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83.のんびり王都見学したいから
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王都の大通りで馬車を降りた。
「夕方のお迎えをお願いしていいかしら?」
「我々がご案内させていただきたいと思っておりますが?」
セアラ達と年はそれほど違わないが筋肉質で岩をバリバリ食べそうな偉丈夫3人が剣に手をかけたまま辺りを見回した。
「大通りから外れるつもりはないからお手数をかけるほどのことはないと思うの。買い物にゆっくりと時間がかけたい方だし⋯⋯のんびりお店を回るだけなの。
待たせてるって思うとゆっくり選べなさそうで⋯⋯」
セアラが小首を傾げて純朴そうに笑いかけると護衛という名目の監視役はあっさりと引き下がった。
「そうですね。確かにこの辺りは治安も良いですし⋯⋯夕刻この噴水広場にお迎えに参ります」
「わあ、助かります。帝国なんて二度と来れないかもだし、ゆっくり見学させてもらいますね。そうだわ、是非見ておくと良いですよっていうオススメとかあるかしら?」
「レミルトンと言う店のチョコケーキが一番人気です」
「レミルトンですね、楽しみだわ。チョコには目がないの」
見張り達はチラチラと振り返りながら城へ帰って行った。
「セアラ、二重人格って知ってる?」
笑いを堪えたイリスの肩が震えている。
「最近色々勉強したの。別人になる必要があったりもしたし⋯⋯今回はアメリアがおねだりする時を少しイメージしてみたんだけど⋯⋯これってすごく、役に立つわ」
「アメリアよりよっぽど効果的よ。あの娘のは胡散臭くて白々しかったけど、セアラのは⋯⋯かなりやばいと思う。ね、ルーク」
苦虫を噛み潰したような顔のルークがセアラを睨みつけた。
「あれは駄目だ。禁止だな」
訳の分からない禁止令を出されたセアラはムッとして言い返した。
「だってあの人達がいたら落ち着かないし、話もしにくいじゃない」
気持ちを切り替えて街を散策しようと決めたセアラ達だったが、先ずは腹ごしらえからだとルーク達が言い出した。
「じゃあ、あそこは? テラスがあるから周りの様子も見れるし話もしやすいわ」
店に入って豆と羊のスープやパイを注文し、料理が届き周りに人がいなくなるのを待って本題に入った。
「昨日見た時は街の人の敵意が気になっていて気付かなかったけど、相手の思惑を考えながら城壁とかを見てみたら守備は万全って感じね」
城壁を越えた後も中の作りは複雑になっていて、容易に皇帝に行き着く事はできないだろう。
「手引きする人でもいなければ絶対迷子になって終わりそうよね」
普段呑気なイリスも真剣に考え込んでいる。
「大通りも東西南北に整備されてるだろ? 道幅といい戦に出る時に軍隊が出撃するにもバリケードを張るにも適した作りになってる」
道の要所要所にはそれ用の土嚢などが準備されていたのをルークは見ていた。
「軍事国家ってそういうもの?」
「ここはそれに特化してると言っていいかもな。城や王都だけじゃなくその途中の街道も⋯⋯帝国は常にどこかと争ってるからそんなもんかもな」
「そんなに?」
「軍事力と資金力に任せ国を拡大し続けてきた帝国が今までベルスペクト王国に手を伸ばしてこなかったのが不思議なくらいだし」
「宝物のせいかしら?」
戦争を仕掛けて隠されていた宝物が破壊されたりそれに関する資料が失われるのを危惧したのかもしれない。
もしそうなら、宝物を返還した後は遠慮する必要がなくなることになる。
「だから属国にしようと狙ってるの?」
「実際のところ王国は王家の采配が上手くいってるから良いが、そうでなければ戦を仕掛けてまで手に入れたいと思うほどの国じゃない」
「帝国にしてみれば登山と一緒ね。そこに国があるから侵略するだけ」
ルークが『そういう事だろうな』と言いながら肩をすくめた。
「今日、旧神殿に行ったけど思うような成果がなかったの。明日新しい神殿に行った時の一発勝負になるけど大丈夫?」
「ああ、神殿の構造は調べてある。聖女の儀式が聞いている通りの場所であるならなんとかなるだろうと思う」
セアラはある仮説を立てており、それが上手くいけば聖女伝説の真実を解き明かすことになる。
その為の作戦でルークは最も重要な役目を担っている。
「だろうじゃ駄目なの。絶対に成功させなくちゃ、王国がなくなっちゃう。自信がないならこの後神殿を覗いてみましょう」
昨夜の話を聞くまでは失敗した時には仕切り直しする時間があるかもしれないと楽観視していた。帝国が開戦準備まで終わらせて今回の会議に臨んでいるなら失敗もやり直しもできない。
