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31.大団円
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王宮錬金術師の残党を捕まえた後エリンは屋敷に戻り、ジェイクは離れにやって来た。
離れの居間でソファに座っていたアリスは、ジェイクと同じ濃いブロンドと緑眼のとても美しい女性だった。
「アリス、奴らを全員捕まえた」
暫く呆然としていたアリスはジェイクに駆け寄り抱きついて泣き出した。
「時間がかかってごめん。屋敷に行こう、アリスは自由になったんだ。
それに、屋敷にアリスに紹介したい人が待ってるって言っただろ?」
ジェイクの手に捕まりながら恐る恐る離れを出たアリスは、屋敷に向かう小道を歩きながら目を輝かせた。
「いい匂いがするわ。切り花や離れの裏の小さな庭とは全然違うのね」
アリスは大きく息を吸い込み、庭の花壇へ歩いて行った。
花壇を見回しながら、
「ずっとこの日を待っていたのに、今は不安でたまらないの。
生まれてから半分以上ずっと離れに隠れてたのよ。
これから上手くやっていけるのかしら」
「大丈夫だよ、俺達がついているからね」
「俺達? ああ、もう一人の錬金術師さんね、仲良く出来ると良いんだけど」
「ジェイクは本当に酷い人だわ。何故もっと早く教えてくれなかったの?」
「言ったら絶対会いたいって言い出すだろう?」
「当然でしょう? 家族が増えたのよ。
こんな素敵な事、他には考えられないじゃない。
どうせ私が外に出られないからって気を遣っていたんでしょう?
そのせいでエリンに辛い思いをさせたに決まってる。
兄さんは顔が良いだけの朴念仁だもの」
ジェイクがエリンを紹介し、今までの経緯を説明すると、エリン一人を矢面に立たせたと言ってアリスは大激怒した。
「私が離れでのんびりしている間に・・もしかしたらエリンが大変な目にあったかもしれないのよ」
「万全の策は練ってあったし、エリンの事は絶対に守るって決めてた。
仕事を減らして、なるべく屋敷にいるようにしてね。
それにもし何か不測の事態が起きたら、2人を守るよりひとりを守る方が失敗が少ないと思ったんだ」
「もう終わった事ですし。あちこちで言いたい事を言えたので、私としてもスッキリ爽快ですの」
その後アリスは街中の家を買いリーガン公爵のタウンハウスを出て行った。
その理由は、
「12年分の人生を取り戻さなくちゃ。それに、新婚さんのお邪魔もしたくないしね」
エリンとアリスは街の中心地に小さな店を開き、錬金術師として楽しい毎日を過ごしている。
ジェイクは毎日店を覗きに来てはアリスに追い出されている。
「ジェイクはご自分の仕事をなさいな。
でないと夜、エリンを放って執務室に籠らなくちゃいけなくなるわよ?」
マクガバン達王宮錬金術師の大半が事件に関わっていたことが判明し公開処刑された。
デイビッドはエリンを誘き出す手引きをした事により、鞭打ちの上5年間鉱山奴隷行きとなった。
錬金術師達が牢から処刑場に連行されるまで、街道に集まった多くの市民から石が投げつけられ、処刑される前には口も聞けない状態になっていた。
その中には、竜の印を持って生まれたせいで殺された者達の家族が大勢いたと言う。
王宮は錬金術師の不足に頭を悩まされており、エリン達の店には引っ切りなしに注文が入ってきた。
「マクガバンは本当に賢者の石を作れたのかしら。エリンはどう思う?」
「部屋を調べてもそれらしい物は見つからなかったそうよ」
「でも90近い歳まで長生き出来たのには何か理由があったはずよね」
「早寝早起きして暴飲暴食をしない。それに適度な運動・・。
マクガバンは誰よりも健康的な生活を送っていたそうよ」
離れの居間でソファに座っていたアリスは、ジェイクと同じ濃いブロンドと緑眼のとても美しい女性だった。
「アリス、奴らを全員捕まえた」
暫く呆然としていたアリスはジェイクに駆け寄り抱きついて泣き出した。
「時間がかかってごめん。屋敷に行こう、アリスは自由になったんだ。
それに、屋敷にアリスに紹介したい人が待ってるって言っただろ?」
ジェイクの手に捕まりながら恐る恐る離れを出たアリスは、屋敷に向かう小道を歩きながら目を輝かせた。
「いい匂いがするわ。切り花や離れの裏の小さな庭とは全然違うのね」
アリスは大きく息を吸い込み、庭の花壇へ歩いて行った。
花壇を見回しながら、
「ずっとこの日を待っていたのに、今は不安でたまらないの。
生まれてから半分以上ずっと離れに隠れてたのよ。
これから上手くやっていけるのかしら」
「大丈夫だよ、俺達がついているからね」
「俺達? ああ、もう一人の錬金術師さんね、仲良く出来ると良いんだけど」
「ジェイクは本当に酷い人だわ。何故もっと早く教えてくれなかったの?」
「言ったら絶対会いたいって言い出すだろう?」
「当然でしょう? 家族が増えたのよ。
こんな素敵な事、他には考えられないじゃない。
どうせ私が外に出られないからって気を遣っていたんでしょう?
