幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~

ninjin

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リプロの大冒険

第80話 誓約書

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 「カァラァ、殺したらダメだよ」
 「アイツらはルシスお姉ちゃんをバカにしたので死んで当然だ」


 リプロが冷静にカァラァを窘めるがカァラァは悪いことをしたなど1㎜も感じていない。


 「レ……レジーナ様、すぐに治療してください」


 レジーナは魔界随一の治癒魔法の使い手であり死後30分以内ならどのような状態でも蘇生することができる。今4人を救えるのはレジーナしかいない。


 「さきほどの提案を取り下げるのであれば、デットリーとその息子たちを救いましょう」


 レジーナはデットリーたちの侮辱する発言をポーカーフェイスでやり過ごしていたが、内心では腸が煮えくり返るほど怒りを感じていた。だからカァラァの行いを責めるどころか良くやったと心の中では褒めていた。


 「わかりました。前言撤回致します」
 「お母様、7年後の魔王総選挙には僕とリプロお兄ちゃんそしてルシスお姉ちゃんの3名で行うと誓約書を書かせてください。コイツらは信用できません」


 カァラァは冷酷な目でラファンを見る。


 「わかりました。誓約書を書かせてもらいます」


 カァラァに睨まれてラファンは生きた心地がしない。顔を真っ青にしたラファンはすぐに書類を用意して誓約書を書いてサインをした。書類を確認したレジーナは満足げな笑みを浮かべながら魔法名を唱える。


 「逆行タイムリワインド


 レジーナの治癒魔法逆行タイムリワインドは、対象人物の時を蒔き戻して怪我の治療や蘇生を行うことができる。時が巻き戻るので死んだことや傷を負った記憶はない。


 「グハハハハハハ、グハハハハハハ。ラファン、新魔王総選挙の誓約書を出せ」
 

 デットリーは自分が殺されたことに気づいていない。


 「早く書くのだ!僕が魔王になるんだぞ」
 「黙りなさい!」


 ラファンがデットリーとラースを恫喝する。


 「ど……どうしたんだラファン?」
 「ラファンおじちゃんが怖いよ」


 デットリーはポカンと目を丸くして、ラースは涙目になる。


 「今日の魔王会議は終了します」


 ラファンはまくしたてる様に魔王会議を終了させた。


 「ラファン、とても充実した魔王会議でした」


 レジーナは満足げな顔でラファンに声を駆けるが、カァラァはただらなぬ不気味なオーラを発して無言で会議室を出た。


 「ラファン、話が違うではないか!」


 デットリーは怒涛の如くに怒り狂う。


 「デットリー、落ち着け、落ち着くのだ」
 「ふざけるな!そう何度も魔王会議を開くことはできないのだぞ!やっとこぎつけた魔王会議をお前がダメにしたのだ」



 魔王会議とは魔王補佐官に提案をできる数少ない機会である。天上天下唯一無二の存在である魔王は絶対君主である。本来は魔王に提案することなど無礼千万だ。しかし、魔王の不在の15年間のみ魔王会議の開催が認められているが、魔王不在の15年間に3度のみと決まっている。しかも、魔王補佐官レジーナに拒否権があり、開催するかはレジーナの裁量に任されているので、開かないという選択も可能である。レジーナはラファンを信頼していたので魔王会議を開くことを認めたが、思いもよらぬ提案でラファンへの信頼は揺らぐこととなる。だが結果としては、息子のカァラァと魔王軍最強のポジションを担う魔王軍最高司令官デットリーとの実力差をまざまざと見せつける場となり満足した。


 「ラファンおじちゃんのせいで僕が魔王になれないよ」
 「約束が違うよ。僕たちが魔王候補になるはずだったのに」
 「みんな、僕に任せてよ!ルシファーさんの力で僕が魔王会議の続きをするように言ってくるよ」


 ラファンはデットリーと画策してデットリーの息子のうち誰かを魔王にする予定だった。しかし、カァラァの実力を目の当たりにしたラファンは芋を引いた。


 「みなさんお願いします。落ち着いて私の話を聞いてください!」


 本当は一番取り乱していたのはラファンである。しかし、自分自身のバクバクとなる鼓動を隠しながらデットリーたちに落ち着くように促す。


 「わかった。お前の言い訳を聞いてやろう。しかし、その言い訳に俺が納得できなかった時には命はないと思え」
 「そうだ!そうだ」
 「僕も許さないよ」
 「僕のルシファーさんの力でラファンおじちゃんをいじめてやるのだ」


 デットリーたちは言いたいことを言ってからラファンの言葉に耳を傾ける。

 
 「あなたたちは一瞬でカァラァに殺されたのです。私はあなたたちを生き返らすために魔王会議を閉会して、ルシス王女殿下を含めた3姉弟で魔王選挙をする誓約書にサインをしたのです」


 ラファンは経緯を説明した。


 「……本当か?」
 「私が嘘をつくメリットがどこにあるのでしょうか?」


 真実だと思ったデットリーは顔が青ざめた。


 私の弟たちはとっても強いのです!

 
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