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浮かれる男(sideリオン)
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「私と結婚して頂けますか?」
今日は人生で最高に幸せな日だ。ミリアム王女に結婚を申し込んだ。
ダメ元くらいの軽い気持ちで言ってみたんだけど、即OKしてくれるとは。彼女は僕に惚れてたってことだね。嬉しい誤算だよ。
3か月前のクリスマス間近、大講堂での講義があって、ミリアム王女が一人でポツンと座っていた。
普段は大勢の取り巻きと一緒なのに、珍しいなと思い王女の前の席に座ってみたんだ。
ミリアム王女はおっとりしたお姫様タイプで、他の貴族の女に比べると感じがいい。と言っても王女だからね、さすがに平民から声をかけるのは、無理がありすぎるから話したことはないけど。
講義に使う資料を前から後ろに回す時、
「初めまして、ミリアム王女」
と、声をかけてみた。結構ドキドキしたけど、
「こんにちは、あなたは同じクラスのウォルターさんですね」
名前を憶えていてくれたことに感動した。
それからは会うたびに声をかけてみた。
「今日はいい天気ですね」
「昨日の実習はどうでしたか?」
少しずつ会話を増やしていった。特に理由があったわけじゃないけど、貴族の女に辟易していたから、王女と話すのは心が癒されるというか、そんな感じ。
この国は12歳から15歳まで、誰でも無料で学ぶことが出来る王立学園がある。
無料の代わりに、成績が悪いと即退学させられる。しかも、その時の試験が半端なく難しい。自慢じゃないが、僕にとっては簡単な試験だったけどね。
僕はサーベント子爵令嬢の、エレオノール嬢と婚約している。サーベント子爵令嬢は、一人っ子なので婿をとる必要があったんだ。そこで白羽の矢が当たったのが僕。
子爵家に婿入りする条件で、学園の入学金や授業料、その他諸々の経費も全て支援してもらっている。
僕は子供の頃から、神童として結構有名だった。子爵がどこでその噂を聞いたのかは判らないけど、学費の全てを負担してでも、婿に迎えたいと言ってくれたんだ。
逆玉だって、母さんは大騒ぎだった。僕も最初はそう思っていたよ。
初めてあった時のエレオノール嬢は、いかにも貴族のご令嬢といった雰囲気の、すごくおとなしいお嬢様だったんだ。ほんとにはじめだけだけど、あの時は感じが良かったんだ。
学園に入学してからも全力で頑張って、常に成績はトップグループにいた。2年生からは生徒会にも入って、評判も上々。
エレオノール嬢とは・・最悪だった。おとなしいのも感じが良いのもはじめだけ。会うたびに僕を馬鹿にしてくるし、わがまま放題なんだ。
僕が、ちょっとでも解らないことがあったら、
「平民の方にはお分かりにならないでしょうが・・」
って言うのが決まり文句。
プレゼントに花を持って行った時なんて、
「子爵家の令嬢にこのような貧相な物を? ありえませんわ」
とか言って捨てさせるんだから、やってられない。正直騙されたって思ったよ。
その点ミリアム王女は優しいからね。
先月くらいからは偶に一緒に昼食をとったり、放課後少しおしゃべりをするようになったり。冗談半分で、
「卒業パーティーのドレスを、贈らせてもらえたら嬉しいのですが」
って言ってみた。これがまさかのOK。
エスコートをする約束も取り付けたんだ。ここまで来たら、もしかしていけるんじゃないか? って思っても仕方ないよね。エレオノール嬢は学園には来てないから、問題なし。多分だけど、成績悪くて入学出来なかったんじゃないかな。頭悪そうだもん。
サーベント子爵令嬢との婚約や学費の支援については、周りには内緒にしている。サーベント子爵曰く、
「もし途中で成績が落ちたり、子爵家に相応しくないと分かったら恥だから、卒業までは公表しない」
だそうだ。今となっては願ったりかなったり。
まずは、ミリアム王女と婚約を済ませて、それから ”真実の愛” の為の、婚約破棄だ。学費については王弟だからいくらでも払えるさ。
でもまさか、ほんとに結婚をOKしてくれるとは思わなかった。真実の愛様々だね。
