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87.やるならできる限り派手にして楽しみたい
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人でごった返していた広場の中央は大きな丸を描くように人が消え、観光客や見物人達は広場の周りで押し合いへし合いしている。
「さーて、今ならまだ許してやっても良いんだぜ~? 俺たちゃ優しいからよお、詫び代払って土下座でもすりゃ許してやる。だよな~」
「おう、細っこーい兄ちゃんとガキじゃ、遊びにもなんねえもんなあ」
向こうは因縁をつけてきたおっさんと仲間が5人。真っ黒に日焼けしているので漁師なのかもしれない。全員筋肉もりもりで薄汚れたシャツが弾けそうになっている。
「サーナ、下がってろ」
「え~、私も遊びたいです~。6人だから半分こで!」
周りを取り囲む野次馬達が賭けをはじめ、帽子を逆さに持った男が掛け金を回収している。
「ねえ、そこの帽子を持った兄ちゃん! 私も参加させてくれる? 勿論、私たちの勝ちに賭けるからね!」
「良いぜ! 掛け金投げて寄越しな!」
ロクサーナが景気良く飛ばしたのは⋯⋯。
「うっひょお! おい、見ろよ! 白金貨だぜぇぇ」
「「うおぉぉ!」」
「俺も賭けに乗った~!!」
見物人達が一斉に騒ぎ出し、賭けはどんどんヒートアップしていった。それまでは銅貨が殆どだった帽子の中に、銀貨が増えていく。
「白金貨賭けるくらいだせ、自信があんじゃねえの?」
「バカ! あの兄ちゃんはどう見てもお貴族様だろ? 白金貨なんて唸るほど持ってんだよ!」
「白金貨なら全員で分けても、良い金になる」
「デニス! お前らに賭けたんだ、負けたらタダじゃおかねえからな!」
(全く⋯⋯人嫌いのくせに、騒ぎを大きくしてるよ)
苦笑いしたジルベルトがロクサーナに声をかけた。
「⋯⋯俺は右から3人だな。見物人が一杯だから、周りに気をつけろよ」
「はい! 魔法なし縛りでやるから、先に終わった方にご褒美ありで。おっさん達、勝つ自信があるんでしょ? いつまでも突っ立ってないでかかってくれば?」
「うるせえ、このクソガキがぁぁ」
カットラスを振り翳して走り込んできたおっさんに、ロクサーナの派手なパラフーゾが決まった。
「ぐへえぇぇ!」
「くそぉ!」
大きく腕を振りかぶった男の膝にローキックを決め、膝をついた男にコークスクリュー・ブローを叩き込むと、血飛沫と共に折れた歯が飛んでいく。
ロクサーナを心配してチラチラと横目で見ていたジルベルトが、近くにいた男のカットラスをダガーで弾き、腹にパンチを決めた。連続してもう一人に蹴りを入れ、カットラスを持った男と斬り合いをはじめた。
刺したり投擲に使う事が多いダガーには致命傷を与えるほどの威力はないが、使い方によっては⋯⋯今回のような多くの人が近くにいる戦いではかなり有効だろう。
(破落戸みたいに『いちゃもん』をつけてきた相手でも、見物人の前で殺るのはまずいもんね)
「カットラスを使うって事は海賊だったりするの?」
「海賊じゃねえ! 俺たちゃ船乗りだ」
カットラスは湾曲した刃を持ち片手で扱う刀身が短い刀で、 狭く障害物の多い帆船の甲板上での戦闘の取り回しに優れている。
「船乗りも陸じゃあんまり役に立たないみたいね」
最後の一人に見事な金的を喰らわすと同時に、ジルベルトも最後の一人を叩きのめしていた。
しんと静まりかえった広場に、大歓声が巻き起こった。
「「「凄えぇぇえ!」」」
「うおぉぉぉ、兄ちゃんもちびっ子も凄かったぜぇぇ」
「どっちが早かった!?」
「同時じゃないかな」
「最後の一人⋯⋯タイミングを合わせて倒したでしょ? ずる~い」
カットラスを持った巨体にダガー1本で立ち向かったのに、戦いのはじめから最後まで余裕を見せていたジルベルト司祭は、意外にもかなり鍛えているのだろう。
(仕事中毒かと思ってたのに、体術とか剣術をあそこまで覚えてるなんて⋯⋯ううむ、戦ってみたい)
