27 / 34
27.ルーナの入れ知恵
しおりを挟む
「官僚達の不正を調べ終わる頃まで次の国王の選定をはじめる余裕はないと思われます」
「ウィリアム殿下にお願いして国王陛下と対面する機会を頂きました。国王陛下からのお許しをいただくには一つ問題があります」
「殿下の御年齢でしょうか?」
「流石はルーナ様。レミリアス王国の法律では成人前の王子であっても後見人を立てる事で国王になることができますが、ナーガルザリア王国では認められません」
「つまりナーガルザリア王国の法律で認められない成人前の国王との取引に難色を示しておられる」
「その通りです。ナーガルザリア王国のレミリアス王家に対する不信感は当然のことだと思いますからあまり強くも言えず悩んでおります」
「殿下が18になられるまでのお立場を確実なものとせねばならないのですね」
「ウォルデン侯爵家から後見人を断られている今、レミリアス王国に信用に値する方がおられるのか分かりません。なんの実績もない私をそれだけの期間無条件で支えてくれる方がおられるとも思えないのです」
セドリックはウォルデン侯爵家が後見してくれればと思いもするが、今まで王家が散々迷惑をかけた事を思えば自分から願うことなどできなかった。
「ウォルデン侯爵家は今、レミリアス王国に借金を取り立てている最中ですから後見人になると痛くも無い腹を探ったりそれに託けて殿下の足を引っ張る者が出てくる可能性がございます」
長年の人質生活でレミリアス王国の貴族との面識もなく、あるのは断罪され国を傾けた国王の実子であることのみ。ただでさえ脆弱な足場しかないセドリックにそれは致命傷になる可能性もある。
「これは大変優秀な方を遣わしていただいたわたくし個人からの御礼ですが・・。殿下がご自身のお力でガッバーナ前公爵を表舞台に引き出すことができれば」
マーカス・ガッバーナ前公爵はセドリックの祖父の代に一時期宰相を務めていたが当時の国王と口論になり、王家に三行半を叩きつけ爵位を息子に譲った後領地の外れで隠遁生活を送っている。
稀代の頑固者として有名な彼の口癖は『わしは百姓じゃ』
貴族社会と縁を切っただけではなく平民としか口を聞かない徹底ぶりで、息子のガッバーナ公爵でさえ門前払いを喰らう始末だと言う。
「ガッバーナ前公爵は貴族を嫌悪しておられるのに、ルーナ様は彼が一番後見人に相応しいとお考えなのですか?」
「はい。貴族よりももっと王家を嫌悪しておられる方ですね」
王家の者を前に平然と『王家を嫌悪している』などと断言するルーナの歯に絹を着せぬ物言いに流石のアリシアが青褪めた。
ルーナの無茶振りには慣れているつもりのアリシアだったがいつ『不敬だ!』と切り捨てられてもおかしく無い状況に足が震え握りしめた日傘がぽきりと折れてしまった。
「それほどに嫌っている王家所縁の私の話を聞いてくださるでしょうか? 私にはとても無理な話に思えます」
「ガッバーナ前公爵は領地にお住まいになっておられますの」
「・・?」
「ガッバーナ前公爵の亡くなられた奥様は帝国の侯爵家から嫁いで来られました。とても仲の良いお二人だったそうですわ」
眉間に皺を寄せて考え込んでいたセドリックが首を傾げチラリとルーナの顔を見た。
「・・えーっと」
「帝国には大切にしておられた奥様のご兄妹が今でもいらっしゃるそうですしとても親しくされていたそうです。ガッバーナ前公爵が本当にレミリアス王国を見限っておられるならとっくの昔に帝国へ移住しておられると思われませんか?」
「あっ!」
「噂通りの方ならお話出来るようになるまでかなりの苦戦を強いられると思いますが、ガッバーナ前公爵の後ろ盾なら間違いなく怪しげな貴族に足を掬われることはないと思います」
「ありがとうございます。どのようにすれば良いか考えてみます」
「はい、わたくしでお手伝いできることがあればご連絡下さいませ。随分と長話になってしまいました。わたくしたちはこれで失礼させていただきます。
それから、大変優秀な方を遣わしていただいたお礼をお伝えいただけますでしょうか?」
「無理矢理奪い取ったと言われるかもしれませんよ」
「向こうからやって来ましたのに。時折帰りますかと尋ねますが今の所断られておりますの」
「ルーナ様の近くはきっと居心地が良いのでしょう。王弟殿下はもう諦めていると仰っておられました。末永く頼むと伝言を申しつかっております」
「まあ、マシューの帰る場所がなくなっては可哀想ですわ。わたくしにこき使われるのに嫌気がさした時はナーガルザリア王国で引き取ってあげてくださいませ」
長年ルーナの専用執事を務めているマシューはナーガルザリア王弟殿下の長子。ナーガルザリア国王には王子がいるがマシューの王位継承順位は第4位とかなり高い。
そんなマシューが何故ルーナの執事を務めているのか・・。
ルーナ10歳
当時18歳のマシュー達は半年前に学園を卒業し父の元で仕事をはじめたばかりだった。
