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十二月 一部暴力シーンがあります。
ーーーーーー
二人の前に現れたストックトン侯爵は、余程急いて出来たのか、髪が乱れクラバットも結んでいない。
アイラは少し緊張し身構えた。ソフィアがアイラの前に出ようとして止められた。
「こんな所でお会いするなんて、びっくりしました。お義父様、どうされたのですか?」
「話がある。向こうに馬車を停めてあるから、一緒においで」
「申し訳ありません。時間がなくて」
「ジファール侯爵の所だろう? 行く必要はない」
「仰ってる事の意味が分かりませんわ。今日はここで失礼します。ソフィア、行きましょう」
「止まれ! さっきの書類を出しなさい」
ストックトン侯爵の右手に、銃が握られている。左手を前に伸ばして、
「さっさと出せ! あれは私の物だ」
アイラはポケットから、委任状を取り出して胸の前でちらつかせる。
「まさか、お義父様はずっと委任状を狙っていたのですか? その為にお父様達を事故に見せかけて」
「あれは、デイビッドたちが勝手にやった事だ。さあ、それをこっちに」
「嫌です、後見人は私が選びます。デイビッドとは離婚してきたので、あなたはもう家族ではありません。絶対にこれは渡しません」
「くそ、デイビッドの馬鹿が。あいつのせいで予定が狂って」
「予定?」
「お前を腹ましてから、伯爵を殺るつもりだったのに。全部お膳立てしてあったのに、あの馬鹿のせいで全部狂ってしまった。
だが、最後には私が全てを手に入れるんだ。伯爵は私に負けるんだ。奴の領地も財産も、アイラ。お前もだ」
「全部あなたが仕組んだのね。なぜ染織工房を狙うの?」
「工房だけは、伯爵が完成させられなかったからね。私が受け継いで完成させるんだ。私が勝つんだよ。
アイラ、さぁおいで。お前は昔から私の物だったんだ。私が全部教えてやろう。お前は私の事だけ考えていれば良い。何の心配も要らない。私の為に着飾り、私に向かって微笑み。私のベッドを温めていればいいんだ」
「お断りします。あなただけは絶対に嫌!」
「優しくしてたら、いい気になりやがって。さっさとこっちに来い!」
「撃てばいいわ。私が死んだら委任状は役に立たなくなるわよ」
「殺しはせん。まずはじっくりと楽しんで、誰が主人なのかお前の身体に教えてやる」
「その為に、デイビッド達を嵌めたのね!」
「その通りだよ。馬鹿な奴は、最後まで気付かずに働いてくれた。お陰で私は一切手を汚さず、全てを手に入れられる」
「いいえ、あなたは犯罪者として処罰されるわ。あなたがビクターに指示を出して、お父様達を殺させて、財産を全て奪おうとしたのはわかってるもの」
「だったらどうした? 私は侯爵だ。その程度の事幾らでも捻り潰せる」
「お金もないくせに。あなたの裏帳簿、ひどい有様ね」
「五月蝿い、直ぐに元通りだ。伯爵が溜め込んだ金を使ってな」
「それはどうかしら? カジノの胴元と随分と仲が良いみたいね」
「何が言いたい?」
「胴元と一緒に随分と酷い事をしてたのね。彼ももう捕まえたの。お陰で色々教えてくれたわ」
アイラが右手に持った銃を侯爵に向ける。
「さあ、これでイーブンね。あなたが撃てば私も撃つ。あなたは私を殺せないけど、私には出来る。さあ、どうする?」
睨み合いが続き緊張が高まっていく。
「ストックトン! てめぇ」
突然侯爵の後ろから、男が走りこんできた。ストックトン侯爵が男に銃を向けたが、男の姿は暗闇に紛れ、中々狙いが定められない。アイラは、ストックトンに向けて思いっきり銃を投げつけた。
アイラが投げた銃はストックトン侯爵の背中にぶち当たった。別方向から二つの音が聞こえ、ストックトン侯爵が崩れ落ちた。
走り出してきた男、ウィルソンはストックトン侯爵から銃を奪い取り、アイラが投げた銃を拾ってやってきた。
「大旦那様直伝ですか?」
「撃つより命中率が高そう。びっくりだわ」
ストックトン侯爵が男達に拘束されて、連れていかれた。
「はっはっは、見事な狙いだったね。ナイスヒットだ」
ストックトン侯爵を撃ったのは、トマスとアルフレッドだった。
「お二人ともいらしてたのですか?」
「お楽しみを見逃したくなくてね。トマス様まで参加されたのは、想定外だったが」
「置いてけぼりに合わなくて良かった」
「では、まずは場所を移動しよう。お楽しみの報告会だ。暇だったのでね、子雀たちには色々と囀って貰った」
