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73.この世界で最恐な人は、属性がなくても凍らせられる
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「ロクサーナァァ、吐けぇ~! それ以上カニになったら、お膝に座らせるわよ! こっちにきて、ぜ~んぶ吐きなさい。で、な~に~を~、準備したのかしら~?」
「いや~、それ程気にするものでは⋯⋯あはっ」
(マズい、今回は最大級にマズい。バレたら絶対お仕置き確定だもん。ナデナデのあ~んのトントン⋯⋯3連チャンが飛んでくる。16歳でそれは恥ずか死ねる)
「ほ、ほんの心ばかりのお品なんで、ジルベルト司祭が気にするほどの事では⋯⋯あれって、ほら。私が勝手にしでかした約束だし、私が責任持って話し合いをし⋯⋯」
「決めた、トントンからはじめるわ!」
「ヒィッ! ごご、ごめんなさいぃぃぃ。あれは一番ハードな気が⋯⋯別の物を準備するからぁぁぁ」
両手を合わせてジルベルト司祭を拝みながら、涙目で必死に懇願するロクサーナだが、部屋の温度が下がっていく。
(あ、あうぅ。ジルベルト司祭の顔がぁぁ⋯⋯こ、氷属性持ってたっけえぇぇ)
実は、アラクネへの貢物として『等身大ジルベルト君人形』を作ったロクサーナ。
(動かないし笑わないけど⋯⋯魔導具で丸々コピーしてるからそっくりなんだよね~。あれでダメなら映像プレゼントも準備済みだし)
口には出さないが、自分の見た目が大嫌いなジルベルト司祭が見たら⋯⋯。
ジルベルト司祭に色気のかけらもない壁ドンをされ、違う意味のドキドキしかない目で見つめられたロクサーナが、恐る恐る『等身大ジルベルト君人形』を取り出した。
「⋯⋯ぎゃあぁぁぁ!」
ジルベルト司祭の風魔法で、粉々にされていく『等身大ジルベルト君人形』
砕け散ったカケラを風魔法で集めたジルベルト司祭が一言。
「燃やすのよ」
「はい!(良かった、コピー作っといて⋯⋯)」
粉々になった『等身大ジルベルト君人形』のカケラを結界で包み、完全に燃やし尽くした。
「コピーも」
「はい? なな、なんでっか?」
必死で無表情を取り繕うロクサーナに、これまた色気のない『顎クイッ』が炸裂。ジルベルト司祭の目は吊り上がり、魔王が逃げ出しそうな凶悪な御面相になっている。
「ネタはあがってんのよ⋯⋯ロクサーナは絶対にコピーを作る子だってね。出さないならカイロスにお願いして、異空間収納の中身をぶちまけてもらうわ」
「そんな、無体な!」
転移を封じられている今、異空間収納がなくなると、ロクサーナの逃げ道がなくなる。
異空間には他にも、ジルベルト司祭にだけは見られたくない物があれこれ⋯⋯昔、初めてジルベルト司祭からもらった『クッキーの包み紙』とか、ジルベルト司祭が捨てようとした『落書き』とか、ジルベルト司祭が愛用していた『羽ペン』の折れたやつとか⋯⋯他にも多数のジルベルト・コレクションが隠してある。
(変質者だと思われるよお。気持ち悪いとか頭がおかしいとか⋯⋯むりむりむりむり、見られたら恥ずか死ねる⋯⋯でも、『等身大ジルベルト君人形』も捨て難いんだよお)
「そんなに泣くほど大切なの?」
こくんと頷き俯いたロクサーナの頭を、ジルベルト司祭がぐりぐりと撫でた。
「はぁ、全く困った子ねえ。誰にも見せないって約束できる?」
深く頷いたロクサーナの両脇に手を入れて、ヒョイっと持ち上げたジルベルト司祭が椅子に座って、膝にロクサーナを乗せた。
「本人がいるじゃない。一緒の食事からは逃げるのに人形は欲しいとか、わけわかんない」
「⋯⋯人形は⋯⋯動かない⋯⋯から、恥ずかしくないもん」
「そこは慣れるしかないわね。はぁ、6年かけてもまだ距離が遠いわ~。最強の防御力ってやつかしら」
ジルベルト司祭も動揺がおさまっていないらしくオネエ言葉のまま、ロクサーナを抱え込んで背中をトントンしはじめた。
「ジ、ジルベルト司祭? こ、これは⋯⋯あの⋯⋯」
「新しいバージョンのお仕置き⋯⋯じゃなくて、人に慣れる練習よ。練習。ロクサーナはじわじわ行くと逃げるから、一気に捕獲して強行突破しなくちゃって決めたの。
