転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

文字の大きさ
189 / 229
最終章 決戦!『デスティウルス』編

デスティウルス

しおりを挟む
 ヒュウウウ・・ドゥン!!

 甲板から飛び降りた二人は、『マナドゥ』が放つ魔弾を巧みに躱しながら『サウスポイント』へと向かっていた。

 そして、飛翔する二人が大地の大孔上空に迫ろうとする時、見覚えのあるが、その底知れない漆黒の孔からゆっくりと浮き上がってきた。

 その人影は、ハーティ達へ視線を向けると邪悪にわらった。

「やハり来たか。愚かな『女神』ヨ」

 デスティウルスはハーティの隣で浮いているユナを一瞥すると、その首を傾げた。

「うン?貴様も『女神』なのカ?・・まァいイ
 ・・今更『女神』が一柱増えタところでどウと言うことはナい」

「黙りなさい!ハーティルティア様が創造なされた安寧を脅かす『邪神』め!貴様らはこの『聖騎士』ユナ・エインヘリアルが滅します!」

 ユナがデスティウルスに鋒を突き付けながら叫ぶと、デスティウルスはつまらなさそうな表情を向けた。

「無駄ダ・・貴様ラは我を滅ぼス事はでキぬ」

「そんなの、やってみないとわからないわ!!『ニーヴァルテ』!!」

 ゴウゥゥゥゥ!!

『聖剣』を構えたハーティがその力を解放すると、視認できるほどの膨大なマナが『光の刃』となって、鋒から果てしなく伸びていく。

 ハーティが構えた『聖剣』を見たデスティウルスは不敵な笑みを浮かべた。

『ホぅ、これはまたを持ってきタな・・ならバ・・その『玩具』ゴと貴様を滅ボすとしよウ!』

 デスティウルスはそう言うと、両腕を真横に伸ばした。

 ズズズ・・・。

 すると、その腕の先から黒い霧が渦巻き始め、やがてその霧は腕全体を包み込み始めた。

 そして、その霧はそのまま紫電を纏う漆黒の刃となってデスティウルスの腕と一体化した。

「・・・・・」

「っ!?ユナ!横に避けて!!」

「っ!?」

 ドゥン!

 ハーティに声をかけられた瞬間、ユナは反射的に真横へ移動した。

 シュピッ!

 それと時を同じくして、デスティウルスは一切の予備動作も無しにその場で腕の刃を振るった。

 スブシュウウウ!!

「ぐあぁぁぁぁぁ!」

 すると、デスティウルスの刃からかなり距離を置いているにもかかわらず、ユナの胴が斬りつけられて真っ赤な鮮血が噴き出した。

「『ヒール』!!」

 ハーティはすかさず発動時間が短い『初級治癒魔導ヒール』を、なるべく多くのマナを込めて発動した。

 パアァァァ!

「ゴバッ!ハァハァ・・あ・・ありがとうございます」

 ユナは口腔内の血を吐き捨てると、自分の脇腹に出来た傷の回復を確認した。

「ユナ、気をつけて!あれは『次幻斬』という神技わざよ。『邪神』が使う神技の一つで、『還元』を任意の場所に放つ事ができるわ!だから、そのまま攻撃を受けると防御魔導の一切が通じないのよ!」

「ハァハァ・・ハーティルティア様の言葉がなければ、今頃胴が二つに別れていましたね」

「ほウ、この攻撃を交ワすか・・ならバ・・」

 シュピピピピ!!!

「ユナっ!!」

 デスティウルスは再びユナに向かって腕の刃を振るった。

 しかも、次は両腕を駆使して複数の斬撃を放っていた。

 ヴォン!!

 ガキャキャキャキャ!!

 しかし、ユナは『女神イルティア・レ・ファティマ』を振るい、それら全てを受け止めた。

「ふんっ!『次幻斬』が結論『還元』だと言うのでしたら、私の『還元』で受け止めるのみ!『女神化』のおかげで僅かな動きから太刀筋を見切ることができます。そう何度も同じ技は受けません!」

「ユナ・・あなた私より人間離れしてない??まさか二撃目から『次幻斬』を見切るなんて・・」

 ハーティはユナの持つ潜在能力にただ驚くばかりであった。

「ふん、小癪ナ・・」

『次幻斬』を見切られたデスティウルスは、両腕の刃を一つに揃えて、その鋒をハーティ達へ向けた。

 キィィィィィ!!

