【短編】ザ・ライジング・猿~the Rising “salu”~日本史上最大のサクセスストーリーはここから始まった!

枢木卿弼

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12:『羨望の的』

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…………。
……………………。
……秀吉よ、あの日から、本当によう頑張ったであるな……
お主の頑張りのお陰で、
余の『天下布武』計画がどれだけはかどったことであるか。

それにしても、はははっ……
今では我が織田家中で、
六つ猿が……と、面と向かってお主に言ってくる者などいなくなってしまったであるな。


……であるが、まだ終わってないであるぞ、余との約束は……


「秀吉様は良いな~、指が六本もあって。
私も六本指なら天下を取れたのに……」

早く余は聞きたいであるぞ、天下の人びと皆が――
お主の六本指を羨ましくなる、お主の六本指が皆の羨望せんぼうの的になる……
そんな面白い話を……である……



『……六本指なら天下を取れたのに……』

……秀吉は、信長が言った言葉を呟いていた。

『の、信長様……儂は……儂は……』

「……信長様は亡くなられましたぞ、殿!……」

『…………!』
その声を……秀吉の軍師・黒田官兵衛の言葉を聞くと、ハッと目を突然開けた秀吉は、ガバッと立ち上がった。
秀吉は今まで、信長が討たれたと聞いてから――
備中高松の陣内で意識を失って横に臥していたのであった。



……さっきのは夢であったか……


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