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第四章 エルフの国リーフィア編
リーフィアの樹海2
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(どうしよう・・ユナが出たら余計まずい雰囲気になっちゃったよ・・)
(こうなったら私が説得するしか・・・でもいきなり私が出てきて大丈夫かな・・『エルフ』がみんな帝都のシグルドさんみたいな感じだったとしたら混乱を招く気しかないわ・・)
ガサッ!
ハーティが今からどうするべきか考えを巡らせていた時に、近くの枝が揺れている音が聞こえてきた。
「ん?」
ハーティがその音の方へ向いてみると、人工女神を上から弓で狙うために移動してきたらしい女性の弓使い『エルフ』と目があった。
「はえあ!?」
その弓使い『エルフ』はハーティと目が合った瞬間、口と目を大きく開いて言葉にならない声を出した。
「・・・きゅう」
そして、そのまま意識を手放すと、木の枝から落ちていった。
「え!?あ!ちょ!!」
ガササササ!!ドサッ!!
「「「!!!」」」
気絶した『エルフ』は木の枝に引っかかりながら落ちたので目立った外傷はなかったが、突如上から落ちてきた『エルフ』の姿を見たユナ達は動揺を隠せないようであった。
「っ!?大丈夫か!?はっ!?貴様ぁぁ!!貴様に注意を向けている間に仲間に攻撃をするなど何という卑怯な只人だ!成敗してくれる!」
「ええ!!?いや!?誤解ですよ!!」
仲間が木から転落したのを目の当たりにして頭に血が上った騎士の『エルフ』は、そのまま構えていた剣を振りかぶってユナへ攻撃を始めようとしていた。
「くっ!?やむを得ませんか・・・」
それに対して、ユナが騎士の『エルフ』を無力化する為に動き始めようとする。
「ちょっと待ってええ!!」
動き出した二人を見てこれ以上話が拗れたらまずいと判断したハーティは、すぐさま『メルティーナ』から飛び降りてユナ達の前へ立ち塞がった。
ガキイィィィィン!!
直後、振り下ろされた剣がハーティの肩口に衝突するが、その攻撃は常時発動している防御魔導によって防がれた。
「「「・・・・」」」
カランカラン・・・。
そして、立ち塞がったハーティの姿を見た瞬間、『エルフ』達は皆一様に絶句しながら手にしている武器を落としていた。
ドサッ!ドサッ!
更には木に登っていたであろう『エルフ』達数人がボトボトと転落していった。
『なんだか『アーティナイ連邦』に伝わる『蚊取り線香』みたいね』
クラリスの暢気な言葉に付き合う人間は誰もいなかった。
「なんてことでしょう・・これは夢なのでしょうか?」
ユナの前にいた女性騎士達は呆けながら膝を地面に落としていった。
そして、その頬には一筋の涙が伝っていた。
「わたしは・・なんということをしてしまったのだ・・『エルフ』とあろうものが・・至高の女神様に剣を向けてしまった・・」
そして、ハーティに剣を当ててしまった騎士の『エルフ』は絶望に染まった顔になりながら、地に落ちた魔導銀の剣を力なく手に取った。
『あ・・察し・・』
クラリスが言葉を漏らすと同時に、騎士の『エルフ』は手に取った剣の刃先を首筋に向けて充てがおうとする。
「いや!させませんよ!?」
ハーティは慌てて自害しようとする騎士の剣を奪い取った。
「ああ!そんな!?御無体な!!せめて騎士として誇りある死を!!」
剣を奪われた騎士は涙を流しながら平伏してハーティに懇願してきた。
「そんなこと気にしなくていいですから、死ぬなんて馬鹿な真似はやめてください!ほら!そこの『エルフ』さんも勝手に自決しようとしないでください!」
ハーティに向かって弓を向けたことが自分にとって相当許せない事案らしく、先ほどから複数の『エルフ』達が思い思いの方法で自決を図ろうとしていた。
「あーもう!めんどくさい!ここでの一切の出来事を『女神ハーティルティア』の名において赦します!これ以上この件についてとやかく言うのはこの私が許しません!!」
ザザッ!
