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16.専科⋯⋯知らないとこではじまっていた第三幕は一人芝居
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【みてみて、セシルの顔! マジで怒ってる】
「問題ありません。さっきの試合、見てなかったんですか? さっさと終わらせてあげます!」
木剣を構えたセシルの前で同じように構えた男子生徒は⋯⋯まだニヤニヤと笑っていて隙だらけ。
「セシルは体格を活かした回避とスピードを使った戦い方をするから、ああいううどの大木に強いんだよね」
【怒らせたから益々スピードが上がりそうだしね】
先生の合図で試験がはじまったが、セシルの圧勝で終わった。尻餅をついてのけぞっている男子生徒がポカンと口を開け、周りの生徒からヤジが飛んだ。
「情けねえぞ!」
「美少女をゲットするんじゃないのかよ~」
ダラダラと続く試験に飽きた頃、サブリナが爽やかな顔でやって来た。
「セシルの試合見た?」
「うん、圧勝だった」
「ここにいる生徒達の大半は騎士を目標にしてるんでしょう? 強いのかしら」
「まだ子供だしね」
勿論何人か強い生徒はいたが、戦場で戦う騎士や魔物と戦う冒険者を見ているロクサーナからすると、ぬるま湯に浸かりすぎていて基本さえできていない生徒の方が多い。
(魔物の討伐なんかは平民か聖王国頼りなのかも。この国にも騎士団とか自警団とかあるはずだし、早めに確認しておいた方が良さそう)
「王城に着いた時に会った門番は剣も持っていなかったし、詰所でお昼寝中だったなぁ」
「開いたままの正門の前に、誰もいなかったものね。それだけ平和なんだなぁって思ったけど、衛兵とか門番としては問題よね」
3方は深い森で残りは海という地形で他国からの侵略への警戒心は薄いだろうが、魔物や海獣の被害のある国にしては緊張感が足りなすぎる。
(18で成人したら領地を守るとか騎士団に入るとかするはずなのに、現時点でこれ⋯⋯こんな平和ボケした国は初めて見た)
「セシル以外にも女子生徒がいるのね」
「うん、男子生徒より真面目に訓練してそうだった。セシルの良い友達になれるかも」
「それは良かったわ。Aクラスがアレだから、ずっと3人で孤立してなきゃいけないのかなって心配だったの」
「サブリナの方はどうだった?」
「下位貴族の令嬢ばかりだったけど、感じの良い方が何人かいたわ。刺繍より洋裁の方が得意だって言ってたから、家計の足しにするとかって感じかしら。
試験がかなり厳しかったから、逆に連帯感みたいなものが生まれたみたい」
パターンとハンカチと刺繍糸が準備され、それだけを使って時間内に作品を作る。
色もサイズも違うハンカチは縁取りのあるものもあり、刺繍の腕だけでなく色合いや絵柄のサイズなどのバランスも採点される。
「残った刺繍糸までチェックして、無駄な使い方をしていたら減点ですって。例年より厳しいって」
「王妃主催、婚約者候補の選別?」
「やっぱりそう思うわよね。なんだか申し訳なくなっちゃったの」
気にするなと言ってもサブリナの性格では気にするだろう。兎にも角にも⋯⋯良い友達ができそうな気配に胸を撫で下ろした。
(3人とも専攻の授業はなんとかなりそう。レベッカは知らんけど)
領地経営とマナーのクラスを専攻したレベッカは、高位貴族の子息令嬢の前で演説をしていた。
「私の国ではこの国とは違うルールで勉強していたんです! だから、この国のやり方で試験を受けろなんて無理ですぅ。
きっと、ロクサーナのせいだわ。あの子は私が恥をかくって知ってるから、このクラスを選べって言ってきたんですね。
