幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~

ninjin

文字の大きさ
22 / 107
ルシス暴走編

第22話 闇依頼

しおりを挟む
 私たちは町長の屋敷へ赴いて、知り得た全てのことを伝えた。


 「キャベッジを救って下さってありがとうございます」


 キャベッジの町長であるカミラ・スペンサー男爵は深々と頭を下げてお礼を言う。


 「頭を上げてくださいスペンサー男爵。私たちは与えられた依頼を達成しただけに過ぎません」
 「いえ、あなた達はキャベッジを救ってくれた恩人です。きちんと感謝の気持ちは伝えたいのです」
 「安心するのはまだ早いやろ。黒幕に目星はあるんか」
 
 「トール、口のきき方に注意しなさい」
 「ロキさん、かまいません。トールさんが話しやすい喋り方で問題はありません」


 カミラ・スペンサー男爵は40代くらいの細身の女性だ。権力を振りかざすことなく、丁寧な口調で話す姿には好感が持てる。


 「黒幕の件ですが、ある程度の目星はついています」
 「そうか、それなら後は任せたで」

 「すみませんが追加の依頼を受けて頂けないでしょうか」
 「やっぱりそうなるわな」
 「スペンサー男爵、依頼内容を詳しくお聞かせください。内容の如何によってはお断りさせていただくかもしれません」

 「わかりました。まずは依頼内容を説明する前に、この町の現状を伝えたいと思います」
 「お願いします」

 「1年程前から天空神教の司祭からこの町に教会を建設するようにと圧力が掛けられています」
 「やっぱりアイツらか」
 「トール、黙りなさい」

 「天空神教は、神から神力を授かった【神の使徒】を、神の子として崇めるカルト教団です。最近は、国王陛下が天空神教を国教として認めると声明を出したことで、各地で天空神教の力が増しています。不甲斐無いことに、私の息子は天空神教の教徒となり、強引に教会の建設を進めているようです。しかし、私は教会の建設には断固として反対しています。私が町長の座にいる限り教会の建設ができないと感じた息子は、天空神教と協力して、この町を合成魔獣キマイラを使って襲わせようとしたのでしょう」
 「アイツらがやりそうなことやな」

 「平和なこの町ではキマイラを倒せる術はありません。多くの犠牲を出した私は責任問題を問われて、町長の座を辞すことになっていたでしょう」
 「バカ息子が町長になって、この町を天空神教の支配下にするって算段やな」

 「はい。しかし、天空神教の目論見はラストパサー最後の晩餐の手によって阻まれたのです。これは一矢を報いる好機なのです」
 「このキマイラが証拠ってことやな」

 「そうです。合成魔獣を作り出すことができるのは、天空神12使徒の1人、創造の能力スキルを授かったジュピターだけです。キマイラを作成しているとの噂はありましたが、成功していたとは驚きです」


 神から神力を授かった者は【神の使徒】と呼ばれ、天空神教で神の子として崇拝されている12人の神の使徒のことを【天空神12使徒】と呼んでいる。


 「俺らはキマイラをどこへ運べばいいんや」
 「ラディッシュのギルドへ運んでください。ラディッシュはこの辺り一帯を治めているコーンウォリス伯爵が住む町です。コーンウォリス伯爵なら、天空神教の悪事を国王陛下へ進言できる権限があるのです。お願いします。このままでしたら、今回の事件は教会の圧力によってなかったことにされるでしょう」

 「話は全て理解したで。しかし、その依頼は断る!」
 「そうですよね……。教会を敵に回すなんて危険過ぎますよね」

 「違うわ。お金がないねん。今回の依頼料はギルドに戻らないと手に入らへんねん。金のない腹ペコな状態で危険な依頼を受けることは無理やねん」
 「わかりました。今回の依頼はギルドを通さない闇依頼として、先に全額をお渡しいたしましょう」

 「ほんまでっか」
 「教会は証拠隠滅のために全力でキマイラの回収をするでしょう。そんな危険な依頼をお願いするのに、私だけ安全な道を選択することはできません」
 
 「その依頼、ラストパサー最後の晩餐が引き受けたで。ええよな、ロキ、ルシス、ポロン」
 「もちろんよ」
 「もちのろんです」
 「異論などありませんわ」


 全員一致で依頼を引き受けることになった。しかし、この依頼は非常に危険だ。キャベッジからラディッシュへ向かうにはパースリを通過する必要がある。このパースリという町は、天空神教の大教会があり、各地の教会のトップである大司教がいる。ロキたちがキャベッジに来る時は、天空神教とトラブルもなく無事に通過することができたが、今回は違うだろう。


 私たちは無事にパースリを通過できるのであろうか!

 


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

処理中です...