「「「御意」」」
やけっぱちになったハーティが声高々に宣言すると、『エルフ』達は一糸乱れぬ動きで平伏した。
そして、先程自害を阻止された騎士『エルフ』がハーティに歩み寄ると、そのまま『最敬礼』の姿勢となった。
「女神様の御慈悲に心から感謝致します。私は『エルフの国リーフィア』の王宮騎士団長を務めている『クロード』と申します。我々『リーフィア』の民は女神様の御降臨を心より嬉しく思います」
「いえ、こちらこそ驚かせてすいません」
ハーティはそういうとクロードに向かってペコリと頭を下げた。
「いやいや!そんな!恐縮すぎます!それよりも、どうかその敬語をおやめください!『女神様』に畏まられたら、我ら『エルフ』は落ち着かない気分になります!どうか『リーフィア』ではそのような事はおやめください!」
「・・わかりました、じゃあ、気楽に接するようにするわね」
「助かります」
「じゃあ、さっそくだけど私の仲間達を紹介させてもらうわね。みんな!もう降りてきてもいいわよ!」
『まったく、待ちくたびれたわよ!』
バシュウウウ・・・。
ハーティの言葉を聞き、クラリス達がボヤきながら人工女神から地上に降り立った。
ズズズ・・・。
そして、二機の人工女神は、そのままそれぞれの収納魔導に格納されていった。
「「「ザワザワ・・・」」」
そのタイミングに合わせて、周囲にいる『エルフ』達がざわめき始めた。
「やっぱりあたし達の人工女神を見たらこうなるわよねえ」
クラリスはやれやれといった感じで呟いていたが、どうやら『エルフ』達が騒いでいるのは人工女神を見たからではなさそうであった。
何故なら、『エルフ』達は一様にわなわなと震えながらある一点に視線を向けていたからであった。
そして、その視線の集まる先にはナラトスが立っていた。
「うん?」
突如『エルフ』達の視線を感じたナラトスは首を傾げていた。
そして、再び顔を青ざめさせたクロードが、戦慄した様子で口を開いた。
「な・・なんという禍々しい色をした男なのだ・・・!?そこの黒髪の男!貴様ただの人間ではないな!よもや・・『邪神』だというのか!!」
「あっ・・!?そう言えば『エルフ』って種族的に『魂の色が視える』って言ってたのよね・・」
「『エルフ』からすれば我の『魂の色』は恐怖しか与えぬだろうな」
ハーティはもう一つの誤解が生まれそうな気配を感じで嘆息した。
(こうなったら私が説得するしか・・・でもいきなり私が出てきて大丈夫かな・・『エルフ』がみんな帝都のシグルドさんみたいな感じだったとしたら混乱を招く気しかないわ・・)
ガサッ!
ハーティが今からどうするべきか考えを巡らせていた時に、近くの枝が揺れている音が聞こえてきた。
「ん?」
ハーティがその音の方へ向いてみると、人工女神を上から弓で狙うために移動してきたらしい女性の弓使い『エルフ』と目があった。
「はえあ!?」
その弓使い『エルフ』はハーティと目が合った瞬間、口と目を大きく開いて言葉にならない声を出した。
「・・・きゅう」
そして、そのまま意識を手放すと、木の枝から落ちていった。
「え!?あ!ちょ!!」
ガササササ!!ドサッ!!
「「「!!!」」」
気絶した『エルフ』は木の枝に引っかかりながら落ちたので目立った外傷はなかったが、突如上から落ちてきた『エルフ』の姿を見たユナ達は動揺を隠せないようであった。
「っ!?大丈夫か!?はっ!?貴様ぁぁ!!貴様に注意を向けている間に仲間に攻撃をするなど何という卑怯な只人だ!成敗してくれる!」
「ええ!!?いや!?誤解ですよ!!」
仲間が木から転落したのを目の当たりにして頭に血が上った騎士の『エルフ』は、そのまま構えていた剣を振りかぶってユナへ攻撃を始めようとしていた。
「くっ!?やむを得ませんか・・・」
それに対して、ユナが騎士の『エルフ』を無力化する為に動き始めようとする。
「ちょっと待ってええ!!」
動き出した二人を見てこれ以上話が拗れたらまずいと判断したハーティは、すぐさま『メルティーナ』から飛び降りてユナ達の前へ立ち塞がった。
ガキイィィィィン!!
直後、振り下ろされた剣がハーティの肩口に衝突するが、その攻撃は常時発動している防御魔導によって防がれた。
「「「・・・・」」」
カランカラン・・・。
そして、立ち塞がったハーティの姿を見た瞬間、『エルフ』達は皆一様に絶句しながら手にしている武器を落としていた。
ドサッ!ドサッ!
