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自警団
三月
ーーーーーー
ウィルソンが執務室のドアを開けると、直ぐ目の前にソフィアが立っていた。
「ソフィア、どうしてドアの前にいるんだ?もう少しでドアをぶつけるところだったぞ」
ソフィアが左手を腰に当て、右手の人差し指を突きつけてきた。
「ヘタレ・・せっかく空気を読んであげたのに、この臆病者。ここは慰めからの告白、絶好のチャンスだったのに。アイラ様は鈍いんだからはっきり言わないと、いつまで経っても気が付かないわよ」
「・・お前、いつもは無口なくせに突然何を言ってるんだ」
「真っ赤な顔して文句を言っても、ちっとも効かないから。あんなに落ち込んでるアイラ様を、お慰め出来るのはウィルソンだけよ。次のチャンス逃したら、チキンって呼ぶからね」
「忘れてたよ、お前って昔から気が強くて口が悪くて「それ以上言ったらアイラ様に、ウィルソンの恥ずかしい秘密バラしてやるから」」
「ごめん、分かった、分かりましたソフィア様」
「さて行きますか? ウィルソン殿?」
二人揃って部屋に入ってきた。
「お待たせしましたアイラ様」
「良いのよソフィア。忙しいなら後でも」
ソフィアはウィルソンを横目で見ながら、
「大丈夫です、あれ以上は今の所無理そうなので」
「?」
「そっソフィア、リリアが来た後の泊まる部屋とかはどうなってる?」
「はい、空いている使用人部屋の準備をお願いしておきました」
「そうか、使用人部屋か。木は森に隠せって事か。流石ですねソフィア」
ウィルソンが感心した様に頷いた。
「ごめんなさい、話がよく見えないのだけど」
「はい、リリアが暫く滞在するとしたら、客室では目立ち過ぎます。もし旦那様が帰って来られたら、すぐに気付かれてしまいます」
ウィルソンの説明で漸く理解したアイラは、
「使用人の格好でいれば目立たないし、デイビッドは使用人の顔なんて見てない。凄いわソフィア」
「では話を進めましょう。リリアの話以外で、アイラ様が気になっておられることがおありのようですが」
「そうなの、あの時の自警団の対応も気になっているの」
「詳しく話して頂けますか?」
「あの時、車軸が折れて馬車が横転した、そのせいでお父様達は亡くなられたのだと言われたの。でもリリアの話を聞いて、もう一度話をしようと自警団に声をかけたのだけど、全然話にならなかったの」
「具体的に話して頂けますか?」
「まず、深夜訪ねてきた男の人がいたって話したの。そうしたら深夜出掛けた理由が分かっただけだって言われて。で、馬車を見せて欲しいって言ったら、手違いで処分してしまったって。伯爵家の紋が入った馬車を、手違いで処分してしまうなんてあるのかしらってびっくりしたのよ」
「領主の物を勝手に処分するなどあり得ませんね。自警団も調べましょう。馬車を見られたくない誰かが、急いで処分させた可能性があります。それから大旦那様の馬番だった、ギャレットにも話を聞いてみてはいかがでしょうか。大旦那様はとても慎重な方でしたし、馬車を最後に使ったのがいつなのか、その時の様子などを聞いてみた方が良さそうです」
「ギャレットはあの後どうしたのかしら? 事故の事を自分のせいだって、とても気にしていたわ」
「ギャレットは仕事を辞めて、息子さんの所に行ったはずです」
「人付き合いが苦手だったから、知ってる人はいないかも知れませんね。雇用契約書を調べてみましょう。保証人になっていれば直ぐに判ります」
「デイビッドについて調べなくては。こういう事って、いつも仕事で頼んでいる調査会社で良いのかしら。個人の情報だと興信所とかに頼むもの?」
「いつもの調査会社とは、別の所に頼みましょう。個人の調査を専門にしている所の方が良いと思います。心当たりがあるので問い合わせてみます」
「では、デイビッドと自警団のメンバーの身辺調査を頼みましょう。その他にも誰かいるかしら」
「今のところそのくらいですね」
「ではウィルソン、ソフィアよろしくお願いします」
「そんなアイラ様頭を上げて下さい」
「待ってソフィア、アイラ様もう一度言っていただけますか?」
「えーっと、よろしくお願いします?」
「はい、お願いされます。いつでも何なりと」
思わず吹き出してしまいました。
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ウィルソンが執務室のドアを開けると、直ぐ目の前にソフィアが立っていた。
「ソフィア、どうしてドアの前にいるんだ?もう少しでドアをぶつけるところだったぞ」
ソフィアが左手を腰に当て、右手の人差し指を突きつけてきた。
「ヘタレ・・せっかく空気を読んであげたのに、この臆病者。ここは慰めからの告白、絶好のチャンスだったのに。アイラ様は鈍いんだからはっきり言わないと、いつまで経っても気が付かないわよ」
「・・お前、いつもは無口なくせに突然何を言ってるんだ」
「真っ赤な顔して文句を言っても、ちっとも効かないから。あんなに落ち込んでるアイラ様を、お慰め出来るのはウィルソンだけよ。次のチャンス逃したら、チキンって呼ぶからね」
「忘れてたよ、お前って昔から気が強くて口が悪くて「それ以上言ったらアイラ様に、ウィルソンの恥ずかしい秘密バラしてやるから」」
「ごめん、分かった、分かりましたソフィア様」
「さて行きますか? ウィルソン殿?」
二人揃って部屋に入ってきた。
「お待たせしましたアイラ様」
「良いのよソフィア。忙しいなら後でも」
ソフィアはウィルソンを横目で見ながら、
「大丈夫です、あれ以上は今の所無理そうなので」
「?」
「そっソフィア、リリアが来た後の泊まる部屋とかはどうなってる?」
「はい、空いている使用人部屋の準備をお願いしておきました」
「そうか、使用人部屋か。木は森に隠せって事か。流石ですねソフィア」
ウィルソンが感心した様に頷いた。
「ごめんなさい、話がよく見えないのだけど」
「はい、リリアが暫く滞在するとしたら、客室では目立ち過ぎます。もし旦那様が帰って来られたら、すぐに気付かれてしまいます」
ウィルソンの説明で漸く理解したアイラは、
「使用人の格好でいれば目立たないし、デイビッドは使用人の顔なんて見てない。凄いわソフィア」
「では話を進めましょう。リリアの話以外で、アイラ様が気になっておられることがおありのようですが」
「そうなの、あの時の自警団の対応も気になっているの」
「詳しく話して頂けますか?」
「あの時、車軸が折れて馬車が横転した、そのせいでお父様達は亡くなられたのだと言われたの。でもリリアの話を聞いて、もう一度話をしようと自警団に声をかけたのだけど、全然話にならなかったの」
「具体的に話して頂けますか?」
「まず、深夜訪ねてきた男の人がいたって話したの。そうしたら深夜出掛けた理由が分かっただけだって言われて。で、馬車を見せて欲しいって言ったら、手違いで処分してしまったって。伯爵家の紋が入った馬車を、手違いで処分してしまうなんてあるのかしらってびっくりしたのよ」
「領主の物を勝手に処分するなどあり得ませんね。自警団も調べましょう。馬車を見られたくない誰かが、急いで処分させた可能性があります。それから大旦那様の馬番だった、ギャレットにも話を聞いてみてはいかがでしょうか。大旦那様はとても慎重な方でしたし、馬車を最後に使ったのがいつなのか、その時の様子などを聞いてみた方が良さそうです」
「ギャレットはあの後どうしたのかしら? 事故の事を自分のせいだって、とても気にしていたわ」
「ギャレットは仕事を辞めて、息子さんの所に行ったはずです」
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「デイビッドについて調べなくては。こういう事って、いつも仕事で頼んでいる調査会社で良いのかしら。個人の情報だと興信所とかに頼むもの?」
「いつもの調査会社とは、別の所に頼みましょう。個人の調査を専門にしている所の方が良いと思います。心当たりがあるので問い合わせてみます」
「では、デイビッドと自警団のメンバーの身辺調査を頼みましょう。その他にも誰かいるかしら」
「今のところそのくらいですね」
「ではウィルソン、ソフィアよろしくお願いします」
「そんなアイラ様頭を上げて下さい」
「待ってソフィア、アイラ様もう一度言っていただけますか?」
「えーっと、よろしくお願いします?」
「はい、お願いされます。いつでも何なりと」
思わず吹き出してしまいました。
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