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17.久しぶりの訓練?
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馬車の速度が落ち左側から剣のぶつかる音が聞こえてきた。両側から挟み撃ちするつもりなのだろう、暫くすると右側でも戦っている気配がしはじめた。
ドサリと重く何かが倒れる音がした直後にまた斬り合う音。
ノアやデレクの声はしないが、戦う音の合間に『くそぉ~』『おらぁ!』と下品な声が聞こえてくる。
(結構な人数がいるみたいだけど、あの声からすると大した腕ではないのかも)
これならあっという間に終わるかもなどとライラが呑気に分析をしていると、右側の扉をこじ開けようとする音と『急げ』という声が響いてきた。
外から強引に扉を引っ張る気配に合わせてライラが鍵を開けると力を入れていた男が扉と一緒に吹っ飛んだ。
「お気に入りの馬車ですのに、馬車を壊した責任は取って下さいね」
馬車から降りたライラがぶつぶつ言いながらスモールソードを構えた。
「お嬢、暴れたかったんなら先に言っといてくれたらもうちょい残しておいてやったのによお」
「久しぶりですから、一人か二人いれば十分ですわ」
「くそぉ、女を狙え! 誰か、馬車に乗り込め!!」
「あら、わたくしより狙っているものがあるのではなくて?」
賊が力任せに振り上げたのは最近流行りはじめた両手剣のツヴァイヘンダー。長大で重量のある巨大な剣は柄を長く改良した武器で、振り回して使う事で鎧を破壊するほどの威力を発揮する。
「鎧なんて着ておりませんのに⋯⋯武器は時と場所を考慮するべきだと習いましたわ。しかもそのように振り上げては⋯⋯重い剣には上から下に振り下ろす動作は向いてないはず」
男達はデレクとの戦いで既に体力の限界に来ているようで脂汗を流しゼェゼェと荒い息を吐いているが、戦っていたはずのデレクは馬の近くで飄々としている。
ライラは賊と間合いを取り、相手が剣を振り上げたタイミングで隙だらけの胴を狙ってスモールソードで切りかかった。
「ぐえっ!」
膝をつき悲鳴を上げた男の後ろから巨大な剣が振り下ろされた。
「てめぇ!!」
ピシッと音がしてダガーが突き刺さった男が尻餅をついた。
「ぎゃあ!」
「お嬢、隙だらけ。今のは危なかったぜ」
「ありがとう、助かったわ」
「お嬢様、お礼なんて仰らなくていいです。デレクは手を抜いていただけですからね。真面目に働いていたらお嬢様が、馬車から降りる必要などなかったはずです」
「でもよ~、お嬢もストレス溜まってるみたいだったし、たまには運動しても良いかなぁ。はい、ごめんなさい。あんまりしょぼいんでやる気が失せました」
「彼等を警ら隊に⋯⋯いえ、王宮騎士団に引き渡しましょう。雇い主はもう聞けたかしら?」
「はい、しっかりと話してもらいましたが思った相手と違っておりました」
「あら、でもまあ良かったわ、馬車の扉を修理しなくちゃいけないし制服も新調しなきゃいけないの。請求書を送っておかなくてはね」
切られて蹲る男達は呑気な会話を聞いて肩を落とした。
「こんなに強いなんて聞いてねえよ」
男達は護衛を連れた貴族令嬢から鍵のかかった箱を奪う簡単な仕事だと聞いていた。護衛と言っても平民の学生が一人いるだけで御者はいつもやる気がなさそうにしていると。
賊が乗ってきた荷馬車に彼等を押し込み、余った馬を引いて王宮騎士団の司令部へ運んだ。
「こんにちは、大量の荷物を運んでまいりましたの。責任者の方おられますかしら?」
乾いた血がついた制服姿のライラにギョッとした騎士がガタンと音を立てて立ち上がった。
「そ、その血はどうなさったのですか!?」
「学園からの帰り道に賊に襲われましたの。で、その時の返り血ですわね。わたくしはライラ・プリンストンと申します」
「プリンストン⋯⋯侯爵家のご令嬢ですか!? こちらへどうぞ」
詰所から出てきた騎士に賊や荷物を渡しているノア達を確認した後、案内役の騎士の後に続いたライラは意外に立派な家具が置かれている応接室らしき部屋に案内された。
「こちらでお待ちいただけますでしょうか、ただいま騎士団長に声をかけて参ります」
「宜しくお願いします」
窓側に立ち外を覗くと騎士達が訓練しているのが見えた。その中には小柄な女性騎士も⋯⋯。
(うーん、思ったより⋯⋯訓練は別メニューなのね。あ、あの人凄い!)