「レミリアス王国はもうどうにもならん。陛下はレミリアスを従わせると仰られた」
国王との打ち合わせが終わり執務室に帰って来たウィリアム殿下がクラバットを緩めながら吐き捨てた。
「まさか戦争とか仰いませんよね。いったい何があったのですか?」
離宮に住むセドリックを弟のように可愛がっているライリーとマシューは慌てて立ち上がり、読んでいた書類を投げ捨ててソファに座るウィリアムの向かいに座って身を乗り出した。
ライリーとマシューは双子の兄弟。兄のライリーは父親と同じ金髪碧眼で黒縁の眼鏡をかけており、マシューは母親似の銀髪と翠眼。
「レミリアスの王子の婚約者は学園にも行かず遊び呆けているらしい」
「は? ボケナス王子の婚約者は確かウォルデン侯爵家の令嬢ですよね」
「そうだ。レミリアスがどこからも侵略されず今まで放っておいてもらえたのはウォルデン侯爵家の軍事力を危険視していたからだが、こうなっては怪しいものだ」
「でも、侯爵家の発明品はかなり優秀だと聞いています」
「それだって先代の発明品だし、現在の侯爵はただの脳筋か戦バカらしい。
最低の国王の次は愚か者のグレイソン王子。せめて真面な婚約者が連れ添えば少しはマシかと思っていたが話にならん。
今度の祝賀会は不参加の予定だったが私が様子見に行くことになった」
「その結果次第では戦争がはじまると言う事ですか?」
「レミリアスの王宮には真面な奴がおらんから被害を出さずあっさりと終わるだろう。あの国には横領やら贈収賄で私腹を肥やすことに精を出す奴ばかり・・上があの国王では仕方ないのかもしれんが、国として残す意味がないというのが陛下のご決断だ。
セドリックはナーガルザリア王国の貴族と養子縁組が決まった。このままでは可哀想だからな。どこぞの伯爵の次男か三男にして将来は文官として働けば良いとの仰せだ」
「・・俺、私も同行させて下さい。いくら記憶にないと言っても祖国がなくなるのは可哀想すぎます」
「マシューの分も俺が仕事をします。頼んだぞ、マシュー」
「ウィリアム殿下にお願いして国王陛下と対面する機会を頂きました。国王陛下からのお許しをいただくには一つ問題があります」
「殿下の御年齢でしょうか?」
「流石はルーナ様。レミリアス王国の法律では成人前の王子であっても後見人を立てる事で国王になることができますが、ナーガルザリア王国では認められません」
「つまりナーガルザリア王国の法律で認められない成人前の国王との取引に難色を示しておられる」
「その通りです。ナーガルザリア王国のレミリアス王家に対する不信感は当然のことだと思いますからあまり強くも言えず悩んでおります」
「殿下が18になられるまでのお立場を確実なものとせねばならないのですね」
「ウォルデン侯爵家から後見人を断られている今、レミリアス王国に信用に値する方がおられるのか分かりません。なんの実績もない私をそれだけの期間無条件で支えてくれる方がおられるとも思えないのです」
セドリックはウォルデン侯爵家が後見してくれればと思いもするが、今まで王家が散々迷惑をかけた事を思えば自分から願うことなどできなかった。
「ウォルデン侯爵家は今、レミリアス王国に借金を取り立てている最中ですから後見人になると痛くも無い腹を探ったりそれに託けて殿下の足を引っ張る者が出てくる可能性がございます」
長年の人質生活でレミリアス王国の貴族との面識もなく、あるのは断罪され国を傾けた国王の実子であることのみ。ただでさえ脆弱な足場しかないセドリックにそれは致命傷になる可能性もある。
「これは大変優秀な方を遣わしていただいたわたくし個人からの御礼ですが・・。殿下がご自身のお力でガッバーナ前公爵を表舞台に引き出すことができれば」
マーカス・ガッバーナ前公爵はセドリックの祖父の代に一時期宰相を務めていたが当時の国王と口論になり、王家に三行半を叩きつけ爵位を息子に譲った後領地の外れで隠遁生活を送っている。
稀代の頑固者として有名な彼の口癖は『わしは百姓じゃ』
貴族社会と縁を切っただけではなく平民としか口を聞かない徹底ぶりで、息子のガッバーナ公爵でさえ門前払いを喰らう始末だと言う。
「ガッバーナ前公爵は貴族を嫌悪しておられるのに、ルーナ様は彼が一番後見人に相応しいとお考えなのですか?」
「はい。貴族よりももっと王家を嫌悪しておられる方ですね」
王家の者を前に平然と『王家を嫌悪している』などと断言するルーナの歯に絹を着せぬ物言いに流石のアリシアが青褪めた。
ルーナの無茶振りには慣れているつもりのアリシアだったがいつ『不敬だ!』と切り捨てられてもおかしく無い状況に足が震え握りしめた日傘がぽきりと折れてしまった。
「それほどに嫌っている王家所縁の私の話を聞いてくださるでしょうか? 私にはとても無理な話に思えます」
「ガッバーナ前公爵は領地にお住まいになっておられますの」
「・・?」
