【歪んだ世界の女神様】ストッキングを履いた優香だけの息子

白うさぎ

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(8)女神の降臨と儚い夢

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 中学3年進級の当日、霞はセーラー服に黒タイツ、薄化粧で学校に向かった。学校側には、事前に優香が相談し、霞の特別な服装を認めて貰っていた。クラスメイトの視線は最初、驚きに満ちていたが、霞の堂々とした態度は、次第に受け入れられた。
「霞、なんか女装アイドルみたいだな!」
と友達が言うと、彼は笑顔で答えた。
「ママが選んでくれたんだ。僕、これが気に入っている。」

 霞は順調に中学生活を過ごし、優香にとっては理想の生活となった。いま最高傑作の自分の子と暮らしている。セーラー服を纏い、肩まで伸びた髪、黒タイツ、薄化粧で「お人形のよう」に輝いている霞。これからは、私服も、可愛い女の子用を揃えるつもりだ。無毛の滑らかな下半身も、優香の理想とするものだった。霞がいる幸福によって、優香は仕事の大変さも苦にならなくなった。ただ、あまりにも幸せなため、時々不安が心をよぎる。
 ”もし息子が、他人に心を奪われてしまったら”
 優香は、この特別な関係が壊れることを極端に恐れていた。お金の事情もあって、女の子の服はすぐ買い揃えてやれないが、ストッキングやレースのリボンなどの小物、そして華やかな化粧で二人だけの時間を増やした。

 ある晩、六畳間で夕食を終えた後、優香は霞がセーラー服のまま宿題をする姿をじっと見つめ、こう切り出した。
「霞、ほんと綺麗だよ。ママの子で誇らしいよ。」
  彼女の声は温かかったが、どこか不安が滲んでいた。
 霞は微笑み、黒タイツをなでながら答えた。
「ママ、ありがと。僕、セーラー服もタイツも、ママが選んでくれたから好きだよ。ママとこうやってるのが、一番幸せ。」 
 彼の言葉は素直で、母への愛情に満ちていた。

 だが、優香の心は揺れていた。
「霞…ママ、ちょっと心配なんだよ。こんなに可愛いから、誰かに…その、取られちゃうんじゃないかって。」
 彼女は言葉を選びながら、胸の内を吐露した。
「学校で、みんなあんたのこと見てくるでしょ? 女の子とか、男の子とか…。ママ、怖いんだ。霞がママから離れちゃうんじゃないかって。そうだ、今度女の子の服、買いに行こうね。」
 霞は一瞬、不思議そうにキョトンとしたが、すぐ、こう返してきた。
「僕にはママしかいない。女の子の服、楽しみ。」

 その夜、優香は霞のセーラー服と黒タイツを脱がせ裸にさせると、予め用意しておいたランジェリー袋を彼に手渡した。
「ママからのプレゼント。これ付けてみて。」
 霞は目を輝かせ、ランジェリー袋を手に取り中を開けた。中には、花柄模様のピンクのブラジャーとパンティ、陰部に生地のない黒のパンティレスストッキングが入っている。
「うわ、めっちゃ可愛い!」
 霞はそう言うと、早速身に着けた。
「ママ、これ気に入った。ありがとう。」

 霞の反応に優香は満足した。そして、口で霞の硬く大きくなったモノを慰めた。

 しかし、その幸福は長くは続かなかった。中学校では、クラスの女の子、雨宮空(そら)が、霞の独特な美しさに強く惹かれていた。空は、アニメが大好きで自分でもコスプレし、イベントにも参加している。男の霞が女装し、セーラー服に黒タイツで登校なんて、まさに涎ものだった。いつかは霞のセーラー服を脱がせ、アニメに出てくる他のキャラクターの衣装を着せたり、髪型をいじったりしたかった。そこで、空は放課後、霞を校舎裏に呼び出し、
「霞ちゃん、ほんと可愛いね。私、君と一緒にコスプレしたい。」
 と迫った。
 しかし霞は、そっけなく
「僕、そういうことには興味ないから。」
 と言って断る。

