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44.イケメン活用術
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カウンターでギルドカードを出すと、奥の部屋から担当者が出てきた。
「薬師ランクBのニーナさんですね。買取担当のアルフォンスです。ポーションとお聞きしましたが?」
「はい、中級ポーションを10本ほど持って参りましたの。買取していただけるようなら、後日同じ物を30本納品したいと思っております」
レオンの持つ鞄から出したポーションを渡し、鑑定が終わるのを待つ間に受付の女性に声をかけた。
「あの、少しよろしいかしら。実は腕の良い魔導具士を探しておりますの」
「魔導具士ですか?」
「ええ、物理攻撃を跳ね返す魔導具なのですけど、従者に預けておいたらうっかり壊してしまったみたいで」
チラッと後ろを振り返ったロクサーナが、レオンに向けて溜息をついた。
「申し訳ありません」
打ち合わせ通りに申し訳なさそうな顔をしたレオンが、受付嬢に向けて少し寂しげな顔を見せると⋯⋯。
「あら、まあ! ニーナさんの従者でいらしたのね! 魔導具なんてすぐ壊れてしまいますから、仕方ありませんわ。
魔導具士をお探しでしたら、ジェイコブさんが一番ですわね。王都では彼の右に出る人はいない魔導具士だと言われていますの。
魔導具士ギルドで声をかけられたら、すぐに連絡がつくはずですから⋯⋯そうだわ、お名前をお聞きしてもよろしいかしら。わたくしがご案内いたしますわ」
狙い通り、イケメンの憂い顔が速攻で効果を出した。
カウンターから出てきそうな勢いの受付嬢をレオンに任せて、ロクサーナは少し場所を離れた。
「直したばかりでまた壊れたから⋯⋯しっかりと直せる腕を持っている人、何人かに見てもらいたいと思うんです。前回の人は前評判ばかりだったのかもって思っていて、合う合わないとか得意があるとかも聞いたし」
困り顔でレオンが言うと、受付嬢が満面の笑みを浮かべて身を乗り出した。
「まあ、それでしたら⋯⋯ミゲルさんかキーリーさんもおすすめですわ。このお二人も魔導具士ギルドにいらっしゃる事が多い方ですしね。
フィンリーさんも腕は確かなのですが⋯⋯ここだけの話ですけれど、少し人嫌いなところがおありで。固定客しか相手にされないとか、気に入らないと追い返されるとかで、あまり評判が⋯⋯。でも、帝王も贔屓にしておられるくらいの方で、腕は確かですわ」
レオンにアピールしまくっている受付嬢は案内する気満々で、カウンターから出てきたが、しどろもどろになりながら地図を書いてもらったレオンは『宿に忘れ物が』と言い出して這々の体で逃げ出した。
(フィンリーならイニシャルはF。人嫌いで帝王が贔屓。もしかしたら当たりを引いたかも)
ロクサーナは鑑定を終えたポーションを売り、また来ると言いおいてゆっくりと店を出た。
「帝国の受付嬢は魔物より威圧が凄い」
「いや~、イケメンって便利だねぇ」
感想に温度差のある2人。
冒険者ギルドでもどこでも、レオンにサービスする肉食系女子を見ていたロクサーナの思いついたのは、『金を持ってそうなイケメンは餌になる』
「思った通り、その無駄に整ったお顔は餌に最適だったね~。ジェイコブとミゲルとキーリーとフィンリーかぁ。
当たりが出なかったら今度はどこで試そうかな。女の言う『ここだけの話』には眉唾物が多いけど、どこにでも転がってるからね」
もう『受付嬢はヤダからね』と騒ぐレオンを連れて、次は魔導具士ギルドへと向かった。