「ガッバーナ前公爵の亡くなられた奥様は帝国の侯爵家から嫁いで来られました。とても仲の良いお二人だったそうですわ」
眉間に皺を寄せて考え込んでいたセドリックが首を傾げチラリとルーナの顔を見た。
「・・えーっと」
「帝国には大切にしておられた奥様のご兄妹が今でもいらっしゃるそうですしとても親しくされていたそうです。ガッバーナ前公爵が本当にレミリアス王国を見限っておられるならとっくの昔に帝国へ移住しておられると思われませんか?」
「あっ!」
「噂通りの方ならお話出来るようになるまでかなりの苦戦を強いられると思いますが、ガッバーナ前公爵の後ろ盾なら間違いなく怪しげな貴族に足を掬われることはないと思います」
「ありがとうございます。どのようにすれば良いか考えてみます」
「はい、わたくしでお手伝いできることがあればご連絡下さいませ。随分と長話になってしまいました。わたくしたちはこれで失礼させていただきます。
それから、大変優秀な方を遣わしていただいたお礼をお伝えいただけますでしょうか?」
「無理矢理奪い取ったと言われるかもしれませんよ」
「向こうからやって来ましたのに。時折帰りますかと尋ねますが今の所断られておりますの」
「ルーナ様の近くはきっと居心地が良いのでしょう。王弟殿下はもう諦めていると仰っておられました。末永く頼むと伝言を申しつかっております」
「まあ、マシューの帰る場所がなくなっては可哀想ですわ。わたくしにこき使われるのに嫌気がさした時はナーガルザリア王国で引き取ってあげてくださいませ」
長年ルーナの専用執事を務めているマシューはナーガルザリア王弟殿下の長子。ナーガルザリア国王には王子がいるがマシューの王位継承順位は第4位とかなり高い。
そんなマシューが何故ルーナの執事を務めているのか・・。
ルーナ10歳
当時18歳のマシュー達は半年前に学園を卒業し父の元で仕事をはじめたばかりだった。
「レミリアス王国はもうどうにもならん。陛下はレミリアスを従わせると仰られた」
国王との打ち合わせが終わり執務室に帰って来たウィリアム殿下がクラバットを緩めながら吐き捨てた。
「まさか戦争とか仰いませんよね。いったい何があったのですか?」
離宮に住むセドリックを弟のように可愛がっているライリーとマシューは慌てて立ち上がり、読んでいた書類を投げ捨ててソファに座るウィリアムの向かいに座って身を乗り出した。
ライリーとマシューは双子の兄弟。兄のライリーは父親と同じ金髪碧眼で黒縁の眼鏡をかけており、マシューは母親似の銀髪と翠眼。
「レミリアスの王子の婚約者は学園にも行かず遊び呆けているらしい」
「は? ボケナス王子の婚約者は確かウォルデン侯爵家の令嬢ですよね」
「そうだ。レミリアスがどこからも侵略されず今まで放っておいてもらえたのはウォルデン侯爵家の軍事力を危険視していたからだが、こうなっては怪しいものだ」
「でも、侯爵家の発明品はかなり優秀だと聞いています」
「それだって先代の発明品だし、現在の侯爵はただの脳筋か戦バカらしい。
最低の国王の次は愚か者のグレイソン王子。せめて真面な婚約者が連れ添えば少しはマシかと思っていたが話にならん。
今度の祝賀会は不参加の予定だったが私が様子見に行くことになった」
「その結果次第では戦争がはじまると言う事ですか?」
「レミリアスの王宮には真面な奴がおらんから被害を出さずあっさりと終わるだろう。あの国には横領やら贈収賄で私腹を肥やすことに精を出す奴ばかり・・上があの国王では仕方ないのかもしれんが、国として残す意味がないというのが陛下のご決断だ。
セドリックはナーガルザリア王国の貴族と養子縁組が決まった。このままでは可哀想だからな。どこぞの伯爵の次男か三男にして将来は文官として働けば良いとの仰せだ」
「・・俺、私も同行させて下さい。いくら記憶にないと言っても祖国がなくなるのは可哀想すぎます」
「マシューの分も俺が仕事をします。頼んだぞ、マシュー」
30
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?
ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」
ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。
一体どういう理由でなのかしらね?
あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。
そう思っていたヴァレリアンだが…。
※誤字脱字等あるかもしれません!
※設定はゆるふわです。
※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。
※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる