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17.一度言ってみたい

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 3人がギョッとした顔でアメリアを見つめた。

 オリバーは3人の様子を眺めた後、
「半年間ありがとう。我が家の為に色々してくれた事心から感謝している。
もし紹介状が必要ならいつでも言って欲しい」


 イライジャが立ち上がり、
「えっ? ちょっと待って、アメリアって婚約者候補だったんだろ?
3人の中の誰かの婚約者になるって」

 ソフィーが肩をすくめ、
「アメリアが帰りたいって言うってことは、3人とも落第したんじゃないかしら?」


「ソフィー様! 違います、そう言うことではなくて」


「あなた達3人ともなんの努力もしてなかったようだから、仕方ないと思うわ。
巣の中で、誰かが餌を運んでくれるのを待ってるようじゃ無理なんじゃないかしら」


「ここには家庭教師のつもりで参りましたし、皆さんもそのおつもりだっただけです。
落第とかそんなんじゃないですから」


「女性として言わせて貰えば、あなた達3人とも点数低すぎるもの。
イライジャは女性に対して失礼な言動が多いし、アレクシスは怪しい病気を持っていそうだわ。
ジョシュアはまだ坊っちゃまって言われて当然な有様だしね」


「母上・・病気持ちは酷いよ」


 イライジャが右手を上げた。
「俺、立候補します」

「イライジャ、それじゃ色気がなさすぎよ。まるで役員決めでもしてるみたい」

 態とらしく大きな溜息をついたソフィーと、椅子に座り込んで落ち込んでいるイライジャを見比べていたアレクシスが、
「あの、一ヶ月待ってもらっていい?
そのくらい経てば健康だって証明できるからさ。そしたら俺も立候補する」

「お医者様に行ってらっしゃいな。そうすれば直ぐに結果がわかるわ」

「マジかよ、恥ずかしすぎるんだけど」
 アレクシスが落ち込んでいる。


「あの、お二人とも無理なさらないで下さい。もっと素敵な方が一杯いらっしゃるじゃないですか」

「いや、お前・・アメリア程面白いのは他にいないと思うし」

「俺も、まだ仕返しできてないし」

「・・俺も・・立候補する。アメリアいないとつまんないし、ロージーもいなくなる」


「オリバー、あなたの息子ってあちこち変だわ。全員結婚したい理由が間違ってる」



 話を振られたオリバーが、
「取り敢えず、ジョシュアの理由は流石に却下だな。お前は二人の応援をすれば十分なんじゃないか?」

 ジョシュアはイライジャとアレクシスを見て、
「だね。失敗したらお腹下すお茶作るから覚悟してて」


「冷静になってください。本当に私なんかじゃ無理ですって」


「お嬢様、この期に及んで見苦しい。腹括らんとかっこ悪かです」


「ロージー、あなたって私の侍女よね。
誰の味方なの?」



「正義の味方です! これ一度言ってみたかったとです」


 満面の笑みで、ジョシュアとロージーがサムズアップした。
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