「ニーナと言いますが、ジェイコブさんはいらっしゃいますかしら」
冒険者ギルドは荒くれ者が多くて、喧嘩が多い。薬師ギルドはすまし屋が多くて、無駄に上品。魔導具士ギルドは横柄な奴が多くて、プライドが高い。
「あんたは?」
「薬師のニーナと申します。魔導具の修理をお願いしたくて⋯⋯ジェイコブさんと言う魔導具士を探しておりますの」
「ジェイコブは今接客中でね、良かったら嬢ちゃんの話は俺が聞いてやるぜ?」
「まあ、魔導具士でいらっしゃいますのね。どんな魔導具を扱っておられますの?」
子供相手だと舐めているのか、大男が太い指で魔導具を取り出してカウンターに置いた。
(こいつには無理だなぁ。魔導具の扱いが雑すぎるもん)
にっこり笑ったロクサーナが魔導具を覗き込んだ。
「こいつは決まった時間になるとベルがなる時計だ。結構値が張るが便利なんだぜ」
大した仕掛けではないが、子供相手なら喜ぶかもしれない。
「凄い、どんな音か気になるけど⋯⋯今は攻撃とか防御系の魔導具の方が気になってるの」
チッと舌打ちした大男が魔導具を片付けた。
「そういう危険なもんは飲んだくれのマシューだな。まあ、何年も仕事はしてねえみたいだが」
「マシューさんって?」
マシューは十数年前は腕のいい魔導具士だったが、真面に仕事をせず飲んだくれてスラムに住んでいると言う。
「スラムはちょっと⋯⋯」
「奴の弟子が頑張って金を運んでるらしいがな。お、ジェイコブ⋯⋯客が来てるぜ」
ジェイコブは痩せた神経質そうな男でシャツとトラウザーズ、上等なコートを着て革のブーツを履いていた。
「では、こちらへどうぞ」
(この男はハズレかな~)
派手な服装とほっそりとした綺麗な指を見たロクサーナが内心溜息をついた。
ソファに案内されていくつか魔導具を見せてもらったが、どれも見た目重視で特許切れになった魔導具の改良品ばかり。
少し考えてみると言って店を出た。
「ジェイコブは結構良かった気がするんだけど?」
「あれはダメね。そこそこの魔導具士ってとこかな。あの人の作品には個性がなかったし、珍しいとか難しい魔導具には手を出さないと思う」
ミゲルとキーリーは魔導具士ギルドにいる事が多いと聞いたので後回し。
(同じ場所で他の魔導具士に同じ質問するのは、プライドがどうとか言い出す奴が多いもんね)
大通りで見つけたお店でお昼を食べて、次の候補者の家を探すことにした。
「フィンリーだっけ。その人がダメだったらスラムに行こうかなぁ」
(スラムのマシューはM⋯⋯イニシャルがLの魔導具士はどっかに落ちてないかな)
飲んだくれているなら手が震えて魔導具は作れないが、情報は持っているだろう。
認識阻害をかけ、地図に書いてあった通りに道を進んで行く。大通りを一本外れた商店街の奥にあったその店は、窓ガラスが薄汚れて中が見えなくなっている。
ドアにかけられたプレートは少し斜めになり、枯れ果てた花らしいものが植ったままのプランターが置いてある。
「フィンリーの店⋯⋯ここみたい。さっきよりは期待できるかも」
腕のいい魔導具士を選ぶロクサーナの基準がわからないレオンが首を傾げた。
ドアを開けると『ギギッ』と錆びついた蝶番の音がする。店の中はかなり埃っぽくて、カウンターの上には何も置かれていない。
(指で触ったら跡がつきそう。あ、認識阻害したままだった、外しとかなきゃね)
「こんにちは、どなたかいらっしゃいますか?」
ロクサーナが大きな声を張り上げると、ガタガタンと店の奥で音がして、皺くちゃなシャツをトラウザーズに押し込みながら猫背気味の男が走り出してきた。
「誰?」
「客ですわ」
