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19.チェンバー先生の餌付け完了?
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「27って⋯⋯老け顔にしても⋯⋯猫背とモジャモジャの髪のせい? その、汚ったない白衣のせい?」
「昔からおっさんくさいって⋯⋯ボリボリ⋯⋯よく言われるんだよね。だから口調とかもそれに合わせてて⋯⋯ムシャムシャ⋯⋯あ、敬語とかいらないから」
「先生、お昼食べてないでしょ」
「あ、うん。生徒がうじゃうじゃだから、買いに行くの面倒でさ」
【ここにも人嫌いがいた~!】
仕方なく買ってきたばかりの料理をテーブルに並べると、部屋の中にニンニクや焼けた肉のいい匂いが充満していった。
「うわ! すっごいいい匂い。しかも熱々。これ何?」
「他国の料理でパエリアとトルティージャです。有料ですからね、ちゃんと払って下さい」
「もちろん払うよ。お金は結構余ってるんだ。学園の教師って高級取りなんだ、実家の援助もあるしね」
見事な食べっぷりで完食したチェンバーが、お腹をさすって幸せそうな顔になった。
「はぁ、幸せ~。僕は今、異空間を経由した料理を⋯⋯異空間に感謝⋯⋯」
【料理に感謝しようね】
その後、ようやくポーション作りについての話になり、チェンバーの目がキラキラと輝く。
「水と土かぁ、やっぱりな」
「ギリギリ中級ポーションまでなら、定期的に魔物の森の土を冒険者に運んでもらって畑の土と入れ替えれば問題ないかも。それか、森の落ち葉で肥料を作って土に混ぜるか」
「土は難しいけど、落ち葉ならいけるな」
「だから、魔物の森の中で栽培するのはやめた方がいい」
ポケットから出したノートに『中級か』と言いながら書き込んでいたチェンバーがピタッと動きを止めた。
「⋯⋯み、見たの?」
「昨日試験で使った薬草は高品質で、この国の土では絶対に作れない。あの痩せた土でも野菜とか果物ならなんとかなるけど、薬草は肥料を工夫しても絶対に育たないって知ってるだけ。
店で買ったならもっと萎びてるし、あんなに品質が揃ってないしね」
店で売られている薬草は冒険者や子供が採取してくる。採取してから店に並ぶまでの時間で劣化するのはもちろんだが、素人の目では品質まではわからない。
「鑑定を使える人なら少しはマシだけど、魔導具頼りで仕分けした薬草って大雑把にしか分けられてないから」
「やっぱり鑑定魔法と魔導具だと違うんだ」
「鑑定魔法もレベルで大きく変わってくるけど、低ランクの魔法の劣化版が魔導具って感じかな」
「そんなに⋯⋯」
チェンバーがガックリと肩を落とした。
「魔法⋯⋯羨ましすぎ」
「ところで、聖女様って何ができるの?」
「へ?」
突然の質問にロクサーナが首を傾げた。
「昨日、試験が終わった後で、生徒たちが話してたんだ。アーノルド王子と仲のいい留学生は聖女様だって」
「ああ、自己紹介で言ってたやつね」
錬金術の試験にはAクラスの生徒は少なかったはずだが、既に話が広まってるらしい。
(それだけ、聖女って存在が珍しいって事かな)
「でさ、アーノルド王子と聖女様が結婚するんじゃないかって言ってた。だから、この国に聖女様が来たら何が変わるのか知りたいなぁって」
「えーっと、聖王国では聖女って職種の一つなんだよね。結構細かくランク分けされてて、それに合格して『聖女』になって、その後も何段階ものランクがあるの。だから一概に『聖女とはこれだ』ってのは言えないかな。
まあ、治癒魔法が使えるのは間違いないけど」
「そうか、なら聖女様がこの国に来られたらポーションは不要になるかも⋯⋯なら、別の薬とかの開発に転換して⋯⋯いや、でも⋯⋯」