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二人の前に現れたストックトン侯爵は、余程急いて出来たのか、髪が乱れクラバットも結んでいない。
アイラは少し緊張し身構えた。ソフィアがアイラの前に出ようとして止められた。
「こんな所でお会いするなんて、びっくりしました。お義父様、どうされたのですか?」
「話がある。向こうに馬車を停めてあるから、一緒においで」
「申し訳ありません。時間がなくて」
「ジファール侯爵の所だろう? 行く必要はない」
「仰ってる事の意味が分かりませんわ。今日はここで失礼します。ソフィア、行きましょう」
「止まれ! さっきの書類を出しなさい」
ストックトン侯爵の右手に、銃が握られている。左手を前に伸ばして、
「さっさと出せ! あれは私の物だ」
アイラはポケットから、委任状を取り出して胸の前でちらつかせる。
「まさか、お義父様はずっと委任状を狙っていたのですか? その為にお父様達を事故に見せかけて」
「あれは、デイビッドたちが勝手にやった事だ。さあ、それをこっちに」
「嫌です、後見人は私が選びます。デイビッドとは離婚してきたので、あなたはもう家族ではありません。絶対にこれは渡しません」
「くそ、デイビッドの馬鹿が。あいつのせいで予定が狂って」
「予定?」
「お前を腹ましてから、伯爵を殺るつもりだったのに。全部お膳立てしてあったのに、あの馬鹿のせいで全部狂ってしまった。
だが、最後には私が全てを手に入れるんだ。伯爵は私に負けるんだ。奴の領地も財産も、アイラ。お前もだ」
「全部あなたが仕組んだのね。なぜ染織工房を狙うの?」
「工房だけは、伯爵が完成させられなかったからね。私が受け継いで完成させるんだ。私が勝つんだよ。
アイラ、さぁおいで。お前は昔から私の物だったんだ。私が全部教えてやろう。お前は私の事だけ考えていれば良い。何の心配も要らない。私の為に着飾り、私に向かって微笑み。私のベッドを温めていればいいんだ」
「お断りします。あなただけは絶対に嫌!」
「優しくしてたら、いい気になりやがって。さっさとこっちに来い!」
「撃てばいいわ。私が死んだら委任状は役に立たなくなるわよ」
「殺しはせん。まずはじっくりと楽しんで、誰が主人なのかお前の身体に教えてやる」
「その為に、デイビッド達を嵌めたのね!」
「その通りだよ。馬鹿な奴は、最後まで気付かずに働いてくれた。お陰で私は一切手を汚さず、全てを手に入れられる」
「いいえ、あなたは犯罪者として処罰されるわ。あなたがビクターに指示を出して、お父様達を殺させて、財産を全て奪おうとしたのはわかってるもの」
「だったらどうした? 私は侯爵だ。その程度の事幾らでも捻り潰せる」
「お金もないくせに。あなたの裏帳簿、ひどい有様ね」
「五月蝿い、直ぐに元通りだ。伯爵が溜め込んだ金を使ってな」
「それはどうかしら? カジノの胴元と随分と仲が良いみたいね」
「何が言いたい?」
「胴元と一緒に随分と酷い事をしてたのね。彼ももう捕まえたの。お陰で色々教えてくれたわ」
アイラが右手に持った銃を侯爵に向ける。
「さあ、これでイーブンね。あなたが撃てば私も撃つ。あなたは私を殺せないけど、私には出来る。さあ、どうする?」
睨み合いが続き緊張が高まっていく。
「ストックトン! てめぇ」
突然侯爵の後ろから、男が走りこんできた。ストックトン侯爵が男に銃を向けたが、男の姿は暗闇に紛れ、中々狙いが定められない。アイラは、ストックトンに向けて思いっきり銃を投げつけた。
アイラが投げた銃はストックトン侯爵の背中にぶち当たった。別方向から二つの音が聞こえ、ストックトン侯爵が崩れ落ちた。
走り出してきた男、ウィルソンはストックトン侯爵から銃を奪い取り、アイラが投げた銃を拾ってやってきた。
「大旦那様直伝ですか?」
「撃つより命中率が高そう。びっくりだわ」
ストックトン侯爵が男達に拘束されて、連れていかれた。
「はっはっは、見事な狙いだったね。ナイスヒットだ」
ストックトン侯爵を撃ったのは、トマスとアルフレッドだった。
「お二人ともいらしてたのですか?」
「お楽しみを見逃したくなくてね。トマス様まで参加されたのは、想定外だったが」
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