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プロローグ
神々の願い
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無限に続く焦土。
あらゆる物が焼ける匂いが立ち込める。
そこに、かつて満ち溢れた美しい草木や草原の姿は無かった。
そして、どこまでも続く赤黒い空の下、一柱の女神が佇んでいた。
淡く輝く白銀の長髪を靡かせ、同じく白銀の双眸を潤ませたその色は、彼女の身に纏う神気の光と同じであった。
女神ハーティルティア。
悠久の時を生きる彼女は、この神界で最も美しく、気高く、強い女神であった。
永きにわたりこの神界で続く『神界大戦』は、いよいよ最終局面を迎えていた。
「ハーティルティア様・・・」
女神ハーティルティアの真横にもう一柱の女神が歩み寄った。
「リリス・・・」
女神ハーティルティアはそのもう一柱の女神の名を呼ぶ。
「この戦いは、あまりに永く続きました」
「かつての美しい木々も大地も無くなり、この神界を満たす神気も失われ、私たち神々の力も弱まりました」
「このままではこの神界は『邪神デスティウルス』によって滅ぼされるのを待つしかありません・・」
「もはや、たとえ全ての『邪神』を討ち滅ぼしてこの戦いが終わったとしても、神気の薄れたこの神界に安寧は訪れないでしょう。それ程、この『神界』は『闇の力』に浸食されました」
「・・・・・」
リリスは、ただ静かに『女神ハーティルティア』の言葉を聞いていた。
「親愛なる主君・・・」
その言葉を耳にして、リリスの反対側に侍るもう一柱の筋骨隆々とした男型の神も悔しさで顔を顰めた。
そして、『女神ハーティルティア』の前に集まる他の神々達も皆、同じ表情であった。
「かくなる上はこの神界、そして我々神々の『存在』全てを以って『邪神デスティウルス』を滅ぼして、新たなる世界を再構築するしかありません」
「悠久の時を生きた神々にとって、その身を滅ぼすことはつらいと思いますが・・・」
「グォォォォン」
その時、神々の目の前に広がる空に邪悪な声を響かせながら、黒い霧が塊となっていく。
永きに渡って邪悪な力を増幅させた『邪神』は、もはや特定の形を持たない存在となっていた。
「敬愛する主様。もはや一刻の猶予もございません。このままでは『邪神』の力が我々にまで及んでしまいます」
リリスと共にハーティルティアの側近を務める、リリスよりも大人気な印象を持った長身の女神が両手を祈る様にしながらハーティルティアへ進言した。
「ハーティルティア様。例え我々が消滅したとしても『邪神』を滅ぼした後に新たな世界が続くのであれば本望です」
「何もせずに全てが無に帰するのであれば、新しい世界に望みを託しましょう!」
「そうだそうだ!」
リリスの言葉に他の神々も賛同する。
そして、神々の賛同の声はどんどん大きくなってくる。
「みなさん・・・」
「ハーティルティア様。我ら神々は皆、ハーティルティア様を敬愛しています」
「そして、ハーティルティア様が新たに創造される世界の為であれば、喜んでその存在を差し出しましょう」
「リリス・・・」
その言葉を聞いて感極まったハーティルティアは、思わずリリスを抱きしめる。
その二柱の姿を見て、神々の決意はさらに固まった。
「ウォォォォン」
その空気を感じ取ってか、邪悪な存在はさらに膨れ上がった。
『愚カナ神々達ヨ・・・・我ノ糧トナルタメニ滅ビルガイイ!』
その邪悪な声は、神々の意識に直接響き渡っていた。
「ハーティルティア様!!さあ早く!」
「・・・わかりました。新しい世界の為、皆さま、その存在を私に託してください!」
「神技!『神気解放』!この世界全ての神気を再構築せよ!代償は、全ての『神々』の『存在』!!」