だって、お話しするより海で溺死する方を選ぶんだもの。ほんと、ビックリしたんだからね」
「ごめんなさい」
久しぶりに座った(座らされた)ジルベルト司祭の膝は、昔と同じでとても落ち着く。
(ふぁぁ⋯⋯匂いも昔と一緒⋯⋯あったかいし、すごく安心する)
「もし、逆だったらロクサーナはどんな気持ちになるかしら?」
「逆⋯⋯えーっと、私が膝に乗せてトントンする係とか?」
「お~ば~か~! 私の目が覚めなくなるの! 何日も何日もね」
ジルベルトを見上げたロクサーナの口がワナワナと震えたかと思うと、目から滝のような涙が流れはじめた。
「そ、想像だけで泣けそうで⋯⋯ズビッズビツ⋯⋯ジ、ジルベルト司祭がぁぁ! うわ~ん」
(もう泣いてるわよ~、すっごい大量に出てるわよ~。鼻水とか色んなものが出まくりよ~⋯⋯これって脈あり? 単なる無自覚? なんて思うのは、私の希望的観測かしら⋯⋯)
「今までは、上司と部下みたいな感じだったけど、これからは⋯⋯えーっと、友達! そう、友達とかそういう別の関係になれたら良いなぁと思ってるの。でね、食事はその第一歩。慣れてきたら外食とか、買い物に行くのもいいわね」
滅多に買い物に行かないロクサーナには、人と連れ立って行く買い物の楽しさが分からない。
余程特別な理由がない限り、必要な物を見つけて支払いをして店を出るまでに3分⋯⋯。それ以上の時間店に留まることも、店員に声をかけられる隙を作ることもない。
「一緒に買い物に行って、時間をかけて相手の物を選んだり、どっちが好きか話したりするの。お喋りの途中で気になった店にふらっと立ち寄るとか、掘り出し物を探して歩き回るとか」
「う~む、それって楽しいの?」
「10歳の時に初めてベッドを見たでしょ? あの時みたいな、ビックリが見つかる事もあるわ。一緒にいる相手にもよるけど、相手の反応を見ながら一緒に選んだ物には『選んだ時の思い出』って言う付加価値がつくの」
「それは⋯⋯ちょっと、良いかも」
10歳の時に、同じような手口で誑かされた事をすっかり忘れているロクサーナの顔に、ほんの少し笑顔が浮かんだ。
(最初は黴びてないパンと、具入りのスープだったかなぁ。それよりはかなり進歩してる?)
「沢山の羽ペンの中からロクサーナが私の為に選んだのを、毎日使ってるのを見るのって楽しそうじゃない?」
「それはちょっと⋯⋯うん、嬉しいかも」
「なら、島で夕食からはじめよう。お試しってやつね」
些細な約束でも絶対に破らないロクサーナから言質をとる為の『お試し』発言に、首を縦に振りかけたが⋯⋯。
「仕事⋯⋯今以上に忙しくなったら、寝る暇がなくなりそうだからダメ」
「大丈夫よ、何しろこれからは一番手が掛かる子が島でお利口にしてるから」
「や、やっぱり! 私が苦労をかけてたんだ! ジルベルト司祭のクマを育ててたのは私!?」
「そう、私の担当ってロクサーナだけだったから。これから暫くの間、担当なしで書類仕事だけなのよね~。だから、定時出勤・定時退社の司祭になる予定」
「⋯⋯えぇ!? マジで?」
本人は気付いていないが、ロクサーナの仕事は他の聖女や魔法士の数人分に匹敵しているものや、特殊な事情のあるものばかり。
秘密保持が最優先なので複数人で受けられない依頼とか、潜入が難しい場所なので生半可な魔法士は参加できない依頼とか。
力のある聖女が必要な緊急依頼だが、途中に凶悪な魔物達が巣を作っていて、討伐に時間がかかりすぎるなど。
それらの依頼の大半はロクサーナひとりいれば十分で、精々露払いか後方部隊が参加する程度の事が多い。
(だからロクサーナの仕事ぶりを知らない人がほとんどだったわけで。まあ、今後そういう依頼をどうするのか、ロクサーナにも俺にも関係ないけどね)
現在いる聖女や魔法士は見習いを含めて全員に担当司祭がついていて、見直しが行われるのは年に1回のみ。
(それまではのらりくらりとしながら、教会や帝国の様子を調べようと思ってたんだが、セイレーンかぁ⋯⋯ロクサーナ達の様子だと他にもいるんだろうな)
「じゃあ⋯⋯お、お言葉に甘えてですね、ジルベルト司祭の仕事が忙しくないなら、おね、おねまいちまつ」
(あぁ、肝心なとこでぇ)
「ジルベルト司祭は教会所属が切れないから、ずっとずっと手伝っても良いんだからね」