訓練風景を夢中で見ていたライラはドアの開く音で振り返った。
「お待たせいたしました。第三騎士団団長のマックス・ファイフと申します。賊を運んで下さったとお聞きしましたが?」
てっきり護衛に守られた貴族令嬢が褒め言葉を期待してしゃしゃり出てきたのだろうと思っていたマックスは、乾いた返り血のついたライラを見て内心動揺していた。
(これ見よがしな格好で来たのは治安が悪いと抗議しにきたのか? 横柄なプリンストン侯爵家の娘だからな、何を言い出すつもりなのか⋯⋯)
王都の治安を守る第三騎士団はこういった貴族からの苦情が多く頭を抱えている。
「初めまして、ライラ・プリンストンと申します。時間がなかったものですから、このような形で失礼いたしました」
慇懃無礼なマックスの態度を気にもとめずライラは優雅なカーテシーをしてマックスに違和感を抱かせた。
「どうぞ遠慮なくお掛けください。ソファの事なら心配いりませんので」
ソファが汚れるのを気にしているライラが立ったままでいた事に気付いたマックスが声をかけると、チラッと名残惜しげに窓の外を見たライラがソファに座った。
ドアが開き熊のような大男が無骨そうな手つきでお茶を運んできた。
(大きな手⋯⋯まるでおままごとの茶器を持ってるみたいに見えるわ)
「ありがとうございます」
「彼は副団長のハンター・アースキンです」
(ハンター⋯⋯熊のハンター⋯⋯)
ライラは表情筋に力を入れてにっこりと微笑んだ。
「ライラ・プリンストンと申します。どうぞお見知りおきを」
「アースキンと申します。一緒にお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「勿論ですと申し上げたいところですが、わたくしは大した情報を持ち合わせておりませんの。護衛のノアに聞いていただくのが宜しいかと存じます。賊の討伐はノアと御者のデレク担当でしたがデレクは馬車を離れないはずですから」
ノアを迎えに行くのか、ハンターが無言で部屋を出て行った。
「失礼ですが、それは返り血ではありませんか?」
「はい、賊に馬車の扉を壊されてしまったものですから。ほんの少しばかり応戦致しましたの」
「護衛がいながら令嬢が応戦しなければならないとは、そこそこ強い相手だったんですね」
取り敢えず形ばかりのご機嫌取りをするマックスの口元は笑みを浮かべているが冷ややかな目つきが気持ちを表している。
「とんでもありませんわ。御者がわたくしのために手を抜いてくれただけですから」
(護衛達がお嬢様のご機嫌取りのために弱った鼠を差し出したと言いたいのか。本当は護衛達がショボすぎて賊が馬車に辿り着いただけじゃないのか?)
ドサリと重く何かが倒れる音がした直後にまた斬り合う音。
ノアやデレクの声はしないが、戦う音の合間に『くそぉ~』『おらぁ!』と下品な声が聞こえてくる。
(結構な人数がいるみたいだけど、あの声からすると大した腕ではないのかも)
これならあっという間に終わるかもなどとライラが呑気に分析をしていると、右側の扉をこじ開けようとする音と『急げ』という声が響いてきた。
外から強引に扉を引っ張る気配に合わせてライラが鍵を開けると力を入れていた男が扉と一緒に吹っ飛んだ。
「お気に入りの馬車ですのに、馬車を壊した責任は取って下さいね」
馬車から降りたライラがぶつぶつ言いながらスモールソードを構えた。
「お嬢、暴れたかったんなら先に言っといてくれたらもうちょい残しておいてやったのによお」
「久しぶりですから、一人か二人いれば十分ですわ」
「くそぉ、女を狙え! 誰か、馬車に乗り込め!!」
「あら、わたくしより狙っているものがあるのではなくて?」
賊が力任せに振り上げたのは最近流行りはじめた両手剣のツヴァイヘンダー。長大で重量のある巨大な剣は柄を長く改良した武器で、振り回して使う事で鎧を破壊するほどの威力を発揮する。
「鎧なんて着ておりませんのに⋯⋯武器は時と場所を考慮するべきだと習いましたわ。しかもそのように振り上げては⋯⋯重い剣には上から下に振り下ろす動作は向いてないはず」
男達はデレクとの戦いで既に体力の限界に来ているようで脂汗を流しゼェゼェと荒い息を吐いているが、戦っていたはずのデレクは馬の近くで飄々としている。
ライラは賊と間合いを取り、相手が剣を振り上げたタイミングで隙だらけの胴を狙ってスモールソードで切りかかった。
「ぐえっ!」
膝をつき悲鳴を上げた男の後ろから巨大な剣が振り下ろされた。
「てめぇ!!」
ピシッと音がしてダガーが突き刺さった男が尻餅をついた。
「ぎゃあ!」
