティルティア様も見た目だけはうら若き美少女なのですが・・。
「アリアちゃん、せっかく学園に来たんだし、やってみたらどうかしら?」
「そんな!!私、学園に入ったばかりで・・!?」
ハーティルティア様にまで生徒会役員になることを勧められて、私は狼狽えました。
「大丈夫だよアリア。生徒会の業務については俺がしっかり教えるし、アリアが手伝ってくれると嬉しいな」
「っ!ディートリヒ!!こうなることを見越してわざと今、その話題を出したな!?」
「さて?なんの話だ?私はアリアが被った事件によって生徒会役員に欠員が出てしまうことを危惧して相談しただけだが??」
「っ!そんな言い方をしたらアリアが断れないだろう!?」
確かにディートリヒ殿下の言い方は策略的ですが、確かにリリアーナ様が学園を去ることは私にも落ち度があります。
「いいんです、レオン様。わかりました、生徒会役員の件・・引き受けます」
「アリア!!」
「それにハーティルティア様も勧めてくださっているのです。言わば神託のようなものですよ?」
「・・ぐっ!!」
私の言葉を聞いて押し黙ったレオン様は、射殺すような視線をディートリヒ殿下へ向けました。
「ありがとう、アリア!!」
対して、ディートリヒ殿下はその視線を全く気にも留めていないようです。
「・・とにかく学園の事は後程学園で話し合ってください。とりあえず、『女神裁判』はこれにて閉廷とします」
その後、リリス様の言葉で波乱の『女神裁判』は幕を閉じることとなりました。
そして、『イルティア騎士貴族学園』の生徒会役員となった私が、やがて世界を揺るがす程の大きな事件に巻き込まれることになるとは、この時の私はまだ知り得なかったのでした。
「リリス、勘違いしないで頂戴」
そして、突如すっと表情を無くしたハーティルティア様に誰もが息を呑みました。
「アリアちゃんが許すと言ったことを私が承認したのよ?」
「貴女は『女神教会』の教義と私の言葉、どちらに従うの?」
ハーティルティア様の言葉には、あらゆる存在を本能で従わせるような凄みがありました。
「っ!?」
ハーティルティア様の言葉を聞いた瞬間、リリス様の顔が驚愕に染まりました。
そして、すかさずハーティルティア様の前に跪きました。
「出過ぎた真似をして申し訳ございません。全てはハーティルティア様の御心のままに」
その言葉を聞いたハーティルティア様は満足そうに頷きました。
直後、謁見の間全体に圧し掛かった空気が一気に霧散しました。
「というわけで、この件についての処分はアリアちゃんに丸投げするわ!」
正直、先ほどまでの緊張感が嘘のような軽さです。
「ハーティルティア様!!」
「リリス、あなたも年をとって頭が固くなったんじゃない?」
「っ!?そんなことはありません!!それに私はまだまだ若いです!!」
「はいはい」
事もなげにあしらわれてぷりぷりと怒る『聖女様』を見ると、改めてハーティルティア様がこの世界で絶対的な存在である事を感じました。
「はあ・・・仕方ありませんね。私としては納得しかねますが、ハーティルティア様が正式にアリアさんへ全権を委任された以上、私には何も言えません。では、アリアさん。あなたは被害者としてリリアーナさん達をどのように処分しますか?」
リリス様の問いかけに、私は慎重に言葉を選びながら答えます。
「・・・ここはあくまで『学園』です。確かにリリアーナ様が起こしたことは大きな問題です。ですが、私達は未熟な学生です。言ってしまえば子供といっても良いくらいです」
「私は肉親が他界して一人になってしまいましたが、リリアーナ様には家族がいらっしゃいます」
「でしたら、子供が起こした過ちは、親が正してあげればいいと思います」
「ですから、ライオネル公爵様。どうかリリアーナ様に『父親』としてのご配慮をお願いします」
私は小娘なので自治国の宰相相手に生意気なことを言っている自覚がありました。
ですが、一応私は『公爵』らしいので不敬にはならない筈です。
私の言葉を聞いたライオネル公爵は静かに頭を下げました。
「レゾニア閣下の御慈悲・・・痛み入ります」
レゾニア公爵は、私に対して格上貴族としての対応をされるようです。
「どうやら、宰相としての業務に追われている中で、わが娘の事を鑑みられなかったようですな」
「ですから、リリアーナには学園を退学してもらい、これからは領地でもう一度淑女としての教育を施していく所存です」
「それから、今回の責を取る為に私は宰相の立場を辞し、今一度家族皆で領地へ隠居させて頂きたく存じます」
「・・・『神聖イルティア自治国』国王の名代として、ライオネル公爵の申し出を受理します」
レオン様の返答に、ライオネル公爵家全員が再び恭しく頭を下げました。
そして、その後三人は騎士に促されながら静かに謁見の間を去って行きました。
結局リリアーナ様は学園を去ることになってしまいましたが、領地で穏やかに暮らしていける様に願うばかりです。
そう思いながらリリアーナ様達を見送った直後、今まで傍観を貫いていたディートリヒ殿下が突然口を開きました。
「いずれにせよ、リリアーナ嬢は学園を去ることになる・・か、彼女は生徒会の役員だったのだがな」
「はあ・・どこかにリリアーナ嬢の代わりに生徒会役員になってもらえるような上位貴族のご令嬢は居ないものなのか・・」
そう言いながらディートリヒ殿下は私をじっと見つめました。
「っ!!ディートリヒ!!貴様!!」
それに対して、何故かレオン様が怒りはじめました。
「貴方達、ハーティさんの御前ですよ」
「まあいいじゃない、シエラ。はあ・・若いっていいわね」
そう言ってうっとりするハーティルティア様も見た目だけはうら若き美少女なのですが・・。
「アリアちゃん、せっかく学園に来たんだし、やってみたらどうかしら?」
「そんな!!私、学園に入ったばかりで・・!?」
ハーティルティア様にまで生徒会役員になることを勧められて、私は狼狽えました。
「大丈夫だよアリア。生徒会の業務については俺がしっかり教えるし、アリアが手伝ってくれると嬉しいな」
「っ!ディートリヒ!!こうなることを見越してわざと今、その話題を出したな!?」
「さて?なんの話だ?私はアリアが被った事件によって生徒会役員に欠員が出てしまうことを危惧して相談しただけだが??」
「っ!そんな言い方をしたらアリアが断れないだろう!?」
確かにディートリヒ殿下の言い方は策略的ですが、確かにリリアーナ様が学園を去ることは私にも落ち度があります。
「いいんです、レオン様。わかりました、生徒会役員の件・・引き受けます」
「アリア!!」
「それにハーティルティア様も勧めてくださっているのです。言わば神託のようなものですよ?」
「・・ぐっ!!」
私の言葉を聞いて押し黙ったレオン様は、射殺すような視線をディートリヒ殿下へ向けました。
「ありがとう、アリア!!」
対して、ディートリヒ殿下はその視線を全く気にも留めていないようです。
「・・とにかく学園の事は後程学園で話し合ってください。とりあえず、『女神裁判』はこれにて閉廷とします」
その後、リリス様の言葉で波乱の『女神裁判』は幕を閉じることとなりました。
そして、『イルティア騎士貴族学園』の生徒会役員となった私が、やがて世界を揺るがす程の大きな事件に巻き込まれることになるとは、この時の私はまだ知り得なかったのでした。
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