【完結】真実の行方 悠々自適なマイライフを掴むまで

との

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領主館

六月

ーーーーーー

 ウォルターを拘束し領主館に戻ってきた。ウォルターは領主館の地下牢に入れ、尋問はギータが担当する事になった。
 アイラは執務室へ戻り、銃を片付けてソフィアの入れた紅茶を飲んでいた。


 眉間にしわを寄せ、かなりイライラした様子のウィルソンがやってきた。これは危険な兆候だ。

「ウィルソン、何かありましたか?」
「自警団詰所での事です」

 アイラはなるべく早く話を切り上げようと早口で話した。

「ああ、上手くいって本当に良かったですわ。ウォルターは直ぐに見つかりましたし。でも男の方が三人もいらっしゃったでしょう? 無事に終わって良かったですわ」
 満面の笑みで、誤魔化そうとするアイラ。

「アイラ様、無茶はしないお約束でしたよね」
 ウィルソンは拳を握りしめている。

「無茶はしていませんわ。みんな無事だったでしょう?」

 アイラはここを何とか切り抜けたいと、肩をすくめ惚けたふりをしたが、
「あれは無茶です。突然銃を向けたら、相手が反射的に撃ち返すことだってあるのですよ。無事だったから良かったものの、心臓が飛び出るかと思いました」

「ごめんなさい。あの時話した人があそこにいたから、絶対に逃しては駄目だと思って」
「二度とあんなことはしないで頂けますか? お約束できないなら、この先ずっとお部屋からお出しできません」

「・・しないとは約束出来ないけど、これからはもう少し慎重になります。それじゃ駄目かしら」
「もっともっと慎重になってください。宜しいですね」
「はい」
「自信過剰はとても危険なことです。何年も銃を持っておられないのですから、勘が鈍っているかもしれません」
「・・・・そうね。ええ、次から気をつけるわ」

 アイラは昔からウィルソンには嘘や隠し事ができた試しがない。

「アイラ様?」
「ん? 何かしら」
「隠し事されてますね。お話をお聞かせ願えますか? 話して頂けるまでいくらでも、明日の朝まででもお待ちしますよ」

 こうなった時のウィルソンは、とにかくしつこい。アイラは諦めてため息を一つついた。

「あのね、えっと・・お父様から言われたのだけど、お前には銃の才能は無いって」
「・・はぁ?」
「結構練習したのですけど、全然上手くならなくて」
「腕前はお墨付きだというのは嘘だったということですか?」
 ウィルソンの青かった顔色はこれ以上ないほど真っ白になった。

「お父様から銃の腕はからっきしでも、ハッタリは役に立つって言って頂いたの。だからあれは、嘘じゃなくてハッタリ。上手くいったでしょう」

「ぷっ」

 ソフィアが吹き出した。その横に立っているリリアは、笑いを堪えて真っ赤な顔になりプルプルと震えている。

「ソフィア、笑わないで助けてちょうだい。ウィルソン顔が怖いですわ。ソフィアお願い助けて」
「ぶっ、あっはっは。ウィルソン、やられたわね。アイラ様ものすごいやんちゃで、よく大旦那様からお尻をぶたれていたもの」
「やっていいなら、今でもぶってやりたい」

 ウィルソンは拳を握り締め、ふるふると震えながら奥歯を噛み締めて話している。
「だっ駄目ですよ。淑女のそういう所をぶつなんて、別の場所も駄目ですからね。ウィルソンにはお休みをあげますから、ソフィアとゆっくりしてきたらどうかしら? お天気も良いし、ピクニックとか」

「うっ、ごめんなさいアイラ様、もう駄目。あーっはっは、おっおなか痛い。リリア後はよろしく」
「えっえー、無理無理無理絶対無理ですぅ」

 ウィルソンの真っ白かった顔が真っ赤になり、本当にお尻を打たれるのかと不安になったアイラは、お尻を両手で隠しながら、後ろに一歩下がった。
 ウィルソンが近づいてきてアイラの両腕を掴み・・・・キスをしてきた。

 永遠かと思うほど長いキスが終わった時には、ソフィアもリリアもいなくなっていた。

(私のファーストキス)

「俺が好きなのはソフィアじゃないです。ソフィアはただの幼なじみです」
「そうなの? ごめんなさいね。勘違いしてましたわ」

「多分アイラ様は分かってない。俺はアイラ様の側で貴方を支えたい」
「いつも支えてくれてありがとう。子供の頃もこの二年間も、ウィルソンがいてくれたから迷わずやってこれたのよ」

(やっぱりアイラ様は分かってない)
感想 10

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