その言葉を聞いた神々達は皆目を閉じて神気を解放する。
そして、神々が放出する神気の光が重なり合い、美しい白銀の空間が『神界』中に広がって行った。
やがて、それは『邪神』の存在すら飲み込んでゆく。
『『神気解放』ダト!?貴様ラ、我ヲ道連レニスルツモリカ!?』
『クッ!?悪アガキヲ!ソウハサセヌ!愚カナ貴様ラダケガ滅ビルガイイ!』
そう言いながら、『邪神デスティウルス』は邪悪な力をさらに増幅させる。
しかし、神々の『存在』を犠牲に解き放った神気の光は、それ以上の力で全ての『邪神』達を飲み込んでゆく。
『ソンナ馬鹿ナ!?ナラヌ、ナラヌゾ!?コンナコト、アッテハナラナイ!』
『アラユル並行異世界ヲ滅ボシテキタ我ガ、滅ビルナド!』
『コノヨウナコトナド許サレナイ!愚カナ神々ヨ!例エ我ノ存在ガ滅ビヨウトモ、必ズ!必ズ我ハ復活スルデアロウ!』
『必ズヤ!必ズ・・・!』
その声を最後に『邪神』の存在は白銀の光に飲み込まれて行った。
そして、神々達もまた、自身の存在が希薄になるのを感じていった。
(ハーティルティアさま・・・)
(親愛なる主君への忠誠は永遠に変わりませんぞ!)
(どうか、新たな世界に敬愛する主様の祝福を!)
ハーティルティアと三柱の側近達は、希薄になる意識の中で手を繋ぎ合う。
(願わくば、新しい世界で『愛し子』たちに安寧があらんことを・・・)
その言葉を最後に全ての神々は神界と共に白銀の光となり、消滅した。
そして、その光は様々な姿、あらゆる『存在』に形を変えていった。
かくして、全ての神々の『存在』を代償として新たな世界が創造された。
神々の放った神気はエーテルとして姿を変えて新しい世界に満たされ、新たな生命が生まれた。
そして、新たな世界で生まれた生物達は様々な種族に派生していき、時に争い、時にあらたな国家を生み出しながら発展していった。
その後、神々の戦いは『神話』として語り継がれ、それから数千年もの時が流れて行った。
あらゆる物が焼ける匂いが立ち込める。
そこに、かつて満ち溢れた美しい草木や草原の姿は無かった。
そして、どこまでも続く赤黒い空の下、一柱の女神が佇んでいた。
淡く輝く白銀の長髪を靡かせ、同じく白銀の双眸を潤ませたその色は、彼女の身に纏う神気の光と同じであった。
女神ハーティルティア。
悠久の時を生きる彼女は、この神界で最も美しく、気高く、強い女神であった。
永きにわたりこの神界で続く『神界大戦』は、いよいよ最終局面を迎えていた。
「ハーティルティア様・・・」
女神ハーティルティアの真横にもう一柱の女神が歩み寄った。
「リリス・・・」
女神ハーティルティアはそのもう一柱の女神の名を呼ぶ。
「この戦いは、あまりに永く続きました」
「かつての美しい木々も大地も無くなり、この神界を満たす神気も失われ、私たち神々の力も弱まりました」
「このままではこの神界は『邪神デスティウルス』によって滅ぼされるのを待つしかありません・・」
「もはや、たとえ全ての『邪神』を討ち滅ぼしてこの戦いが終わったとしても、神気の薄れたこの神界に安寧は訪れないでしょう。それ程、この『神界』は『闇の力』に浸食されました」
「・・・・・」
リリスは、ただ静かに『女神ハーティルティア』の言葉を聞いていた。
「親愛なる主君・・・」
その言葉を耳にして、リリスの反対側に侍るもう一柱の筋骨隆々とした男型の神も悔しさで顔を顰めた。
そして、『女神ハーティルティア』の前に集まる他の神々達も皆、同じ表情であった。
「かくなる上はこの神界、そして我々神々の『存在』全てを以って『邪神デスティウルス』を滅ぼして、新たなる世界を再構築するしかありません」
「悠久の時を生きた神々にとって、その身を滅ぼすことはつらいと思いますが・・・」
「グォォォォン」
