幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~

ninjin

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ラストパサーとの出会い

第16話 復活のルシス

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 足元には雲のような真っ白でフワフワの地面、その地面からは甘い香がするチョコレートの木が生い茂り、葉はビスケットでできている。空はピンク色で、カラフルな紙に包まれたアメ玉が降っていた。ここは私の夢を土台として作られた異空間アナザーワールドだ。


 「お嬢さん、相変わらず摩訶不思議な世界の夢を見ているのですね」


 空が7色に輝くと7人の天使が美しい真っ白の翼を広げて舞い降りてきた。


 「はい。前世で食べたお菓子が恋しいのです」


 私は3年間ハードな修行をしていたので、夢を見る気力もなく死んだように寝ていた。今日は3年ぶりに夢を見たのである。


 「もうすぐ、私たち7人の能力スキルがお嬢さんに宿ります。そうしたら私たちの能力スキルを使って、夢を叶えるのも良いと思います」
 「はい」


 私は元気よく返事をする。そして、私は7人の天使との最後の談笑を楽しんだ。


 「ミカエル、時間だぜ」
 

 時計の針が12時を指し、ついに私は8歳の誕生日を迎えた。


 「時が満ちて黒から白、そして黄金へと成長した器が完成しました。黄金の器から無限に溢れ出る魔力に私たちの能力スキルを授けます」


 7人の天使は私を中心に円を描くように立ち、右手を私の頭に乗せて詠唱を呟いた。すると、胸の鼓動が加速してガクガクと全身が震え出す。私は歯を食いしばって、はちきれそうな体を抑え付ける。しかし、体内で爆弾が爆発したかのように細胞が外へ向かって走り出す。


 「うぅぅぅ~~~」


 私はうめき声を上げて、体から細胞が旅立たないように抑え付ける。


 「お嬢さん、がんばってください」
 「はい」


 私は怒鳴るように返事をする。
 私の魔石は黒より黒いペンタブラックだった。しかし、その魔石は金色へと変化したことにより拒絶反応を起こしている。でもこうなることはミカエルから聞いていた。私は破裂しそうな体をおさえつけ、苦痛に耐えながら1時間が経過した。


 「お嬢さん、よくがんばりました」


 私は新しい魔石との融合に成功した。


 「金の魔石は魔界にも人界にも存在しない神の魔石となっています。私たちが教えた通りに別の色にカモフラージュすると良いでしょう」
 「はい」


 魔石とはこの世界に住む全ての種族の体内に存在する。前世の世界で魔法が無かったのは、魔力を生み出す源である魔石が存在しなかったためである。私はミカエルの忠告に従い魔石の色を金色から緑色に変えた。


 「魔石の変色にも成功したようですね」
 「はい」

 「その元気の良い返事を聞けるのも今日で最後になるのはとても悲しいです」
 「私もなのです」

 「お嬢さん、お別れの時間です。元気に頑張ってください」
 「はい」


 私は過去一大きな声で返事をした。私の声を聞くと7人の天使は笑みを浮かべながら姿を消した。


 「……」


 天使の姿が見えなくなると同時に私は目を覚ます。


 「やっと魔力が戻ったのです」


 今にも溢れそうな魔力が魔石から全身に流れている。私は深呼吸をして魔力を制御する。


 「問題ないのです。魔力操作もスムーズにできるのです」


 3年間の修業の成果が体へ還元されているのも実感した。


 「なんや!なんや!」


 急にトールが目を覚ます。


 「トール親分、どうしたのですか?」
 「なんやルシス、まだ起きとったんけ」

 「はい。なんだか寝付けないのです」
 「そうなんや。それよか今さっきえげつない魔力を感じた気がしてんけどな」

 「気のせいなのです」
 「…………。そやな、気のせいやな。ルシス、はよ寝なあかんで」

 「はい」


 トールはすぐに眠りに着いた。


 「ちょっとだけなのです……」


 私は寝静まったみんなを起こさないように、忍び足で窓に近寄りゆっくりと窓を開ける。そして、音を立てずに窓から飛び降りた。


 「気持ちが良いのです」


 魔力が戻ったことにより、背中の翼を自由に出し入れできるようになった。私は翼を広げて星が輝く空を散歩することにした。


 その日の朝。


 「おはようございます!おはようございます!おはようございます!」


 結局、私は一睡もしていない。しかも、徹夜明けでハイテンションモードに突入してしまったので、みんなの布団を剥ぎ取り、元気よく挨拶をしていた。


 「ルシスちゃん、おはよう。起こしてくれてありがとうね」


 ロキは目覚めが良く元気に挨拶をしてくれた。


 「ルシス、おはようさん。お前は朝から元気やな」

 
 トールはまだ寝たりない様子に見えるが、目をこすりながら挨拶をする。


 「ルシスさん、おはようございます。今日はとても清々しい朝ですね」


 ポロンもさっと起きて窓際に立ち、気持ちよさそうに両手を広げながら挨拶をする。トールとポロンはすぐには起きないと思っていたが、仕事モードに入っているのだなと感心した。


 「ルシスちゃん、ちょっと昨日とは雰囲気が違うわね」
 「俺もそう思うわ」
 「そうかしら、昨日と同じルシスさんですわ」


 ロキとトールは私の異変にすぐに気が付いた。


 「実は魔力が戻ったのです」


 私は両手を広げて小さくジャンプして魔力が戻った喜びを現した。私のハイテンションモードは継続しているのだ。


 「どういうことやねん」
 「実は3年前に呪いで魔力を封じられていたのです。でも、今日めでたくお誕生日を迎えて呪いが解けたのです」


 私はハイテンションモードに身を任せて魔力が復活したことを知らせた。


 「ルシスさんは今日がお誕生日だったのですね。それは誠に喜ばしいことですわ」


 ポロンは私の誕生日を祝ってくれた。


 「ロキ、どえらい拾いモノをしたようだな」
 「そのようですね」


 ロキとトールは真剣な目をして小声で話し合う。


 「ルシス、今日の依頼に参加する気はあるのか?」
 「もちのろんなのです」


 願ってもない申し出である。


 「ロキ、かまわへんよな」
 「多少の不安はありますが、妥当な判断と言えるでしょう」
 「え!……」


 ポロンは目を見開いてキョロキョロとしてビックリしているようだ。


 「ルシス、飯を食ったらシュティルの森へ向かうで」
 「はい、喜んで」
 「え!……」


 ポロンだけが状況を掴めずにいたが、私はシュティルの森へ向かうことができたのであった。

 めでたし、めでたし。
 
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