「お嬢、隙だらけ。今のは危なかったぜ」
「ありがとう、助かったわ」
「お嬢様、お礼なんて仰らなくていいです。デレクは手を抜いていただけですからね。真面目に働いていたらお嬢様が、馬車から降りる必要などなかったはずです」
「でもよ~、お嬢もストレス溜まってるみたいだったし、たまには運動しても良いかなぁ。はい、ごめんなさい。あんまりしょぼいんでやる気が失せました」
「彼等を警ら隊に⋯⋯いえ、王宮騎士団に引き渡しましょう。雇い主はもう聞けたかしら?」
「はい、しっかりと話してもらいましたが思った相手と違っておりました」
「あら、でもまあ良かったわ、馬車の扉を修理しなくちゃいけないし制服も新調しなきゃいけないの。請求書を送っておかなくてはね」
切られて蹲る男達は呑気な会話を聞いて肩を落とした。
「こんなに強いなんて聞いてねえよ」
男達は護衛を連れた貴族令嬢から鍵のかかった箱を奪う簡単な仕事だと聞いていた。護衛と言っても平民の学生が一人いるだけで御者はいつもやる気がなさそうにしていると。
賊が乗ってきた荷馬車に彼等を押し込み、余った馬を引いて王宮騎士団の司令部へ運んだ。
「こんにちは、大量の荷物を運んでまいりましたの。責任者の方おられますかしら?」
乾いた血がついた制服姿のライラにギョッとした騎士がガタンと音を立てて立ち上がった。
「そ、その血はどうなさったのですか!?」
「学園からの帰り道に賊に襲われましたの。で、その時の返り血ですわね。わたくしはライラ・プリンストンと申します」
「プリンストン⋯⋯侯爵家のご令嬢ですか!? こちらへどうぞ」
詰所から出てきた騎士に賊や荷物を渡しているノア達を確認した後、案内役の騎士の後に続いたライラは意外に立派な家具が置かれている応接室らしき部屋に案内された。
「こちらでお待ちいただけますでしょうか、ただいま騎士団長に声をかけて参ります」
「宜しくお願いします」
窓側に立ち外を覗くと騎士達が訓練しているのが見えた。その中には小柄な女性騎士も⋯⋯。
(うーん、思ったより⋯⋯訓練は別メニューなのね。あ、あの人凄い!)
訓練風景を夢中で見ていたライラはドアの開く音で振り返った。
「お待たせいたしました。第三騎士団団長のマックス・ファイフと申します。賊を運んで下さったとお聞きしましたが?」
てっきり護衛に守られた貴族令嬢が褒め言葉を期待してしゃしゃり出てきたのだろうと思っていたマックスは、乾いた返り血のついたライラを見て内心動揺していた。
(これ見よがしな格好で来たのは治安が悪いと抗議しにきたのか? 横柄なプリンストン侯爵家の娘だからな、何を言い出すつもりなのか⋯⋯)
王都の治安を守る第三騎士団はこういった貴族からの苦情が多く頭を抱えている。
「初めまして、ライラ・プリンストンと申します。時間がなかったものですから、このような形で失礼いたしました」
慇懃無礼なマックスの態度を気にもとめずライラは優雅なカーテシーをしてマックスに違和感を抱かせた。
「どうぞ遠慮なくお掛けください。ソファの事なら心配いりませんので」
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ドアが開き熊のような大男が無骨そうな手つきでお茶を運んできた。
(大きな手⋯⋯まるでおままごとの茶器を持ってるみたいに見えるわ)
「ありがとうございます」
「彼は副団長のハンター・アースキンです」
(ハンター⋯⋯熊のハンター⋯⋯)
ライラは表情筋に力を入れてにっこりと微笑んだ。
「ライラ・プリンストンと申します。どうぞお見知りおきを」
「アースキンと申します。一緒にお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「勿論ですと申し上げたいところですが、わたくしは大した情報を持ち合わせておりませんの。護衛のノアに聞いていただくのが宜しいかと存じます。賊の討伐はノアと御者のデレク担当でしたがデレクは馬車を離れないはずですから」
ノアを迎えに行くのか、ハンターが無言で部屋を出て行った。
「失礼ですが、それは返り血ではありませんか?」
「はい、賊に馬車の扉を壊されてしまったものですから。ほんの少しばかり応戦致しましたの」
「護衛がいながら令嬢が応戦しなければならないとは、そこそこ強い相手だったんですね」
取り敢えず形ばかりのご機嫌取りをするマックスの口元は笑みを浮かべているが冷ややかな目つきが気持ちを表している。
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