小銭が大量に入った袋を渡されて『掛け金は、アンタらがほぼ総取りだぜ』と言われたロクサーナ達は苦笑いを浮かべ、元イカ焼きのおじさんのところに戻った。
「凄えな、ちびちゃんは踊ってるみてえだったし、兄ちゃんは勇者様みてえじゃんか。ほら、タコ焼き出来てるぜ⋯⋯銀貨1枚⋯⋯毎度あり」
「私達に賭けた人が殆どいなかったとは⋯⋯」
「そのお陰で、小銭がじゃらじゃらだよ。へっへ~。でね、この町に孤児院ってある」
「ああ、一応な」
前領主の代から援助や寄付金が廃止された孤児院は、老朽化した建物に浮浪者のような風体の子供達が住んでいると言う。子供達が農家や港で手伝いをして糊口を凌いでいる有様で、スラムのような状態になっている。
「ええっ! 責任者っていうか大人がいないの!?」
「ああ、とっくに逃げちまった。新しい領主に期待してたんだが、へっぽこで役に立たねえし。たまに店やら屋台の奴等であまりもんを持たせてやるんだが、酷えもんだぜ」
片手にソースのかかったタコ焼きを持ったまま、屋台のカウンターにドシャっと小銭の入った袋を置き⋯⋯。
「孤児院に全部寄付する。金の管理はおじさんに任せるからね」
「なんで俺? このままネコババするかもだぜ?」
「そん時はお仕置きに来るから⋯⋯全身ツルッツルにして、2度と母ちゃんと楽しめなくなるように永遠の勃起不全にして、アルコールで蕁麻疹が出るようにし⋯⋯モガッ、ムググッ」
ジルベルト司祭に後ろから口を塞がれたロクサーナが見上げると、『やり過ぎだからね』と口が動いた。
「面倒をかけますがお願いできますか? 素直に頼めないみたいであれこれ言っていましたが、この子が信じている方ならお任せできると思うんですが、いかがでしょうか」
「⋯⋯しょうがねえ。以前、ちびちゃんには稼がしてもらったしな。こんな大金を孤児院に持ってくわけには行かねえし⋯⋯ギルドに預けて、毎月ちびちびと渡すとするか」
「ありがとう! 後でタコ焼き買いにくる。50本分で金貨2枚と銀貨5枚、置いとくね」
「相変わらずの大量注文だな、毎度あり~」
前回や前々回で慣れているおじさんは『持って帰れるのか?』などと余計な事は聞かない。
(収納バッグとやらから船を出したくれえだから、いくらでも入るだろうしな)
「あ! 海老だ、海老食べたい」
「白身魚のフライだ~、旨し!」
焼き立ての車海老にジルベルトの顔も綻び、フライの熱さで涙目になっている。
「美味しいな⋯⋯なんのスープか分からないけど」
周りからあれこれ言われるのが面倒で、教会では食堂で食べる事は殆どなく、出来立ての熱々は滅多にお目にかからない。
「ちゃんとご飯を食べないと大きくなれませんよ」
「ププッ、どっかで聞いたセリフだな。俺はこれ以上大きくなれなくても良いけど、温かい料理は良いね」
最近は料理好きのカジャおばさん達から昼の弁当を買っているが、島で食べるのも悪くない。
帆立の串焼きを買いがてら大量の貝殻を購入し、港に向けて歩く頃には海風がおさまりはじめていた。
「夕凪か⋯⋯思ったより時間が経ってたな」
陸地が暖まっている昼間は海から陸に向かって海風が吹き、夜は陸から海に向かって陸風が吹く。海風と陸風が交代する頃に風が弱くなるのが朝凪と夕凪。
港町の子供達は夕凪になると『家に帰らなきゃ』と、時計がわりにしている。
「お腹いっぱいで夕食は入らなさそう。少し身体を動かしたいかも⋯⋯」
ジルベルト司祭を見上げたロクサーナの顔に『やるよね?』と書いてある。
「言うと思った。じゃあ⋯⋯」
「さーて、今ならまだ許してやっても良いんだぜ~? 俺たちゃ優しいからよお、詫び代払って土下座でもすりゃ許してやる。だよな~」
「おう、細っこーい兄ちゃんとガキじゃ、遊びにもなんねえもんなあ」
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「良いぜ! 掛け金投げて寄越しな!」
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「うっひょお! おい、見ろよ! 白金貨だぜぇぇ」
「「うおぉぉ!」」
「俺も賭けに乗った~!!」