「ププッ! よし、可愛~く『噛んだ』のを誤魔化したロクサーナに、面白い話を教えてあげよう。教会も気付いていない、俺の秘密」
「いや~、それ程気にするものでは⋯⋯あはっ」
(マズい、今回は最大級にマズい。バレたら絶対お仕置き確定だもん。ナデナデのあ~んのトントン⋯⋯3連チャンが飛んでくる。16歳でそれは恥ずか死ねる)
「ほ、ほんの心ばかりのお品なんで、ジルベルト司祭が気にするほどの事では⋯⋯あれって、ほら。私が勝手にしでかした約束だし、私が責任持って話し合いをし⋯⋯」
「決めた、トントンからはじめるわ!」
「ヒィッ! ごご、ごめんなさいぃぃぃ。あれは一番ハードな気が⋯⋯別の物を準備するからぁぁぁ」
両手を合わせてジルベルト司祭を拝みながら、涙目で必死に懇願するロクサーナだが、部屋の温度が下がっていく。
(あ、あうぅ。ジルベルト司祭の顔がぁぁ⋯⋯こ、氷属性持ってたっけえぇぇ)
実は、アラクネへの貢物として『等身大ジルベルト君人形』を作ったロクサーナ。
(動かないし笑わないけど⋯⋯魔導具で丸々コピーしてるからそっくりなんだよね~。あれでダメなら映像プレゼントも準備済みだし)
口には出さないが、自分の見た目が大嫌いなジルベルト司祭が見たら⋯⋯。
ジルベルト司祭に色気のかけらもない壁ドンをされ、違う意味のドキドキしかない目で見つめられたロクサーナが、恐る恐る『等身大ジルベルト君人形』を取り出した。
「⋯⋯ぎゃあぁぁぁ!」
ジルベルト司祭の風魔法で、粉々にされていく『等身大ジルベルト君人形』
砕け散ったカケラを風魔法で集めたジルベルト司祭が一言。
「燃やすのよ」
「はい!(良かった、コピー作っといて⋯⋯)」
粉々になった『等身大ジルベルト君人形』のカケラを結界で包み、完全に燃やし尽くした。
「コピーも」
「はい? なな、なんでっか?」
必死で無表情を取り繕うロクサーナに、これまた色気のない『顎クイッ』が炸裂。ジルベルト司祭の目は吊り上がり、魔王が逃げ出しそうな凶悪な御面相になっている。
「ネタはあがってんのよ⋯⋯ロクサーナは絶対にコピーを作る子だってね。出さないならカイロスにお願いして、異空間収納の中身をぶちまけてもらうわ」
「そんな、無体な!」
転移を封じられている今、異空間収納がなくなると、ロクサーナの逃げ道がなくなる。
異空間には他にも、ジルベルト司祭にだけは見られたくない物があれこれ⋯⋯昔、初めてジルベルト司祭からもらった『クッキーの包み紙』とか、ジルベルト司祭が捨てようとした『落書き』とか、ジルベルト司祭が愛用していた『羽ペン』の折れたやつとか⋯⋯他にも多数のジルベルト・コレクションが隠してある。
(変質者だと思われるよお。気持ち悪いとか頭がおかしいとか⋯⋯むりむりむりむり、見られたら恥ずか死ねる⋯⋯でも、『等身大ジルベルト君人形』も捨て難いんだよお)
「そんなに泣くほど大切なの?」
こくんと頷き俯いたロクサーナの頭を、ジルベルト司祭がぐりぐりと撫でた。
「はぁ、全く困った子ねえ。誰にも見せないって約束できる?」
深く頷いたロクサーナの両脇に手を入れて、ヒョイっと持ち上げたジルベルト司祭が椅子に座って、膝にロクサーナを乗せた。
「本人がいるじゃない。一緒の食事からは逃げるのに人形は欲しいとか、わけわかんない」
「⋯⋯人形は⋯⋯動かない⋯⋯から、恥ずかしくないもん」
「そこは慣れるしかないわね。はぁ、6年かけてもまだ距離が遠いわ~。最強の防御力ってやつかしら」
ジルベルト司祭も動揺がおさまっていないらしくオネエ言葉のまま、ロクサーナを抱え込んで背中をトントンしはじめた。
「ジ、ジルベルト司祭? こ、これは⋯⋯あの⋯⋯」
「新しいバージョンのお仕置き⋯⋯じゃなくて、人に慣れる練習よ。練習。ロクサーナはじわじわ行くと逃げるから、一気に捕獲して強行突破しなくちゃって決めたの。
だって、お話しするより海で溺死する方を選ぶんだもの。ほんと、ビックリしたんだからね」
「ごめんなさい」
久しぶりに座った(座らされた)ジルベルト司祭の膝は、昔と同じでとても落ち着く。
(ふぁぁ⋯⋯匂いも昔と一緒⋯⋯あったかいし、すごく安心する)
