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お菓子作り
しおりを挟む来週友達みんなで、海を見る事になった。
その時に、好きな人の高橋君も含めて
みんなと会う。
最近、お菓子作りにハマってて、
何か作りたいけど…。
夏だ…。
海を見ながら、油こってりの重い焼き菓子を
持っていくのも違うし、
冷たい寒天とかも美味しいけど、
溶けるから、クーラーボックスに入れるのも
いいんだけど、
めっちゃ張り切ってる感が否めない…。
それはそれで引かれそうで、
…イヤだ。
うーん…どうしよ…。
まだ1週間あるし、考えよ。
夏らしくて、あっさりと食べれて
ひんやりしてて、張り切ってる感がないの…。
3日経っても思い浮かばず、
スマホの料理アプリで探しても、
なかなかピンと来なくて迷った…。
「どうしよ…」
時間は過ぎていき、
みんなで海に行くまで、あと3日…。
うーん…今日までには考えとかないと、
試作もしたいし…。
仕事をしながら、思考をときどき巡らせた…。
『卵買ってきて』
仕事帰り、お母さんからのメールが来て、
帰りにスーパーに寄った。
店内に入ると、最高に冷えた店内が最高だった。
卵は店の奥にあり、
その途中、ふとパンのコーナーに
ラングドシャのクッキーがあった。
軽やかな食感が好きなんだよねー …。
軽やかな食感!
そっか、そうだ!
弁当箱持って行く時の、
保冷ランチバックに保冷剤、敷き詰めて、
そこに、ラングドシャ入れた
タッパー入れればいいじゃん!
冷やしラングドシャ!
みんな喜んでくれるかな?
高橋君も甘いもの好きって言ってたし、
作ってみよう!
ラングドシャは前に作った事がある。
材料は少なかったはずで、
たしか、卵以外の
無塩バターや薄力粉はあるはず。
家に帰り、さっそく作りだす。
次の日、
ちゃんと保冷ランチバックに
保冷剤とラングドシャを入れ、
会社に試作として持っていった。
お昼休憩に、会社の人達に配ってみた。
どうかな?
喜んでくれるかな?
そんなドキドキを持ちながら、
みんなの反応を見る。
「相変わらず、美味しいお菓子作るね!」
「冷たくていいね!」
みんなから好評の感想をもらえ、
私は土曜日、みんなに会う日は、
冷やしラングドシャを持って行くことにした。
高橋君…喜んでくれたらいいな…。
金曜日、仕事を終えた私は
急いで家に帰り、美味しくなるよう願いを込め、
ラングドシャを作った。
味見をして、今までの出来で、
1番よかった!
安心だ…。
あとは、明日持って行くだけ…。
みんなのお口に合いますように!
明日、高橋君に久しぶりに
会えるんだ…。
楽しみだな。
顔暑っつ…。
楽しみで早まる鼓動を抑えながら、
金曜日の疲れでぐっすり寝た。
朝は家を出る2時間前に起き、
ずっと前からコーディネートしていた
服を着て、
メイクをいつもより丁寧にした。
…メイク丁寧にしても夏の暑さで
化粧崩れしやすいんだよね…。
あと、汗かいて臭くなったらいけないし、
汗ふきシート持って行こ!
そして、本題のラングドシャを
保冷ランチバックに入れ、
保冷剤を敷き詰めて…
行こう…。
落ちつけ!
好きな人がいるからって浮かれず、
平常心を保つんだ…。
家を出て、待ち合わせの場所に着き、
好きな人が運転をするようで、
私はもう1人の女友達と
後ろの席に座った。
「んじゃ、行くか!」
「海ー!」
車が発車し、お菓子を出すタイミングを
失ったけど、いっか!
けど、女友達が
「さーちゃん、それなーに?」
と聞いてきた。
「お菓子、いる?」
「本当!?いるー」
タッパーを開けるとその子は、
すぐさま、手に取り食べた。
この子の食べっぷり、ほんと清々しい。
「冷たいし、甘くて美味しいー!」
「ありがとー」
「後ろの女子は何食べてんの?」
助手席の男友達が聞いてくる。
「さーちゃんの手作りクッキー!」
「ラングドシャ、ね」
「俺もくれ!」
「はいはい」
助手席の男友達も、食べてくれて、
「佐藤ちゃん、いいじゃんこれ!
甘いの苦手だけど、これ甘さ控えめでいいね!」
「さーちゃんの家、この間遊びに行った時も
フルーツタルト作ってくれてて、
それも美味しかったの!
さーちゃんのお菓子大好き!」
喜んでくれて良かった…。
「俺も食べたいんだけど」
「高橋は運転手だから、あとな!
今は俺が食う!」
「残しとけよ?!」
高橋君が食べたいって言ってくれた…。
顔があつい…。
もう、その気持ちだけで、それだけで充分だよ。
ラングドシャは、高橋君の分も、
少し残し、海に着いた。
「佐藤、さっきのまだある?」
「あるよ、どうぞ」
高橋君は1つ手に取り、
パクリと口に放り込んだ。
………。
「佐藤、菓子作り上手いんだね。
冷やくてうまいよ、これ」
「良かった…」
「残り、全部もらっていい?
運転で疲れたから、糖分補給に」
「も…もちろん、いいよ!
高橋君、お疲れ様!」
好きな人に手作りを食べてもらい、
うまい、って言ってくれる…。
何これ、今私すっごい幸せ…。
隣りを見ると、
そんな私を見た女友達が、
ニヤニヤしながら、
「良かったね…」
と、小声で伝えてくれた。
「ありがと…」
タッパーの中身も綺麗に無くなり、
みんな満足したようで、良かった。
これで、安心して
海を存分に見れる。
顔はまだまだ熱いけど、
こんな熱さもいいかもね。
みんな車を出て、高橋君は私にそっと近寄り、
あとの2人が海に夢中になってる時に
「…美味しかった、ありがとう。
また…食べさせて」
私の耳にそっと、耳打ちをしてきた。
待って、それは心臓に悪いよ…。
そんな、耳打ちとかさ!
勘違いしちゃうじゃん!
なにそれ!
心臓が…心臓が…
平常心、平常心。
高橋君といると、いつもドキドキする。
やっぱ、好きだなー…。
なのに私は、
「感想ありがとっ!
もちろん、またみんなのために、
作ってくるね!」
と、普通のテンションで言ってしまった…。
みんなのためって…
私、チキンだ…。
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