「ふ~ん、子供に売るものはここにはないから」
「見た目は子供、中身は大人ですのよ?」
「ふん!」
怪しげな会話が続くのをレオンが首を傾げながら聞いていると、突然音楽が聞こえてきた。
「薬師ランクBのニーナさんですね。買取担当のアルフォンスです。ポーションとお聞きしましたが?」
「はい、中級ポーションを10本ほど持って参りましたの。買取していただけるようなら、後日同じ物を30本納品したいと思っております」
レオンの持つ鞄から出したポーションを渡し、鑑定が終わるのを待つ間に受付の女性に声をかけた。
「あの、少しよろしいかしら。実は腕の良い魔導具士を探しておりますの」
「魔導具士ですか?」
「ええ、物理攻撃を跳ね返す魔導具なのですけど、従者に預けておいたらうっかり壊してしまったみたいで」
チラッと後ろを振り返ったロクサーナが、レオンに向けて溜息をついた。
「申し訳ありません」
打ち合わせ通りに申し訳なさそうな顔をしたレオンが、受付嬢に向けて少し寂しげな顔を見せると⋯⋯。
「あら、まあ! ニーナさんの従者でいらしたのね! 魔導具なんてすぐ壊れてしまいますから、仕方ありませんわ。
魔導具士をお探しでしたら、ジェイコブさんが一番ですわね。王都では彼の右に出る人はいない魔導具士だと言われていますの。
魔導具士ギルドで声をかけられたら、すぐに連絡がつくはずですから⋯⋯そうだわ、お名前をお聞きしてもよろしいかしら。わたくしがご案内いたしますわ」
狙い通り、イケメンの憂い顔が速攻で効果を出した。
カウンターから出てきそうな勢いの受付嬢をレオンに任せて、ロクサーナは少し場所を離れた。
「直したばかりでまた壊れたから⋯⋯しっかりと直せる腕を持っている人、何人かに見てもらいたいと思うんです。前回の人は前評判ばかりだったのかもって思っていて、合う合わないとか得意があるとかも聞いたし」
困り顔でレオンが言うと、受付嬢が満面の笑みを浮かべて身を乗り出した。
「まあ、それでしたら⋯⋯ミゲルさんかキーリーさんもおすすめですわ。このお二人も魔導具士ギルドにいらっしゃる事が多い方ですしね。
フィンリーさんも腕は確かなのですが⋯⋯ここだけの話ですけれど、少し人嫌いなところがおありで。固定客しか相手にされないとか、気に入らないと追い返されるとかで、あまり評判が⋯⋯。でも、帝王も贔屓にしておられるくらいの方で、腕は確かですわ」
レオンにアピールしまくっている受付嬢は案内する気満々で、カウンターから出てきたが、しどろもどろになりながら地図を書いてもらったレオンは『宿に忘れ物が』と言い出して這々の体で逃げ出した。
(フィンリーならイニシャルはF。人嫌いで帝王が贔屓。もしかしたら当たりを引いたかも)
ロクサーナは鑑定を終えたポーションを売り、また来ると言いおいてゆっくりと店を出た。
「帝国の受付嬢は魔物より威圧が凄い」
「いや~、イケメンって便利だねぇ」
感想に温度差のある2人。
冒険者ギルドでもどこでも、レオンにサービスする肉食系女子を見ていたロクサーナの思いついたのは、『金を持ってそうなイケメンは餌になる』
「思った通り、その無駄に整ったお顔は餌に最適だったね~。ジェイコブとミゲルとキーリーとフィンリーかぁ。
当たりが出なかったら今度はどこで試そうかな。女の言う『ここだけの話』には眉唾物が多いけど、どこにでも転がってるからね」
もう『受付嬢はヤダからね』と騒ぐレオンを連れて、次は魔導具士ギルドへと向かった。
「ニーナと言いますが、ジェイコブさんはいらっしゃいますかしら」
冒険者ギルドは荒くれ者が多くて、喧嘩が多い。薬師ギルドはすまし屋が多くて、無駄に上品。魔導具士ギルドは横柄な奴が多くて、プライドが高い。
