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39.初の本格作戦会議
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「来週参加申し込みの締め切りだから⋯⋯週末集計して月曜に掲示できるようにすれば、再来週の水曜日からはじめられるわ。
ウルリカ、練習場の手配を」
「はい、曜日は水曜以外どうしますか?」
「そうね、今回は強豪相手だし参加者が多いからって理由なら週三でもいけるかしら?」
「そうですね⋯⋯無理をすれば月・水・金で取れると思います。土日は自主練習の為と称して終日押さえておきます。大会が近づいたら確実に必要になりますし」
パラパラと手元のノートを捲りながらウルリカが話を進めていく。
「相手校の様子はどうなってるの?」
「既に練習がはじまっています。今回はかなりの練度で仕上がってくるかと」
「ではそれを伝えれば学園にかなりゴリ押しできるわね。お兄様もそのつもりで時間調整して下さいね」
「ああ、出来る限り時間を作るよ」
「毎回来ていただこうと思っていますのに。もし毎回来てくださるなら特典としてセアラに専属のお世話係をお願いしようと思っておりましたのに」
「来る」
ウルリカが吹き出しアリエノールがドヤ顔でセアラにサムズアップした。
うっかり即答してしまったリチャードは真っ赤な顔を手で隠しリアクションに困ったセアラは俯いて膝に置いた手をじっと見つめるしかなかった。
「アル、何か言う時は心の準備とかする時間を作ってくれないかな。突然言われるとうっかりおかしな事を言ってしまう」
「その方が面白いんですもの」
(役だから。リチャード王子殿下は役作りをしておられるだけなんだから勘違いしないようにしなくちゃ。アメリア除けのお守りみたいなものだし、それほどアメリアの猛攻に困っていらっしゃるって事なんだわ)
「セアラは練習日以外はわたくしと一緒に仕事をしていただくけれど、お兄様のお世話は全面的にお任せするわね。
周りの生徒にも『お兄様の我儘で無理矢理お世話係にされた』って言ってね。その方がアメリアを慌てさせられるから丁度良いわ」
「真実ですし」
ぽそりと呟くウルリカの言葉に気付かなかったリチャードが『特典だしな』と呑気に呟いていた。
「お兄様の我儘にどこまで付き合うかは二人で相談して欲しいのだけど、お兄様に甘い顔を見せるとキリがないから適当なところで捨てちゃってね。
それから、お兄様もセアラをあまり振り回さないであげてね」
「巣穴に戻る?」
毒を吐くアリエノールに慣れているのか気にせず受け流したリチャードにセアラは感心した。
(やっぱり兄妹なのね。なんだかアリエノール様に親近感が⋯⋯。私もお兄様に会いたくなっちゃいそう)
「セアラはハリネズミみたいだから。可愛いけど身を守る時は鋭い棘で威嚇してくるわよ」
「今日の食堂のアレだね」
リチャードもセアラとグレイスの戦いを見ていたらしくニマニマ笑いをしている。
「うん、あれはカッコよかった。毅然としていて理路整然として⋯⋯コテンパンにやっつけて」
3人の思い出し笑いを見ながらセアラは顔を赤らめた。
「あれは反省していますの。幼馴染の事でちょっと頭に血が上ってしまって言いすぎたんです。あそこまで追い詰めるつもりはなかったのについ⋯⋯」
「イリス・ラーニア子爵令嬢の休学でしょう? そのことも話さなくちゃいけないわね。ウルリカ、報告をお願い」
「セアラ様もご存知の通りラーニア子爵家に対してルーカン伯爵家とアーカンソー伯爵から抗議文が送られましたが、アリエノール様のご指示でラーニア子爵家には騒動に関する真実と王家の保護を保証すると記載された手紙が両伯爵の物より先に届いております。
ラーニア子爵と夫人には当面静観して下さると言う事でご了承をいただいております」
言葉を切ったウルリカはアリエノールが小さく頷いた事を確認して話を続けた。
「イリス様は現在セアラ様のお兄様のライル様と一緒に帝国でイーバリス神殿襲撃について現地調査を行っておられます。
その事実を隠匿する為領地で静養すると学園には連絡してある状況です」
「まあ! 二人は大丈夫なのでしょうか? 帝国は言語も複雑ですし、見知らぬ土地で調査なんて」
「先発隊と合流しているから大丈夫よ。実はセアラに生徒会長秘書を依頼した日、ウルリカがイリスに接触したの。話せることは少なかったのだけどそれでも調査隊に参加したいって言ってくれて。
ラーニア子爵夫妻の了承をいただいてから終業式の翌日ライル様と一緒に帝国に行ってもらったの」
「終業式の日には違和感なく休学できるようにわざと揉め事を起こしていただきました」
「イリスが色々調べてくれているのは知っていましたが、まさか休学してまで⋯⋯。じゃあ、あの時の口論も」
「セアラにはわざと知らせなかったの。その方が臨場感が出るでしょう?」
「今日まで教えていただけなかったのはもしかして」
「その通りよ。セアラの親友が休学したとなればグレイスかローランドが何かしら確実にしでかすはずだから、それが終わるまでは内緒にしておこうって考えたの。ごめんなさいね」
「いえ、演技なんてできなかったと思うので知っていなくて良かったと思います。
ただ、令嬢らしくない言動をお兄様に知られたくないと言うか知られたら叱られそうだなって思う程度で」
「セアラのお兄様はライル・ホプキンスね」
「ライル・ホプキンス!? 彼なら同じクラスだったからよく知ってるよ。そうかぁ、ライルご自慢の妹がセアラだったのか。ライルからよく話を聞いていたんだ、凄く可愛くて怖い妹が領地にいるって」