母さんが帰ってくるまでにと、夕食の準備をしていた時、ミリアム王女からの手紙が届いた。
お茶会のお誘いだ。
今日は人生で最高に幸せな日だ。ミリアム王女に結婚を申し込んだ。
ダメ元くらいの軽い気持ちで言ってみたんだけど、即OKしてくれるとは。彼女は僕に惚れてたってことだね。嬉しい誤算だよ。
3か月前のクリスマス間近、大講堂での講義があって、ミリアム王女が一人でポツンと座っていた。
普段は大勢の取り巻きと一緒なのに、珍しいなと思い王女の前の席に座ってみたんだ。
ミリアム王女はおっとりしたお姫様タイプで、他の貴族の女に比べると感じがいい。と言っても王女だからね、さすがに平民から声をかけるのは、無理がありすぎるから話したことはないけど。
講義に使う資料を前から後ろに回す時、
「初めまして、ミリアム王女」
と、声をかけてみた。結構ドキドキしたけど、
「こんにちは、あなたは同じクラスのウォルターさんですね」
名前を憶えていてくれたことに感動した。
それからは会うたびに声をかけてみた。
「今日はいい天気ですね」
「昨日の実習はどうでしたか?」
少しずつ会話を増やしていった。特に理由があったわけじゃないけど、貴族の女に辟易していたから、王女と話すのは心が癒されるというか、そんな感じ。
この国は12歳から15歳まで、誰でも無料で学ぶことが出来る王立学園がある。
無料の代わりに、成績が悪いと即退学させられる。しかも、その時の試験が半端なく難しい。自慢じゃないが、僕にとっては簡単な試験だったけどね。
僕はサーベント子爵令嬢の、エレオノール嬢と婚約している。サーベント子爵令嬢は、一人っ子なので婿をとる必要があったんだ。そこで白羽の矢が当たったのが僕。
子爵家に婿入りする条件で、学園の入学金や授業料、その他諸々の経費も全て支援してもらっている。
僕は子供の頃から、神童として結構有名だった。子爵がどこでその噂を聞いたのかは判らないけど、学費の全てを負担してでも、婿に迎えたいと言ってくれたんだ。
逆玉だって、母さんは大騒ぎだった。僕も最初はそう思っていたよ。
初めてあった時のエレオノール嬢は、いかにも貴族のご令嬢といった雰囲気の、すごくおとなしいお嬢様だったんだ。ほんとにはじめだけだけど、あの時は感じが良かったんだ。
学園に入学してからも全力で頑張って、常に成績はトップグループにいた。2年生からは生徒会にも入って、評判も上々。
エレオノール嬢とは・・最悪だった。おとなしいのも感じが良いのもはじめだけ。会うたびに僕を馬鹿にしてくるし、わがまま放題なんだ。
僕が、ちょっとでも解らないことがあったら、
「平民の方にはお分かりにならないでしょうが・・」
って言うのが決まり文句。
プレゼントに花を持って行った時なんて、
「子爵家の令嬢にこのような貧相な物を? ありえませんわ」
とか言って捨てさせるんだから、やってられない。正直騙されたって思ったよ。
その点ミリアム王女は優しいからね。
先月くらいからは偶に一緒に昼食をとったり、放課後少しおしゃべりをするようになったり。冗談半分で、
「卒業パーティーのドレスを、贈らせてもらえたら嬉しいのですが」
って言ってみた。これがまさかのOK。
エスコートをする約束も取り付けたんだ。ここまで来たら、もしかしていけるんじゃないか? って思っても仕方ないよね。エレオノール嬢は学園には来てないから、問題なし。多分だけど、成績悪くて入学出来なかったんじゃないかな。頭悪そうだもん。
サーベント子爵令嬢との婚約や学費の支援については、周りには内緒にしている。サーベント子爵曰く、
「もし途中で成績が落ちたり、子爵家に相応しくないと分かったら恥だから、卒業までは公表しない」
だそうだ。今となっては願ったりかなったり。
まずは、ミリアム王女と婚約を済ませて、それから ”真実の愛” の為の、婚約破棄だ。学費については王弟だからいくらでも払えるさ。
でもまさか、ほんとに結婚をOKしてくれるとは思わなかった。真実の愛様々だね。
母さんが帰ってくるまでにと、夕食の準備をしていた時、ミリアム王女からの手紙が届いた。
お茶会のお誘いだ。
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