「あんたは?」
「薬師のニーナと申します。魔導具の修理をお願いしたくて⋯⋯ジェイコブさんと言う魔導具士を探しておりますの」
「ジェイコブは今接客中でね、良かったら嬢ちゃんの話は俺が聞いてやるぜ?」
「まあ、魔導具士でいらっしゃいますのね。どんな魔導具を扱っておられますの?」
子供相手だと舐めているのか、大男が太い指で魔導具を取り出してカウンターに置いた。
(こいつには無理だなぁ。魔導具の扱いが雑すぎるもん)
にっこり笑ったロクサーナが魔導具を覗き込んだ。
「こいつは決まった時間になるとベルがなる時計だ。結構値が張るが便利なんだぜ」
大した仕掛けではないが、子供相手なら喜ぶかもしれない。
「凄い、どんな音か気になるけど⋯⋯今は攻撃とか防御系の魔導具の方が気になってるの」
チッと舌打ちした大男が魔導具を片付けた。
「そういう危険なもんは飲んだくれのマシューだな。まあ、何年も仕事はしてねえみたいだが」
「マシューさんって?」
マシューは十数年前は腕のいい魔導具士だったが、真面に仕事をせず飲んだくれてスラムに住んでいると言う。
「スラムはちょっと⋯⋯」
「奴の弟子が頑張って金を運んでるらしいがな。お、ジェイコブ⋯⋯客が来てるぜ」
ジェイコブは痩せた神経質そうな男でシャツとトラウザーズ、上等なコートを着て革のブーツを履いていた。
「では、こちらへどうぞ」
(この男はハズレかな~)
派手な服装とほっそりとした綺麗な指を見たロクサーナが内心溜息をついた。
ソファに案内されていくつか魔導具を見せてもらったが、どれも見た目重視で特許切れになった魔導具の改良品ばかり。
少し考えてみると言って店を出た。
「ジェイコブは結構良かった気がするんだけど?」
「あれはダメね。そこそこの魔導具士ってとこかな。あの人の作品には個性がなかったし、珍しいとか難しい魔導具には手を出さないと思う」
ミゲルとキーリーは魔導具士ギルドにいる事が多いと聞いたので後回し。
(同じ場所で他の魔導具士に同じ質問するのは、プライドがどうとか言い出す奴が多いもんね)
大通りで見つけたお店でお昼を食べて、次の候補者の家を探すことにした。
「フィンリーだっけ。その人がダメだったらスラムに行こうかなぁ」
(スラムのマシューはM⋯⋯イニシャルがLの魔導具士はどっかに落ちてないかな)
飲んだくれているなら手が震えて魔導具は作れないが、情報は持っているだろう。
認識阻害をかけ、地図に書いてあった通りに道を進んで行く。大通りを一本外れた商店街の奥にあったその店は、窓ガラスが薄汚れて中が見えなくなっている。
ドアにかけられたプレートは少し斜めになり、枯れ果てた花らしいものが植ったままのプランターが置いてある。
「フィンリーの店⋯⋯ここみたい。さっきよりは期待できるかも」
腕のいい魔導具士を選ぶロクサーナの基準がわからないレオンが首を傾げた。
ドアを開けると『ギギッ』と錆びついた蝶番の音がする。店の中はかなり埃っぽくて、カウンターの上には何も置かれていない。
(指で触ったら跡がつきそう。あ、認識阻害したままだった、外しとかなきゃね)
「こんにちは、どなたかいらっしゃいますか?」
ロクサーナが大きな声を張り上げると、ガタガタンと店の奥で音がして、皺くちゃなシャツをトラウザーズに押し込みながら猫背気味の男が走り出してきた。
「誰?」
「客ですわ」
「ふ~ん、子供に売るものはここにはないから」
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