(もっと早く分かっていたら⋯⋯)
「バレたら?」
「もう一度アメリア擬きで煙に巻くわ」
「なら、チョコレートを買ってから神殿を覗いてみるか」
「ねえ、なんの話をしてるの?」
話が途切れて声をかけられるチャンスを待っていたらしいイリスが聞いてきた。彼女にはセアラの仮説も作戦も話していない。
「イリスには内緒」
「えーっ、なんで!?」
「すごく大切な話だから。イリスはついうっかりが多いからこれは話せないの。本当は今から行くのにも連れて行きたくないくらい」
「セアラ、狡い」
「誰か誰と繋がってるかも分からないし、どこで聞いてるかも分からない状況だから。部屋でも話さないでね」
セアラ一人が遠くの部屋にされた事に理由があるなら警戒しなければならない。ただ、セアラとしてはそんな必要があるとは思っていないのだが⋯⋯。
「⋯⋯分かった。気に入らないけど我慢する。その代わり全部終わったら覚悟しておいてね、お姉ちゃんを仲間外れにした罰を受けてもらうんだから」
イリスの性格を考えると少しでも説明すればじっとしていられないと知っている。前回学園を休学してまで調査隊に参加したように、真冬の教会前で座り込みをしたように⋯⋯自分が大切だと思う人のためには無条件で何でもしてしまう。
(だから話さないの。もうこれ以上危険には巻き込めない)
食事の後、大通りを散策した証拠になりそうな店をいくつか周り少しだけ買い物をしておいた。
多くの国を侵略してできた帝国には色々な国の特色を持った商品が並んでいた。
「状況が違えば何日かかけてゆっくりお店を回りたいくらいだね」
ちゃっかりライルへのお土産は手に入れているイリスだが、さっき見かけた店のラグが気になっているらしい。
卒業後には新婚生活が待っているから多分新居で使いたいのだろう。
「チョコレートも買ったし、神殿に行ってみましょう」
新しい神殿は宮殿の東側に聳え立っていた。
王宮を取り囲む堅牢な城壁とそこから見える赤い建屋とはかけ離れた芝の植えられた広い敷地には、白い石灰岩と赤いレンガで作られ門があり前庭を挟んで中央聖堂が建てられている。
聖堂の前室には数々のモザイク画や彫刻が飾られ、その奥のドームから降り注ぐ陽の光は床に描かれた宗教画を照らしていた。
神聖女聖堂は⋯⋯単純に聖女聖堂と呼ばれ中央聖堂の奥に建てられているかなり小ぶりの建物。
「ここで見張ってる。多分だけど何か調べにきたんでしょ?」
イリスが勘のいいところを見せてサムズアップした。
「うん、助かる。怪しげな人が来たら聖堂に来てね」
「了解!」
「夕方のお迎えをお願いしていいかしら?」
「我々がご案内させていただきたいと思っておりますが?」
セアラ達と年はそれほど違わないが筋肉質で岩をバリバリ食べそうな偉丈夫3人が剣に手をかけたまま辺りを見回した。
「大通りから外れるつもりはないからお手数をかけるほどのことはないと思うの。買い物にゆっくりと時間がかけたい方だし⋯⋯のんびりお店を回るだけなの。
待たせてるって思うとゆっくり選べなさそうで⋯⋯」
セアラが小首を傾げて純朴そうに笑いかけると護衛という名目の監視役はあっさりと引き下がった。
「そうですね。確かにこの辺りは治安も良いですし⋯⋯夕刻この噴水広場にお迎えに参ります」
「わあ、助かります。帝国なんて二度と来れないかもだし、ゆっくり見学させてもらいますね。そうだわ、是非見ておくと良いですよっていうオススメとかあるかしら?」
「レミルトンと言う店のチョコケーキが一番人気です」
「レミルトンですね、楽しみだわ。チョコには目がないの」
見張り達はチラチラと振り返りながら城へ帰って行った。
「セアラ、二重人格って知ってる?」
笑いを堪えたイリスの肩が震えている。
「最近色々勉強したの。別人になる必要があったりもしたし⋯⋯今回はアメリアがおねだりする時を少しイメージしてみたんだけど⋯⋯これってすごく、役に立つわ」
「アメリアよりよっぽど効果的よ。あの娘のは胡散臭くて白々しかったけど、セアラのは⋯⋯かなりやばいと思う。ね、ルーク」
苦虫を噛み潰したような顔のルークがセアラを睨みつけた。
「あれは駄目だ。禁止だな」
訳の分からない禁止令を出されたセアラはムッとして言い返した。
「だってあの人達がいたら落ち着かないし、話もしにくいじゃない」
気持ちを切り替えて街を散策しようと決めたセアラ達だったが、先ずは腹ごしらえからだとルーク達が言い出した。
「じゃあ、あそこは? テラスがあるから周りの様子も見れるし話もしやすいわ」
店に入って豆と羊のスープやパイを注文し、料理が届き周りに人がいなくなるのを待って本題に入った。
「昨日見た時は街の人の敵意が気になっていて気付かなかったけど、相手の思惑を考えながら城壁とかを見てみたら守備は万全って感じね」
