121 / 310
第七章『愛宕百韻』と光秀謀反の句の謎
4 『愛宕百韻』
○愛宕百韻:説明
愛宕山・西之坊威徳院で行われた連歌会『愛宕百韻』は、
明智光秀を主賓、威徳院住職・行祐を主宰として、有名な連歌師里村紹巴らと巻いた百韻である。(実際は九十九韻)
【連歌会『愛宕百韻』参加者と句数】
明智光秀 15句
明智十兵衛光慶・光秀の長子 1句
東六郎兵衛行澄・光秀の家臣 1句
里村紹巴・連歌師 18句
里村紹巴一門の連歌師 16句
里村紹巴一門の連歌師 15句
愛宕西之坊威徳院住職 11句
愛宕上之坊大善院住職 11句
猪名代家の連歌師 12句
奉納:愛宕山威徳院
時:天正十年五月二十四日
※詠まれた連歌は、奉納されたのですが、
『信長公記』には二十八日とあり、どちらにしても本能寺の変の数日前にあたりますが、開催日時については諸説あります。
本作は主な参考文献をこの『信長公記』としてますので、
五月二八日説を取ります。
この連歌参加者を見てすぐ解るのは、
明智光秀グループと、連歌師グループ、住職グループの三つのグループで行われていることです。
当然、この参加者の中で政治権力を握っているのは、近畿の最高責任者である明智光秀で、しかも光秀が主賓として招かれていることから、この連歌参加者はある程度光秀と近い関係にあると考えられます。
また詠まれた句数から、この百韻は、本職の連歌師と住職そして主賓の光秀本人とのやり取りがメインで、
しかも連歌というのは、即興でその場で句を読んでいくので、
光秀が親しい関係者とある程度くつろいで思いついた句を詠む訳ですから、光秀の心境が出やすい状況・環境だとも言えます。
連歌・百韻の詳細な説明をするとかなり長くなるので割愛しますが、できるだけシンプルにまとめますと――
最初の句を読む者が即興で上の句、五、七、五を詠み、
次の句を読む者が上の句を受けて即興、七、七を詠み、
短歌を完成させる流れを百句になるまで続ける文芸ゲームです。
短歌完成の続きの句は、必ず上の句になるルールなので、
新たに出された上の句に対する下の句は、直前に完成した短歌の下の句がそのまま移行して使われます。
さすがに、百韻全て掲載すると違う作品になってしまいますので割愛しますが、即興で句を詠んでいくので「その句の真意は?」と光秀や参加者の気持ちを一句一句想像していくゲームにもなり、楽しいですよ。
では、遅くなりましたが――
本能寺の変を起こした明智光秀が、本能寺事件直前に詠んだ句、
しかも主賓として連歌会最初に詠んだ発句は――
ときは今 あめが下しる 五月かな
この句は実はかなり有名な句です。
何故なら、通説では明智光秀が織田信長への謀反を決意したものであると言われているからです。
明智氏は名門土岐氏(源氏)血を引くと言われ、また信長は一時、平氏姓を名乗ったこともあるので、源平交代思想もいれて、
この五月に源氏の血を引く土岐氏の私(光秀)が、次は天下をとる!
と解釈されるからです。
――が、はたしてこの句は本当にその解釈、
つまり『光秀の謀反の決意表明』の解釈で、正しいのであろうか?
――本作では、先に「否!」と伝えさせて頂きます。
そう、何故なら実はこの句を――
明智光秀謀反の決意と解釈するには……
かなり問題があるからです。
さぁ、何故かなり問題なのか、それは――
当然、次のページで!
愛宕山・西之坊威徳院で行われた連歌会『愛宕百韻』は、
明智光秀を主賓、威徳院住職・行祐を主宰として、有名な連歌師里村紹巴らと巻いた百韻である。(実際は九十九韻)
【連歌会『愛宕百韻』参加者と句数】
明智光秀 15句
明智十兵衛光慶・光秀の長子 1句
東六郎兵衛行澄・光秀の家臣 1句
里村紹巴・連歌師 18句
里村紹巴一門の連歌師 16句
里村紹巴一門の連歌師 15句
愛宕西之坊威徳院住職 11句
愛宕上之坊大善院住職 11句
猪名代家の連歌師 12句
奉納:愛宕山威徳院
時:天正十年五月二十四日
※詠まれた連歌は、奉納されたのですが、
『信長公記』には二十八日とあり、どちらにしても本能寺の変の数日前にあたりますが、開催日時については諸説あります。
本作は主な参考文献をこの『信長公記』としてますので、
五月二八日説を取ります。
この連歌参加者を見てすぐ解るのは、
明智光秀グループと、連歌師グループ、住職グループの三つのグループで行われていることです。
当然、この参加者の中で政治権力を握っているのは、近畿の最高責任者である明智光秀で、しかも光秀が主賓として招かれていることから、この連歌参加者はある程度光秀と近い関係にあると考えられます。
また詠まれた句数から、この百韻は、本職の連歌師と住職そして主賓の光秀本人とのやり取りがメインで、
しかも連歌というのは、即興でその場で句を読んでいくので、
光秀が親しい関係者とある程度くつろいで思いついた句を詠む訳ですから、光秀の心境が出やすい状況・環境だとも言えます。
連歌・百韻の詳細な説明をするとかなり長くなるので割愛しますが、できるだけシンプルにまとめますと――
最初の句を読む者が即興で上の句、五、七、五を詠み、
次の句を読む者が上の句を受けて即興、七、七を詠み、
短歌を完成させる流れを百句になるまで続ける文芸ゲームです。
短歌完成の続きの句は、必ず上の句になるルールなので、
新たに出された上の句に対する下の句は、直前に完成した短歌の下の句がそのまま移行して使われます。
さすがに、百韻全て掲載すると違う作品になってしまいますので割愛しますが、即興で句を詠んでいくので「その句の真意は?」と光秀や参加者の気持ちを一句一句想像していくゲームにもなり、楽しいですよ。
では、遅くなりましたが――
本能寺の変を起こした明智光秀が、本能寺事件直前に詠んだ句、
しかも主賓として連歌会最初に詠んだ発句は――
ときは今 あめが下しる 五月かな
この句は実はかなり有名な句です。
何故なら、通説では明智光秀が織田信長への謀反を決意したものであると言われているからです。
明智氏は名門土岐氏(源氏)血を引くと言われ、また信長は一時、平氏姓を名乗ったこともあるので、源平交代思想もいれて、
この五月に源氏の血を引く土岐氏の私(光秀)が、次は天下をとる!
と解釈されるからです。
――が、はたしてこの句は本当にその解釈、
つまり『光秀の謀反の決意表明』の解釈で、正しいのであろうか?
――本作では、先に「否!」と伝えさせて頂きます。
そう、何故なら実はこの句を――
明智光秀謀反の決意と解釈するには……
かなり問題があるからです。
さぁ、何故かなり問題なのか、それは――
当然、次のページで!
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話