その証拠に、伯爵令嬢のサブリナには別のクラスを専攻しろって言ってたもの!」
「この国のルールを覚えるまで試験は待ってもらえませんか? なんでこんなにロクサーナに嫌われてるのか分かんないし⋯⋯聖王国でも、いつも虐められてて⋯⋯ヒックヒック⋯⋯もう、どうすれば⋯⋯エグエグ⋯⋯教会の指示で知らない国に来たのに⋯⋯ウグッ、エグッ⋯⋯意地悪ばっかりされて。
ロクサーナってすっごく嘘が上手だから、周りの子はすぐ騙されるんです。勝手にリーダーだとか言い出してるし。
サブリナやセシルは人がいいから、すっかり騙されてて、私の話なんて聞いてくれないし。
聖女で侯爵家令嬢の私が一番身分が高いのに、ロクサーナは男爵家だから嫉妬してるの⋯⋯」
その後も、こんな虐めをされたとかあんな嘘をつかれたとか⋯⋯教師や生徒に口を挟む隙を与えないレベッカ劇場の、ひとり芝居が延々と続く。
「なんてお可哀想な⋯⋯」
「私達が守って差し上げますわ!」
「私達に任せて下さい」
「わたくしの権限で、マックバーンさんの試験は保留と致します」
「でも、試験の結果が悪かったら、またロクサーナにバカにされちゃう」
「心配なさらなくても大丈夫。学園長と相談の上、考慮しますからね」
「ホントですか!? すっごく助かりますぅ(やりぃ! 教師も生徒もチョロすぎてラッキー。マナーなんてやってられないもんね~)」
「バーラムさんに騙されているサブリナ・セルバンさんとセシル・ファーラムさんが心配ですわね。早急に対応しなくては⋯⋯」
「はい、ありがとうございますぅ(あんな子達なんてどうでもいいけどね~、ロクサーナさえ潰せば⋯⋯サブリナとセシルはパシリにできるか⋯⋯うん、私の引き立て役に使ってあげても良いかも)」
そんな事になっているとは知らないロクサーナは、サブリナやセシルと共に寮に戻っていた。
(夕食まで時間があるし、騎士団を覗いてこようかな)
動きやすいチュニックに着替えたロクサーナは、隠蔽をかけて騎士団の訓練場に転移した。
(わ、誰も訓練してないじゃん)
手入れのされていない訓練場には小石がゴロゴロして、雑草まで生えている。3階建ての立派な建物の前には車座になって雑談している騎士達がいる。
「⋯⋯んが入ったんだぜ。異国のテクっての? 凄えのなんので、つい時間延長したもんね」
「マジで! 今晩行ってみようかなぁ」
「いいなぁ⋯⋯給料前だから俺には無理~。給料上げろぉぉ」
わいわいと楽しそうな集団の横を通り過ぎ、無人の受付を通り過ぎてやって来たのは騎士団団長の部屋。
(⋯⋯汚い、病気になりそうなくらい汚い)
机には高く積みすぎて崩れかけた書類の山が乱立し、飲み残しの入ったカップやお菓子の箱が見え隠れしている。
部屋の隅に積み上げられ埃を被った本、魔導具や私物が無造作に押し込まれた本棚。
(騎士団長ってお金持ち? 結構高そうな物が⋯⋯)
唯一使っていると思えた場所は、クッションと毛布を乗せたソファ。ドアまで出来ている通り道は埃が少ない。
(仕事場じゃなかった、ここは休憩室兼倉庫だね)
部屋を出てあちこち覗いてみたがダラダラと休憩する騎士が殆どで、薄汚れた食堂では酒盛りがはじまっている。
異常にピカピカに飾り立てられた応接室には団旗や賞状が飾られ、国王と肩を並べるオッサンの姿絵が目立っていた。
(腹の出たこのオッサンが団長?)
建物の一番奥の部屋では書類に埋もれ、ぶつぶつと独り言を言いながら必死で書き物をしている青年がいた。
「終わらねえ終わらねえ終わらねえ⋯⋯もうやだぁ」
「あー! この書類の提出期限、先週じゃねえか! また怒られる、殴られる、給料減らされる」
(真面な人発見!)