そのせいでエリンに辛い思いをさせたに決まってる。
兄さんは顔が良いだけの朴念仁だもの」
ジェイクがエリンを紹介し、今までの経緯を説明すると、エリン一人を矢面に立たせたと言ってアリスは大激怒した。
「私が離れでのんびりしている間に・・もしかしたらエリンが大変な目にあったかもしれないのよ」
「万全の策は練ってあったし、エリンの事は絶対に守るって決めてた。
仕事を減らして、なるべく屋敷にいるようにしてね。
それにもし何か不測の事態が起きたら、2人を守るよりひとりを守る方が失敗が少ないと思ったんだ」
「もう終わった事ですし。あちこちで言いたい事を言えたので、私としてもスッキリ爽快ですの」
その後アリスは街中の家を買いリーガン公爵のタウンハウスを出て行った。
その理由は、
「12年分の人生を取り戻さなくちゃ。それに、新婚さんのお邪魔もしたくないしね」
エリンとアリスは街の中心地に小さな店を開き、錬金術師として楽しい毎日を過ごしている。
ジェイクは毎日店を覗きに来てはアリスに追い出されている。
「ジェイクはご自分の仕事をなさいな。
でないと夜、エリンを放って執務室に籠らなくちゃいけなくなるわよ?」
マクガバン達王宮錬金術師の大半が事件に関わっていたことが判明し公開処刑された。
デイビッドはエリンを誘き出す手引きをした事により、鞭打ちの上5年間鉱山奴隷行きとなった。
錬金術師達が牢から処刑場に連行されるまで、街道に集まった多くの市民から石が投げつけられ、処刑される前には口も聞けない状態になっていた。
その中には、竜の印を持って生まれたせいで殺された者達の家族が大勢いたと言う。
王宮は錬金術師の不足に頭を悩まされており、エリン達の店には引っ切りなしに注文が入ってきた。
「マクガバンは本当に賢者の石を作れたのかしら。エリンはどう思う?」
「部屋を調べてもそれらしい物は見つからなかったそうよ」
「でも90近い歳まで長生き出来たのには何か理由があったはずよね」
「早寝早起きして暴飲暴食をしない。それに適度な運動・・。
マクガバンは誰よりも健康的な生活を送っていたそうよ」
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みんなの感想(19件)
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クソみたいな態度取って、肝心な事(妹)を何も話さないで、名前も間違えて、それで一目惚れだった〜とか本気で〜とか、ふざけてんのか?ナメてんのか?バカにしてんのか?としか思えない。
離れにいたのは妹でした!解決したから仲良く!とか都合よすぎて気持ち悪い。
主人公は成長できたから他にヒーローがいないのが残念すぎたな。
ありがとうございます。
楽しんで頂けず申し訳ありませんm(_ _)m
最後、3人が幸せになれてよかったです!
エリンもアリスも長い間辛い思いをしていたので、これからの毎日が楽しいといいなぁー!
アリスはずっと閉じこもっていて世間と触れていないのに突然一人暮らし(メイドとかはいるだろうけど)で大丈夫かな。それだけ心配です。
まぁ、ジェイクが足繁く様子を見に行きそうですがw
で、アリスに「奥さん大事にしろ」と叱られそうw
ジェイクは説明不足ですよねー。
でも男が言葉足らずなのは…ホントムカつくけどwよくある事ですよねww
しかも色々一杯いっぱいでしたでしょうし。
これから分かり合っていくんでしょうね!
私も結局エラが誰だったのか気になります。
アリスのニックネームでもないし…
間違うという事はそれだけ呼び慣れている人かと思うので、え?誰?アリスとエリン以外に近しい人がいるの??と思ってしまいました。
メイドの誰かというのが妥当かな?
あと、一目惚れとの事ですが、途中エリンに、可愛い顔して…とは言っていますが最初は話も聞かず追い出そうとしましたよね。
階段降りてくる途中で顔見た時に好き(=一目惚れ)になったの?それにしてはしばらくずっと態度悪くない?イライラしてるし。(有象無象の押し掛け達のせいなのは分かるけど一目惚れした相手にする態度か?)
初日のやり取りの中で惚れたならそれは一目惚れではないんじゃないかなーと。
ちょっと気になりました。
「ざまあ」「婚約破棄」で検索してこの作品に辿り着いたのですが、他の作者様の作品も読んでみたいと思います!
ありがとうございました!
ありがとうございます。
楽しんでいただけたならとても嬉しいです🤗🤗
妹だったんだ。……だから?ってな感じでした。
世の中、嫁や恋人よりも妹を優先し大事にする男性は多いですしね。
ただでさえ周囲の人間から蔑ろにされ続けて自己評価の低い人間になってしまったのに、恋のお相手がシスコンとか作者は鬼畜かなと思いました。
妹さんに良識があるから、シスコンと主人公がうまくいったんでしょうね。甘えるタイプだったらジェイクも主人公そっちのけだったろうし。
今回のお話は、ざまぁよりも主人公が成長して欲しいと願うような物語でした。
ありがとうございます。
最後までお読み下さり感謝です\(//∇//)\