その時、神々の目の前に広がる空に邪悪な声を響かせながら、黒い霧が塊となっていく。
永きに渡って邪悪な力を増幅させた『邪神』は、もはや特定の形を持たない存在となっていた。
「敬愛する主様。もはや一刻の猶予もございません。このままでは『邪神』の力が我々にまで及んでしまいます」
リリスと共にハーティルティアの側近を務める、リリスよりも大人気な印象を持った長身の女神が両手を祈る様にしながらハーティルティアへ進言した。
「ハーティルティア様。例え我々が消滅したとしても『邪神』を滅ぼした後に新たな世界が続くのであれば本望です」
「何もせずに全てが無に帰するのであれば、新しい世界に望みを託しましょう!」
「そうだそうだ!」
リリスの言葉に他の神々も賛同する。
そして、神々の賛同の声はどんどん大きくなってくる。
「みなさん・・・」
「ハーティルティア様。我ら神々は皆、ハーティルティア様を敬愛しています」
「そして、ハーティルティア様が新たに創造される世界の為であれば、喜んでその存在を差し出しましょう」
「リリス・・・」
その言葉を聞いて感極まったハーティルティアは、思わずリリスを抱きしめる。
その二柱の姿を見て、神々の決意はさらに固まった。
「ウォォォォン」
その空気を感じ取ってか、邪悪な存在はさらに膨れ上がった。
『愚カナ神々達ヨ・・・・我ノ糧トナルタメニ滅ビルガイイ!』
その邪悪な声は、神々の意識に直接響き渡っていた。
「ハーティルティア様!!さあ早く!」
「・・・わかりました。新しい世界の為、皆さま、その存在を私に託してください!」
「神技!『神気解放』!この世界全ての神気を再構築せよ!代償は、全ての『神々』の『存在』!!」
その言葉を聞いた神々達は皆目を閉じて神気を解放する。
そして、神々が放出する神気の光が重なり合い、美しい白銀の空間が『神界』中に広がって行った。
やがて、それは『邪神』の存在すら飲み込んでゆく。
『『神気解放』ダト!?貴様ラ、我ヲ道連レニスルツモリカ!?』
『クッ!?悪アガキヲ!ソウハサセヌ!愚カナ貴様ラダケガ滅ビルガイイ!』
そう言いながら、『邪神デスティウルス』は邪悪な力をさらに増幅させる。
しかし、神々の『存在』を犠牲に解き放った神気の光は、それ以上の力で全ての『邪神』達を飲み込んでゆく。
『ソンナ馬鹿ナ!?ナラヌ、ナラヌゾ!?コンナコト、アッテハナラナイ!』
『アラユル並行異世界ヲ滅ボシテキタ我ガ、滅ビルナド!』
『コノヨウナコトナド許サレナイ!愚カナ神々ヨ!例エ我ノ存在ガ滅ビヨウトモ、必ズ!必ズ我ハ復活スルデアロウ!』
『必ズヤ!必ズ・・・!』
その声を最後に『邪神』の存在は白銀の光に飲み込まれて行った。
そして、神々達もまた、自身の存在が希薄になるのを感じていった。
(ハーティルティアさま・・・)
(親愛なる主君への忠誠は永遠に変わりませんぞ!)
(どうか、新たな世界に敬愛する主様の祝福を!)
ハーティルティアと三柱の側近達は、希薄になる意識の中で手を繋ぎ合う。
(願わくば、新しい世界で『愛し子』たちに安寧があらんことを・・・)
その言葉を最後に全ての神々は神界と共に白銀の光となり、消滅した。
そして、その光は様々な姿、あらゆる『存在』に形を変えていった。
かくして、全ての神々の『存在』を代償として新たな世界が創造された。
神々の放った神気はエーテルとして姿を変えて新しい世界に満たされ、新たな生命が生まれた。
そして、新たな世界で生まれた生物達は様々な種族に派生していき、時に争い、時にあらたな国家を生み出しながら発展していった。
その後、神々の戦いは『神話』として語り継がれ、それから数千年もの時が流れて行った。
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