陶器の人形は夢を見る

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協力者

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 (ここから逃げ出すには協力者が必要だわ。)
 
 ソフィアは協力者探しを始めた。
  王宮にいる者は信用できない。
  彼らは王家に仕えているのだから協力を持ちかけた途端報告するだろう。
 
  色々考えた結果、ウォードという商人に白羽の矢を立てた。
  ウォードは最近台頭してきた商人だった。 
 短期間であっという間に王室御用達にまでなった手腕は高く評価されているが、かなり危ないことをしてのし上がってきたらしい。 
 
 もとは砂漠の隊商の人夫だったとか、奴隷剣闘士だったとか色々噂のある得体のしれない人物だ。 
 何度か会ったが根っからの商人ですべてを金に換算して考える男だった。 
 決して好感の持てる人物ではなかったが金にしか興味がないから逆に信用できる。 
 実直でお行儀のいい商人よりも清濁併せ呑むことのできる人物のほうが適任に思えた。 
 
  ウォードは時々ソフィアがウォード商会に注文したものを持って王宮にやってくる。 
 王子の婚約者であるから敬意を評して会長であるウォード本人が持ってくるのだ。 
 なんとか2人で話しがしたかった。
 しかしソフィアのまわりには常に女官や警備がいて到底家族でもない男性と2人きりで話すことなど不可能だ。 

 
 その日もウォードがソフィアを訪ねてきた。 

 「ソフィア様、ご機嫌麗しく。 
 ご注文の品をお持ちしました。」

 いつも通り柔和な笑顔を浮かべて丁寧な挨拶をする。
 ソフィアは部屋に招き入れ、世間話をしながら商品を受け取る。 
 いつも通り女官が近くにいてとても密談など出来なかった。 

 「それではまた近いうちにおうかがいいたします。」 

 ウォードが席を立った。 

 「お待ち下さい。私も用事がありますので出口までお送りしますわ。」 

 そう言うとウォードと並んで歩き始めた。 
 ウォードは如才なく最近の世間の流行りなどの話をしている。
 ソフィアとウォードの後ろを数人の女官がついてくる。 
 なんとか女官の注意をそらす方法はないかと考えていい方法を思いついた。 

 ソフィアは適当に相槌を打ちながら首飾りに手をかけると思い切り引きちぎった。 
 真珠や宝石がバラバラと床に散らばる。 

 「キャー!宝石が!」 

 女官達はあわてて拾い始めた。 
 全員の注意が床に集まったところでソフィアはウォードの耳元で囁いた。 

 「ここから逃げ出したいの。協力して。」 

 ウォードは一瞬驚いた顔をしたがすぐにいつもの柔和な笑顔に戻った。
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