城壁を越えた後も中の作りは複雑になっていて、容易に皇帝に行き着く事はできないだろう。
「手引きする人でもいなければ絶対迷子になって終わりそうよね」
普段呑気なイリスも真剣に考え込んでいる。
「大通りも東西南北に整備されてるだろ? 道幅といい戦に出る時に軍隊が出撃するにもバリケードを張るにも適した作りになってる」
道の要所要所にはそれ用の土嚢などが準備されていたのをルークは見ていた。
「軍事国家ってそういうもの?」
「ここはそれに特化してると言っていいかもな。城や王都だけじゃなくその途中の街道も⋯⋯帝国は常にどこかと争ってるからそんなもんかもな」
「そんなに?」
「軍事力と資金力に任せ国を拡大し続けてきた帝国が今までベルスペクト王国に手を伸ばしてこなかったのが不思議なくらいだし」
「宝物のせいかしら?」
戦争を仕掛けて隠されていた宝物が破壊されたりそれに関する資料が失われるのを危惧したのかもしれない。
もしそうなら、宝物を返還した後は遠慮する必要がなくなることになる。
「だから属国にしようと狙ってるの?」
「実際のところ王国は王家の采配が上手くいってるから良いが、そうでなければ戦を仕掛けてまで手に入れたいと思うほどの国じゃない」
「帝国にしてみれば登山と一緒ね。そこに国があるから侵略するだけ」
ルークが『そういう事だろうな』と言いながら肩をすくめた。
「今日、旧神殿に行ったけど思うような成果がなかったの。明日新しい神殿に行った時の一発勝負になるけど大丈夫?」
「ああ、神殿の構造は調べてある。聖女の儀式が聞いている通りの場所であるならなんとかなるだろうと思う」
セアラはある仮説を立てており、それが上手くいけば聖女伝説の真実を解き明かすことになる。
その為の作戦でルークは最も重要な役目を担っている。
「だろうじゃ駄目なの。絶対に成功させなくちゃ、王国がなくなっちゃう。自信がないならこの後神殿を覗いてみましょう」
昨夜の話を聞くまでは失敗した時には仕切り直しする時間があるかもしれないと楽観視していた。帝国が開戦準備まで終わらせて今回の会議に臨んでいるなら失敗もやり直しもできない。
(もっと早く分かっていたら⋯⋯)
「バレたら?」
「もう一度アメリア擬きで煙に巻くわ」
「なら、チョコレートを買ってから神殿を覗いてみるか」
「ねえ、なんの話をしてるの?」
話が途切れて声をかけられるチャンスを待っていたらしいイリスが聞いてきた。彼女にはセアラの仮説も作戦も話していない。
「イリスには内緒」
「えーっ、なんで!?」
「すごく大切な話だから。イリスはついうっかりが多いからこれは話せないの。本当は今から行くのにも連れて行きたくないくらい」
「セアラ、狡い」
「誰か誰と繋がってるかも分からないし、どこで聞いてるかも分からない状況だから。部屋でも話さないでね」
セアラ一人が遠くの部屋にされた事に理由があるなら警戒しなければならない。ただ、セアラとしてはそんな必要があるとは思っていないのだが⋯⋯。
「⋯⋯分かった。気に入らないけど我慢する。その代わり全部終わったら覚悟しておいてね、お姉ちゃんを仲間外れにした罰を受けてもらうんだから」
イリスの性格を考えると少しでも説明すればじっとしていられないと知っている。前回学園を休学してまで調査隊に参加したように、真冬の教会前で座り込みをしたように⋯⋯自分が大切だと思う人のためには無条件で何でもしてしまう。
(だから話さないの。もうこれ以上危険には巻き込めない)
食事の後、大通りを散策した証拠になりそうな店をいくつか周り少しだけ買い物をしておいた。
多くの国を侵略してできた帝国には色々な国の特色を持った商品が並んでいた。
「状況が違えば何日かかけてゆっくりお店を回りたいくらいだね」
ちゃっかりライルへのお土産は手に入れているイリスだが、さっき見かけた店のラグが気になっているらしい。
卒業後には新婚生活が待っているから多分新居で使いたいのだろう。
「チョコレートも買ったし、神殿に行ってみましょう」
新しい神殿は宮殿の東側に聳え立っていた。
王宮を取り囲む堅牢な城壁とそこから見える赤い建屋とはかけ離れた芝の植えられた広い敷地には、白い石灰岩と赤いレンガで作られ門があり前庭を挟んで中央聖堂が建てられている。
聖堂の前室には数々のモザイク画や彫刻が飾られ、その奥のドームから降り注ぐ陽の光は床に描かれた宗教画を照らしていた。
神聖女聖堂は⋯⋯単純に聖女聖堂と呼ばれ中央聖堂の奥に建てられているかなり小ぶりの建物。
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