見物人達が一斉に騒ぎ出し、賭けはどんどんヒートアップしていった。それまでは銅貨が殆どだった帽子の中に、銀貨が増えていく。
「白金貨賭けるくらいだせ、自信があんじゃねえの?」
「バカ! あの兄ちゃんはどう見てもお貴族様だろ? 白金貨なんて唸るほど持ってんだよ!」
「白金貨なら全員で分けても、良い金になる」
「デニス! お前らに賭けたんだ、負けたらタダじゃおかねえからな!」
(全く⋯⋯人嫌いのくせに、騒ぎを大きくしてるよ)
苦笑いしたジルベルトがロクサーナに声をかけた。
「⋯⋯俺は右から3人だな。見物人が一杯だから、周りに気をつけろよ」
「はい! 魔法なし縛りでやるから、先に終わった方にご褒美ありで。おっさん達、勝つ自信があるんでしょ? いつまでも突っ立ってないでかかってくれば?」
「うるせえ、このクソガキがぁぁ」
カットラスを振り翳して走り込んできたおっさんに、ロクサーナの派手なパラフーゾが決まった。
「ぐへえぇぇ!」
「くそぉ!」
大きく腕を振りかぶった男の膝にローキックを決め、膝をついた男にコークスクリュー・ブローを叩き込むと、血飛沫と共に折れた歯が飛んでいく。
ロクサーナを心配してチラチラと横目で見ていたジルベルトが、近くにいた男のカットラスをダガーで弾き、腹にパンチを決めた。連続してもう一人に蹴りを入れ、カットラスを持った男と斬り合いをはじめた。
刺したり投擲に使う事が多いダガーには致命傷を与えるほどの威力はないが、使い方によっては⋯⋯今回のような多くの人が近くにいる戦いではかなり有効だろう。
(破落戸みたいに『いちゃもん』をつけてきた相手でも、見物人の前で殺るのはまずいもんね)
「カットラスを使うって事は海賊だったりするの?」
「海賊じゃねえ! 俺たちゃ船乗りだ」
カットラスは湾曲した刃を持ち片手で扱う刀身が短い刀で、 狭く障害物の多い帆船の甲板上での戦闘の取り回しに優れている。
「船乗りも陸じゃあんまり役に立たないみたいね」
最後の一人に見事な金的を喰らわすと同時に、ジルベルトも最後の一人を叩きのめしていた。
しんと静まりかえった広場に、大歓声が巻き起こった。
「「「凄えぇぇえ!」」」
「うおぉぉぉ、兄ちゃんもちびっ子も凄かったぜぇぇ」
「どっちが早かった!?」
「同時じゃないかな」
「最後の一人⋯⋯タイミングを合わせて倒したでしょ? ずる~い」
カットラスを持った巨体にダガー1本で立ち向かったのに、戦いのはじめから最後まで余裕を見せていたジルベルト司祭は、意外にもかなり鍛えているのだろう。
(仕事中毒かと思ってたのに、体術とか剣術をあそこまで覚えてるなんて⋯⋯ううむ、戦ってみたい)
小銭が大量に入った袋を渡されて『掛け金は、アンタらがほぼ総取りだぜ』と言われたロクサーナ達は苦笑いを浮かべ、元イカ焼きのおじさんのところに戻った。
「凄えな、ちびちゃんは踊ってるみてえだったし、兄ちゃんは勇者様みてえじゃんか。ほら、タコ焼き出来てるぜ⋯⋯銀貨1枚⋯⋯毎度あり」
「私達に賭けた人が殆どいなかったとは⋯⋯」
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片手にソースのかかったタコ焼きを持ったまま、屋台のカウンターにドシャっと小銭の入った袋を置き⋯⋯。
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「白身魚のフライだ~、旨し!」
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「美味しいな⋯⋯なんのスープか分からないけど」
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「夕凪か⋯⋯思ったより時間が経ってたな」
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港町の子供達は夕凪になると『家に帰らなきゃ』と、時計がわりにしている。
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