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13.倉庫の中は辛い
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ガードナー商会の倉庫は五箇所に分かれていて保管する商品に合わせて使い分けているが、通常使用しているのはその内の三箇所のみ。
残りの二箇所のうち一箇所は第四倉庫と呼ばれ、高額商品や貴金属などを保管する為に要塞並みの設計になっている。
外からは他の倉庫と同じ煉瓦造りに見えるがその内側は石材で補強され厚さは五十センチ以上。
灯り取りの窓はなく出入り口は一つだけで、二重扉になっている。
因みに、ウォルスター侯爵家のシャンデリアも一時ここに保管されていた。
もう一つの倉庫は第五倉庫と呼ばれ、第四倉庫以上に頑強に作られている。
煉瓦と石材の間には鍛造技術で作られた鉄の板が挟んであり、武器や火薬などの危険物を保管する場合にのみ使用されている。
第四倉庫と第五倉庫はガードナー男爵家から徒歩五分の所にある。
ヒューゴ曰く『近くにないと何かあった時駆け付けるのに時間がかかり過ぎる』
マルフォー家から持ち帰った物は全て第四倉庫に運んでおいた。
「ここ、窓がないから長時間いるのは辛いのよね」
魔石ランプを大量に灯して椅子と机を準備した。
「アリス、こんなの侍女の仕事じゃないでしょう? 他の人に代わっていいのよ」
「いえ、他の人より私の方がお役に立てると思います。今までに見てるものばかりですから」
ルーシーは端から順番に鑑定魔法で傷み具合を調べ、横に並んだアリスがリストに書き込んでいく。
どの部屋にあった物かルーシーが悩むと、すかさずアリスが教えてくれる。
四時間くらい作業を続け、
「アリスのお陰で助かった。今日はそろそろ終わりにしましょう」
「ふう、ルーシー様の仰る通りここは辛いですね」
ずっと椅子に座っていたアリスが腰を伸ばし『うーん』と背伸びした。
品物の前にしゃがみ込んでいたルーシーも足踏みをしたり腰を曲げ伸ばししたりと忙しい。
「閉塞感って言うのかしら、天井が高いし結構広いから我慢出来るけど。
明日は午前中から作業する予定なんだけど、やっぱり別の倉庫にしておいた方が良かったかしら」
「相手はリチャード様ですから、この位用心するのが正解だと思いますよ」
「そうよね、・・私達の常識とは別のところにいる人だもの。
これが終わったら、何か美味しいもの食べに行きましょうね」
「はい! ケーキ付きでお願いします」
一つ目の扉の鍵を開け扉を開ける。風除室と呼ばれる二メートル四方の部屋に入り鍵を閉めた。
外と繋がっているドアのノッカーを叩くと外から合図があり、ドアの鍵がガチャリと音を立てて開いた。
「お疲れ様です。帰られますか?」
「ええ、長い間見張りありがとう。疲れたでしょう?」
「とんでもない。普段の仕事に比べたら今日は休みを貰ったようなもんです」
「そう言って貰えたら助かるわ」
春の夜風が吹き、密室に長時間いたルーシーとアリスの心と身体に染み渡っていく。
ルーシー達は深呼吸してほぉっと溜息をついた。
ドアの外で護衛していた中の二人がルーシー達と一緒に歩き始めた。
倉庫の前には四人の護衛が残った。
「中はやっぱりキツイですか?」
残りの二箇所のうち一箇所は第四倉庫と呼ばれ、高額商品や貴金属などを保管する為に要塞並みの設計になっている。
外からは他の倉庫と同じ煉瓦造りに見えるがその内側は石材で補強され厚さは五十センチ以上。
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因みに、ウォルスター侯爵家のシャンデリアも一時ここに保管されていた。
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「いえ、他の人より私の方がお役に立てると思います。今までに見てるものばかりですから」
ルーシーは端から順番に鑑定魔法で傷み具合を調べ、横に並んだアリスがリストに書き込んでいく。
どの部屋にあった物かルーシーが悩むと、すかさずアリスが教えてくれる。
四時間くらい作業を続け、
「アリスのお陰で助かった。今日はそろそろ終わりにしましょう」
「ふう、ルーシー様の仰る通りここは辛いですね」
ずっと椅子に座っていたアリスが腰を伸ばし『うーん』と背伸びした。
品物の前にしゃがみ込んでいたルーシーも足踏みをしたり腰を曲げ伸ばししたりと忙しい。
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明日は午前中から作業する予定なんだけど、やっぱり別の倉庫にしておいた方が良かったかしら」
「相手はリチャード様ですから、この位用心するのが正解だと思いますよ」
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「そう言って貰えたら助かるわ」
春の夜風が吹き、密室に長時間いたルーシーとアリスの心と身体に染み渡っていく。
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「中はやっぱりキツイですか?」
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