 直後、その束ねられた二つの刃の間に膨大なマナが収束され始める。

 ビシュウゥゥゥゥゥ!!!

 そして、『マナドゥ』の魔弾とは比べ物にならない程高出力の光条が、真っ直ぐハーティ達へと伸びていった。

「はあぁぁぁぁぁ!」

 ヴォン!!

 ハーティは、まるでその光条を打ち返すかのように『聖剣ニーヴァルテ』を振るった。

 スバッシャアアアア!!

 直後、高出力のマナを纏ったハーティの『光の刃』は、デスティウルスから放たれた魔弾の光条を丸ごと呑み込む。

「!?」

 そして、魔弾を呑み込んで尚伸びる『光の刃』は、とうとうデスティウルスの肉体を縦割りにした。

 ズブシュウウウ!!

 真っ二つとなったデスティウルスは血潮と臓腑、黒い霧を噴き出しながら二つの肉塊に分かれていく。

 ズズズズ・・・。

 しかし、すぐさま二つの肉塊を黒い霧が結びつけたかと思えば、まるで今までの時間を巻き戻すかのように驚異的な速度でデスティウルスの肉体が再生した。

「ふむ、やハり我の『存在』とこの肉体がなジんできたよウだナ」

 デスティウルスは首をゴキゴキと鳴らすと『ニヤリ』とわらった。

「そんなっ!?これ程の再生能力がある相手を一体どうやって滅したら・・」

 デスティウルスの再生を目の当たりにしたユナが絶望の表情を浮かべる。

「とにかく・・何か方法を考えないと・・」

「ふはハはははハは!」

 ハーティ達が悔しさで顔を歪ませていると、突然デスティウルスが高笑いを始めた。

「っ!?貴様!何がおかしいのです!!」

「ふハは・・無駄ダむダだ無駄ダ!!仮に貴様らが今の我ヲ完全に滅しタ所デ、我はいくらデも復活できル!!」

「なにっ!?」

「何故ナら・・我の『存在』を分けた三柱の『眷属』が、今ごロ貴様らの大切ナ『国』とやらを滅しているかラな!そして、『眷属』がいるかギり、我は何度デも復活する!」

「そして、貴様らハたかが『女神』が数柱と『玩具』の寄せ集メ・・・・どう足掻いたところで貴様ラに未来ハ無い!」

「そんなっ!?」

 デスティウルスの言葉を聞いたユナはますます顔色を無くしていく。

 ハーティは『ギリッ』と歯を食いしばった。

「ハーティルティア様・・私達はどうすれば・・」

「・・っ!大丈夫よ!『眷属』である以上、デスティウルス本体よりも能力は高くないはずっ!きっと何が『眷属』を滅ぼす手段があるはずだわ!」

「・・・わかりましたっ!」

「とにかく、私達は目の前のデスティウルス討伐に集中しなければならないわ!たから、とりあえず各地に散らばった『眷属』のことはマクスウェルに頼んで各国の代表へ通達してもらうわ!」

 そう言うと、ハーティは身につけたピアスに指先を当てた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。   

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地! 恋に仕事に事件に忙しい! カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

追放された万能聖魔導師、辺境で無自覚に神を超える ~俺を無能と言った奴ら、まだ息してる?~

たまごころ
ファンタジー
王国一の聖魔導師アレンは、嫉妬した王子の策略で「無能」と断じられ、国を追放された。 辿り着いた辺境の村で、アレンは「ただの治癒師」として静かに暮らそうとするが――。 壊れた街を再生し、疫病を一晩で根絶し、魔王の眷属まで癒しながら、本人はただの村医者のつもり。 その結果、「あの無能が神を超えた」と噂が広がり、王と勇者は頭を抱えることに。 ざまぁとスカッとが止まらない、無自覚最強転生ファンタジー開幕!

処理中です...