更には木に登っていたであろう『エルフ』達数人がボトボトと転落していった。
『なんだか『アーティナイ連邦』に伝わる『蚊取り線香』みたいね』
クラリスの暢気な言葉に付き合う人間は誰もいなかった。
「なんてことでしょう・・これは夢なのでしょうか?」
ユナの前にいた女性騎士達は呆けながら膝を地面に落としていった。
そして、その頬には一筋の涙が伝っていた。
「わたしは・・なんということをしてしまったのだ・・『エルフ』とあろうものが・・至高の女神様に剣を向けてしまった・・」
そして、ハーティに剣を当ててしまった騎士の『エルフ』は絶望に染まった顔になりながら、地に落ちた魔導銀の剣を力なく手に取った。
『あ・・察し・・』
クラリスが言葉を漏らすと同時に、騎士の『エルフ』は手に取った剣の刃先を首筋に向けて充てがおうとする。
「いや!させませんよ!?」
ハーティは慌てて自害しようとする騎士の剣を奪い取った。
「ああ!そんな!?御無体な!!せめて騎士として誇りある死を!!」
剣を奪われた騎士は涙を流しながら平伏してハーティに懇願してきた。
「そんなこと気にしなくていいですから、死ぬなんて馬鹿な真似はやめてください!ほら!そこの『エルフ』さんも勝手に自決しようとしないでください!」
ハーティに向かって弓を向けたことが自分にとって相当許せない事案らしく、先ほどから複数の『エルフ』達が思い思いの方法で自決を図ろうとしていた。
「あーもう!めんどくさい!ここでの一切の出来事を『女神ハーティルティア』の名において赦します!これ以上この件についてとやかく言うのはこの私が許しません!!」
ザザッ!
「「「御意」」」
やけっぱちになったハーティが声高々に宣言すると、『エルフ』達は一糸乱れぬ動きで平伏した。
そして、先程自害を阻止された騎士『エルフ』がハーティに歩み寄ると、そのまま『最敬礼』の姿勢となった。
「女神様の御慈悲に心から感謝致します。私は『エルフの国リーフィア』の王宮騎士団長を務めている『クロード』と申します。我々『リーフィア』の民は女神様の御降臨を心より嬉しく思います」
「いえ、こちらこそ驚かせてすいません」
ハーティはそういうとクロードに向かってペコリと頭を下げた。
「いやいや!そんな!恐縮すぎます!それよりも、どうかその敬語をおやめください!『女神様』に畏まられたら、我ら『エルフ』は落ち着かない気分になります!どうか『リーフィア』ではそのような事はおやめください!」
「・・わかりました、じゃあ、気楽に接するようにするわね」
「助かります」
「じゃあ、さっそくだけど私の仲間達を紹介させてもらうわね。みんな!もう降りてきてもいいわよ!」
『まったく、待ちくたびれたわよ!』
バシュウウウ・・・。
ハーティの言葉を聞き、クラリス達がボヤきながら人工女神から地上に降り立った。
ズズズ・・・。
そして、二機の人工女神は、そのままそれぞれの収納魔導に格納されていった。
「「「ザワザワ・・・」」」
そのタイミングに合わせて、周囲にいる『エルフ』達がざわめき始めた。
「やっぱりあたし達の人工女神を見たらこうなるわよねえ」
クラリスはやれやれといった感じで呟いていたが、どうやら『エルフ』達が騒いでいるのは人工女神を見たからではなさそうであった。
何故なら、『エルフ』達は一様にわなわなと震えながらある一点に視線を向けていたからであった。
そして、その視線の集まる先にはナラトスが立っていた。
「うん?」
突如『エルフ』達の視線を感じたナラトスは首を傾げていた。
そして、再び顔を青ざめさせたクロードが、戦慄した様子で口を開いた。
「な・・なんという禍々しい色をした男なのだ・・・!?そこの黒髪の男!貴様ただの人間ではないな!よもや・・『邪神』だというのか!!」
「あっ・・!?そう言えば『エルフ』って種族的に『魂の色が視える』って言ってたのよね・・」
「『エルフ』からすれば我の『魂の色』は恐怖しか与えぬだろうな」
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