「レベッカは聖女じゃない」
「へ?」
今後の研究方針を考えていたチェンバーが間抜けな顔で首を傾げた。
「レベッカは自己紹介で『私は聖女だ』って言ってたし、アーノルド王子と仲が良いのも本当。
でも、レベッカは聖女じゃないし、将来的にも聖女になれる可能性はない。彼女は今『魔法士見習い』で、おそらく永遠に『魔法士見習い』だと思う」
「なら、なんでそんな嘘を」
「さあ、それは本人に聞かないと分かんない。騙せると思ったのか、いつか聖女になれると勘違いしてるのか」
「⋯⋯じゃあ、ポーション開発はこのまま続行だな」
【ここまでポーションにしか興味ないなんて、清々しいね~】
チェンバーの夢は初級でも良いので、国中にポーションを行き渡らせる事。安定した品質で常に在庫がある状態が理想だと言う。
「ひとりでは難しいかな。この国の土の問題もだし、魔力に対する知識もないし。
この国に来る途中で見ただけだから、違うかもだけど⋯⋯小麦が育たないなら芋を植えればいいで、終わってる気がする。その考えは間違ってないけど、並行して小麦が育たない理由を考えてるかどうか」
「考えてないと思う」
「土壌改良は農家だけじゃなくて、国や領主が取り組まなきゃダメなんだよね」
土壌改良には資金も人手もかかる。長期的な計画を立てて、民衆の理解を得て漸く実行に移せる。
「この国の腐った王族や貴族じゃ話になんないよな」
考え込んでしまったチェンバーを残して寮に戻ったロクサーナは、勢いよくベッドに飛び込んだ。
(真面目な人もいるにはいるんだよね)
そのまま眠りについたロクサーナが次に気がついた時は真夜中で、夕食を誘いにサブリナやセシルが来たかどうかは分からなかった。
(お腹もあんまり空いてないし、夜の散歩でもしてこようかな)
昼に比べると夜に徘徊する魔物は大型化凶暴化する。先日、昼間なのにトロールとミノタウロスが出ていた事からすると、もっと凶悪な魔物がいるかも。
(めっちゃ楽しそう。早速行ってみよう!)
シャツとトラウザーズに着替えて丈夫な皮の靴を履き、防具は胸当てだけで腰に剣を下げた。
森の入り口まで転移して浮遊魔法で空から森の奥深くへ行くと⋯⋯。
(あ、コカトリス発見!)
鶏と蛇が混ざったような姿のコカトリスは、雄鶏の産んだ卵をヒキガエルが温めて生まれると言われている。
コカトリスが水を飲んだだけでその水場を長期間にわたって毒で汚染する。目が合うだけで相手を石化し、飛んでいる鳥を視線で焼いて落下させる。
(石化が面倒だよね。やっぱり凍らせちゃうしかないか)
隠蔽をかけたまま背後から近付き、凍らせた後に剣で首を刎ねた。血抜きした後異空間に入れて辺りを索敵したが、小型の蛇や魔狼しかいない。
(あいつらは群れで襲ってくるから面倒なんだよね。あ、グラップラーベア発見! あいつはいただきだね)
グラップラーベアは体長約5メートル。硬い毛並みに守られパワーとスピードを兼ね備えている。
(攻撃力凄いけど冬眠前じゃないから、それほど凶暴じゃないかも。あの毛皮に付与が有効かを試してみようかな)
グラップラーベアの風下に立ち剣に炎を纏わせた。身体強化して走り出したロクサーナは、グラップラーベアの膝関節を狙って切りつけた。
「ガウオォォォ!」
「やっぱり硬い、一回じゃ無理か!」
瞬間移動しながら間合いをとるロクサーナの横で、風切音を響かせながら長い鉤爪が通り過ぎた。
「あっぶな~! すっごいパワーじゃん。超楽し~い」
仕切り直したロクサーナが気合を入れ、グラップラーベアの振り上げた左手を切り落とした。
「ウガァァァ」
(っしゃ! 一個め~)
グラップラーベアの背後を狙い続け、一本剣を無駄にしたが、振り抜いた剣が右足を切り落とすと、バランスを崩したグラップラーベアが周辺の木々を巻き込んで倒れた。
