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19.結婚よりも
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「今更? あれからもう7年以上経っていますのに」
「ギルバートは最近離婚したんだ。相手の不義を見つけたと言う理由だが怪しいもんだ」
「結婚したがる理由がありませんわ。うちはまだ負債を抱えてますし」
「お前が作ってる、えーっとなんて言ったか継ぎ接ぎするやつだ」
「ノルマンディーレースの事ですね」
「そいつが貴族の女性に人気になっているんだが、作れる人はまだ少ないだろう?。
お前が今まで作った作品も高額で取引されているらしい」
「まぁ、では頑張って作らなくては。
チャンス到来ですわ」
目を輝かせているアメリアに、子爵夫妻は微妙な表情になった。
ヘンリーは咳払いして、
「それはともかくだ。ギルバートはお前と結婚して、事業を拡大させたいんだろうと思う」
「ギルバートの実家の事業は?」
「縫製工場を持っている」
「お断りしてくださったんでしょう?」
「だが相手は伯爵だからね、子爵がどこまで抵抗できるか。
強引に言ってきたら、断りきれなくなる可能性もある」
頬に人差し指を当て考え込んでいたアメリアは、
「ノルマンディーレースってそんなに高値で取引されていますの?」
「ああ、お前が聞いたらびっくりする位の値段だ」
「それを今よりたくさん作るようにしたら・・私、家出しますから絶縁致しましょう」
「「は?」」
「隣国とかに行って、そこから作品をここに送ればなんとかなりませんかしら?
今までの価格だと足りない気がしますが、そんなに高額で売れるならなんとかなるのでは?」
ヘンリーは溜息をつき、
「家出するよりも、誰かと結婚しようとは思わんのか?」
「ギルバートとは数えるほどしか会ったことはないので特別な感情はありませんでしたが、婚約破棄された時は結構ショックで。
その時から結婚願望? みたいなものが無くなっちゃいましたの。
あんな思いをするより、小さな家でレースを編んでのんびり暮らす方が性に合ってそうです」
「婚約破棄されるとは限らんだろう? お前には可哀想な話だが、そんなに多い話ではないぞ?」
「婚約破棄も離婚も、男の方の権利みたいなところがありますでしょう?
男の方の浮気は許されるけど女は駄目。
夫が妻に手をあげるのは当然の権利だとか。
妻の資産は夫が管理するとか。
色々考えていると私には無理そうですの」
「相手をきちんと見極めればそんな事にはならないわ。
例えば、スコット公爵の息子さん達は妻に手を挙げるような方なの?」
「そんな事はないと思います。とても良い方達ですわ」
「そういう人を選べば良いだけのことだろう?」
アメリアは首を振って、
「そういう方のお心を繋ぎ止める自信もありませんの。
私口煩くてしつこいですし。
何より誰かとお付き合いするとか、方法がわかりませんもの」
「ギルバートは最近離婚したんだ。相手の不義を見つけたと言う理由だが怪しいもんだ」
「結婚したがる理由がありませんわ。うちはまだ負債を抱えてますし」
「お前が作ってる、えーっとなんて言ったか継ぎ接ぎするやつだ」
「ノルマンディーレースの事ですね」
「そいつが貴族の女性に人気になっているんだが、作れる人はまだ少ないだろう?。
お前が今まで作った作品も高額で取引されているらしい」
「まぁ、では頑張って作らなくては。
チャンス到来ですわ」
目を輝かせているアメリアに、子爵夫妻は微妙な表情になった。
ヘンリーは咳払いして、
「それはともかくだ。ギルバートはお前と結婚して、事業を拡大させたいんだろうと思う」
「ギルバートの実家の事業は?」
「縫製工場を持っている」
「お断りしてくださったんでしょう?」
「だが相手は伯爵だからね、子爵がどこまで抵抗できるか。
強引に言ってきたら、断りきれなくなる可能性もある」
頬に人差し指を当て考え込んでいたアメリアは、
「ノルマンディーレースってそんなに高値で取引されていますの?」
「ああ、お前が聞いたらびっくりする位の値段だ」
「それを今よりたくさん作るようにしたら・・私、家出しますから絶縁致しましょう」
「「は?」」
「隣国とかに行って、そこから作品をここに送ればなんとかなりませんかしら?
今までの価格だと足りない気がしますが、そんなに高額で売れるならなんとかなるのでは?」
ヘンリーは溜息をつき、
「家出するよりも、誰かと結婚しようとは思わんのか?」
「ギルバートとは数えるほどしか会ったことはないので特別な感情はありませんでしたが、婚約破棄された時は結構ショックで。
その時から結婚願望? みたいなものが無くなっちゃいましたの。
あんな思いをするより、小さな家でレースを編んでのんびり暮らす方が性に合ってそうです」
「婚約破棄されるとは限らんだろう? お前には可哀想な話だが、そんなに多い話ではないぞ?」
「婚約破棄も離婚も、男の方の権利みたいなところがありますでしょう?
男の方の浮気は許されるけど女は駄目。
夫が妻に手をあげるのは当然の権利だとか。
妻の資産は夫が管理するとか。
色々考えていると私には無理そうですの」
「相手をきちんと見極めればそんな事にはならないわ。
例えば、スコット公爵の息子さん達は妻に手を挙げるような方なの?」
「そんな事はないと思います。とても良い方達ですわ」
「そういう人を選べば良いだけのことだろう?」
アメリアは首を振って、
「そういう方のお心を繋ぎ止める自信もありませんの。
私口煩くてしつこいですし。
何より誰かとお付き合いするとか、方法がわかりませんもの」
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