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ダンボールに入れられて…
しおりを挟む「ミーくんごめんね…。
いい人に拾われるといいね…。
暑いから日陰に置いておくから…
元気でね…」
「さ、行くわよ!」
「ママ…でもまだ…」
「また、かゆいの出来たら嫌でしょ?!」
そう言って、僕を置いて
2人は歩きだした。
僕は2人を追いかけたが、
全然追いつかない…。
「ミー!」
待って、置いて行かないで!
僕は力の限り鳴いた。
すると、男の子は振り返ってくれた。
「ミーくん…」
「ダメよ、あんた
猫アレルギーになったんだから!」
お母さんは男の子の手を引っ張って
進んで行ってしまった…。
追いつくはずはないが
力の限り叫んで、声を出し尽くした…。
けど、2人の姿はもう見えなくなり、
トボトボとダンボールに戻り目を閉じる。
きっと2人はまた来てくれる、
そう願い、儚い期待をかけて寝る…。
そのまま、夜が来て
朝が来て、夜が来ると
お腹よりもこの暑さで
のどがもう限界だった…。
真夏で暑くて夜でさえ
熱気が冷めずに
火の中にいるみたいだ…。
暑い…のど…もう限界…。
でも信じていれば、
信じていれば…
きっと2人はまた来てくれるよね…。
早く…。
人のざわめきを聞きながら
ひたすら眠る……。
「捨て猫だって…まだこんなに小さいのに、
可哀想…」
「ちゃんと里親出せばいいのに…」
「それよー…」
「拾ってください、って書いてあるのに
ダンボールも影の人目のつかない所にあるし…」
夜頃、そう言って、僕を
若い男の人と女の人が見つめる。
そして女の人にひょいっ
と抱えられ、なでなでされる。
頭のかゆい所を
撫でてもらうのは気持ちいい…。
ゴロゴロゴロゴロ…。
「ゴロゴロ言ってる!
ねぇ、この子さ…うちで飼わない?」
「アパートだぞ?
里親に出した方がいいんじゃないか?」
「ううん、私達の店で!
看板猫にしない?
この子かわいいもん!」
「それいいな、じゃあ俺、
今からペットショップにダッシュで
必要な物買ってくるから、
菜々香はこの子店に
持って帰ってて」
「OKー」
「いいか!大事な命なんだから
大切に大切に持つんだぞ!」
「分かってるってば!」
「俺が帰るまで水あげててな」
「もー、分かってるって!
ねー、猫ちゃん」
僕はダンボールごと抱えられ、
揺れながら、
目的の店に着いたみたいだった。
涼しい…。
「お水だよー」
男の子とお母さんを
追いかけて、鳴いて1日経って、
真夏の暑さでのどがカラカラ
だったから、
お水を飲むだけでも
とても幸せに感じた…。
「ほんと天使みたい…
こんな小さな店でごめんね?
でも、これからお腹いーっぱい
食べさせてあげるからね?」
のども潤い、
ゴロンと寝ていた僕のお腹を
お姉さんは撫でる。
男の子もこうやって
撫でてくれてたな…。
ある時から撫でられなくなったけど…。
「買ってきたぞー」
お兄さんも帰ってきて、
お姉さんよりも大きな手で
僕を抱っこする。
安定感があっていいかも…。
「ふわふわだな~お前~」
「ちょ…何その猫なで声」
「いいだろ、赤ちゃん猫なんだから!」
「それでもやめてよ…」
「ねこた~ん、嫁がこわ~い」
そう言ってお兄さんは
僕のお腹に顔をうずめる…。
くすぐったい…。
「ちょっと臭い…」
一言よけい!
「今日はもう遅いし、
明日定休日だから
動物病院行って、
ちゃんと風呂入ろうな」
嫌な予感…。
「エサの準備、出来たよー」
「お、さすが、ほら
食え食え!」
お兄さんは僕を放して、
僕はご飯にありついた。
お腹いっぱいになるまで…。
男の子ともう会えないのは
寂しいが、ここでもいいかも知れない…。
寝心地のいいベットを用意してもらって
心地よく、一晩寝てそう思った。
新しいお家で暮らす事になったよ…。
ここで生きていくね…。
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