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10.王子と悪役令嬢とヒロイン
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セアラが聞いたことがあるその話は⋯⋯。
王太子目前と言われていた王子が長年の婚約者だった公爵令嬢を公の場で一方的に婚約破棄した事を発端に、それに付随して起こった王子の側近達の婚約破棄騒動。元平民の男爵令嬢を中心に起こった醜聞は国を揺るがす騒ぎとなった。
その後いくつもの本が出版され他国まで話が広がりセアラ達の国の中にも広まった。
悪役令嬢とヒロインと言う言葉は問題を起こした男爵令嬢が『あいつは悪役令嬢なの! 私がヒロインよ!』と叫んだことから有名になった。
婚約者から冤罪をかけられ婚約破棄される悪役令嬢と冤罪と色仕掛けを企むヒロイン。
⋯⋯だったはず。
「この本に出てくるヒロインはちょっと酷すぎるからそれを真似るのは無理だと思うの。セアラにやって欲しいのはヒロインの立ち位置と言えばいいかしら、王子と婚約間近か婚約中の公爵令嬢の前に現れて二人の仲を掻き回す役なの」
常にシャーロット達監視チームに囲まれているセアラにはアメリアの普段の様子がわからない。シャーロット達からは『アメリア様は淑女で貴族令嬢の手本のような素晴らしいレディ』だと聞いているが、公爵家のタウンハウス一度だけ会ったアメリアならよほどの⋯⋯例えばペルシャ猫クラスの強力な猫を被らない限り淑女には見えないだろう。
(父親似? レトビア公爵の娘なら表と裏の顔の切り替えは上手そう)
「本の中のヒロインはアメリアそのものだからやって欲しいとも思えないわ。
これを参考にセアラなりのヒロインを演じてくだされば良いの」
(アリエノール様のご様子からするとアメリア様は思った以上に化けの皮が剥がれてるのかしら)
ほんの数回しか会ったことはないが『淑女で貴族令嬢の手本』のカケラもアメリアに感じたことがなかったセアラは目の前に置かれた本の中に出てくるヒロインに興味津々になった。
アリエノールの作戦は、今レトビア公爵が狙っているリチャード第二王子とアメリアの婚約にセアラが割り込むと言うもの。婚約間近だと社交界で勝手に噂が広がり有頂天になっている公爵とアメリアに揺さぶりをかけてボロを出させると言う不確かなものだった。
「そんなに上手くいくでしょうか」
「正直言うとわからないわ。セアラはお兄様の前で黙ってにっこり流されてくれるだけでもいけると思うのだけど、一番のポイントはお兄様の演技力だから⋯⋯。意外なところでポンコツになるからそこが一番の心配だわ」
「ポンコ⋯⋯」
人差し指を頬に当て上品すぎる仕草で微笑みながら毒を吐くアリエノールは驚きすぎて呆然とするセアラに気付かず更に話を続けた。
「お兄様は見た目は一級品だけど中身は残念王子なの。スポーツ万能で遊び好き、政務は大嫌いで逃げ回ってばかり。優秀な第一王子がいるから問題ないって学園を卒業した後もフラフラしてるの。
学園での成績は良かったけれどあれでは王太子の補佐でさえ無理だって満場一致で壊滅的評価を得てるわ」
楽しそうに悪態をつくアリエノール王女の横で副会長のウルリカが吹き出しかけて慌てて顔を横向けた。二人の態度を見ていると言葉の割にアリエノール王女達はリチャード第二王子の事を気に入っているように見えた。
「ウルリカはルクセル侯爵家の令嬢だけど婚約は辞退したのよね」
法務大臣を務めるルクセル侯爵は厳格で有名。セアラは知らなかったが彼がリチャード第二王子とウルリカの婚約の打診を受けた際の言葉が一部の貴族で有名になっている。
『リチャード第二王子の壊滅的な評価を鑑みてこのお話は当家には不利益としかなりませんな。リチャード第二王子を養う程の余裕は当家にはございません』
リチャード第二王子は父親譲りのアッシュブロンドを長く伸ばして一つに結び、少し垂れた翠眼が母性本能をくすぐると令嬢達に人気がある。既に王太子となっている第一王子と違い、執務机についてペンを持つよりも剣術やスポーツを好みポロを国内に流行らせたことでも有名になった。
縁談相手としては無能扱いされた事もあるが生来の人なつこくて明るい性格で社交界での人気は高く夢見る令嬢の猛攻は後を立たない。
そんな評価を受けていながらも『我こそは』とリチャードに狙いをつけた令嬢達は多く終始追いかけ回されていたらしい。
「お兄様の人気は所謂ペット枠かしらって思っていたのだけど」
「アリエノール様、ペット枠は流石にマズいです」
初めてウルリカが口を開いた。
「ふふ、ご本人も認めておられるから良いのよ。令嬢達にとってご自身は見て楽しむだけの貴重種だからって。珍獣だとも仰って笑っておられたわ」
「珍獣⋯⋯確かにまあ、その」
何かを思い出したらしいウルリカがクスクスと笑うと、それまで生真面目そうで少しキツく見えていた目元が和らぎハッとするほど輝いて見えた。
(アリエノール王女殿下も目を見張るほどお綺麗だけどウルリカ様もとても素敵だわ)
「それなのにここ最近はアメリアとの婚約が本決まりになりそうだって言われはじめたの。レトビア公爵もアメリアもすっかりその気で話を広めているわ。
だからお兄様を狙っていた令嬢の婚約ラッシュがはじまりかけているの。気掛かりなのはその方達から謂れのない虐めがあるかもしれない事だわ」
アメリアの取り巻きやレトビア公爵の子飼いの貴族からの攻撃以外だけでなく、狙っていた第二王子を諦めた令嬢達やその家族から逆恨みされる可能性もあるとアリエノール王女はセアラに話した。
(王子殿下だってだけでハードルが高いのに、そんな人気のある方だなんて。
それに⋯⋯そんな方頼みなんて、大丈夫なのかしら)
田舎で使用人の代わりに家事を担当していたセアラには王子や王女の噂など耳に入る余裕はなく、王都に来てからも学園に入学してからもほとんど聞いたことがなかった。
(そう言えばシャーロット様達のお話の中には女性同士のおしゃべりにつきものの『あの方はああだとか噂を聞いたとか』って言う話がほとんど出てこないわ。レトビア公爵が私を誰とも関わらせたくないからって情報を規制してたのかしら)
リチャード第二王子の人柄に不安はあるもののアリエノール王女達に『そんな方がキーマンだなんて大丈夫なのですか?』などと問いただす勇気もなく⋯⋯。
アリエノール達が話す王都の話題に耳を傾けながら和やかに食事を済ませたセアラが教室に戻ると、取り巻き達に囲まれたシャーロットとグレイスが冷ややかな目で立ち塞がった。
王太子目前と言われていた王子が長年の婚約者だった公爵令嬢を公の場で一方的に婚約破棄した事を発端に、それに付随して起こった王子の側近達の婚約破棄騒動。元平民の男爵令嬢を中心に起こった醜聞は国を揺るがす騒ぎとなった。
その後いくつもの本が出版され他国まで話が広がりセアラ達の国の中にも広まった。
悪役令嬢とヒロインと言う言葉は問題を起こした男爵令嬢が『あいつは悪役令嬢なの! 私がヒロインよ!』と叫んだことから有名になった。
婚約者から冤罪をかけられ婚約破棄される悪役令嬢と冤罪と色仕掛けを企むヒロイン。
⋯⋯だったはず。
「この本に出てくるヒロインはちょっと酷すぎるからそれを真似るのは無理だと思うの。セアラにやって欲しいのはヒロインの立ち位置と言えばいいかしら、王子と婚約間近か婚約中の公爵令嬢の前に現れて二人の仲を掻き回す役なの」
常にシャーロット達監視チームに囲まれているセアラにはアメリアの普段の様子がわからない。シャーロット達からは『アメリア様は淑女で貴族令嬢の手本のような素晴らしいレディ』だと聞いているが、公爵家のタウンハウス一度だけ会ったアメリアならよほどの⋯⋯例えばペルシャ猫クラスの強力な猫を被らない限り淑女には見えないだろう。
(父親似? レトビア公爵の娘なら表と裏の顔の切り替えは上手そう)
「本の中のヒロインはアメリアそのものだからやって欲しいとも思えないわ。
これを参考にセアラなりのヒロインを演じてくだされば良いの」
(アリエノール様のご様子からするとアメリア様は思った以上に化けの皮が剥がれてるのかしら)
ほんの数回しか会ったことはないが『淑女で貴族令嬢の手本』のカケラもアメリアに感じたことがなかったセアラは目の前に置かれた本の中に出てくるヒロインに興味津々になった。
アリエノールの作戦は、今レトビア公爵が狙っているリチャード第二王子とアメリアの婚約にセアラが割り込むと言うもの。婚約間近だと社交界で勝手に噂が広がり有頂天になっている公爵とアメリアに揺さぶりをかけてボロを出させると言う不確かなものだった。
「そんなに上手くいくでしょうか」
「正直言うとわからないわ。セアラはお兄様の前で黙ってにっこり流されてくれるだけでもいけると思うのだけど、一番のポイントはお兄様の演技力だから⋯⋯。意外なところでポンコツになるからそこが一番の心配だわ」
「ポンコ⋯⋯」
人差し指を頬に当て上品すぎる仕草で微笑みながら毒を吐くアリエノールは驚きすぎて呆然とするセアラに気付かず更に話を続けた。
「お兄様は見た目は一級品だけど中身は残念王子なの。スポーツ万能で遊び好き、政務は大嫌いで逃げ回ってばかり。優秀な第一王子がいるから問題ないって学園を卒業した後もフラフラしてるの。
学園での成績は良かったけれどあれでは王太子の補佐でさえ無理だって満場一致で壊滅的評価を得てるわ」
楽しそうに悪態をつくアリエノール王女の横で副会長のウルリカが吹き出しかけて慌てて顔を横向けた。二人の態度を見ていると言葉の割にアリエノール王女達はリチャード第二王子の事を気に入っているように見えた。
「ウルリカはルクセル侯爵家の令嬢だけど婚約は辞退したのよね」
法務大臣を務めるルクセル侯爵は厳格で有名。セアラは知らなかったが彼がリチャード第二王子とウルリカの婚約の打診を受けた際の言葉が一部の貴族で有名になっている。
『リチャード第二王子の壊滅的な評価を鑑みてこのお話は当家には不利益としかなりませんな。リチャード第二王子を養う程の余裕は当家にはございません』
リチャード第二王子は父親譲りのアッシュブロンドを長く伸ばして一つに結び、少し垂れた翠眼が母性本能をくすぐると令嬢達に人気がある。既に王太子となっている第一王子と違い、執務机についてペンを持つよりも剣術やスポーツを好みポロを国内に流行らせたことでも有名になった。
縁談相手としては無能扱いされた事もあるが生来の人なつこくて明るい性格で社交界での人気は高く夢見る令嬢の猛攻は後を立たない。
そんな評価を受けていながらも『我こそは』とリチャードに狙いをつけた令嬢達は多く終始追いかけ回されていたらしい。
「お兄様の人気は所謂ペット枠かしらって思っていたのだけど」
「アリエノール様、ペット枠は流石にマズいです」
初めてウルリカが口を開いた。
「ふふ、ご本人も認めておられるから良いのよ。令嬢達にとってご自身は見て楽しむだけの貴重種だからって。珍獣だとも仰って笑っておられたわ」
「珍獣⋯⋯確かにまあ、その」
何かを思い出したらしいウルリカがクスクスと笑うと、それまで生真面目そうで少しキツく見えていた目元が和らぎハッとするほど輝いて見えた。
(アリエノール王女殿下も目を見張るほどお綺麗だけどウルリカ様もとても素敵だわ)
「それなのにここ最近はアメリアとの婚約が本決まりになりそうだって言われはじめたの。レトビア公爵もアメリアもすっかりその気で話を広めているわ。
だからお兄様を狙っていた令嬢の婚約ラッシュがはじまりかけているの。気掛かりなのはその方達から謂れのない虐めがあるかもしれない事だわ」
アメリアの取り巻きやレトビア公爵の子飼いの貴族からの攻撃以外だけでなく、狙っていた第二王子を諦めた令嬢達やその家族から逆恨みされる可能性もあるとアリエノール王女はセアラに話した。
(王子殿下だってだけでハードルが高いのに、そんな人気のある方だなんて。
それに⋯⋯そんな方頼みなんて、大丈夫なのかしら)
田舎で使用人の代わりに家事を担当していたセアラには王子や王女の噂など耳に入る余裕はなく、王都に来てからも学園に入学してからもほとんど聞いたことがなかった。
(そう言えばシャーロット様達のお話の中には女性同士のおしゃべりにつきものの『あの方はああだとか噂を聞いたとか』って言う話がほとんど出てこないわ。レトビア公爵が私を誰とも関わらせたくないからって情報を規制してたのかしら)
リチャード第二王子の人柄に不安はあるもののアリエノール王女達に『そんな方がキーマンだなんて大丈夫なのですか?』などと問いただす勇気もなく⋯⋯。
アリエノール達が話す王都の話題に耳を傾けながら和やかに食事を済ませたセアラが教室に戻ると、取り巻き達に囲まれたシャーロットとグレイスが冷ややかな目で立ち塞がった。
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