「もし、逆だったらロクサーナはどんな気持ちになるかしら?」
「逆⋯⋯えーっと、私が膝に乗せてトントンする係とか?」
「お~ば~か~! 私の目が覚めなくなるの! 何日も何日もね」
ジルベルトを見上げたロクサーナの口がワナワナと震えたかと思うと、目から滝のような涙が流れはじめた。
「そ、想像だけで泣けそうで⋯⋯ズビッズビツ⋯⋯ジ、ジルベルト司祭がぁぁ! うわ~ん」
(もう泣いてるわよ~、すっごい大量に出てるわよ~。鼻水とか色んなものが出まくりよ~⋯⋯これって脈あり? 単なる無自覚? なんて思うのは、私の希望的観測かしら⋯⋯)
「今までは、上司と部下みたいな感じだったけど、これからは⋯⋯えーっと、友達! そう、友達とかそういう別の関係になれたら良いなぁと思ってるの。でね、食事はその第一歩。慣れてきたら外食とか、買い物に行くのもいいわね」
滅多に買い物に行かないロクサーナには、人と連れ立って行く買い物の楽しさが分からない。
余程特別な理由がない限り、必要な物を見つけて支払いをして店を出るまでに3分⋯⋯。それ以上の時間店に留まることも、店員に声をかけられる隙を作ることもない。
「一緒に買い物に行って、時間をかけて相手の物を選んだり、どっちが好きか話したりするの。お喋りの途中で気になった店にふらっと立ち寄るとか、掘り出し物を探して歩き回るとか」
「う~む、それって楽しいの?」
「10歳の時に初めてベッドを見たでしょ? あの時みたいな、ビックリが見つかる事もあるわ。一緒にいる相手にもよるけど、相手の反応を見ながら一緒に選んだ物には『選んだ時の思い出』って言う付加価値がつくの」
「それは⋯⋯ちょっと、良いかも」
10歳の時に、同じような手口で誑かされた事をすっかり忘れているロクサーナの顔に、ほんの少し笑顔が浮かんだ。
(最初は黴びてないパンと、具入りのスープだったかなぁ。それよりはかなり進歩してる?)
「沢山の羽ペンの中からロクサーナが私の為に選んだのを、毎日使ってるのを見るのって楽しそうじゃない?」
「それはちょっと⋯⋯うん、嬉しいかも」
「なら、島で夕食からはじめよう。お試しってやつね」
些細な約束でも絶対に破らないロクサーナから言質をとる為の『お試し』発言に、首を縦に振りかけたが⋯⋯。
「仕事⋯⋯今以上に忙しくなったら、寝る暇がなくなりそうだからダメ」
「大丈夫よ、何しろこれからは一番手が掛かる子が島でお利口にしてるから」
「や、やっぱり! 私が苦労をかけてたんだ! ジルベルト司祭のクマを育ててたのは私!?」
「そう、私の担当ってロクサーナだけだったから。これから暫くの間、担当なしで書類仕事だけなのよね~。だから、定時出勤・定時退社の司祭になる予定」
「⋯⋯えぇ!? マジで?」
本人は気付いていないが、ロクサーナの仕事は他の聖女や魔法士の数人分に匹敵しているものや、特殊な事情のあるものばかり。
秘密保持が最優先なので複数人で受けられない依頼とか、潜入が難しい場所なので生半可な魔法士は参加できない依頼とか。
力のある聖女が必要な緊急依頼だが、途中に凶悪な魔物達が巣を作っていて、討伐に時間がかかりすぎるなど。
それらの依頼の大半はロクサーナひとりいれば十分で、精々露払いか後方部隊が参加する程度の事が多い。
(だからロクサーナの仕事ぶりを知らない人がほとんどだったわけで。まあ、今後そういう依頼をどうするのか、ロクサーナにも俺にも関係ないけどね)
現在いる聖女や魔法士は見習いを含めて全員に担当司祭がついていて、見直しが行われるのは年に1回のみ。
(それまではのらりくらりとしながら、教会や帝国の様子を調べようと思ってたんだが、セイレーンかぁ⋯⋯ロクサーナ達の様子だと他にもいるんだろうな)
「じゃあ⋯⋯お、お言葉に甘えてですね、ジルベルト司祭の仕事が忙しくないなら、おね、おねまいちまつ」
(あぁ、肝心なとこでぇ)
「ジルベルト司祭は教会所属が切れないから、ずっとずっと手伝っても良いんだからね」
「ププッ! よし、可愛~く『噛んだ』のを誤魔化したロクサーナに、面白い話を教えてあげよう。教会も気付いていない、俺の秘密」
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