 度重なる空の申し出に対し、なかなか首を縦に振らない霞。ついに空は強硬手段に出た。女の子みたいに可愛くても所詮は男の子だ。この美貌で、ウンと言わせてみせる。
 ある日、空は強引に「お願い!」と霞の首に抱き付いた。
「雨宮さん、待って…僕…」 
 彼は拒んだが、まじかで見る霞の顔は、やはり美しかった。

 空は思わず霞にキスをした。これ以降、空はコスプレではなく、純粋に霞と付き合いたいと思った。空は何度も霞を呼び出し、彼の心を揺さぶった。そんな空に対し、霞はどう接してよいのか判らなかった。それでも、徐々に空のことを意識し始めた。
 “これはママに対する裏切り?”

 霞は、段々後ろめたさを感じるようになった。そして、ある日、あまりにも心が重たくなり、空のことをすべて優香に打ち明けた。
 優香は、胸が締め付けられる思いだった。霞が誰かに取られる恐怖が、現実になりつつあった。得体のしれない同級生の女子が霞にキスし、スキンシップを計ってくる。きっと、霞の容姿だけ見て、口先だけの偽の恋心に違いない。優しい気持ちの霞は、邪な誘惑にも逆らえないだろう。もし、霞の初めてを、その女子に奪われるようなことがあったとしたら。彼女の過保護な心は、空への嫉妬と、霞を失う恐怖で歪み始めていた。

「霞、いいんだよ。正直に話してくれてありがとう。でも、そんな軽い女の子の誘惑に惑わされちゃダメ。ママが本当の愛を教えてあげる。」
 優香は、大胆にも霞の見ている前で、服をすべて脱いだ。36歳のまだ女としては花盛りの体が、霞の目の前にあられもなく曝け出された。
 ”霞を心底愛しているのは私だけ”
 私であれば、霞にすべてを与えてあげられる。そして、脚に黒いガーターストッキングを付けると、霞にこう言った。
「ママはね。霞と一つだと思っているの。霞、あなたも服を脱いで。」

 優香は、霞を抱き寄せると唇を奪った。舌と舌が絡み合う。そして霞の大きくなったモノを自分の中へ挿入した。霞は初めて感じる粘膜に包まれた感触に、すぐ白濁液を放出した。しかし、霞のモノは、まだ元気で萎えない。優香は体を絡めたまま、その柔らかな胸を強く押し当てた。ぎこちない手つきで胸を触る霞に、優しく手ほどきする。
 逢瀬は時間が経つのを忘れさせ、その日は一つの布団で抱き合ったまま眠りに着いた。もはや、親と子といった関係は存在せず、お互いを求め合う純粋な関係となった。そして、霞は優香に聞こえるか聞こえないかの小声で呟いた。
「ママ、女神様みたい。」

 翌日は日曜日、優香の仕事も霞の学校もない。その日、優香はスカートを履かず、パンティこそ履いていたものの、下半身は黒ストッキングのままで過ごした。そして、霞の目の前に自分の脚を見せつけ自慰をさせ、こう言った。
「ママはね。霞の欲しいものなら、なんでも与えてあげられるんだよ。大好き霞。」
 霞にとって、優香の一言一言は、まるで聖書の言葉のように響いた。

 僕を醜い欲望から救ってくれたママ。
 僕を美しくしてくれたママ。
 僕にその身までも与えてくれたママ。

 そして、霞自身もこの幸せを確固たるものにしたかった。
「ママと結婚したい...」

 1ヶ月後、優香と霞は白のウェディングドレスをレンタルし、白いストッキングを履いて、写真館で二人だけの写真を撮った。優香と霞とって、これはささやかな結婚式。花嫁達はそれは美しく、カメラマンも感嘆したという。

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