転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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エピローグ

かけがえのない仲間達

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「はぁ・・はぁ・・凛々しいハーティさんも素晴らしいですが、幼いハーティさんも可愛らしいです」

「はぁ・・はぁ・・さぁ、不肖このリリスめは、ハーティルティア様の生還を分かち合いとうございますっ!さあ、遠慮なく私の胸へ飛び込んでくださいっ!(さあ!こねくりまわしてクンカクンカすうはぁしますよっ!)」

「言っとくけど、最後の欲望丸出しの声も聞こえてるんだからね!」

 ハーティは二人の剣幕に思わず後退りする。

 トンッ・・・。

 すると、何かが背中に当たったので、思わず後ろを振り返った。

「ハーティ?」

「・・・・・」

 そこには、世のご婦人をまとめて腰砕けにしてしまいそうな程美しく微笑むマクスウェルがいた。

 しかし、その目は全く笑っていなかった。

「べ・・弁明の機会を要求するわっ!」

「ほう?一度ならず二度までも断りをいれずに私を弁明をする、と?」

「・・ぐっ!!」

「す、捨てたなんて言いがかりよっ!私だってしかないって思って仕方なく『神気解放リヴァイヴァー』したんだからっ!あのままじゃ、みんな私の事を止めにきたし・・・っ!?」

 ぎゅっ・・・。

 ハーティは突然マクスウェルに抱きしめられて言葉を詰まらせた。

「もう、二度と私を置いていかないでくれ!!」

「・・マクスウェル」

「・・わかったわ。でも、私はこんな感じ幼女になっちゃったし・・あなたの婚約者を続けるのは無理そうね」

「それはようございました」

「おいっユナ!どういう意味だっ!!言っておくが、私は婚約解消は絶対にしないからなっ!!」

「でも、もしかしたら永遠にこのままかもしれないのよ?」

 そう言いながら、ハーティはいつのまにか身に付けていた純白のワンピースの裾を摘んだ。

「私は君の『存在』を好きになったんだ。見た目は関係ないよ?それに、いつまでも愛らしく幼い妻・・いいじゃないか」

「五歳児くらいの見た目をした女の子に向かって何言いやがるんですか、そしていい加減にお嬢様を放しやがれください、このロリペド野郎殿下」

「ロリペドッ!?」

「こら、ユナ。あなたいい加減、不敬罪で首と身体がサヨナラするわよ」

「ふん!『女神』であらせられるお嬢様のである『ユナ・エインヘリアル』をどうにかできる存在などいません。私はいつまでもお嬢様に邪な欲望を向ける悪を排除します」

『清々しいくらいの他力本願ね』

 クラリスのツッコミは健在であった。

「まあいいわ・・で、話を戻すけど・・確かに私は『神気解放リヴァイヴァー』の代償となったはず・・どうして完全に消滅しなかったんだろう・・?」

『何かが代償になる『存在』を肩代わりしたとか?』

 クラリスの言葉にハーティは首を傾げる。

「間違いなく代償に指定したのは私の『存在』はず・・まあ、定義した『私』の線引きが曖昧だから、仮に私の装備品とかの『存在』があれば、それが肩代わりしたかもしれないけど、私が生き残る程のものなんて・・・あっ!!」

 その時、ハーティは薄れ行く意識の中で『聖剣』が砕け散った光景を思い出した。

 そして、手にしていた『聖剣』が無くなっている事にも気がついた。

「きっと、『聖剣』が私の『存在』を肩代わりしてくれんだわ。それで、この姿幼女になったとはいえ、消滅は免れたみたいね」

(リフィアスが護ってくれたのね・・ありがとう!・・リフィアス)

 ハーティは死してなお、主君を護ったリフィアスに感謝の気持ちを捧げた。

 そして、ハーティは徐に手を開いて魔導を発動しようと試みる。

 しかし、ハーティの掌は何の現象も起こすことは出来なかった。

「どうやら、『女神』の力はおろか、魔導もまともに発動できなくなったみたいね」

「・・まあいいわっ!これで私も念願だった『普通の女の子』になったってわけね!!これで漸く平穏な暮らしが出来るわっ!」

「無理ですね」

「無理でしょう」

『『「「無理」」』』

 ハーティの希望は、皆の息がぴったりな言葉で否定された。

「ぐっ!!わかってるわよ・・どうせみんな私の事をそっとしてくれないんでしょ?」

「世界を創造し、救った至高の『女神』で『神聖イルティア王国』の次期王妃で『リーフィア』の女王。更には『一級冒険者』でもあります。これだけ属性てんこ盛りなお方が普通の生活なんてできる筈ありませんね」

 ユナの残酷な言葉にハーティは両手をついて項垂れた。

 そして、項垂れるハーティにすっとマクスウェルが手を差し出した。

「さあ、帰ろうハーティ。『イルティア』へ」

「・・・・はっ!?」

「ハーティ?」

「い、嫌よっ!!今『イルティア』に帰ったら大騒ぎになること間違いないじゃないっ!!」

「まあ、『救国の女神』の凱旋だからな」

「いやぁ!!」

『でも、どこにいこうともハーティは崇められるんじゃない?』

 クラリスの指摘はもっともであった。

「それでも嫌なものは嫌なのよ・・せめてみんなの熱が冷めるまで・・そうだっ!!私はひとます、『リーフィア』に帰るわっ!そこでしばらくやり過ごすのよ!どうせあそこでは『女王』なんだし!統治する人間がいないと困るわよね!『イルティア』よりは静かな街だしっ!それがいいわ!!」

 ハーティは目をぐるぐるさせながら捲し立てたように言う。

『私は熱が冷めることはないと思うけどね』

 ハーティは、ニアールの言葉を聞かなかった事にした。

「そうと決まればマクスウェル!お願い!『リーフィア』まで送って欲しいの!」

「それは構わないが・・と言うか、元よりこの艦の正統な主は君だしね。だが、まさか『イルティア・レ・イーレ』が足がわりとは・・」

「だってこんなになって飛べなくなったんだもの!!本当はこんなも怖いから嫌だけど、誰かに抱えてもらったり人工女神アーク・イルティアに乗るよりはマシだわっ!」

『心外ね。私の『プラタナ』は安心快適よ?なんなら掌に乗せてあげようか?』

「結構よ!!」

『ふーん、まあいいわ。じゃあ行きましょう。『リーフィア』に』

「え?クラリスは帝国に帰るんじゃないの?」

『なんであたしが一人で帝国に帰るのよ。せっかく『女神様』と知り合いになったのよ?あなたには私の魔道具開発を手伝ってもらうんだから』

『それに、ここにいるみんな、あなたから離れるつもりなんて無いんじゃない?』

「ええ!?そうなの?」

 ハーティの驚きに皆が優しく微笑みながら頷いた。

「みんな・・・」

 ハーティはその微笑みを見て、嬉しさに目を潤ませた。
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