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30.ロクサーナへのメッセージ
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王妃から贈られた品は念の為全て金庫にしまってあったが、今回なくなっているのはロクサーナが父親から貰ったネックレスだった。
(最後の最後にまさかのどんでん返しね)
(他の宝石が全て残っているのは私へのメッセージ?)
(負けた・・頑張ってきたつもりだったのに)
「ロクサーナ?」
呆然としていたロクサーナは声をかけられるまでリアムがいた事に気付かなかった。
真っ青な顔で振り返ったロクサーナは立ち上がって背筋を伸ばしリアムに向き直った。
「リアム王子殿下にお願いがございます。
王妃様に数々のご無礼への謝罪と、お心配り頂いたことへのお礼をお伝え下さいませ」
「どういう事?」
「・・」
「リチャード達の様子は真面じゃなかったし、準備ができたってどう言う事?」
リアムは黙ったままのロクサーナの後をついて行き1階の部屋に入って行った。
ロクサーナが木箱から取り出したのは山の権利書ともう少しで完成するはずだったキルト。
「キルトは私から殿下へのお礼の品です。あと少し残っている部分は服飾ギルドにお持ち頂ければ技術者がおりますので」
「これ、《アニー》のキルト?」
大きく息を吸ったロクサーナは手に持った権利書を見つめながら話しはじめた。
「私は17歳の時冤罪で断罪されました。
王家の宝物庫から盗まれた王妃様のティアラが私の部屋から見つかり、宝物庫には王妃様から私に贈られたネックレスが落ちていたと。
次に気付いた時には7歳に戻っていました。
その時から運命を変えたいと足掻いてきましたがどうやら失敗したようです。
彼らは私のネックレスを盗んでいきました」
「・・あの4人がそんな事を」
「計画を練ったのは多分あの4人とメリッサ、ステラの6人」
「17歳の時、その場にいたのは誰だ」
チャールズが入り口から入って来て問いただした。
「陛下の隣にリチャード、後ろに立っていたのが側近候補の3人。正面に座っていたのが侯爵様とメリッサ」
「やはり私もいたのか。
私の事を父親と思えないのも当然だな」
「前回と同じならこれからこの国は益々民に重税を課していき、平民を奴隷として他国に売り渡すようになります。
3年後には経済が破綻。
その1年後銀鉱山が見つかり一時的に経済を立て直すことができる。
これがその山の権利書です」
ロクサーナは権利書をチャールズに差し出した。
「ここは所有者がいない山だったので、前回は王家直轄となり過剰な採掘が行われて数年で枯渇するだろうと言われていました。
侯爵様が権利を持っていれば採掘量を調整出来るかも」
「どうやって手に入れたんだ?」
「侯爵様に頂いた金貨6枚で」
初めてロクサーナが口元に弱々しい笑みを浮かべた。
「キルト・リュックサック・ウエストポーチ・カラビナ。もう直ぐ編み機もできる予定ですの。
それらの売り上げで買いました。
特許を申請しているものや商標登録してあるものもあるので詳しくはクラリア商会のネイサン商会長に聞いてください。
私の商会については庭師のコナーとネイサンが知っています」
「お前が突然大人びた話し方をするようになったわけがわかった。
私は何も知らずお前を一人で運命と戦わせていたんだね」
「前回も今回も殆どお会いした事も話した事ありませんでしたのに」
ロクサーナが肩をすくめた。
「何か方法はないのか」
「そうですね、でも時間が足りないのです。こんなに早く仕掛けてくるとは思わなくて、肝心なところで後手に回ってしまいました」
「お前がリチャードと婚約破棄したいと言い続けていた意味がようやく分かった。
お前の話に耳をかさなかった事を許して欲しい」
「でも、何でこんなに手の込んだ事をするんだろう。ステラと結婚したいならリチャードから陛下にお願いして婚約破棄すれば済むだけなのに」
リアムが最もな疑問を口にしたが、それに答えたのはチャールズだった。
「メリッサとステラだろう。2人は事あるごとにロクサーナの事を非難していた。
妬みから妄執に変わったのだと思う」
「ただの婚約破棄だけでは気が済まないって事なんでしょう」
「なんて奴らだ。人としてあり得ないよ」
「アイツらは王妃様と僕が邪魔だって言ってた。
ひとまず僕にアレをくれないか? 時間が足りないなら作ればいい」
(最後の最後にまさかのどんでん返しね)
(他の宝石が全て残っているのは私へのメッセージ?)
(負けた・・頑張ってきたつもりだったのに)
「ロクサーナ?」
呆然としていたロクサーナは声をかけられるまでリアムがいた事に気付かなかった。
真っ青な顔で振り返ったロクサーナは立ち上がって背筋を伸ばしリアムに向き直った。
「リアム王子殿下にお願いがございます。
王妃様に数々のご無礼への謝罪と、お心配り頂いたことへのお礼をお伝え下さいませ」
「どういう事?」
「・・」
「リチャード達の様子は真面じゃなかったし、準備ができたってどう言う事?」
リアムは黙ったままのロクサーナの後をついて行き1階の部屋に入って行った。
ロクサーナが木箱から取り出したのは山の権利書ともう少しで完成するはずだったキルト。
「キルトは私から殿下へのお礼の品です。あと少し残っている部分は服飾ギルドにお持ち頂ければ技術者がおりますので」
「これ、《アニー》のキルト?」
大きく息を吸ったロクサーナは手に持った権利書を見つめながら話しはじめた。
「私は17歳の時冤罪で断罪されました。
王家の宝物庫から盗まれた王妃様のティアラが私の部屋から見つかり、宝物庫には王妃様から私に贈られたネックレスが落ちていたと。
次に気付いた時には7歳に戻っていました。
その時から運命を変えたいと足掻いてきましたがどうやら失敗したようです。
彼らは私のネックレスを盗んでいきました」
「・・あの4人がそんな事を」
「計画を練ったのは多分あの4人とメリッサ、ステラの6人」
「17歳の時、その場にいたのは誰だ」
チャールズが入り口から入って来て問いただした。
「陛下の隣にリチャード、後ろに立っていたのが側近候補の3人。正面に座っていたのが侯爵様とメリッサ」
「やはり私もいたのか。
私の事を父親と思えないのも当然だな」
「前回と同じならこれからこの国は益々民に重税を課していき、平民を奴隷として他国に売り渡すようになります。
3年後には経済が破綻。
その1年後銀鉱山が見つかり一時的に経済を立て直すことができる。
これがその山の権利書です」
ロクサーナは権利書をチャールズに差し出した。
「ここは所有者がいない山だったので、前回は王家直轄となり過剰な採掘が行われて数年で枯渇するだろうと言われていました。
侯爵様が権利を持っていれば採掘量を調整出来るかも」
「どうやって手に入れたんだ?」
「侯爵様に頂いた金貨6枚で」
初めてロクサーナが口元に弱々しい笑みを浮かべた。
「キルト・リュックサック・ウエストポーチ・カラビナ。もう直ぐ編み機もできる予定ですの。
それらの売り上げで買いました。
特許を申請しているものや商標登録してあるものもあるので詳しくはクラリア商会のネイサン商会長に聞いてください。
私の商会については庭師のコナーとネイサンが知っています」
「お前が突然大人びた話し方をするようになったわけがわかった。
私は何も知らずお前を一人で運命と戦わせていたんだね」
「前回も今回も殆どお会いした事も話した事ありませんでしたのに」
ロクサーナが肩をすくめた。
「何か方法はないのか」
「そうですね、でも時間が足りないのです。こんなに早く仕掛けてくるとは思わなくて、肝心なところで後手に回ってしまいました」
「お前がリチャードと婚約破棄したいと言い続けていた意味がようやく分かった。
お前の話に耳をかさなかった事を許して欲しい」
「でも、何でこんなに手の込んだ事をするんだろう。ステラと結婚したいならリチャードから陛下にお願いして婚約破棄すれば済むだけなのに」
リアムが最もな疑問を口にしたが、それに答えたのはチャールズだった。
「メリッサとステラだろう。2人は事あるごとにロクサーナの事を非難していた。
妬みから妄執に変わったのだと思う」
「ただの婚約破棄だけでは気が済まないって事なんでしょう」
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