「⋯⋯作り込んだイメージだけじゃなくてお兄様って、やっぱりポンコツだわ」
頭を抱えたアリエノールとウルリカ二人分の溜め息が聞こえた。
ウルリカ、練習場の手配を」
「はい、曜日は水曜以外どうしますか?」
「そうね、今回は強豪相手だし参加者が多いからって理由なら週三でもいけるかしら?」
「そうですね⋯⋯無理をすれば月・水・金で取れると思います。土日は自主練習の為と称して終日押さえておきます。大会が近づいたら確実に必要になりますし」
パラパラと手元のノートを捲りながらウルリカが話を進めていく。
「相手校の様子はどうなってるの?」
「既に練習がはじまっています。今回はかなりの練度で仕上がってくるかと」
「ではそれを伝えれば学園にかなりゴリ押しできるわね。お兄様もそのつもりで時間調整して下さいね」
「ああ、出来る限り時間を作るよ」
「毎回来ていただこうと思っていますのに。もし毎回来てくださるなら特典としてセアラに専属のお世話係をお願いしようと思っておりましたのに」
「来る」
ウルリカが吹き出しアリエノールがドヤ顔でセアラにサムズアップした。
うっかり即答してしまったリチャードは真っ赤な顔を手で隠しリアクションに困ったセアラは俯いて膝に置いた手をじっと見つめるしかなかった。
「アル、何か言う時は心の準備とかする時間を作ってくれないかな。突然言われるとうっかりおかしな事を言ってしまう」
「その方が面白いんですもの」
(役だから。リチャード王子殿下は役作りをしておられるだけなんだから勘違いしないようにしなくちゃ。アメリア除けのお守りみたいなものだし、それほどアメリアの猛攻に困っていらっしゃるって事なんだわ)
「セアラは練習日以外はわたくしと一緒に仕事をしていただくけれど、お兄様のお世話は全面的にお任せするわね。
周りの生徒にも『お兄様の我儘で無理矢理お世話係にされた』って言ってね。その方がアメリアを慌てさせられるから丁度良いわ」
「真実ですし」
ぽそりと呟くウルリカの言葉に気付かなかったリチャードが『特典だしな』と呑気に呟いていた。
「お兄様の我儘にどこまで付き合うかは二人で相談して欲しいのだけど、お兄様に甘い顔を見せるとキリがないから適当なところで捨てちゃってね。
それから、お兄様もセアラをあまり振り回さないであげてね」
「巣穴に戻る?」
毒を吐くアリエノールに慣れているのか気にせず受け流したリチャードにセアラは感心した。
(やっぱり兄妹なのね。なんだかアリエノール様に親近感が⋯⋯。私もお兄様に会いたくなっちゃいそう)
「セアラはハリネズミみたいだから。可愛いけど身を守る時は鋭い棘で威嚇してくるわよ」
「今日の食堂のアレだね」
リチャードもセアラとグレイスの戦いを見ていたらしくニマニマ笑いをしている。
「うん、あれはカッコよかった。毅然としていて理路整然として⋯⋯コテンパンにやっつけて」
3人の思い出し笑いを見ながらセアラは顔を赤らめた。
「あれは反省していますの。幼馴染の事でちょっと頭に血が上ってしまって言いすぎたんです。あそこまで追い詰めるつもりはなかったのについ⋯⋯」
「イリス・ラーニア子爵令嬢の休学でしょう? そのことも話さなくちゃいけないわね。ウルリカ、報告をお願い」
「セアラ様もご存知の通りラーニア子爵家に対してルーカン伯爵家とアーカンソー伯爵から抗議文が送られましたが、アリエノール様のご指示でラーニア子爵家には騒動に関する真実と王家の保護を保証すると記載された手紙が両伯爵の物より先に届いております。
ラーニア子爵と夫人には当面静観して下さると言う事でご了承をいただいております」
言葉を切ったウルリカはアリエノールが小さく頷いた事を確認して話を続けた。
「イリス様は現在セアラ様のお兄様のライル様と一緒に帝国でイーバリス神殿襲撃について現地調査を行っておられます。
その事実を隠匿する為領地で静養すると学園には連絡してある状況です」
「まあ! 二人は大丈夫なのでしょうか? 帝国は言語も複雑ですし、見知らぬ土地で調査なんて」
「先発隊と合流しているから大丈夫よ。実はセアラに生徒会長秘書を依頼した日、ウルリカがイリスに接触したの。話せることは少なかったのだけどそれでも調査隊に参加したいって言ってくれて。
ラーニア子爵夫妻の了承をいただいてから終業式の翌日ライル様と一緒に帝国に行ってもらったの」
「終業式の日には違和感なく休学できるようにわざと揉め事を起こしていただきました」
「イリスが色々調べてくれているのは知っていましたが、まさか休学してまで⋯⋯。じゃあ、あの時の口論も」
「セアラにはわざと知らせなかったの。その方が臨場感が出るでしょう?」
「今日まで教えていただけなかったのはもしかして」
「その通りよ。セアラの親友が休学したとなればグレイスかローランドが何かしら確実にしでかすはずだから、それが終わるまでは内緒にしておこうって考えたの。ごめんなさいね」
「いえ、演技なんてできなかったと思うので知っていなくて良かったと思います。
ただ、令嬢らしくない言動をお兄様に知られたくないと言うか知られたら叱られそうだなって思う程度で」
「セアラのお兄様はライル・ホプキンスね」
「ライル・ホプキンス!? 彼なら同じクラスだったからよく知ってるよ。そうかぁ、ライルご自慢の妹がセアラだったのか。ライルからよく話を聞いていたんだ、凄く可愛くて怖い妹が領地にいるって」
「⋯⋯作り込んだイメージだけじゃなくてお兄様って、やっぱりポンコツだわ」
頭を抱えたアリエノールとウルリカ二人分の溜め息が聞こえた。
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