27 / 93
27.アメリアの妄想 (sideアメリア)
しおりを挟む
時は少し遡り⋯⋯⋯⋯。
『年明けの夜会で婚約発表するつもりなの。グズグズと発表を先延ばしにしてリチャードの周りの羽虫をのさばらせておくのはもうお終いよ』
ガウンの色はリチャード第二王子の翠眼に合わせた緑のシルクに豪華な刺繍を施し、くすんだ金色に染めたシルクに金糸と銀糸で飾ったペチコートはリチャード王子のアッシュブロンドの色。ストマッカーにはリボンと小さなエメラルドを散りばめ、レースを使った二段のパゴダ型袖のゴージャスなローブ・ア・ラ・フランセーズが準備されていた。
(リチャードの色を纏った私にみんなが注目してため息をこぼすわ)
数日後、父親から『セアラを夜会に参加させる』と言われたアメリアは大激怒した。
『なんで? なんであんな奴を連れてくの!?』
『アリエノール王女がセアラを生徒会長秘書に任命したのが社交界に広まっている。元々レトビア公爵家の養女になったセアラに興味を持つ輩は多かったが、セアラに会ってみたいとあちこちで言われ過ぎて連れて行かざるを得なくなった』
『秘書は私よ! 変更させろって言ったじゃない!!』
『陛下から王女に話をさせたが王女が首を縦に振らん。王女は例の件を知らないからこれ以上は難しいだろう』
『王命にすれば良いじゃない。お父様なら簡単でしょ!?』
『リチャードがこのままのらりくらりとしているなら王命で婚約を決めさせるつもりだからな、立て続けに王命を出させるわけにはいかんだろう。使い方を間違えては飼い犬に手を噛まれる』
『私達は愛し合ってるからリチャードは王命なんてなくても私と結婚するもの』
『ではお前がリチャードに公の場で婚約発表させることができたら秘書にするよう王命を出してやろう』
父親に抗議したがセアラの夜会参加の話は覆らず⋯⋯。
(それならセアラに恥をかかせれば良いんだわ。アイツを私の引き立て役にすればアリエノールだって私に秘書になって下さいって頭を下げるわね)
年明けの夜会用のドレスを前にアメリアは腕を組んで仁王立ちしていた。
『これじゃ地味すぎるわ。パニエでもう少し後ろを膨らしてロビングスを派手に。ストマッカーに差し色を追加して』
目の前のドレスを決めた時は気に入っていたアメリアだったが、セアラが夜会に参加すると知ってからと言うもの何もかもが気に入らない。
『それから今度持ってくるセアラのドレスは派手な色で胸元が広めのやつにして。メリッサが着てたみたいな下品なのがいいわ。セアラにピッタリだと思わない?』
午後一番でマーシャル夫人と仕立て屋がやって来たがセアラにはまだ誰も連絡していない。
(ふふ、あのババアは気が短いから待たせたらどうなるかしら。お父様がババアに頼んだって知った時は焦ったけど逆に好都合だったわね。
ババアがブチ切れてもいいし、ババアとアイツが一緒に夜会で恥をかくのも面白そう)
アメリアは前よりもっと楽しみになった夜会を想像しながら部屋で寛いでいた。
(場違いで下品なドレスを着て顰蹙を買ったセアラを優しく宥める気品溢れる私は、リチャードのエスコートで壇上に立つの。
愛を込めて見つめるリチャードの口から私達の婚約が発表されると愚かな女達の悲鳴が聞こえるけど盛大な拍手がそれをかき消して。
過ちを知ったアリエノールは私の前に膝をついて涙を流すはずだから、勿論私は寛大な心でそれを許すわ)
アメリアが誇大妄想に耽った後の幸せな気分のまま夕食の席につこうとすると慌てた様子の侍女が走ってやってきた。
『はあ? セアラが別のドレスを選んだんですって!!』
翌朝、マーシャル夫人から沢山の贈り物がセアラに届いたと聞いたアメリアはセアラの部屋に乗り込んだがあっさりと追い出されてしまった。
(何でよ! どいつもこいつも役に立たないったらないんだから! お父様がマーシャルのババアなんかに頼むからいけないのよ。それと役立たずのジョージ、なにかと言えば『旦那様のご指示です』って。公爵家を継いだら一番に叩き出してやるわ!)
そしてアメリアは最後の手段に出た。
『今夜アイツの部屋に忍び込むのよ。ドレスを切り刻んでしまえばもう間に合わないわ』
夜会当日の朝、久しぶりに晴れやかな気分で目覚めたアメリアはゆったりと朝食を楽しんでいた。昨日の夜セアラのドレスが切り刻まれたと信じ込んでいるアメリアはニマニマ笑いが止まらない。
(部屋に閉じ込めても平気だし使用人達に世話をするなって言っても文句言わないし、つまんなかったのよね。でも今回は⋯⋯)
(さーて、何時ごろドレスが切り刻まれてるって気付くのかしら。お優しいアメリア様はアイツのドレスをちゃーんと準備してあげてるの。アイツには土下座で感謝してもらおうかしら)
『今夜着るドレスを貸してあげなくちゃいけないからアイツの様子を見てきて』
アメリア付きの侍女がバタバタと食堂を駆け出して行き、ミルクを飲み干したアメリアはのんびりと立ち上がって自室へ向かった。
(ちっとも大きくならないんだけど、ミルクってホントに効くのかしら。リチャードが巨乳好きじゃないと良いんだけど)
メイドに新しい紅茶を入れさせたアメリアは自室のソファにゆったりと座り侍女の知らせを楽しみに待っていた。
(このネックレスのエメラルド、思ったより小さかったわ。例のお宝ってしょぼいのばっかりだったから仕方ないわね。
お父様がもっと早くに隠し金庫から出してくれてたら王子妃に似合う豪華なアクセサリーに作り替えたのに。
でもあのティアラとブレスレットは別! あんな凄いのなんて王家にだってないわ。ウエディングドレスはあのティアラとブレスレットに合わせて作らなくちゃ。
それと、今日の婚約発表が終わったらリチャードにもおねだりしちゃおう。確か国庫に⋯⋯)
組んだ足をぶらぶらさせて楽しい想像に浸っていると真っ青な顔の侍女が駆け込んできた。
『あの、マーシャル夫人の連れてきたメイド達がセアラの支度を手伝うそうです。それにドレス、ドレスが無事だって』
『はぁ? アンタ何言ってんの!? メイド長を呼びなさい!!』
アメリアが投げつけたカップが侍女の肩に命中しガチャンと音を立てて砕け散った。
その後メイド長とジョージを目の前に立たせ状況報告をさせたアメリアは手当たり次第に物を投げつけメイドや従僕達にも当たり散らした。
(使えない使えない使えない⋯⋯みんなクビよ!! 紹介状なしで叩き出してやる。役立たずなんて野垂れ死ねばいいんだわ)
その後、なんとか夜会に間に合うよう準備したがアメリアの怒りで周りの使用人達は皆どこかしらに怪我をしていた。
アメリアが騒ぎを起こしている間レトビア公爵は部屋から一度も出てくる事はなく、準備の終わったアメリアを伴い平然とした顔で王城に向かう馬車に乗り込んだ。
(このままで済むと思ったら大間違いよ! 会場で恥をかかせてやるから覚えてらっしゃい!!)
『年明けの夜会で婚約発表するつもりなの。グズグズと発表を先延ばしにしてリチャードの周りの羽虫をのさばらせておくのはもうお終いよ』
ガウンの色はリチャード第二王子の翠眼に合わせた緑のシルクに豪華な刺繍を施し、くすんだ金色に染めたシルクに金糸と銀糸で飾ったペチコートはリチャード王子のアッシュブロンドの色。ストマッカーにはリボンと小さなエメラルドを散りばめ、レースを使った二段のパゴダ型袖のゴージャスなローブ・ア・ラ・フランセーズが準備されていた。
(リチャードの色を纏った私にみんなが注目してため息をこぼすわ)
数日後、父親から『セアラを夜会に参加させる』と言われたアメリアは大激怒した。
『なんで? なんであんな奴を連れてくの!?』
『アリエノール王女がセアラを生徒会長秘書に任命したのが社交界に広まっている。元々レトビア公爵家の養女になったセアラに興味を持つ輩は多かったが、セアラに会ってみたいとあちこちで言われ過ぎて連れて行かざるを得なくなった』
『秘書は私よ! 変更させろって言ったじゃない!!』
『陛下から王女に話をさせたが王女が首を縦に振らん。王女は例の件を知らないからこれ以上は難しいだろう』
『王命にすれば良いじゃない。お父様なら簡単でしょ!?』
『リチャードがこのままのらりくらりとしているなら王命で婚約を決めさせるつもりだからな、立て続けに王命を出させるわけにはいかんだろう。使い方を間違えては飼い犬に手を噛まれる』
『私達は愛し合ってるからリチャードは王命なんてなくても私と結婚するもの』
『ではお前がリチャードに公の場で婚約発表させることができたら秘書にするよう王命を出してやろう』
父親に抗議したがセアラの夜会参加の話は覆らず⋯⋯。
(それならセアラに恥をかかせれば良いんだわ。アイツを私の引き立て役にすればアリエノールだって私に秘書になって下さいって頭を下げるわね)
年明けの夜会用のドレスを前にアメリアは腕を組んで仁王立ちしていた。
『これじゃ地味すぎるわ。パニエでもう少し後ろを膨らしてロビングスを派手に。ストマッカーに差し色を追加して』
目の前のドレスを決めた時は気に入っていたアメリアだったが、セアラが夜会に参加すると知ってからと言うもの何もかもが気に入らない。
『それから今度持ってくるセアラのドレスは派手な色で胸元が広めのやつにして。メリッサが着てたみたいな下品なのがいいわ。セアラにピッタリだと思わない?』
午後一番でマーシャル夫人と仕立て屋がやって来たがセアラにはまだ誰も連絡していない。
(ふふ、あのババアは気が短いから待たせたらどうなるかしら。お父様がババアに頼んだって知った時は焦ったけど逆に好都合だったわね。
ババアがブチ切れてもいいし、ババアとアイツが一緒に夜会で恥をかくのも面白そう)
アメリアは前よりもっと楽しみになった夜会を想像しながら部屋で寛いでいた。
(場違いで下品なドレスを着て顰蹙を買ったセアラを優しく宥める気品溢れる私は、リチャードのエスコートで壇上に立つの。
愛を込めて見つめるリチャードの口から私達の婚約が発表されると愚かな女達の悲鳴が聞こえるけど盛大な拍手がそれをかき消して。
過ちを知ったアリエノールは私の前に膝をついて涙を流すはずだから、勿論私は寛大な心でそれを許すわ)
アメリアが誇大妄想に耽った後の幸せな気分のまま夕食の席につこうとすると慌てた様子の侍女が走ってやってきた。
『はあ? セアラが別のドレスを選んだんですって!!』
翌朝、マーシャル夫人から沢山の贈り物がセアラに届いたと聞いたアメリアはセアラの部屋に乗り込んだがあっさりと追い出されてしまった。
(何でよ! どいつもこいつも役に立たないったらないんだから! お父様がマーシャルのババアなんかに頼むからいけないのよ。それと役立たずのジョージ、なにかと言えば『旦那様のご指示です』って。公爵家を継いだら一番に叩き出してやるわ!)
そしてアメリアは最後の手段に出た。
『今夜アイツの部屋に忍び込むのよ。ドレスを切り刻んでしまえばもう間に合わないわ』
夜会当日の朝、久しぶりに晴れやかな気分で目覚めたアメリアはゆったりと朝食を楽しんでいた。昨日の夜セアラのドレスが切り刻まれたと信じ込んでいるアメリアはニマニマ笑いが止まらない。
(部屋に閉じ込めても平気だし使用人達に世話をするなって言っても文句言わないし、つまんなかったのよね。でも今回は⋯⋯)
(さーて、何時ごろドレスが切り刻まれてるって気付くのかしら。お優しいアメリア様はアイツのドレスをちゃーんと準備してあげてるの。アイツには土下座で感謝してもらおうかしら)
『今夜着るドレスを貸してあげなくちゃいけないからアイツの様子を見てきて』
アメリア付きの侍女がバタバタと食堂を駆け出して行き、ミルクを飲み干したアメリアはのんびりと立ち上がって自室へ向かった。
(ちっとも大きくならないんだけど、ミルクってホントに効くのかしら。リチャードが巨乳好きじゃないと良いんだけど)
メイドに新しい紅茶を入れさせたアメリアは自室のソファにゆったりと座り侍女の知らせを楽しみに待っていた。
(このネックレスのエメラルド、思ったより小さかったわ。例のお宝ってしょぼいのばっかりだったから仕方ないわね。
お父様がもっと早くに隠し金庫から出してくれてたら王子妃に似合う豪華なアクセサリーに作り替えたのに。
でもあのティアラとブレスレットは別! あんな凄いのなんて王家にだってないわ。ウエディングドレスはあのティアラとブレスレットに合わせて作らなくちゃ。
それと、今日の婚約発表が終わったらリチャードにもおねだりしちゃおう。確か国庫に⋯⋯)
組んだ足をぶらぶらさせて楽しい想像に浸っていると真っ青な顔の侍女が駆け込んできた。
『あの、マーシャル夫人の連れてきたメイド達がセアラの支度を手伝うそうです。それにドレス、ドレスが無事だって』
『はぁ? アンタ何言ってんの!? メイド長を呼びなさい!!』
アメリアが投げつけたカップが侍女の肩に命中しガチャンと音を立てて砕け散った。
その後メイド長とジョージを目の前に立たせ状況報告をさせたアメリアは手当たり次第に物を投げつけメイドや従僕達にも当たり散らした。
(使えない使えない使えない⋯⋯みんなクビよ!! 紹介状なしで叩き出してやる。役立たずなんて野垂れ死ねばいいんだわ)
その後、なんとか夜会に間に合うよう準備したがアメリアの怒りで周りの使用人達は皆どこかしらに怪我をしていた。
アメリアが騒ぎを起こしている間レトビア公爵は部屋から一度も出てくる事はなく、準備の終わったアメリアを伴い平然とした顔で王城に向かう馬車に乗り込んだ。
(このままで済むと思ったら大間違いよ! 会場で恥をかかせてやるから覚えてらっしゃい!!)
10
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。
木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。
本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。
しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。
特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。
せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。
そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。
幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。
こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。
※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)
婚約破棄された悪役令嬢、実は最強聖女でした〜辺境で拾った彼に一途に愛され、元婚約者が泣きついてきてももう遅い〜
usako
恋愛
王太子の婚約者でありながら「悪女」と呼ばれ婚約破棄された公爵令嬢リディア。
国外追放されたその日、命を救ってくれたのは無骨な騎士ルークだった。
彼に導かれた辺境の地で、本来の力――“聖女”としての奇跡が目覚める。
新たな人生を歩み始めた矢先、かつて自分を貶めた王太子が後悔とともに現れるが……。
もう遅い。彼女は真の愛を知ってしまったから――。
ざまぁと溺愛が交錯する、爽快逆転ラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる