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一回目 (過去)
99.ローザリアVSナスタリア神父
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「駄目です、聞きません。どうしてもっていうなら抱えてでも山を降ります」
ナスタリア神父が全く話を聞かない。
「下から浄化しましょう。場所はすぐ目の前なんですからローザリア様ならできます。高さがちょっと違う程度、なんの問題もありません。
ナザエル枢機卿は一回だけなら回復も使える実力をお持ちです。上の状況確認くらい余裕です。倒れたら放っておけば回復します。
死なない程度で働けばローザリア様の回復が間に合いますし、魔力は寝てれば溜まります」
「ナスタリア神父モードは狡い! それだと何も言い返せないじゃない!!」
頑ななナスタリア神父にローザリアが切れた。
(ほほう、いいぞ。頑張れ)
密かに応援しているのはナザエル枢機卿とニール。
ローザリアが我慢と遠慮する姿ばかり見てきたジャスパーと、ニコニコ笑い奉仕する姿と黙々と文句も言わず山を登る姿しか知らないグレイソンは目を丸くして口をポカンとあけた。
「モードって⋯⋯今まで登って来た道とは全然レベルが違う。ちょっとでも足を滑らせたらお終いなんだぞ!」
「わかってる! しっかり身体強化して登るし滑らないように注意する」
「駄目だ。ぜーったい駄目! ナザエル枢機卿が登る。ローザリアの魔力なら何回も浄化すりゃあ端まで届く!」
「原因を調べなくちゃ! 一回浄化しても元に戻っちゃうかもしれないじゃない!!」
「⋯⋯」
無視を決め込んだまま背を向けるナスタリア神父にローザリアが言い放った。
「分かった。滝は登らない」
パッと振り向いたナスタリア神父にニヤリと笑ったローザリアが腕を組んで宣言した。
「だったら、空を飛ぶわ」
「ひゅ~、やるねぇ」
「てか、ローザリア様って空も飛べるんですか?」
驚きすぎて口調の乱れたジャスパーが口笛を吹いたナザエル枢機卿に問いかけた。
「できんじゃね? ローザリアだからな」
「ローザリア様ですから。一見の価値はありますね。風魔法の応用? それだけでは⋯⋯いや、もしかしたら⋯⋯」
珍しくニールがぶつぶつ呟いている。相変わらずの無表情に見えるがよく見ると目が少し輝いている。
「馬鹿な事を⋯⋯」
「風と土、風と空間⋯⋯どっちでもいけそう。水で打ち上げるのもありみたいだけど着地に問題がありそう」
ローザリアを睨みつけていたナスタリア神父が『くそっ、あーもー』と叫びながら頭をぐしゃぐしゃと掻きはじめた。
「勝ったな」
「元々負け戦でしたから」
「賭けときゃ良かったなあ」
「誰もナスタリア神父には賭けませんよ」
楽しげな会話が続く中、ナスタリア神父の溜め息が聞こえて来た。
「準備します」
「えーっとだな、提案があるんだが」
グレイソンの提案とはロープを持ったグレイソンが先に登り上でロープを固定。その後、全員を別のロープで繋ぎゆっくりと壁を登るというものだった。
「これならいざという時はロープに捕まれば落下の衝撃を減らせる」
「そのロープにローザリアを括りつけたらどうだ?」
「ナザエル枢機卿の言う通り良い案かもな」
グレイソンが打ち付けた釘を足掛かりにしてサクサクと崖を登って行く。上まで登り切ったグレイソンの姿が見えなくなり、暫くするとロープが落ちて来た。
ロープの端をしっかりとローザリアに括り付け、別のロープで全員を結んだ。
「さて、行くとするか。ジャスパー、ガラッと音がしたら直ぐに足場を出せ。ニールはローザリアを捕まえろ、ナスタリア神父はローザリアを離すなよ。ローザリアは我慢せず直ぐにストップをかけろ」
「「「はい!」」」
全員に指示を出したナザエル枢機卿を先頭にナスタリア神父・ローザリア・ニール・ジャスパーの順に続いて滝に張り付いた。
グレイソンが上から様子を見ながらローザリアに結んだ紐を引き上げる。引き上げるタイミングが速すぎればローザリアの足が浮き、遅すぎたらローザリアの手や足に引っかかる。
「ナザエル、すぐ上の岩に気をつけろ! ナザエル、右だ!! その先岩が飛び出してるぞ! スピードを落とせ!」
ゆっくりと慎重に⋯⋯グレイソンの声かけでなんとか登り切ったローザリアは安心して腰を抜かしてしまった。
「なんか空気が重いな」
「ああ、滝が枯れるに従ってここの空気が濁ってきた。前は気持ちのいいとこだったんだが、今じゃ長居したら具合が悪くなる」
ローザリアの目には湖全体を覆う黒い靄が見えていた。
ナスタリア神父が全く話を聞かない。
「下から浄化しましょう。場所はすぐ目の前なんですからローザリア様ならできます。高さがちょっと違う程度、なんの問題もありません。
ナザエル枢機卿は一回だけなら回復も使える実力をお持ちです。上の状況確認くらい余裕です。倒れたら放っておけば回復します。
死なない程度で働けばローザリア様の回復が間に合いますし、魔力は寝てれば溜まります」
「ナスタリア神父モードは狡い! それだと何も言い返せないじゃない!!」
頑ななナスタリア神父にローザリアが切れた。
(ほほう、いいぞ。頑張れ)
密かに応援しているのはナザエル枢機卿とニール。
ローザリアが我慢と遠慮する姿ばかり見てきたジャスパーと、ニコニコ笑い奉仕する姿と黙々と文句も言わず山を登る姿しか知らないグレイソンは目を丸くして口をポカンとあけた。
「モードって⋯⋯今まで登って来た道とは全然レベルが違う。ちょっとでも足を滑らせたらお終いなんだぞ!」
「わかってる! しっかり身体強化して登るし滑らないように注意する」
「駄目だ。ぜーったい駄目! ナザエル枢機卿が登る。ローザリアの魔力なら何回も浄化すりゃあ端まで届く!」
「原因を調べなくちゃ! 一回浄化しても元に戻っちゃうかもしれないじゃない!!」
「⋯⋯」
無視を決め込んだまま背を向けるナスタリア神父にローザリアが言い放った。
「分かった。滝は登らない」
パッと振り向いたナスタリア神父にニヤリと笑ったローザリアが腕を組んで宣言した。
「だったら、空を飛ぶわ」
「ひゅ~、やるねぇ」
「てか、ローザリア様って空も飛べるんですか?」
驚きすぎて口調の乱れたジャスパーが口笛を吹いたナザエル枢機卿に問いかけた。
「できんじゃね? ローザリアだからな」
「ローザリア様ですから。一見の価値はありますね。風魔法の応用? それだけでは⋯⋯いや、もしかしたら⋯⋯」
珍しくニールがぶつぶつ呟いている。相変わらずの無表情に見えるがよく見ると目が少し輝いている。
「馬鹿な事を⋯⋯」
「風と土、風と空間⋯⋯どっちでもいけそう。水で打ち上げるのもありみたいだけど着地に問題がありそう」
ローザリアを睨みつけていたナスタリア神父が『くそっ、あーもー』と叫びながら頭をぐしゃぐしゃと掻きはじめた。
「勝ったな」
「元々負け戦でしたから」
「賭けときゃ良かったなあ」
「誰もナスタリア神父には賭けませんよ」
楽しげな会話が続く中、ナスタリア神父の溜め息が聞こえて来た。
「準備します」
「えーっとだな、提案があるんだが」
グレイソンの提案とはロープを持ったグレイソンが先に登り上でロープを固定。その後、全員を別のロープで繋ぎゆっくりと壁を登るというものだった。
「これならいざという時はロープに捕まれば落下の衝撃を減らせる」
「そのロープにローザリアを括りつけたらどうだ?」
「ナザエル枢機卿の言う通り良い案かもな」
グレイソンが打ち付けた釘を足掛かりにしてサクサクと崖を登って行く。上まで登り切ったグレイソンの姿が見えなくなり、暫くするとロープが落ちて来た。
ロープの端をしっかりとローザリアに括り付け、別のロープで全員を結んだ。
「さて、行くとするか。ジャスパー、ガラッと音がしたら直ぐに足場を出せ。ニールはローザリアを捕まえろ、ナスタリア神父はローザリアを離すなよ。ローザリアは我慢せず直ぐにストップをかけろ」
「「「はい!」」」
全員に指示を出したナザエル枢機卿を先頭にナスタリア神父・ローザリア・ニール・ジャスパーの順に続いて滝に張り付いた。
グレイソンが上から様子を見ながらローザリアに結んだ紐を引き上げる。引き上げるタイミングが速すぎればローザリアの足が浮き、遅すぎたらローザリアの手や足に引っかかる。
「ナザエル、すぐ上の岩に気をつけろ! ナザエル、右だ!! その先岩が飛び出してるぞ! スピードを落とせ!」
ゆっくりと慎重に⋯⋯グレイソンの声かけでなんとか登り切ったローザリアは安心して腰を抜かしてしまった。
「なんか空気が重いな」
「ああ、滝が枯れるに従ってここの空気が濁ってきた。前は気持ちのいいとこだったんだが、今じゃ長居したら具合が悪くなる」
ローザリアの目には湖全体を覆う黒い靄が見えていた。
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