【哀れな人とか壊れかけた人とかの間違いだと思うよ?】
「問題ありません。さっきの試合、見てなかったんですか? さっさと終わらせてあげます!」
木剣を構えたセシルの前で同じように構えた男子生徒は⋯⋯まだニヤニヤと笑っていて隙だらけ。
「セシルは体格を活かした回避とスピードを使った戦い方をするから、ああいううどの大木に強いんだよね」
【怒らせたから益々スピードが上がりそうだしね】
先生の合図で試験がはじまったが、セシルの圧勝で終わった。尻餅をついてのけぞっている男子生徒がポカンと口を開け、周りの生徒からヤジが飛んだ。
「情けねえぞ!」
「美少女をゲットするんじゃないのかよ~」
ダラダラと続く試験に飽きた頃、サブリナが爽やかな顔でやって来た。
「セシルの試合見た?」
「うん、圧勝だった」
「ここにいる生徒達の大半は騎士を目標にしてるんでしょう? 強いのかしら」
「まだ子供だしね」
勿論何人か強い生徒はいたが、戦場で戦う騎士や魔物と戦う冒険者を見ているロクサーナからすると、ぬるま湯に浸かりすぎていて基本さえできていない生徒の方が多い。
(魔物の討伐なんかは平民か聖王国頼りなのかも。この国にも騎士団とか自警団とかあるはずだし、早めに確認しておいた方が良さそう)
「王城に着いた時に会った門番は剣も持っていなかったし、詰所でお昼寝中だったなぁ」
「開いたままの正門の前に、誰もいなかったものね。それだけ平和なんだなぁって思ったけど、衛兵とか門番としては問題よね」
3方は深い森で残りは海という地形で他国からの侵略への警戒心は薄いだろうが、魔物や海獣の被害のある国にしては緊張感が足りなすぎる。
(18で成人したら領地を守るとか騎士団に入るとかするはずなのに、現時点でこれ⋯⋯こんな平和ボケした国は初めて見た)
「セシル以外にも女子生徒がいるのね」
「うん、男子生徒より真面目に訓練してそうだった。セシルの良い友達になれるかも」
「それは良かったわ。Aクラスがアレだから、ずっと3人で孤立してなきゃいけないのかなって心配だったの」
「サブリナの方はどうだった?」
「下位貴族の令嬢ばかりだったけど、感じの良い方が何人かいたわ。刺繍より洋裁の方が得意だって言ってたから、家計の足しにするとかって感じかしら。
試験がかなり厳しかったから、逆に連帯感みたいなものが生まれたみたい」
パターンとハンカチと刺繍糸が準備され、それだけを使って時間内に作品を作る。
色もサイズも違うハンカチは縁取りのあるものもあり、刺繍の腕だけでなく色合いや絵柄のサイズなどのバランスも採点される。
「残った刺繍糸までチェックして、無駄な使い方をしていたら減点ですって。例年より厳しいって」
「王妃主催、婚約者候補の選別?」
「やっぱりそう思うわよね。なんだか申し訳なくなっちゃったの」
気にするなと言ってもサブリナの性格では気にするだろう。兎にも角にも⋯⋯良い友達ができそうな気配に胸を撫で下ろした。
(3人とも専攻の授業はなんとかなりそう。レベッカは知らんけど)
領地経営とマナーのクラスを専攻したレベッカは、高位貴族の子息令嬢の前で演説をしていた。
「私の国ではこの国とは違うルールで勉強していたんです! だから、この国のやり方で試験を受けろなんて無理ですぅ。
きっと、ロクサーナのせいだわ。あの子は私が恥をかくって知ってるから、このクラスを選べって言ってきたんですね。
その証拠に、伯爵令嬢のサブリナには別のクラスを専攻しろって言ってたもの!」
「この国のルールを覚えるまで試験は待ってもらえませんか? なんでこんなにロクサーナに嫌われてるのか分かんないし⋯⋯聖王国でも、いつも虐められてて⋯⋯ヒックヒック⋯⋯もう、どうすれば⋯⋯エグエグ⋯⋯教会の指示で知らない国に来たのに⋯⋯ウグッ、エグッ⋯⋯意地悪ばっかりされて。
ロクサーナってすっごく嘘が上手だから、周りの子はすぐ騙されるんです。勝手にリーダーだとか言い出してるし。
サブリナやセシルは人がいいから、すっかり騙されてて、私の話なんて聞いてくれないし。
聖女で侯爵家令嬢の私が一番身分が高いのに、ロクサーナは男爵家だから嫉妬してるの⋯⋯」
その後も、こんな虐めをされたとかあんな嘘をつかれたとか⋯⋯教師や生徒に口を挟む隙を与えないレベッカ劇場の、ひとり芝居が延々と続く。
「なんてお可哀想な⋯⋯」
「私達が守って差し上げますわ!」
「私達に任せて下さい」
「わたくしの権限で、マックバーンさんの試験は保留と致します」
「でも、試験の結果が悪かったら、またロクサーナにバカにされちゃう」
「心配なさらなくても大丈夫。学園長と相談の上、考慮しますからね」
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「はい、ありがとうございますぅ(あんな子達なんてどうでもいいけどね~、ロクサーナさえ潰せば⋯⋯サブリナとセシルはパシリにできるか⋯⋯うん、私の引き立て役に使ってあげても良いかも)」
そんな事になっているとは知らないロクサーナは、サブリナやセシルと共に寮に戻っていた。
(夕食まで時間があるし、騎士団を覗いてこようかな)
動きやすいチュニックに着替えたロクサーナは、隠蔽をかけて騎士団の訓練場に転移した。
(わ、誰も訓練してないじゃん)
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