ロクサーナの気配に右手を振り回すグラップラーベアとの勝負はもう、ついたようなもの。立ち上がることもできず雄叫びを上げるグラップラーベアの首を切り落とした。
「はぁはぁはぁ、やっぱ縛りありの戦いはキッツイわ。剣が1本折れたし。先にドワーフ狙おうかなぁ」
息が整うのを待って血抜きの済んだグラップラーベアを収納。血だらけになった全身にクリーンをかけて寮に戻った。
「昔からおっさんくさいって⋯⋯ボリボリ⋯⋯よく言われるんだよね。だから口調とかもそれに合わせてて⋯⋯ムシャムシャ⋯⋯あ、敬語とかいらないから」
「先生、お昼食べてないでしょ」
「あ、うん。生徒がうじゃうじゃだから、買いに行くの面倒でさ」
【ここにも人嫌いがいた~!】
仕方なく買ってきたばかりの料理をテーブルに並べると、部屋の中にニンニクや焼けた肉のいい匂いが充満していった。
「うわ! すっごいいい匂い。しかも熱々。これ何?」
「他国の料理でパエリアとトルティージャです。有料ですからね、ちゃんと払って下さい」
「もちろん払うよ。お金は結構余ってるんだ。学園の教師って高級取りなんだ、実家の援助もあるしね」
見事な食べっぷりで完食したチェンバーが、お腹をさすって幸せそうな顔になった。
「はぁ、幸せ~。僕は今、異空間を経由した料理を⋯⋯異空間に感謝⋯⋯」
【料理に感謝しようね】
その後、ようやくポーション作りについての話になり、チェンバーの目がキラキラと輝く。
「水と土かぁ、やっぱりな」
「ギリギリ中級ポーションまでなら、定期的に魔物の森の土を冒険者に運んでもらって畑の土と入れ替えれば問題ないかも。それか、森の落ち葉で肥料を作って土に混ぜるか」
「土は難しいけど、落ち葉ならいけるな」
「だから、魔物の森の中で栽培するのはやめた方がいい」
ポケットから出したノートに『中級か』と言いながら書き込んでいたチェンバーがピタッと動きを止めた。
「⋯⋯み、見たの?」
「昨日試験で使った薬草は高品質で、この国の土では絶対に作れない。あの痩せた土でも野菜とか果物ならなんとかなるけど、薬草は肥料を工夫しても絶対に育たないって知ってるだけ。
店で買ったならもっと萎びてるし、あんなに品質が揃ってないしね」
店で売られている薬草は冒険者や子供が採取してくる。採取してから店に並ぶまでの時間で劣化するのはもちろんだが、素人の目では品質まではわからない。
「鑑定を使える人なら少しはマシだけど、魔導具頼りで仕分けした薬草って大雑把にしか分けられてないから」
「やっぱり鑑定魔法と魔導具だと違うんだ」
「鑑定魔法もレベルで大きく変わってくるけど、低ランクの魔法の劣化版が魔導具って感じかな」
「そんなに⋯⋯」
チェンバーがガックリと肩を落とした。
「魔法⋯⋯羨ましすぎ」
「ところで、聖女様って何ができるの?」
「へ?」
突然の質問にロクサーナが首を傾げた。
「昨日、試験が終わった後で、生徒たちが話してたんだ。アーノルド王子と仲のいい留学生は聖女様だって」
「ああ、自己紹介で言ってたやつね」
錬金術の試験にはAクラスの生徒は少なかったはずだが、既に話が広まってるらしい。
(それだけ、聖女って存在が珍しいって事かな)
「でさ、アーノルド王子と聖女様が結婚するんじゃないかって言ってた。だから、この国に聖女様が来たら何が変わるのか知りたいなぁって」
「えーっと、聖王国では聖女って職種の一つなんだよね。結構細かくランク分けされてて、それに合格して『聖女』になって、その後も何段階ものランクがあるの。だから一概に『聖女とはこれだ』ってのは言えないかな。
まあ、治癒魔法が使えるのは間違いないけど」
「そうか、なら聖女様がこの国に来られたらポーションは不要になるかも⋯⋯なら、別の薬とかの開発に転換して⋯⋯いや、でも⋯⋯」
「レベッカは聖女じゃない」
「へ?」
今後の研究方針を考えていたチェンバーが間抜けな顔で首を傾げた。
「レベッカは自己紹介で『私は聖女だ』って言ってたし、アーノルド王子と仲が良いのも本当。
でも、レベッカは聖女じゃないし、将来的にも聖女になれる可能性はない。彼女は今『魔法士見習い』で、おそらく永遠に『魔法士見習い』だと思う」
「なら、なんでそんな嘘を」
「さあ、それは本人に聞かないと分かんない。騙せると思ったのか、いつか聖女になれると勘違いしてるのか」
「⋯⋯じゃあ、ポーション開発はこのまま続行だな」
【ここまでポーションにしか興味ないなんて、清々しいね~】
チェンバーの夢は初級でも良いので、国中にポーションを行き渡らせる事。安定した品質で常に在庫がある状態が理想だと言う。
「ひとりでは難しいかな。この国の土の問題もだし、魔力に対する知識もないし。
この国に来る途中で見ただけだから、違うかもだけど⋯⋯小麦が育たないなら芋を植えればいいで、終わってる気がする。その考えは間違ってないけど、並行して小麦が育たない理由を考えてるかどうか」
「考えてないと思う」
「土壌改良は農家だけじゃなくて、国や領主が取り組まなきゃダメなんだよね」
土壌改良には資金も人手もかかる。長期的な計画を立てて、民衆の理解を得て漸く実行に移せる。
「この国の腐った王族や貴族じゃ話になんないよな」
考え込んでしまったチェンバーを残して寮に戻ったロクサーナは、勢いよくベッドに飛び込んだ。
(真面目な人もいるにはいるんだよね)
そのまま眠りについたロクサーナが次に気がついた時は真夜中で、夕食を誘いにサブリナやセシルが来たかどうかは分からなかった。
(お腹もあんまり空いてないし、夜の散歩でもしてこようかな)
昼に比べると夜に徘徊する魔物は大型化凶暴化する。先日、昼間なのにトロールとミノタウロスが出ていた事からすると、もっと凶悪な魔物がいるかも。
(めっちゃ楽しそう。早速行ってみよう!)
シャツとトラウザーズに着替えて丈夫な皮の靴を履き、防具は胸当てだけで腰に剣を下げた。
森の入り口まで転移して浮遊魔法で空から森の奥深くへ行くと⋯⋯。
(あ、コカトリス発見!)
鶏と蛇が混ざったような姿のコカトリスは、雄鶏の産んだ卵をヒキガエルが温めて生まれると言われている。
コカトリスが水を飲んだだけでその水場を長期間にわたって毒で汚染する。目が合うだけで相手を石化し、飛んでいる鳥を視線で焼いて落下させる。
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「やっぱり硬い、一回じゃ無理か!」
瞬間移動しながら間合いをとるロクサーナの横で、風切音を響かせながら長い鉤爪が通り過ぎた。
「あっぶな~! すっごいパワーじゃん。超楽し~い」
仕切り直したロクサーナが気合を入れ、グラップラーベアの振り上げた左手を切り落とした。
「ウガァァァ」
(っしゃ! 一個め~)
グラップラーベアの背後を狙い続け、一本剣を無駄にしたが、振り抜いた剣が右足を切り落とすと、バランスを崩したグラップラーベアが周辺の木々を巻き込んで倒れた。
ロクサーナの気配に右手を振り回すグラップラーベアとの勝負はもう、ついたようなもの。立ち上がることもできず雄叫びを上げるグラップラーベアの首を切り落とした。
「はぁはぁはぁ、やっぱ縛りありの戦いはキッツイわ。剣が1本折れたし。先にドワーフ狙おうかなぁ」
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